コマ割りとリズム

 【第10話】の古印先生の漫画講座に感銘を受けた人はかなり多い印象。

漫画におけるコマ割りはものすごく重要で、コマ割りによって物語の受け取り方が変わる。コマとコマの間の空白の大きさですら、漫画の表現なんだよなあ、というところにも注目して、【売れうつ】を読んでみてほしい(他の漫画でも、注目してみてほしい)。

セリフのリズムや、画面配置のリズム。いろんなところにリズムがあって、それが狂っていると読み手にものすごく負荷がかかる。結果、読むのに疲れて読まなくなる。

これは漫画に限らず、小説や実写ドラマ、映画、アニメなどなど多岐に渡って、読者や視聴者に「いかに負担をかけずに物語世界に没頭させるか」というのは重要になってくると思う。

私は文字書きなので、小説表現に寄ってしまうが、文章のリズムのために、読点をどこに打つのか、語順をどうするか、はかなり考えていると思う。空き行を入れることですら、文章表現、時間経過、間のとり方としてかなり重要なので。

このブログでの文章は小説ではないから、かなりトンチキな場所に読点を打っているなと自分でも感じているが、小説ではないからいい。こういう文章で語りたいだけだから。


漫画だと、絵のリズムに合わせてセリフやモノローグの文章量も調節されていると思う。文章量が多いと文章を読むのに疲れてしまって絵をまったく見ていない、ということにもなりかねず、また短すぎれば、なにを伝えたいのかわからない、ということにもなりかねず。ちょうどいい塩梅を模索する日々だろうなと、思う。

コマ割りと、ページ単位の画面の見え方と、見開きでの画面の見え方と、左ページにあたる1枚の下部の次のページへのヒキと、ページをめくったときの右ページの画面と、漫画ってすごいたくさんのことを詰め込んでて、ほんとにすごい。


【売れうつ】はそこらへんも、かなり秀逸なんですよ。


ごくたまーに、誤字があって、それを直すと画面全体のバランスを崩しかねん……と思えるところがあったりして、もったいないなあ、と思ったりもするのだけど、それはそれとして。


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