家族
純と矢晴は家庭環境からしてかなり違うよなあ、と思う。
矢晴は【第1話】『元々仲の悪かった家族とは人生で一番険悪な状態になって』、【第11話】『私は姉がいますが何年も連絡とってませんし』と、家族が不仲、疎遠な状態。
純は【第6話】で父親とその友人を想起し、【第10話】『実家に送る献本をつめてるんです』『8冊はアシに10冊は実家に送って親戚に配らせます』と実家と親戚があると言う。【第13話】『胃弱のおじいちゃんがガブガブ食べてた整腸剤みたいな奴なんだっけ?』という思考から祖父の存在がわかる。【第15話】で純がまだ幼いうちに父親を病気で亡くしていることが語られる。母親についての言及はいまのところない。
純のほうは、家族を亡くした、としても、家族仲は良好な状態であっただろうから、もし、純の両親、祖父母といった直接の家族がすでに亡く、ある種天涯孤独であったとしても、矢晴に比べたら幸福と言えるのではないかな? と思う。
仲の悪い家族がいるよりも、仲の良い家族の思い出を抱えた天涯孤独のほうがマシだろうかなあ、と安直に考えているだけだけど。
純と矢晴は、お互いの家族に関しての情報は「何年も連絡をとっていない姉がいる」「父親を早くに亡くした一人っ子」程度しか知らない、ということになるから、お互いに勝手に想像して「肉親や兄弟がいていいな」とか「仲の良い家族に愛されて育ったんだろう」とかは考えてそうかな? とは思える。
ぼんやりと純の帰省風景なんかを考えていた時に、売れっ子漫画家で金持ちになったからと親戚から金の無心をされるだとか、親戚の子どもたちに小遣いやらお年玉やらをしつこく強請られるだとか、人間の金に対する欲深さを見るのが嫌で帰省しないようになったとかいうエピソードがあったりするかもなあ? なんて思った。人間の品定めをするのを見るのもしんどい、するのも気分悪いと思うような純だったら、そんなこともありそうかな? と思えて。
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