理想の自立
矢晴にとって理想の自立ってなんだろうなあ、と考えても、この才能を活かして漫画家になる、くらいしか思いつかない。純が考える矢晴の自立もそれしかないような気もする。
どこかに就職なりして、趣味で漫画を描いて楽しんで生きていく、とかでもいいけど、矢晴は自分のために創作できないんだったら漫画家になるしかないんじゃない? とか思うんだけど。ここらへんなんかいろいろ言いたいことが渦巻いてるけどまとまらない。
今『金持ちの家で金持ちに世話されてなんの心配もいらないぬるま湯の中にいる』ことをさも悪いことのように言ってくるけど、病気療養に最適な環境を与えられた幸運を享受して、とりあえず病気どうにかしてから考えろ、みたいなところがあるからなあ、矢晴は先を急ぎすぎなんだよ、ほんと。と苛立ってくる。そも、そういう幸運が舞い込んできたことでその先が恐ろしい地獄に思えているのだろうなあ、ってのはわかるけど。
こんな急ぎすぎる人がなんでB誌で2年以上時間かけてたんだよ……、と余談。
ついでになんか、この矢晴の「命かけれる」の命の軽さがムカついてくる。同居21日目の話のときにも、ぶつくさ言ってた気がする。今もぶつくさ言えるけど。
希死念慮でいつでも死にたいっていう感じの命の軽さではなくて、創作することを体よく回避するための命をかける発言に聞こえるんだよなあ。本気で夢中になって命削ってでも成し遂げたいとかいう状況になることはあるだろうなと思うけど、今までの矢晴、楽しくてどれだけでも無理ができる結果として寿命が縮んでもかまわない、くらいのスタンスではなかったか? と思うので。
とはいえ、同居21日目のときにも純に怒られてたけど、今回もしっかり純は道を正していって矢晴が本音を吐露できるようになってのカタルシス、って感じなんだよなあ、と思うと、漫画がうまい。
漫画を描けるくらいになったら働けるようになるかも。漫画を描くなら命かけれるくらいのものじゃないとダメ。ってすでに破綻してるのがおもしろいんだけどねー。命がけで描くならよそで働いてる余裕なんてねえじゃん。
自立を考えだした矢晴に、純が最高の職場を用意してくれるのが、とてもいい。けど、矢晴にとっては、金持ちの道楽のお情けみたいに思えてるのかもな、とも思えるくらい言い訳並べててちょっとおもしろい。
純は別に働いて金返せ、って言ってるわけでもないのに、金返す話にしようとしたり。『今の君にコンビニバイトは無理だろう!』『遅刻しない人がなれる職業だぞ!!』〈ドズ〉ってのがむちゃくちゃ好きだわ、純、よく言った!
そんで『何十年かかっても』って純が言ってる1年後にはもう、と思うと、これからなにがどんだけトントン拍子? とウキウキする。でも1年後のメンタルもまだあんなだから、まだまだなのかな。
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