介護

 純は小さい頃に父親を病気で亡くしている、ということだから、父親の介護的な世話はしたことがあるのかないのか。さすがにあんな小さい子が病気でやせ細っているとはいえ、大人を抱きかかえるとかはできなそうだから、そこらへんはしたことなさそうだけど。

胃弱のおじいちゃんが存命なのかどうなのか、はわからないけれども、中高生あたりのころには介護が必要だったりとかしなかったのかな? とは思える。

どっちも、抱きかかえる、という世話はしたことがなくても、排泄の手伝いとか処理とかは経験があったりするのかな? と思ったりした。だから、矢晴の粗相に動じないで、風呂に入れるとか汚れた衣服を洗うとかに抵抗がなかった、のかもしれない。

純自身がしたことはなくても、母親やヘルパーがやっているのを見ていて、対応を知っている、とかの可能性もあるけども。他人の排泄物に対しての忌避感とかがないところはいいな、と思う。

たぶん矢晴は肉親だろうと他人の排泄物を触るなんてこともしたくないだろうし、むしろ肉親と仲が悪いのだから余計にイヤだろうな、という感じもする。

純の故郷がどこなのかはわからないけども、「腰をいわす」という言葉がふつうに出てしまうあたり、西のほうではないのか……? と思える。大学在学中には牧野先生のアシスタントになっていたとかデビューして連載が軌道に乗って出版社の近くに居を構えるとか考えると、大学は東京で、一人暮らしをしていた、とも思える。

そうやって考えると、純も実家と縁が薄いという感じはある。介護が必要なおじいちゃんがいたとして、母親だけに任せて、上京してそのまま東京に家を建てて住む、と考えると、薄情に思えるのだけど、おじいちゃんや母親が元気なのかどうかもわからないしな。実家はあるらしいけど。


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