散歩道
純と矢晴の出会いの日も、出版社から住宅街の公園の横を通り、喫茶店、ミント色の柵を経て、居酒屋へと長い散歩をしていたけれど。
矢晴の心身のために遠目のスーパーまで散歩する道中には、大型店舗でも建つのか工事している囲いの遠く向こうには高架があり、小さなポールのある交差点、煉瓦っぽい塀、公園と、変わる景色が面白い感じ。
交差点の小さなポールは『ボラードっていうらしい』と純が言ってる感じで、ボラードというとハードボイルドな波止場で足をかけるアレか、と思いながら調べてみると車止めもボラードというらしい。そうなんだ〜と知識が増えた。それにしても小さなポールで、車止めとして機能しそうだけど、それ以前に歩行者に対して罠になりそう。矢晴がひとりであの交差点通ったら、あの小さなポールに躓きそうだな、と思った。
建築中の囲いは、なにが建つのか。日々、あの通りを散歩したら建物が出来ていく過程とか見て、楽しいかもしれない。純はショッピングが好きだからか、ドンキができてほしいっぽい感じ。かなり大きな囲いになっているから大きな店舗かマンションでも建ちそう。
同居1ヶ月目のあの日に矢晴ひとりで散歩に出されたときには、毛糸の帽子はかぶっているけど、着ている上着は薄そうで寒そうで、という感じだったけれど、遠目のスーパーまでの日課の散歩では、純が用意したんだろうフード付きのあったかそうな上着を着ていて、これは女性陣との会食の日にも着ていた上着なのかな?
矢晴の自前のジャンバーは寒そうだから、あったかいコートでもあげてほしいなと思っていたけれど、ちゃんとあったかそうな上着着て、毛糸の帽子かぶってと防寒しっかりしてるみたいでよかった。
でも、もう冬の最中で夕方なんてけっこう寒そうだから、手袋もあげてほしいかもしれない。矢晴の思考癖でポケットに手を入れていては危ないから。
とはいえ、「寒いね〜」って自然に手をつなぐための策なのかもしれない。
正月あたりには初詣ついでに神社まで散歩、みたいにするんだろうかな〜と思うと、これまた見てみたい。ふたりで迎えた初めてのお正月。見たいわぁ。
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