醜さ
死神についてあれやこれや考えているんだけれども、いまいち文章にならないので、先に矢晴の言っていた【第17話】の『約束と一緒に私達の醜さも認めろ』の“醜さ”について考えてみる。
矢晴の首筋に大きな大きなキスマークがあったんだから、純は「私達(純と矢晴)の醜さを認めた」ということになる。純は自分自身が醜い心で矢晴を囲ってるという自覚はありそうではあるんだけど、純は矢晴の“醜さ”とはなにかどう考えてるんだろう? とは思う。
矢晴は【第25話】で『背中に欲深く穢(きたな)い毒虫(呪い)がついたのはそのせいだ』と矢晴自身の心の醜さを表明してくれたように思うんだけど、それは純は知らないわけだし。
【第17話】で矢晴が蛸のように絡みついて純を誘惑している、と純は認識しているんだから、そういったところを矢晴の醜さと解釈してるのかどうか。
純が矢晴(古印葵)を好きだ、という気持ちにつけこんで甘え倒している、というのが矢晴の認識な気はするんだけど。あと金持ちに寄生してる、みたいな意識もありそうで、一切合切、矢晴の醜さ、とは思ってそう……かなあ? とぐるぐるする。
そこらへんの、矢晴が認識している矢晴の醜さを純が感知できるのかどうか。とはいえ、純が矢晴を醜いと思っていなくても、純は純の醜さを自覚してるから、それを認めるためにキスマークつけるんだろうな、と思える。
でもそうすると、純は「純の醜さ」は認めてても「矢晴の醜さ」は理解していないことになるから、約束の印鑑も半分嘘っぱちになってしまうんじゃないかと……、またぐるぐるする。
そしてまた、矢晴は「純の醜さ」をなんだと思っているのか、というところがまたまた疑問で。【第25話】で【第4話・第7話】当時のことを『ああ』『私はコイツに今から』『襲われるんだって思ったんだ』『コイツに襲われて死ぬんだって思ったんだ』と言っているけれども、純が矢晴を見捨てない約束をしたから「今はないとわかっているけど、当時はそう思っていた」と話せるようになったことだよな〜と思う。
その当時に思った『なにかとんでもない目的がないと優しくしてくるわけがないおかしいって』『その時はそう思ったんだ』というところの「とんでもない目的」を隠し持っているだろう純を“醜い”と思っての【第17話】なのかどうか。どうか……? 違うか……、あれ? 違わないか……? ん……? と盛大にぐるぐるする。
蓮華座云々あたりなんかはもう、汚い性欲をおきれいな言葉で包んで隠すな、ってな感じだけど、この時点で純に性欲感じてるのは矢晴で、矢晴が純にも自分に対しての性欲があれよと詰め寄ってる感じではあるからなぁ……。
読者としてはその後の純の独白で、とりあえずこれまで純は矢晴に欲情したことはないらしい(定かではない)と知ったけど、矢晴はそんなこと知らんわけだし……。
その後の矢晴の誘惑に乗っかってもいいじゃん、と純の頭のなかの純の思考は純の理性で矢晴にプロレス技かけることで純の暴走も矢晴の誘惑も止めたわけだし? でもあのドアノブガチャガチャしてんのが現実では矢晴の矢晴をガチャガチャしてたのかも? と思うと、矢晴が「ほらやっぱり純も穢い・醜い」とか思っててもおかしくはなさげ。なさげ……?
結局のところ、やっぱりそれぞれの醜さをそれぞれがどう認識してるのかは謎だなあ……、と途方に暮れる。近いうち純曰くで純ががっつり語ってくれんかな〜。
コメント