逆・狸の皮算用
純は毎度、おもしろい言葉を考えてくるな〜と思う。
言わんとすることはものすごくわかるけど、本当にそれでいいのかどうかは謎だなあ、と思いながら。
矢晴は、まだ描いてもいない漫画がつまらないものになるだろうし、人につまらないと言われるだろうから、描こうという気にならない、と言うけれども。
よくこれだけ、描かない理由を集められるものだ、という気もする。そしてまた、自分に重圧かけすぎにも思う。
そもそも、ここらの矢晴の、漫画を描く気になるための前提、が絶対にそんなことできないじゃん、ってくらい、高いハードルになってる。
「誰もが大絶賛するくらいの面白い漫画でなければ描かない」って感じの。描いてみなけりゃ面白いかどうかもわかんないのに、ナニイッテンダ、ってなるやつ。
今の矢晴は作品の内容に対する評価ですら、個人を肯定するか否定するかって思い込んでて、「作品が全人類に面白いと認められない=自分は才能がない、この世に必要のない存在」みたいな極論に走っているんだろうなあ〜と思える。作品に対する評価批評であってお前のことは言ってない、ってグーパンしたくなる。
そもそも、内容を評価される以前に、「つまらないと言われたくないから描かない」ってんだから、もー! 人に見せたらつまらないって言われる前提ってなにーー?
ってところで、1年後、描いた漫画を純に見せた時の【第1話】『こいつがどれだけ褒めようがそれが嘘だろうが本心だろうが関係ない』『この世が選んで認めるのは望海可純(こいつ)の方だ』ってメンタルーーー!
目の前でめっさ褒められてんのに……。矢晴ったら、面白いって言われようがつまらないって言われようが、どうせどうせ自分なんて、みたいな感じでめんどくせー野郎だな。ほんとにもーー。
病んでるからなんだろうけど、他人と比較して自分なんて、ってなってるところ、純にきっちり矯正してもらいな! とか思っちゃう。
いっそのこと、捕らぬ狸の皮算用を正しく、今考えてるこの漫画、超面白いから、人に見せたら大絶賛されてバズって単行本にしたら軽く百万部売れちゃうだろうなー、印税で何買おう〜、くらいのことを考えてもいいんじゃよ。なんか無駄な自信にあふれてて身の程を知れみたいに思うけど。
でも、こんな狸の皮算用しててバズらなかったらこの世の終わりみたいになりそうだからそもそも皮算用しないでほしい。
コメント