純の歪み
【第13話・後編】のお風呂シーンで矢晴が『私の頭の中もお前の頭の中も歪んでる』と言うけれど、矢晴は純のなにを見て、そう思うのかなー? というのが疑問ではある。
純は、矢晴に対しては、だいたい穏やかに優しく接していると思うのだけども。そんな人間いるわけがない、という意味での「歪み」だったりするかしらん? とか思いつつ、純が『歪みって人間がもつ脳内フィルターだろ』と応えるのも、矢晴の発言の意図とはズレてるような……? という気もする。
ただ、読者の私としては、矢晴が「純の頭の中は歪んでる」と言うと、「確かにーー!」と【第6話】の『これは慈愛』のシーンを思い出してしまうわけで。
見下ろしてる矢晴の泣き顔を映す瞳がぐにゃあって歪んで、思考の歪みを表現するかのようなフォントの歪みも効果的で。徹夜のハイテンションが手伝ったとしても純もたいがい歪んでる。
もともと、純は「他人」に対して、そんなに「良い人間」ではないし。「好きな人=古印葵=矢晴」に対しては、かなり「善い人間」であろうとしてる。そこらへんも「歪み」と言えるのかなー? とは思う。まあ、ごく普通の“人間”ということにはなると思うけども。
と、考えると純の言った『歪みって人間がもつ脳内フィルターだろ』という言葉が思い出されて、ああ、たしかに……という気分になる。
純は、「他人に対しての自分」と「矢晴に対しての自分」の違いや歪みに自覚的なのかなあ? 矢晴の前に出ると、知能指数だだ下がりなのも、わかってるかなあ? むしろ、矢晴の前でアホの子演じてたり……してたらヤダけど。
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