空白の3年間
純がデビューしたのと入れ替わるように古印葵がA誌から去る。その後、3年ぶりにA誌で古印葵の連載が開始されて、その漫画の出来に愕然とした純が布教のために立ち上がる。
その3年間、矢晴はB誌で掲載されることのない漫画を必死になって作ってたけども、2年半続けても成果がないからA誌に戻ってきた時に新しく担当になった菊池に『なにされてたんですか?』って聞かれても答えられず――という、かなり厳しい状況にあるわけだけども。
じゃあ、純はいったいその3年間なにやってたのよ? ファンとして! というのが、ちょっと気になる。
純のデビュー、連載開始と古印葵の移籍がほぼ同時だったのと、純が編集部で『もし私の漫画が嫌いだったら私が原因で来ないかもしれません』って言ってたことから、純は自分の作品が古印葵に嫌われてるかも、と考えてた可能性は高いなあとは思う。
古印葵を追いかけてがんばってA誌でデビューしたのに、本当にそうなら、辛い。
矢晴は純のデビュー作に衝撃を受けてはいたけど、純は22でデビューで、矢晴は21でデビューしてるんだから、デビューの年齢に対してどうこうってのはない気がするけども。先に連載を持ったのはたしかに純だし、初連載がずっと続いててアニメ化までしてるってのは、矢晴にとってはかなり劣等感を刺激しそうではあるけども。
もしも、矢晴がB誌に移籍せずにA誌で続けてたら、矢晴自身、作家性の違いとかにはすぐに順応して自分の漫画描けてただろうな、とは思う。矢晴自身、『遅筆だし』って言うから、週刊誌っぽいA誌で月1くらいで読切載せるくらいがちょうどよさげに思うし。そんで、謝恩会で純と会って、存分になつかれててほしい。
結局のところ、空白の3年間、純はあまりファンとして活動してるわけじゃなかったんだろうな、とは思う。「古印葵がいなくなっちゃった、私のこと(漫画)が嫌いだったかな」と思い悩んだりはしたかもしれないけど。
古印葵の次の作品を心待ちにして、定期的に情報を検索する、くらいはファンとしてやってそう。だけど、能動的にファンレターを送るとかはしてないかな。移籍先はわからないし、作品出してるわけでもないからB誌には送れなくても、A誌には折を見て送ってもよかったくない? と、思ったりはする。そしたら、矢晴はA誌から「ファンレター届いてるんで」って呼ばれて、なんだかんだで「戻ってこない?」って話になったかもしれないのに。そしたら、現在の話始まらないから、なかったんだろうなーと思うけど。
BL的には、一番やっかいなのが、矢晴の『7年付き合った彼女も味方になってくれなくて連絡を絶って』という部分ではあるんだけど。完全に精神を病んでないと、矢晴は彼女と幸せになっちゃってて、純とは始まりもしないよねえ……と。
ちょっと精神病まないルートで純と出会わせたい感じの二次創作をしたく思っても、この彼女の存在がネックになって、ちょっぴり困る。
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