純の異常性

 純の行動や思考が、怖いというか、常軌を逸しているというか、異常というか。

攻撃性の高さは、アシスタントのライングループ望海組を退会してしまうところや、編集部での四階への意趣返しが顕著なんだけども、『きれいな花を見つけたのにどうしてみんな無視するんだ?』と考えているシーンでの、きれいな花を見つけてきたイメージが、野に咲く花を愛でるではなく、きれいな花を手折ってきて握りしめてるところも、かなり怖い。

その手の中で枯れちゃって、きれいな花じゃなくなっちゃう……と思うと、矢晴のこれからがとても心配になってしまう。


ブックワインのインタビューや、アシとの会話、四階が古印先生の作品を『これ』と言った時とかの、逆鱗に触れたふうの一瞬の絶対零度を感じさせる表情とかも、純の異常性が垣間見える感じのシーンかなと。

アシとの会話では、その後すぐに切り替えてたけども。編集部での四階の一件では、廊下まで聞こえてきた四階の古印先生への罵詈雑言を打合せスペースの影で聞き続け、むっちゃ心落ち着けてから割り込んで、優しい笑顔で古印先生に挨拶できたのに、四階がまた余計なこと言うからキレちゃった、って感じはある。

四階への意趣返しは、純が生来持ってる分析・再現能力が自然と発揮されたことだろうなと、第9話での分析・再現の話聞いたときに、あーってなった。

純の感情の切り替えがすごいのか、心に渦巻く感情を表に出さないことに長けているのか、そこらへんがサイコパスとかいわれちゃうところなのかなーと思う。


あと矢晴を同居に誘うためにいろいろ考えて言葉を尽くしてたけども、矢晴の立場から見ても、読者の立場から見ても、『あなたの亡骸は私が拾いたいんです』『死ぬまで孤独じゃなくなる約束しませんか?』っていう言い方は、ふつーに怖い。口説き文句としてはけっこうキュンときそうな気もするんだけど、純が怖い。

矢晴が死にかけてる感じがするとか、もうじき死んじゃうとか、心配して「とにかく生きていてほしい」ってよりも、「私の知らないところで死なないで。私の目の前で死んでほしい」っていう気持ちが強すぎるのかなー。(そういう演出といえば演出なのかもしれないけども)

攻撃性とあいまって、純が矢晴を殺してしまいそうな気がしてしまうけども、未来は幸せで確定してるからそこらへんの心配はいらないはず。


純の「古印葵への執着」もけっこう異常なレベルなんだろうなあと想像するけども。こういう執着する側の気持ちはわかるし、特段異常とも思わないので、わからない。

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