正解
だらだらと「循環」とか考えてたけど、そういやちょいちょい「正解」って言葉が出るな、と思って、正解を考えてみる。
純にとって矢晴の漫画は理想だからすべてが「正解」の世界なんだろうなと思う。
【第1話】で『矢晴は漫画描いて正解だよ』と言うし、【第3話】で『絵が映画みたいでページ全体のデザインがセンスがあって線はシンプルだけど確実に正解を選んでてカットの選び方とストーリーへの組み込み方と描き方…一番すごいと思ってます理想です』と言うし、【第11話】で自分の絵への不満を漏らしながら『正解の線だけ残せてないっていうか』と言っていて、矢晴の漫画や絵の描き方が純にとっての正解で憧れで、とずっと言ってるけど矢晴に届いているのかどうかはわからない。
矢晴は、B誌に移籍した辺りからずっと「不正解」「外れ」「間違い」の道を選び続けてきた感じがして、正解を選びたいと思っているのか、自分の選んだ道やしていることが正解なのかどうかを気にするようになったのか、【第23話】で『散歩をしている間は散歩だけをしていれば正解の世界になる』『気が楽だ』と考えている。
純の家で療養するのも「正解」だと思うんだけどなあ。
矢晴は、純は人生で「正解」だけを選んできて、売れっ子になってて金持ちになってる、とか思ってるのかなー? と思えるんだけども。
もし、純が正解だけを選んでこれたから今の状態、というなら、それを導いてきたのは古印葵だなあ、と思う。純は古印葵目指してA誌に来たわけだし。
わりと世の中、「正解」だけを選び続けたいとか、「正解」以外を選びたくない・失敗したくない、とかって感じで、身動き取れない状態の人が多い気がするんだけども、矢晴の理想の自立の前段階もそんな感じになってるなーって思う。誰にもつまらないって言われないくらいすごい漫画のアイディアを思いついてそれを誰にも文句つけられないくらいに正しく描いて、みたいな、土台無理なことを考えてそうな。
だから純の『何回失敗しても何十年かかっても君が有能なことを教えてやる』って言葉がとても好き。
人生たった一度の失敗で終わるわけでなし、何回失敗しても都度やり直せばいいし別の道を探してもいいし、何十年かかっても最後に成功すればそれは成功ですべてが正解なんだと思う。
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