【感想】第8話 零・クッション
ほのぼのライフ開始回。
思考停止状態で純の釣り針にかかった前回ラストの続きにはなるのだが、雰囲気が変わる。
矢晴が通っている銭湯が一週間休業になっているということで、純の家の風呂を借りることになり、純の車で純の家へ。純の車、マニュアル車かな。
純の家は風呂も広い。矢晴ガリガリ。かわいい。
純が勝手に服を洗濯しちゃって、矢晴に自分のジャージを着せる純。こやつやりよる……。ぶかぶかジャージの矢晴がかわいい。お風呂上がりでツヤツヤ髪なのもかわいい。
ピザにノンカフェインコーカ。ノンカフェインというところが、純の気遣いか。
自我を持ってる飼い主にも容赦ないロボット掃除機初登場回でもある。追いかけられてる矢晴がかわいい。ロボット掃除機たちも小上がりには上がれないからか、純が矢晴に和室に置いた巨大ビーズクッションをすすめる。
『ダメ人間がのっても変化ないですよね』『…………』『ダメにする…というより人をゼロにするクッションだと思えば』『矢晴さんにとっては今より良くなるクッションじゃあないですか?』というここの会話が好き。矢晴の卑屈な言葉に、『…………』って少し考えてから話すところが、良い。
ピザ平らげて、口の周り汚してよだれまで垂らしてクッションで寝る矢晴と、その口元拭いてあげてる純がかわいい。小さな3コマでさっさか片付けしてる純が、たったそれだけで家事能力高すぎってわかる。こんだけ手際よかったら矢晴のアパートの部屋のゴミ一晩で片付けれるわ。ほわー。
クッションで眠くなってる矢晴。どんだけぶりなんだろうなあ、ちゃんと眠れるの。って感じ。眠ってるとはいえ矢晴をひとりで置いてくの心配じゃなかったのかな? とかちらっと思うんだけども、買い物から帰ってきた純に矢晴が柔らかい顔で『……おかえり』って言って、それに純も柔らかい顔で『ただいま』って言う、このシーンが、すごい好き。かわいい。純の『こんな日がずっと続いたらいいですね』って言葉がすごくいい。再び眠りに落ちる矢晴をなでてる純がこれまたいい。でっかい手。
もうほんと、こんなふうにふわふわ幸せそうな日々でいいというのに、矢晴ったらもう。
『結局私は純の家へ引っ越した』の1ページで、その次のページの飛び跳ねる純と同じ気持ちになる。純、よかったね、憧れの古印先生来てくれて。
引っ越してきて、『人間らしく振る舞わなくていいですよ!』って言われて、矢晴が耳まで染めて柔らかく微笑んでるように見えるのだけど、嬉しいのかどうなのか、私にはこの顔の真意が読めなくて。かわいいことだけはわかるのだけど。
そして前話で生まれた蟲は矢晴の背中で大きくなってる。純に優しくされると大きくなる感じなんだけどなあ。
- 純の家の風呂を借りるため、純の車で純の家に
- 風呂上がり、純のジャージを着る矢晴
- 純のやったことリストを聞いて怯える矢晴
- ピザを食べながらゲーム
- ロボット掃除機に追われる矢晴
- 巨大ビーズクッションで微睡む矢晴
- 『……おかえり』『ただいま』
- 純の家に引っ越してくる矢晴
- 喜んで飛び跳ねる純
- 微笑む矢晴、育つ蟲
ほのぼのしてるのに、蟲が不穏な空気を醸し出し、先行きの不安を煽るんだけど。
やっぱりこの話、何度読んでも『……おかえり』『ただいま』のシーンが素敵で素敵で。矢晴がこうやってまったり過ごしてくれるだけで純は幸せなんだろうなあと思うのだけども。なかなかこの先のほのぼのライフでもそこまで無防備にはなってくれないし、「働かないと」的な考えがとれてくれないのが手強い。
前回の胡散臭い感じとは打って変わって、純が優しいし可愛いし。純の印象がコロコロ変わるのもこの物語の特色だなあとは思う。
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