実家

 純と矢晴の実家のことを考える。


純の実家は、庭付き一軒家。そこそこ大きそうな雰囲気。庭にうさぎ小屋があって、うさぎの脱走防止にコンクリで地面埋めてるとかなんとか。うさぎをいつから飼ってるのかはわからないけれども。

純が20冊くらいもらう献本のうち、2冊は自分用、8冊はアシスタントに、残り10冊を実家に送って親戚に配らせる、と言うから、実家に2冊取っとかれたとしても親戚8軒あるとか? 地方の資産家か豪農で純の家が本家で分家がたくさん、みたいにも思える。純の家が分家でもいいんだけど。本家分家で親戚たくさんのイメージは変わらない。

お父さんは小さい頃に亡くなっているから、実家にはお母さんがいる。胃弱のおじいちゃんは存命なのかどうかはわからないけれど、もし亡くなっているなら、そこそこ大きなお家の実家にお母さんとでかいうさぎで、ちょっと寂しそう。

純はフルデジタルなんだから、実家でも漫画家生活できそうなのに出版社に通える距離に大きな家を買っているのは、出版社に通うためだったのか実家に帰る気がさらさらないからか。実家に帰ると後継ぎだからとか結婚とか孫がどうのとかせっつかれるのかもしれない。


矢晴の実家は、地方の団地。父親も母親も真面目で、家族全員大人しい平和な雰囲気だったけれども。姉も矢晴も大学入学で実家を離れて、父親の性格が変わり、矢晴は大学卒業後に父親から殴られたことで実家に帰ることをしなくなった。姉はそれ以前に連絡先もわからず音信不通になってしまっていた。

矢晴が27歳の頃に父親が事件を起こして犯罪者になってしまったことで、矢晴の母親は実家に戻り、団地も引き払ってしまったのかな、と思うと、矢晴の実家はもう存在していない。

母親は事件をきっかけに宗教だかなんだかにのめり込んでしまって矢晴は絶縁したみたいな感じだし、父親は事件後に脳腫瘍が見つかって、今は入院しているのかどうかもわからないけれど、矢晴は怖くて見舞いにも行けない。

姉とも父母とも連絡を取っていなくて、絶縁状態。


純は矢晴の家族については、絶縁状態みたい、くらいの認識から、矢晴に家族の話を聞いたことで、なぜどのように絶縁状態に至ったか、を知った。

矢晴はまだ純の実家がどんな感じなのかは、あまり知らないかな。献本を親戚に配らせる実家がある、父親はいない、くらいの認識。


純は今後も実家に帰るとかはなさそうな気がするし、矢晴には帰る実家みたいのはないから、純と矢晴で今後もふたりで暮らしてふたりの帰る家、みたいになるといいな〜って思ってて、老年期に庭に作ったブランコでゆらゆらするのを運動と言い張る純だとか、純に水泳を教えようとする美爺の矢晴だとか、長生きでふたりで過ごしていることが確定している未来までことこまかにふたりの生活が見たいわぁ〜って思う。


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