インプット・アウトプット
矢晴のインプット量が膨大で、なおかつそれを的確にアウトプットできる感じがすげえなあ、と毎度舌を巻く。
そしてそれを矢晴はあんまり自覚してないんだろうかなあ、という感じで、聴覚からのインプットに多大な難がありそうで、知覚情報の咀嚼にも難がありそうな山渕さんに、声に出す言葉で長々と説明しているのが、どうよ? みたいな気分にもなり。
やれる人間はやれない人間の気持ちがわからんとですよ。と言いたくなるが、矢晴はもっと視野が広くて配慮に長けた人だと思っていた。
山渕さんは「人生経験」と大雑把にくくって、「若いから無理」という結論にすがりつこうとしてる感じだけれど、単純にインプットと咀嚼が足りてないだけではある。ただ、脳の構造的にインプットと咀嚼が難しいだけで、それなりにインプットされているかもしれない。売れっ子のアシスタントできるほどには絵が描けるし、自分の漫画も描いてるみたいだから。
単純に「人生経験」でくくってしまうと、生きてる年数で勝負が決まるみたいな印象を受けるけれども、密度によって差ができる。
だから純が『経験が少ないならいっぱい調べたり考える時間を他人の100倍持てばいいってことだよ』とまとめたのも正しい。それを矢晴がものすごくにこやかに『100倍とか物理的に無理なこと言うな』『見たものを思い出すだけでいいんだよ』と蹴り飛ばしているのが、矢晴の天賦の才を見せつけやがってコンチクショーな感じ。あんた記憶力良すぎでしょ!
そんな記憶力いいのに、自分の漫画のセリフとか覚えてるわけねえとかなによ! ぷんぷん! 純の漫画読んだ時には「似たようなこと描いた覚えがある」って思い出してたでしょ! やっぱりちゃんと覚えてるんじゃないの! ぷんすか。
結局のところ、創作論の話をし始める前に矢晴の言った『「インプットした情報が不明瞭だとアウトプットも不明瞭なものしか出せなくなる」〜』が結論だったな、と思う。
コメント