【感想】第4話 荼毘・アルコール
今回は、編集部から散歩に連れ出されたところから。肌寒そうな風の吹く住宅街をだらだら歩いてる。
ペンネームの由来を聞いたりして、純はさくっと矢晴の本名ゲットするあたり、さすが純。
これ以上の同行を断るために矢晴が所持金の話をしたところにつけこんだ純も純だけども、夕食も奢るって言われてアル中で震える手と相談して、純の年齢にもつけこんで『酒が飲めるなら…行ってもいいかな』ってズルい矢晴がわりと好き。
居酒屋でかいがいしく世話をする純とか、ニコニコと矢晴の話聞いてる純とか、かわいい。矢晴のアパートの部屋(ゴミ屋敷)見て、怒りをたぎらせる純とのギャップがいい。『掃除するんで』ってむっちゃ怒った顔の純がかっこいい。
あんだけのゴミの量を、一晩で片付けちゃう純がすごいんだけど。寝てる矢晴を気遣って電気つけてないだろうし、そもそも電気つくのかどうかわかんないけども。
普段夜更ししないでちゃんと寝る生活してる純が徹夜で肉体労働してけっこう顔に疲労が出ちゃってるところの目元が好きだし、セットした髪も乱れちゃってるところが好きで。
どんなシーンでも表情でも好きしか言えない。
『私と一緒に暮らしません?』と人の布団に乗ってきちゃう純が必死でかわいい。面食らって白目になってる矢晴と、『え… マジの目じゃん…』って怯えてる矢晴と、と枚挙にいとまがないが、ここ一連、全部のコマが好き。
『なんであなたがこんな目に合わなきゃいけないのか納得できない』のシーンとか、矢晴の前では恋する乙女な表情が多い純が、このエピソードではかなり「男の顔」をしている気がする。その分高圧的で、矢晴の反発を生んじゃうのかなーという感じはするけども。
純の干渉をやめさせようとする矢晴の上っ面の説得から本音が漏れ出てくるところ、裏側の悲痛な叫びまで聞こえてくるようで、画面全体の構成もかなり好きなのだけど、多くの方が「矢晴の涙が下のコマの純の肩を濡らしているところが好き」と言っているけども、私もこのシーンはかなり好き。漫画だからできる表現。
『古印葵が死んだとしても』からの一連の口説き文句は、忘れられたくない見捨てられたくない矢晴からしたら福音というのか救いの言葉だろうし、一番言われたい言葉の数々だったはずで、すぐにでも絆されて純に縋り付いちゃうような雰囲気を出しつつ、ラストのページの純が怖いったらありゃしない。
なんだか純が矢晴を手に掛けそうで怖いんだけども、この真意はその後の上薗純視点で明かされる。
- 散歩する純と矢晴
- 居酒屋で吐くほど酒を飲む矢晴
- アパートに送られる矢晴
- 矢晴の部屋(ゴミ屋敷)を掃除した純
- 矢晴に同居を持ちかける純
- 本音を吐露して泣き出す矢晴
- 矢晴を抱きしめて祈るような哀願するような説得をする純
第4話は純が矢晴の現状を知り、同居をもちかける話で、矢晴の気持ちも純の気持ちも痛いほど伝わってくるというか、巧みに表現されている。
どこも好き。すてき。
そろそろ純の気持ちや背景が知りたいなと思うところで、次の話は上薗純視点になるといううまい構成。この話で矢晴が詳細は忘れたと語らない部分も上薗純視点で補完される。あーもう、漫画がうまい。
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