使命感
【第11話】で『私は社会的で政治的なものは描けません』『もっと正直に矮小なものでいたい』『使命感から逃げたい人生だったし』と矢晴が語る。
矢晴にとっての「使命感」が何だったのかはわからないが、「自身に課せられる何かから逃れて、漫画という自分が正直であれる世界の片隅で過ごしていたかった」と解釈してみる。
漫画家としての成功も「使命感から逃れる」ために必要なものだったかもしれない。「漫画家」という職業を持っていれば、他を課されることがないから。何かしらの使命感から逃れたい、だが、漫画家としても道を踏み外し病んでしまった現状は、矢晴にとってかなり辛いのだろうな、と思う。
対して、純は、現状「矢晴を助けること」に使命感を抱いているのではないかと思う。【第4話】『この世があなたを見放して孤独にさせたなら』『孤独があなたを殺そうとするなら』『私があなたを忘れないでいることであなたを守ってあげられる』と語ったように、「古印葵=福田矢晴を忘れないでいること、助けること」が、純が自分自身に課した使命となっている。
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