少年誌

 A誌は少年誌で、望海可純は王道バトル物を描いていて、古印葵は恋愛物を描いていて。

純の分析では、古印葵の漫画は、少年誌にありがちなラブコメではない、ということだし、少女漫画の技法も使ってるけど、少女漫画でもなければ青年向けでもない。少年誌に載っているにしても異色な漫画ということで。

純は『異質だった』と表現する。

純の分析を読む分には、矢晴に少年誌が向いているのかどうかは謎だなあ、という感じはする。でも矢晴は少年誌を選んで、そこで恋愛漫画が描きたいのだろうなあ、とは思う。

恋愛の物語が好きで、恋愛漫画が描きたいけど、『あと男が恋愛漫画描いてると「なんで男なのに少年漫画じゃないの?」ってしつこく聞かれてうざいから女の名前で女のフリするってのもあります。』ということらしく。

読み切りの短編ばかり描いて、まとまった単行本は2冊しかないけども、国内・海外の賞で部門賞をもらえるくらいには評価されてて。

最初の担当さんが良かったのが一番大きい気もするけども。古印葵の漫画自体が、玄人が絶賛するけど、一般からもてはやされるものじゃないから売れっ子にはなれない感じはすごくする。

けども。

A誌ではまだ古印葵を評価している、というか、使えない作家として切ったという雰囲気はない。矢晴がまた漫画が描けるようになったら、担当の菊池さんに連絡取って、またA誌での掲載を目指すようになるのかな? とは思える。

ただ、個人的には、矢晴は少女誌とか青年誌とかに移ってもいいんじゃないか、とも思うし、純との恋愛をふまえて、BLに転向するのもいいんじゃないか、とか思ったりもする。あと、雑誌だと掲載できる量の限界があって弾かれやすいかもしれないから、WEBに転向するとかもありかもなあ、とか思ったりもする。

最初の担当さんがどこに異動したのかはわからないけども、そっちに行ってもいいんじゃない? とか思ったりする。牧野先生と同じ雑誌だったりとかする? とか思ったり。

とはいえ、純は古印先生と同じ雑誌に載りたいからと、わざわざA誌目指して来たんだから、矢晴が復帰して別雑誌に行ってしまうとさみしいよな、とは思う。

純は古印葵がどこの雑誌に行っても、矢晴が漫画家として活動してくれるだけで大喜びだとは思うんだけども。やっぱり理想としては、望海可純と古印葵がA誌の二枚看板みたいになることかしら。王道バトルと恋愛物だからジャンルが競合するってことはないしねえ。

と、いろいろ考えてみたりする。


あと、純にやり込められた四階はその後アンガーマネジメントとかのカウンセリングやら治療やらみたいなことして、多少穏やかに、仕事もできるし人当たりもよくなってきた、みたいな感じにならんかな? とか、ちょっと思う。

そんで、A誌に復帰するために打ち合わせに来た矢晴にちゃんと謝るとか、打ち合わせのために編集部に来た純が穏やかになった四階見かけるとか担当から聞くとか、そんな感じのシーン来るかしら?


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