安心と慢心
【売れうつ】は基本的に、矢晴視点から描かれているから、純の気持ちや本心はわからないのだけど、矢晴が一緒に住んでくれて、矢晴が笑顔を見せてくれて、純はすっかり安心しちゃったのかな? と思ってみたりする。
「自分はちゃんと矢晴の世話ができてる」と慢心しちゃってるところもある気がして。矢晴が部屋を荒らした時に『お酒 探してたんだ?』って声をかけるのはまだいいと思うんだけど、食事の時にもお酒の話題を出したり、矢晴の顔が赤くなってるからって『酒飲んでないよね?』って疑うようなこと言ったりは、アウトな気がする。
3時間以上もビデオ通話に夢中になって、矢晴ほっといたのもどうかなー? みたいな気はしないでもないけど。四六時中、矢晴のことを気にかけて世話をしてってのはまったく望んじゃいないし、純は純で友達との付き合いも大事だけどさ。
180分ずーっと楽しそうに誰かとしゃべってる純の声を聞き続けちゃった矢晴もどうかな? みたいな気はしてるけどね。ちょっと前までの矢晴だったら「後でいいや」って自分の部屋に戻って寝てた気がする。
ここはもう、どっちもどっちで絡み合って悪い方へと転落してしまった感じで。
チクチク言葉にしてもそうなんだけど、ほんと純は、考えなしにしゃべると失言大魔王だなあ。そういう性格だから仕方ないのかもしれないけども。
そうして矢晴の地雷の上を華麗にステップしてくのが上薗純なのかもしれないけど。
矢晴が純に惚れ始めてる感じがしてきて、お、いいぞ、と思ったりもしたけれど、なんだか今は、そいつはやめとけー!って気分にもなってきたりしてる。
いやいやいや、これは『幸せにする話』だから。たぶんきっとだいじょうぶ。
…………だよね?
コメント