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古印葵じゃなかったら

 矢晴が古印葵じゃなかったら。 ということを考えてみる。そもそも物語が始まらないなあ……と途方に暮れるわけだけど。 矢晴が古印葵でないというのは、矢晴が漫画家でない、ということになるけれど。矢晴が漫画を趣味ででも描き続けていたらコミケかどこかで純と巡り合うことがあるかもしれないけれど、かなり途方もない確率になりそうな気がする。 古印葵に憧れてA誌でのデビューを志した純がいなくなってしまうから、純は別の雑誌でデビューしたものの鳴かず飛ばずだったりするかもしれない。純は純で、古印葵関係なしに売れっ子になっている可能性もある。 矢晴が古印葵じゃなかったとしても、家族問題に翻弄されてうつ状態及びアルコール依存にはなっていたかもしれない。けれど、そこに純からの救いの手は差し伸べられることはない。そもそも接点がなくて。 純が矢晴と会えたのは、そもそも純が古印葵のファンで、編集部でファンアピールをして会える算段を引き寄せた執念の賜物だと思うし、矢晴が古印葵でなかったらそんな執念も持ちようがなく、矢晴の窮状を知るすべもなく。 結局のところ、純と矢晴の接点がなくなればこの物語が始まらないので考えるだけ無駄なことだな、と思う。 矢晴が古印葵であって、純が古印葵のファンだったら、もし純が売れっ子じゃなかったとしても、矢晴の現状を知ったら一緒に住んで世話をすることを選んだだろうなと思える。 ただ、純が売れっ子じゃなかったら担当編集が漫画家の要望に便宜を図る、なんてことはなさげ。「古印先生のファンなんです」「へー、そーなんですね」で会話が終わりそう。その場合、どうにか打ち合わせの日程を聞き出した純が朝からずっと編集部付近で古印葵待ちをする図は容易に浮かぶ。怖い怖い。 そんなに売れてない漫画家が病人抱えたら半年もたずに共倒れにはなりそうな気がするから、純が売れっ子で良かったな。