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矢晴の凋落人生

  福田矢晴 古印葵 21歳 デビュー 22歳 A誌掲載、短編をいくつか描く 23歳 初めてのコミックスを出す A誌掲載、短編をいくつか描く 24歳 2冊めのコミックス(Unexpected Encounter)を出す E・B大賞の審査員特別賞とフランスのコミック賞部門賞を受賞 25歳 B誌に移る 企画が通らない。漫画を読まなくなる 26歳 貯金が尽きかけ、レジ打ちのバイトを始める 家賃滞納、電気が消えたりした 27歳 B誌で2年半、漫画の掲載はなかった A誌に戻る。担当が菊池になる 連載開始するも4話で打ち切りにする(※夏頃?) 家族と険悪な状態に、7年付き合った彼女とも連絡を絶つ 10回目の〓〓・漫画を描くのをやめた 28歳 秋の終わり1年以上疎遠だったA誌の編集部に呼ばれる 望海可純に出会う 無断欠勤でバイトをクビになる(人生5度目) 望海可純の家に引っ越す 引っ越した当日の夜、睡眠薬を多めに飲む 29歳 望海可純と同居 二年ぶりに漫画を描く 30歳 31歳 幸せになる 現状、わかってる範囲での矢晴のこと。デビュー作が【春眠の底】なのかどうかはわからないけども、純が大学生のときに読んでるから19歳くらいだったら矢晴のデビュー年かな。 『2年以上かけて幸せにする話』だから、たぶん31歳前後で幸せになってる筈。 凋落人生の一番の原因はやっぱりB誌に移っちゃったことで、そのままA誌にいたら、ドカンと跳ねるまではいかなくても、ふつうに漫画家でいられたと思う。担当との相性も良かったし。わりと自由に描かせてもらえてたし。ボツも少なかったし。 次の原因は、お金なくなってバイト始めるときにアシスタントを選ばなかったことかなあ。ここで漫画アシの道に進んでたら、B誌からの扱いはおかしいよって同業者から背中押してもらえたかもしれない。(ここで純のアシスタントになってたら、かなり萌えるかも)B誌に2年半もしがみついちゃったのは、かなり厳しい。 その次は、A誌に戻って、自分の意見を言わなくなっちゃったこと。ここらへんはB誌との2年半が大きく響いてるけども、『言う通り描かないと通されないし描く以外の選択肢はそもそもない』って考えちゃってるのが、ほんとに。睡眠時間まで削ってどんどんボロボロになっちゃって、病んじゃって。自分の意見が言えてれば、もうちょっとマシな状態にはなって、連載も...

空白の3年間

 純がデビューしたのと入れ替わるように古印葵がA誌から去る。その後、3年ぶりにA誌で古印葵の連載が開始されて、その漫画の出来に愕然とした純が布教のために立ち上がる。 その3年間、矢晴はB誌で掲載されることのない漫画を必死になって作ってたけども、2年半続けても成果がないからA誌に戻ってきた時に新しく担当になった菊池に『なにされてたんですか?』って聞かれても答えられず――という、かなり厳しい状況にあるわけだけども。 じゃあ、純はいったいその3年間なにやってたのよ? ファンとして! というのが、ちょっと気になる。 純のデビュー、連載開始と古印葵の移籍がほぼ同時だったのと、純が編集部で『もし私の漫画が嫌いだったら私が原因で来ないかもしれません』って言ってたことから、純は自分の作品が古印葵に嫌われてるかも、と考えてた可能性は高いなあとは思う。 古印葵を追いかけてがんばってA誌でデビューしたのに、本当にそうなら、辛い。 矢晴は純のデビュー作に衝撃を受けてはいたけど、純は22でデビューで、矢晴は21でデビューしてるんだから、デビューの年齢に対してどうこうってのはない気がするけども。先に連載を持ったのはたしかに純だし、初連載がずっと続いててアニメ化までしてるってのは、矢晴にとってはかなり劣等感を刺激しそうではあるけども。 もしも、矢晴がB誌に移籍せずにA誌で続けてたら、矢晴自身、作家性の違いとかにはすぐに順応して自分の漫画描けてただろうな、とは思う。矢晴自身、『遅筆だし』って言うから、週刊誌っぽいA誌で月1くらいで読切載せるくらいがちょうどよさげに思うし。そんで、謝恩会で純と会って、存分になつかれててほしい。 結局のところ、空白の3年間、純はあまりファンとして活動してるわけじゃなかったんだろうな、とは思う。「古印葵がいなくなっちゃった、私のこと(漫画)が嫌いだったかな」と思い悩んだりはしたかもしれないけど。 古印葵の次の作品を心待ちにして、定期的に情報を検索する、くらいはファンとしてやってそう。だけど、能動的にファンレターを送るとかはしてないかな。移籍先はわからないし、作品出してるわけでもないからB誌には送れなくても、A誌には折を見て送ってもよかったくない? と、思ったりはする。そしたら、矢晴はA誌から「ファンレター届いてるんで」って呼ばれて、なんだかんだで「戻ってこない?...

酒について

 第9話で純から家のことについて説明を受けてる時に、矢晴が『酒が入れられてないかチェックするってことか』って考えてるのが気になるのだけども。 「同居にあたって酒は禁止」って条件が付けられてたなら、そもそも矢晴は同居を拒否しそうだし、純は矢晴のことが心配だから「酒を飲むなら一緒に」って条件はつけそうな気がするけど、そこらへんの酒の取り扱いについては現状読者には明かされていないけど、「酒を飲んではダメ」ってのは矢晴の思い込みっぽいなあと思っているところ。 会って早々、酒奢らせて、飲みすぎて吐いたわけだし。『あのゴミ山の7割が酒って異常ですよ』とか言われちゃってるわけだし。 とはいえ、酒についてなんにも言われてないのに「管理される・チェックされる」って思い込んじゃってるなら矢晴の精神状態、ほんと大変だな、と思う。 純は、飲んでる時の矢晴の話聞くの好きそうだし、その時に話したことしっかり心に刻んでくれてたりするから、酒はダメとは言わない気がするんだけどなあ。

矢晴の感じる『呪い』って…

 純に抱きしめられた背中の感触がとれなくて矢晴が感じている『呪い』ってのは、そもそも、矢晴(古印葵)の漫画によって純が受けたものと同種かなー? と考えてみたり。 『見えない部分を触られたせいで』 『心の誰も触ってくれないところを触ってくれる』 ってのが、呼応する感じだなーと思ってたりする。 純は『これは慈愛』なんて自分すら騙そうとしてる気がするんだけど、「自分の知らないところでいつの間にか死んでるなんてヤダヤダ」って感じの我欲よな、とは思う。 純の古印葵と仲良くなりたい下心と年齢差につけこんだズルい矢晴に幻滅するでもなく、矢晴の部屋の惨状に、古印葵を認めない世の中への怒りを抱く純は、かわいいなと。 矢晴の背中に育つ虫が、いつか純の愛情できれいに羽化するのが楽しみだなーと思う反面、さなぎになりもせずに矢晴のすべてを貪ってしまうかもしれないという恐怖はちょっとある。 そういえば、ちょいちょい『カフカの「変身」を思い出す』みたいなコメントがあるけども、いやいや、カフカの「変身」ってそんな話ちゃうくね? って気分になるのだけど、どうだろう。 純の家には家庭菜園だとか温室だとかあるけども(温室で菜園してるのかしら?)、ぼちぼち元気になってきた矢晴が植物の世話をしながらスケッチしてたりするところを見てみたいなーと思う。やわらかい笑顔がむちゃくちゃかわいく純には見えるんだろうなあ、ふたりともかわいいなあ、と妄想している。

頭はいいけど策士ではないと思う

 純はかなり頭が良い、頭の回転が速い、と思うのだけども、“策士”ではないと思う。 割と異常というか狂気というか常軌を逸した思考、行動をしているように描かれているようには思うのだけど、単純に『古印葵への盲信・執着・偏愛』って感じで。 かなり一直線に古印葵のこと好きすぎて、古印葵を陥れるような策略はしないと思う。感情の切り替えはものすごくはやい、うまい、という感じはする。 四階をけしかけたのでは? といったことを言ってる人もいるけれど、四階の行動は偶然じゃないかなーと思う。(これから先の話で実はけしかけてましたとか明かされてもいいけども)意趣返しは、『大好きな古印葵先生に罵詈雑言投げやがっての怒り心頭からの仇討ち』だと思うし、担当から聞いていた『四階を叱るタイミングが難しい』ってことから、『古印葵先生と会える機会を作ってくれた編集部への恩返し』でもあるかなと。 すぐに編集部から立ち去らなかったのは、少しでも長く古印葵と話したいってのが大きな理由だったろうけども、クールダウンの時間をとってたとか? は考えすぎかなー? どうだろう。 銭湯の店主の急病も純が手を回したのでは? といったことを言っている人もいるけれど、これもまた偶然で『純の強運』って感じかなーと。 純が毎週編集部に行ってるのは、古印葵の情報を得られるように古印葵担当の菊池ともそれなりに良好な関係を構築するためって感じがして。本来なら『古印葵を潰した担当』ってことでかなりひどいことしかねない感じはあるけども、『菊池が編集部を辞めてしまった場合、古印葵の担当がいなくなる』という状態になることのほうが、純にとっては不利益しかない。 そんな地道な努力が実を結んで、古印葵と出会えたのだから、良かったね、純。憧れの古印先生に会えるからって、おしゃれに気合い入りすぎてたのもかわいいね、純。 古印先生の漫画、雑誌で読んでるのに、電子の単話でも買ってるって、ほんとに筋金入りのファンなのねえ、と微笑ましく。

作家さんについて

 溺英恵さんは商業作家さんの覆面PNになるのだけど。 作家さんご本人が、第5話(5月8日公開)で作家バラシというか匂わせというか仕込みをされてる。 大きなものだと、キャプションにも書かれたご本人のTwitterでのつぶやきだけども。(4月19日と5月4日のもの:純のインタビューとアシとのライン会話に反映) 第5話で純が着てるTシャツの柄も、以前にご本人がBOOTHで販売されてたTシャツっぽく。 こっちは深読みしすぎかな? とは思うけども、純がインタビューを受ける予定が書かれたカレンダーの日付(7月13日)が、ご本人の商業作品で主役キャラクターが「吉日だ」って認識してた日付だったり。 他にどんな仕込みがあるのかは興味あるけども、作家さんご本人の作品を全部読んでないので私にはわからない。そもそも作家さん自体も今回初めて知った方だし。とはいえ、私好みの作風の方だなとは思うので、近いうちに揃えて読みたいなとは思っている。 【売れうつ】がバズってた5月4日の時点で、『溺英恵の正体は?』ってweb記事が乱立してたので、それを受けての第5話の仕込みなんだろうけども、いまだに「正体は誰?」って言ってる人は見かけるので、検索しない人なんだなーと眺めてたりはする。 web記事のなかでもご本人のTwitterの発言を誤解しているものがあったり、ご本人の名前を間違っている(記事本文中正しい表記でサンドイッチした状態で間違っている、読み直せと思う)ものもあったりして、失礼極まりないなと思うものもあれど。 作家さんご本人が『この先5年は忙しい』とおっしゃってて、現在準備中の原稿が大幅にページ数が多い(各25ページ)とおっしゃってて、というのを考えると、週刊連載で5年分の予定があるのかな?(だいたい週刊誌の漫画は各回19ページ前後だと思われ。月刊誌だと30〜50ページと思われ。) そんななかで息抜きで、平均30ページ、40〜45回予定を描かれるってどんな天才? という気分にはなったりもして。すごいとしか言いようがない。 ただ、趣味で描かれるってことで、ページ数の制約がないのと、編集との打ち合わせや表現したいストーリーの強制的な取捨選択が必要ないのを考えると、純の言う『ネームを兼ねた下描き』と同じ状態でどんどん描けるということなのかな? と思う。 第1話はかなりラフな状態だったけども、話が...

期待する展開は

 更新が楽しみすぎるのだけども、これから先の純と矢晴の生活のなかで期待する展開をいくつか考えていたりする。 話の展開が読めるとか言いながら具体的なことを言わない人がよくいるけども、具体的なことを言わないのだからどんなものが出てきても「ほらね」って言えばさも想像通りみたいに装えて、小狡いなあと常々思っていたりするんだけども。 具体的に言ったことが制作側の人に察知されて、その展開だけを回避されたりする可能性を考えれば具体的には言えないとかもわからんでもないけども、その可能性を忌避するってよりは、やっぱり自分の想像が違ってたって状況を回避するための保身だよねえ? とは思う。 閑話休題。 矢晴が純からカメラをもらうエピソードが欲しい。そしてそのカメラで矢晴が最初に撮るのが純だったら、最高。 『きれいだな、忘れたくないなと思ったものをカメラで撮るのが日課で』と言った矢晴のことをしっかり覚えてる純だから、矢晴がもらったカメラで純を撮ったら、そういうことじゃないですか、純大喜びでしょー! と萌え転がれる自信がある。 そもそも、この漫画自体が、『これからする話は2年ぶりに漫画を描くまでの間にあった忘れたくない記憶の話』っていう矢晴の『漫画も忘れたくないと思ったモノや感情を取り込んで形にしてます』って漫画なんだから、純のことかなり好きになってるよね? と勝手に萌え転がれるわけだけども。とはいえ、同居から1年後の再度漫画描き始めたあたりの矢晴のメンタルが現状(同居前後)とそんなに変わってないことにはかなり安心はしている。 物語自体は『2年以上かけて幸せにする話』ということだから、矢晴が語るのは同居から1年で漫画を描くまで? と思えるのだけど、その後の幸せになるまでの1年ちょっとはどんな視点で描かれるのだろう…? とワクワクしている。 作品自体が【創作BL】ということで、BLでなかったら読み始めることもなかったかもしれないけども、このふたりに“BL”を求めてないな……という自分がいる。 “BL”自体が、男同士の“恋愛”“性愛”“性交”が主題になる、“エロ本”みたいなもんという認識ではあるから(“エロ本”として愛好しているけども)、純と矢晴の関係にそこらへん必要か? と懐疑的ではある。

更新が待ち遠しくて

 『久しぶりに見に行ったらいっぱい更新されてたー』なんて喜んでる人が羨ましいくらいに、更新が待ち遠しくて日参どころか毎時のように見に行っちゃうんだけども。 『忙しくなるから以降の更新はさらにゆっくりになる』とキャプションで書かれてるけども、これまでの驚異的なスピードと、一度『更新は遅くなる』的なことが書かれてからの1〜2週間での更新があったり、なんてことから、いつ更新されるかソワソワしちゃって、タイムラインで更新を知る(出遅れた気分)になりたくなくて、日参……いやまあ取り憑かれてるね…? って感じ。 他の人が語ってることを知りたくて、かなりの頻度と検索ワードを駆使して検索してるタブをいくつも並べてたり……うんストーカー気質……。 カラーイラストのキャプションから『次の更新は6年後』って思ってる人がいて、いやそんなことはあるめえよ? 『正式にペン入れし直す作業は6年後』って話よね…? と疑心暗鬼になったりもして。 更新が待ち遠しいです。第10話がとくに読みたいんだけども、最終話まで早く読みたい。

プレゼン下手な純が好き

 純は古印葵が好きだけども、他人への布教の仕方が下手っぴでかわいいなと思う。 矢晴に直接言ったようなことを盛り込んでプレゼンできたらきっと興味持ってくれる人は増えそうな…? というか、話題として盛り上がりそうな…? とは思えるのだけども、編集部で言ってたことは外部に対しても言えそうだけど、矢晴の部屋で言ってたことは内面にかかわりすぎてて他人には言えないだろうなと思う。 ついでに、純自身が矢晴の漫画を分析しきれなくて言語化できないってのが、純のプレゼン下手の根本なのかな。 とはいえ、アシのももせさんは、純の下手っぴなプレゼンにもかかわらずちょっと興味示してくれたいい子だから今後も大事にしてあげてほしい。アシの木戸は解雇してもいいと思う。

純情可憐な純が好き

 矢晴にだけ見せる、純の頬を染めた笑顔が好き。 編集部で会った時、矢晴に『優しい顔…』と思わせた笑顔や、もろもろ。こんな顔、矢晴にしか見せてないんだもの。純粋に矢晴(古印葵)のことが好きで好きで、って感じのかわいらしい笑顔。 今のところ、一番好きなシーンは、第9話。『こういう幸せを私にくれたのはあなただけ』のところ。 純の矢晴への献身を「無償の愛」という向きもあるけれど、私は「すでにもらった大きな幸せのわずかな一部を返してるだけ」ではないかと思う。 矢晴にとっては、自分の作品がそんな影響を与えたなんて思わないし、現状、どんだけ褒められても受け入れることができない精神状態だろうから、純に対して恐怖しかないのもわかるんだけどもね。

第9話を読むと第1話へと舞い戻ってのループが解けない

 現時点では第9話までとカラーイラスト1枚が公開されているのだけど、第9話を読むとその続きが読みたくなって第1話を読んでしまい、そのままループしてしまう人は多いのではないかと思う。 第1話、物語の始まりは、純と矢晴が同居してから1年後。さかのぼって同居1週間後、1ヶ月後。そしてさかのぼって編集部での出会いから、と話が続いていき、第9話で同居1日目が描かれている。 『いつもより多めに 睡眠薬を飲んだ』という第9話ラストの矢晴のモノローグから、第1話で描かれたベッドで歯磨きされて、台車で運ばれる矢晴……。 睡眠薬の過剰摂取によって動けなくなるのか…? と考えると、第10話が読みたくて読みたくて。 そんな状態の矢晴を見た時の純の反応が知りたくて知りたくて。 第1話では、すでに1週間後なので、同居翌日から1週間後までの数日間が第10話で描かれるのでは? と期待するのだけども、想像してしまう話はとうてい『ほのぼのライフ』とは程遠い気がするので、答えが知りたくて第10話が待ち遠しいわけで。

とりあえず。

 大好きになった漫画の感想や考察をつらつらと書きたくて登録したブログ。 溺英恵さんの【売れっ子漫画家×うつ病漫画家】に関することしか書きません。 5月頭にバズったときから読み始めて、すぐに虜になり、現在公開されている第9話までを何周も読み込んでしまう程度に大好きになりました。 続きが待ちきれない気持ちをぶつけるための壁打ちブログです。