分岐点

 矢晴の人生の分岐点はいくつかあるんだけども、ドツボにハマった今の状態じゃないと純と始まらないから、「矢晴と純が幸せになるには分岐点を間違え続けなければならなかった」って感じがする。間違え続けたからドツボにハマった今がある、ってことだけども。

【受賞後、B誌に移るか否か】→A誌に残っていたら、それなりに順調に漫画家として活動できたと思える。謝恩会で純と会ってなつかれる。

【B誌で行き詰まっている間のバイト先】→漫画アシの道を選んでいれば、B誌の待遇の悪さに早く気づけて、B誌に見切りをつけるのがはやまった。A誌に戻って、それなりに順調に漫画家として活動できたと思える。謝恩会で純と会ってなつかれる。

【A誌に戻ってからの連載中】→自分の意見を言えていたら、それなりに順調に連載を続けれたと思う。謝恩会で純と会ってなつかれる。

【A誌の編集部で純に会えなかったら】→担当編集の菊池に連載を投げ出したことを謝って、漫画家をやめる。

 →漫画と関係のない仕事に就いて、それなりになんとか生きていく。
 →漫画をなくしたことで、未練がなくなり、この世を去る。

【純の家に引っ越さなかったら】→純が通って世話をする。なんとか立ち直っていくか、自殺未遂でむりやり純の家に引き取られるか。


純が古印葵のファンとして、ファンレターを送り続けるとか、デビュー当時から古印葵の布教活動をし続けるとかしてたら、自分のファンが居るってことが目に見えてて、分岐点すら発生せずに矢晴はA誌で漫画家として活動し続けて、謝恩会で純になつかれてたかもなあーとも思えるんだけども。

そもそも授賞式で純がサインをもらいに行ってるんだから、矢晴は「古印葵の熱心なファン」を見てるわけで、それが「A誌に残る理由」にはならなかったんだから、純がどんな活動してたとしても「B誌に移る」っていう分岐点は発生しちゃったのかな。

矢晴は器用じゃないから「2誌でそれぞれ読切を載せる」みたいなことはできなかったのかもしれないけど、もし掛け持ちできてたら、一向に掲載されないB誌に見切りをつけるのもはやまっただろうになーとは思う。

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