代替品と逃げ先

 過去記事にコメントいただいたので。

【第12話】『けどさ本当に探してるものの代替品がアルコールなんでしょ?』『それって普通だよみんなそうだもの』『目に見える現れ方がみんな違うだけでさあ』

【第23話】の純の『前と今の違いは』『巨大な不安の逃げ先を今は酒以外にできる』『それくらいじゃないのか』

とを、合わせて考えてみようかと思う。

【第12話】の同居3週間〜くらい。酒を探していたのかどうかは定かではないが、矢晴が物置部屋を荒らした感じ。私は、毎度、『それって普通だよみんなそうだもの』『目に見える現れ方がみんな違うだけでさあ』という純の言い方にプンスカしてしまうのだけども、今もプンスカきている。

なぜプンスカきてしまうのかというと、純が矢晴個人を考えずに「どこにでもあるとるに足らない事象」のように「みんながそうだ」と言ってのけてしまっている点で。矢晴がどんな思いで酒に逃避しているのか、を考えてくれてないなあ、矢晴自身も純にそこまで話しちゃいないんだけども。という、どっちもどっちだけど。

と思いながら、その後の矢晴の病気の話を聞いていたら、純が簡単に「みんなそう」って言ったことに反論してんだな!? むっちゃ怒ってるな? という気がしてきた。どうなんだろう。


「探しているものの代替品がアルコール」であるのか、という点で考えると、【第23話】で「矢晴にとってのアルコールは巨大な不安の逃げ先である」と純が理解したんだな、みたいに思った。

これは【第22話】で、矢晴がアルコールに依存して酒浸りになった理由を純に話したから、純が「矢晴にとってのアルコール」をしっかり考えてくれた感じがする。そして、『巨大な不安の逃げ先を今は酒以外にできる』という純の言葉が「私がいるよ」にしか聞こえないんだな、これが。純、素敵。


【第23話】で矢晴の漫画を描くことに対しての本音が語られて、不安が語られて、そこらへんを考えると、【第13話】での同居21日目の会話で、純の言葉から、「瓶が開かない」不安が増大して、【第12話】で不安から逃げるために酒を探した、という感じはする。断酒してからこっち、『今は酒という逃げ道が封鎖されてしまっている』と語られているし。

ついでに、開かない瓶の話をしていた時の切れた縄については、「命綱を切られた」印象も出てきた。

同居21日目から考えると【第23話】は、3週間経ったかどうだか、くらいで、これもまたかなり急速な印象。あの時は、純に全部やる、とか言ってたのに、今は、自分で描くとして、って話ができる。進展。矢晴ったら、純の大好きな憧れの天才・古印葵の才能を貶しまくりだけど。

純が「漫画を描かなくていい」って言い続けてるのに矢晴はずっと漫画を描くことしか考えてなくて、描かない理由を集めまくってるのが未練たっぷりでむっちゃ執着してて、ずっと好き。

でも矢晴自身、漫画がなくなったら自分じゃなくなる不安があるんだろうな。


と、なんだかあっちゃこっちゃと寄り道しすぎな感じがするけども。取り急ぎ。


コメント

匿名 さんのコメント…
プンスカの理由を説明してくださりありがとうございます。ようやく理解できた気がします!相手の立場に立って考えないと相互理解も進まないっていう矢晴の言葉をここに来て思い出しました。矢晴が家族の問題から逃げる為にはアルコールが必要で。純は矢晴の立場に立って考えることができるようになり、矢晴の現状が正しく理解できるようになってきた。
「巨大な不安の逃げ先を今は酒以外にできる」の酒以外って私(純)にすることができるよっていう意味だったんですね。
え…すごい素敵なのでは?