ふたりの関係

 が、【第17話】でとりあえず、転換点を迎えたというのか、ひとまずの着地をしたというのか、リスタートのためのゴール、みたいな、ほんとに最終回ちっくだったので、ある意味、ここで終わったとしてもいい……くらいにはなっている。

それはそれとして次の話が読みたいんだけども。

今までが、古印葵のファンだと言ってくる「古印葵よりもはるかに売れっ子で金持ちな」得体の知れない漫画家が、なんの企みがあってか見返りもないのに、古印葵である福田矢晴の世話をしてくる、矢晴にとっては恐怖体験、という関係だったかなーと思うのだけど。

純が「二次元でしか抜いたことがないオタク」だから安心安全みたいなところで、出ていった蟲は矢晴の恐怖心だったのかどうか。

「性欲だろ」とふっかけて、誘惑して、それでも乗ってこないから、純は安全、みたいに思えたのかどうか……。純の内面では「実在する人間に欲情したことがない」とか「矢晴の肉には興味も性欲もない」ということだけど、それを直接矢晴が聞いてるわけではないから、矢晴が知覚できたのは思いっきり罵倒したら恍惚とした表情で『それがいいな』って言った純とか、誘惑したらプロレス技かけてきた純ってことになるんだけど。

いやいや、BLとして男性同士の恋愛関係を楽しみにしている身としては、純は矢晴に性欲ないし、矢晴は純に襲われるかも知れない恐怖がなくなった、ばんざーい、とはいかんのよ? 矢晴は純に恋してほしいし、純は矢晴にずっと恋し続けてきての今であってほしいのよ?

これからそうなるだろうからと期待してるから、続きが、続きが読みたいのだけども! 明日来たらいいのになー。

純が古印葵のファンで、本当に古印葵が好きで尊敬してて、みたいなところは、あの朝の会話で矢晴が実感したことだろうと思うから、純のことを「古印葵のファンで、売れっ子漫画家の望海可純で二次元でしか抜いたことがない童貞の、上薗純」くらいの認識にはなったのかな。騙そうとしてるとかそういう方面の恐怖心は完全に払拭されたと思いたい。

純と出会えたことを喜べるくらいに純に心寄せてるんだから、矢晴の純への恋心は健在だと思いたいんだけど、友人としてリスタートみたいな雰囲気にも見えるし、でもでも、矢晴から純へと伸ばして肩を抱いた手は、それなりになにかしらの感情、愛情がこもっていると思いたいけど、そして肩を抱かれるために縮こまってる純がめっちゃかわいいけど、その肩の抱き方は、矢晴が攻めみたいに見えるんだよねえ……。強い受けだ〜と喜んじゃうけど。

矢晴のなかで相手に触れる行為が恋愛・愛情寄りだったのが、この一晩で純のスキンシップは友情である的に転換されて、友情を返すといった感じに肩を抱いたのだとしたら、ふたりの関係を友情としてリスタート、みたいにはなっちゃうわけだから、ちょっとそれは、うううん、複雑……とか思える。

矢晴は純を誘惑するくらいに全部さらけ出したから、これからは好き好きアピールしていくんだ、って感じだったらいいのにな。どうだろな。


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