使命感

 矢晴の家族のことを考えていて。

矢晴の家族は和気あいあいと楽しく話すような家庭ではなかったけれど、矢晴自身は姉とともに何不自由ない生活を送り、大学まで進学させてもらえるし、実家に仕送りが必要ということもなくて、実家に縛られて苦労するなんてこともなく、無口な両親から直接的な愛情やらを感じたことはないかもしれないけれど、健やかに自由に過ごさせてもらっていた感じ。

だけれども、育ててもらった恩は感じているものの、父親に殴られてから実家に帰ることもしなくなって(出来なくなって)、さらに、家族への興味が希薄だったがゆえに父親の性格の変化に対して、病気の可能性なども考えることもなく過ごしての父親の事件と病気の発覚があったものの、父親への見舞いにも行けない状態。

などを考えていて、矢晴が「使命感から逃げたい人生」と言っていた「使命感」ってのは、「親孝行」ということなのかな? と思い至り。

「使命感」という言葉の語釈からは、かなり大げさに聞こえるから、どうなんだろうな、という気はするんだけども。

矢晴自身が家族に不義理をしているから、本来しなければならない親孝行をしていないと気に病んでる感じで、別段しなければならないと思い込む必要もない気がするけど、思い込んでるのかなー? と思える。

家族の話をするときに恩とか感謝とかよく言ってるから、「親孝行しなければならない使命感から逃げたい人生」とするとしっくりくるかなー? と。


矢晴は漫画家として売れっ子になりたい子だとは思うから、A誌で賞獲ったんだからこれからもっと活躍してね、みたいにプレッシャーかけられて、その重圧から逃れたくてB誌に行った、みたいなことにはならないと思う。

人から期待されてるほうが評価されてるからとがんばれる子なのかなあ? みたいには思うんだけども。どうなんだろう。

矢晴の言うことがいまいちよくわからないので、矢晴にとって漫画とは……と悩んでしまうのだけれども。でもやっぱり漫画家として成功したいからB誌に行ったけど大失敗だった、ということではあると思うから、周囲のプレッシャーから逃れたくてB誌に行ったってことはないもんな、と思えるんだけど、どうなんだろうなあ……。


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