客観視カメラ

 矢晴は普段の思索に耽るときには頭の中に客観視カメラが複数台稼働しているということなんだけれども。

客観視カメラってなんなんだ? という気がしないでもない。

矢晴は自分の思考に対して反対意見を常に持つ、というから、客観視カメラで自分の思考を観察し、それに対して反論の思考が生まれる、ということになるのかなーとは思うのだけれど。

単純に、客観視カメラが頭の中で稼働している、と考えると、「他人への自分の言動に対して、他者がどう思うのかを思考してしまう状態」を想像してしまったりもする。

よくある少女漫画やら陰キャ系の思考やらで「嗤われるかも」とか「気持ち悪いと思われるかも・言われるかも」といった他者の反応をネガティブに想起する感じの。実際は全然そんなことないやつ。むしろ、そのネガティブ思考が相手を人として信用してなくて超失礼な感じするやつ。と、思える。

矢晴の客観視カメラは、それとは違うんだよな? と思う。よくわからない。

矢晴が普段独りで考えるときには客観視カメラが稼働している・他人としゃべるときには客観視カメラを停止する、と言っていて、純が、こないだまでその客観視カメラが壊れていただろ、と言うから、余計によくわからないんだよなあ……。

第13話参照、ということだから、たぶん矢晴の記憶と純の記憶の違い、矢晴の記憶が反芻によってどんどん歪んでいくことが「矢晴が記憶を反芻するたびに、壊れた客観視カメラで記録しなおすためにどんどん記憶が歪んでいく」ということになるのかな、と思う。

うん、よくわからないけれども。


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