切れた縄

 昨日、チャットで一人でだらだらしゃべりつつ、読み返しつつってやってて、やっぱりここよねえ、って気分になったのが、【第13話】の切れた縄のとこなんだけども。

純は、矢晴には『描けとは言いません』とか『漫画にならなくてもいい』とは言うけども、心の底では、古印葵の新作を望んでいる感じはある。そして、純自身はどうがんばっても『古印葵を紡げない』。だから、矢晴に「自分は今後描く気はないけど、お前に全部やる」とか言われても突っぱねるしかないような。

矢晴は純にすべてを差し出す気分で言ったのに、純に突っぱねられた、拒絶された、と感じたりしたのかもしれない。あと、純の言い方では、やっぱり生きることを強要してる感じはあり。生き続けて矢晴の世界を表出しろ、みたいに言われてる感じもするわけで。

んでも、矢晴が『全部お前にやる』って言ったときのいやらしー顔とか考えると、「お前に託す」って感じは全然しなくて、純の古印葵への気持ちを利用しようとしてるようにしか見えないから、純に突っぱねられてざまあ、って気分には。

純自身は、生涯添い遂げるつもりがあるんだろうから、矢晴を死なせるつもりもなくて、と思うと、切れた縄が象徴するのは純の矢晴を死なせない気持ちなのかなあ、とも思ったりするし。

矢晴はもう漫画が描けない、自分のなかの世界を表現する術がないから純に託すよ、ってつもりで言ったら、純に「表現することを諦めることを許さない」と言われたような感じだから、そこらへんで考えると“断絶”には見える、かなあ、とは思う。

いまのところ、このシーンに関連してなにかしらの解が示されてないと思うから、これからじゃないかなあ、と思うんだけど。

矢晴ったらここで純がちょっと声を荒らげたのを、純の攻撃性が自分に対して牙を剥いた、とは思ってなさそう。「漫画にならなくていい」って言われたことを「矢晴のままでいい」って言われたと解釈してたらいいな、と思ったりする。けど、同居1ヶ月目の夜の顛末を思い出すと、そんなことはないような気がする。

結局、矢晴が同居1年後には漫画を描いてるわけだから、矢晴が矢晴の世界を表現するのに漫画にする、という純歓喜な瞬間が訪れるのはいつかしら……? 何話先なんだろう……。どきどきわくわく。


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