純の自信

 自信満々の純の自信はいったいどこから来るものなのか。

自己肯定感は激高な気はするんだけど、古印葵に憧れてて、理想で、自分の漫画や絵には納得いってなくて、自分のことを内心で「醜い純」と思っていたりする。性的に人間に欲情したことがなくて、孤独や不安を感じてもいる。それなりにコンプレックスとかある感じだけど、謎の自信が漲っている感じ。

『こちとら生まれた時から図々しい人間ですからね…』と独りごちるあたり、生来の図々しさが謎の自己肯定感と謎の自信を生み出しているのかもしれない。

両親から愛されて育ったゆえ? 周囲から好きな絵や漫画を褒められ続けたゆえ? 現状、描いた漫画は売れに売れ、大金持ちになったゆえ? と純の自己肯定感を高めてきたものを考えると枚挙に暇がない感じにはなりそう。

そんなに自分のことで挫折したとか否定されたとかはなさそうなんよね。

そもそも、生得的に図々しいから、他人がなにかしら否定的なことを言っていたとしても気にもとめない感じなのかなとは思うんだけど。アシスタントの無礼千万な物言いにはものすごい形相ではあったけれど。切り替えが早くて、忘れるようにしているのか、忘れはしないけれど別フォルダに突っ込んで以降見返さないみたいなものなのか。

でもやっぱり「世の中、古印葵を認めない馬鹿ばっか」みたいな意識はありそうなんだけどー。

純自身が他人に興味なさげに思えるんだけどなあ。好き嫌いもはっきりしてそうだし。好きなものにしか夢中にならないだろうし。

とかなんとか考えていると、純が矢晴に言った『私は描いたものを人目に晒す時決めてることがある』あたりの発言は、やっぱりなんだか純にそぐわん……という気分になる。

単純に私が「純は他人に興味がない」という印象に固執しているからなんだろうけども。あとこのあたりの発言が、【第20話】の純の話と矛盾するような……? みたいな気分にもなり。寝不足と矢晴に振られたでガッタガタなところからの言動だから、話半分なのかもしれないけれど。

純自身が本当にそう思っているのかどうかは置いといて、矢晴に正論ぶつけて説教してやる精神からの発言なのなら、まあ……うん……? そうね……、という気にはなるかもしれない。解説によれば、純の自信からくるズレた説教、ということのようではあるし。

その自信はいったいどこから来てるんだ、純よ。


個人的な偏見ではあるけれど、男の自信って、基本、女にモテるとか何人と寝てきたとか、そういうもので他者と優劣を測っているような気もするから、純があの容姿で女にモテてきたから自信が漲っているとかだったら、まあ、理解の範疇かしら? って気にはなるんだけど、純ったら人間に欲情したことがないことをコンプレックスのように語っておきながら別段童貞であることとかに劣等感はなさそうな雰囲気だし、他人に興味なさそうだし。

と思考のループに陥りながら終わる。


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