救済

 福田矢晴は貧乏と病によって困窮しているところを、上薗純に物理的に救済されたわけだけど。

心の安寧を得るだとか、病が癒えるだとか、そういった方面ではまだまだ救済は訪れない感じ。なにをどうしたら救い出せるのかもわからないけども。

「救われる」ってなんだろな? とは思う。

宗教系の記事で「居場所があること」といった感じのをちらっと読んだけど、純は矢晴の居場所(もともと住んでたアパート)を奪って、純の家という新しい居場所を与えたことにはなるけども。

【第7話】の矢晴が言った『仮に私が純さん家に住んだとして…』『純さんの家から追い出されたら私はどこへ行けばいいんですか?』『その居場所を純さんは奪おうとしてるの分かってますか?』に対しての『その時は転居先をこっちで探して諸費用も全部持ちますよ』『難しいことはあとで考えればいいじゃないですかぁ』という純の軽さと胡散臭さに《にゃは》という笑顔が拍車をかけて、矢晴逃げてー!って気分にはなるのだけど。

ただ矢晴が住んでたアパートが、矢晴の居場所だったかと考えると、「ただ居られる場所」で「生きられる場所」ではなかったなあとは思う。純の家でなら「生きられる」のかというと、現状ではまだまだそこまでいってないなと。

矢晴にとっては、あのアパートにいるよりは絶対に環境は良いんだけど、純に養われてる現状が精神衛生上まったく良くない、みたいな感じだなとは思う。

【第12話】で矢晴が純でいっぱいになりつつあったし、「幸せにする話」だから純が矢晴の居場所になってくれるかなーと期待するけども、どうなるんだろう?


純と矢晴の関係を、安易に、「救う」「救われる」などと表現したくはないなと思っていたりはする。自分が「救う」ってなんだ? 「救われる」ってなんだ? と思っていて、わかっていないからだけども。


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