身の上話

 矢晴は純と初めて会った日の居酒屋で『身の上話とかつっこんでこなくてすごく気が楽だった』と純の印象を語っているけども、純自身も自分の身の上話とかしたくなさそうな感じがするから、矢晴にも聞かない感じなのかしら? と思える。

ただ、矢晴も純の身の上話聞いてるわけじゃないから、純のことを両親に愛されてすくすく育って苦労したことがなくて、とんとん拍子に成功して今、みたいには思ってそうな感じがするかな? 私はけっこうそんな感じに思ったけども。

矢晴は自分自身の家族と仲が良くないから、自分と違う恵まれた環境の純のことは、家族仲が良いとは思ってるんじゃないかなー? とか、思ったりする。

同居5日目の純が実家に献本送って親戚に配らせる、とかも、家族や親戚と仲がいいんだな、くらいに思ったかしらん?

純は、矢晴のことは、「何年も連絡を取ってない姉がいる」「幼馴染の彼女と少し前に別れた」くらいしか知らなくて。矢晴は、純のことを、「一人っ子」「小さい頃に父親を病気で亡くした」くらいしか知らない。という感じかな。

矢晴は純の父親が純が小さい頃に亡くなっている、ってのをどうとらえたのかなー? と考えてみるけども、純の話す父親とその友人の関係、孤独じゃなくなる約束は“慈愛”って話に気を取られるから、純の性格形成に対しての父の死みたいのはあんまり考えが及ばない感じかな?

純の「人に欲情したことがない」性質については、まだ矢晴は知るよしもない状態だろうから、それを知った時に、『もうそれ性欲だろ』とか言っちゃったことについて、なにを思うのか知りたいなあ。

純は「これまでの人生で人間に欲情したことがない」状態ではあるから、これからの人生ではまだわからん感じだけどなあ。どうなるんだろう。


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