矢晴の感じる『呪い』って…

 純に抱きしめられた背中の感触がとれなくて矢晴が感じている『呪い』ってのは、そもそも、矢晴(古印葵)の漫画によって純が受けたものと同種かなー? と考えてみたり。

『見えない部分を触られたせいで』

『心の誰も触ってくれないところを触ってくれる』

ってのが、呼応する感じだなーと思ってたりする。

純は『これは慈愛』なんて自分すら騙そうとしてる気がするんだけど、「自分の知らないところでいつの間にか死んでるなんてヤダヤダ」って感じの我欲よな、とは思う。

純の古印葵と仲良くなりたい下心と年齢差につけこんだズルい矢晴に幻滅するでもなく、矢晴の部屋の惨状に、古印葵を認めない世の中への怒りを抱く純は、かわいいなと。

矢晴の背中に育つ虫が、いつか純の愛情できれいに羽化するのが楽しみだなーと思う反面、さなぎになりもせずに矢晴のすべてを貪ってしまうかもしれないという恐怖はちょっとある。

そういえば、ちょいちょい『カフカの「変身」を思い出す』みたいなコメントがあるけども、いやいや、カフカの「変身」ってそんな話ちゃうくね? って気分になるのだけど、どうだろう。


純の家には家庭菜園だとか温室だとかあるけども(温室で菜園してるのかしら?)、ぼちぼち元気になってきた矢晴が植物の世話をしながらスケッチしてたりするところを見てみたいなーと思う。やわらかい笑顔がむちゃくちゃかわいく純には見えるんだろうなあ、ふたりともかわいいなあ、と妄想している。


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