裏腹

 【第2話】で、矢晴が『行く気はなかった』と言いながら編集部に向かうために歩いているところが好きで。考えていることと心が求めていることが逆で、裏腹な行動してるところが、矢晴は本当は漫画が描きたくて仕方がないのだなあ、と心に訴えかけてくる。

『それで全部終わりにしよう』とペンを折るイメージだけど、それでもきっと漫画から離れられないだろうなとも思う。

ただ、心の奥底では漫画を描きたくて仕方がなくても、思考や体が拒絶してしまうだろうから、このままの状態では絶対に無理なんだろうなあ。心を引き裂かれて遠からず死を選ぶだろうなと、思えるし、自ら命を断たなくてもアルコールに溺れたまま死んでしまいそう。


漫画から切り離したら生きていけないだろうけど、漫画と関わるだけで病む。だから純の働きかけがとても有効な気がする。無理させてるわけでもないし。

【第10話】で同居5日目にネーム読んでもらえたのは、純にとっては断られるだろうって思って差し出したら思いがけず読んでもらえてアドバイスまで貰えた僥倖で。

【第11話】ではペンを持たせて漫画の話をして、本人に辛いかどうか確認して。

1年後には矢晴は漫画を描けるまでに復帰してるから、【第13話】以降でどんなことがあって漫画を描くに至ったのかが読めるだろうから楽しみではあるけども。そこまでの間にもいろいろと裏腹な行動とか出てくるんだろうなあ。

なにしろ、今は純への気持ちが「恋」か「依存」かその他のなにかか、曖昧にしたいと願って酒に逃避するくらいに混乱してるわけだし。気持ちと言葉と行動が裏腹になってしまうだろうなあと、期待してしまう。

「あーもう、ほんとは好きなくせに〜〜!」とやきもきしたい。裏腹な加減で矢晴の本心を計り知りたい。


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