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6月, 2022の投稿を表示しています

純は金持ち

 デビューしてからの初連載作が大ヒットで、ぼちぼち初版100万部みたいな感じになりそうな売れっ子漫画家の純は、それはそれは金持ちで。 矢晴に同居してもらって療養させるのにどれだけでも金が出せる。 もしも、純がそこそこの、週刊連載に間に合わせるためのアシ数人は雇いながらも自身の生活でギリギリな漫画家だったとしても、矢晴を同居に誘っただろうな、とは思えるけども、純はバリバリの売れっ子だったので、余裕がある。 【売れうつ】自体がキャラクター設定やらストーリーの設定時点で、「売れっ子の金持ちと落ちぶれた元漫画家の貧乏人」なんだから、純は金持ちだから他人の世話ができるとかいうのは、違うよなあ、とうっかり蒸し返された思考をどっかにやりたい。もとよりスパダリ設定なんだから、金持ちじゃなきゃおかしいだろうて。そういう設定の漫画だぞ。ぷんすか。 古印葵に狂ってる純は、自分の生活がギリギリだったとしても、あの環境から矢晴を引きずり出すと思うけどね。 で、純は金持ちだから、自宅が大きいのもわかるんだけども。 一人っ子のわりに将来的には実家を継ぐ(家業を継ぐわけじゃなくて、実家自体を)とか親の介護のために将来は帰るかも、みたいな感じはなく、完全に独立してる雰囲気だよなあ、というのが、ちょっと純の実家方面への疑問ではある。ただ、純の性質で考えると、どのみち実家を継いだとしても純の代で終わる可能性は高いから、実家に住む人がいなくなったら畳んでしまうのかもな、とは思うし、実はすでに両親とも他界していて育てられた家を実家と言っているのなら、帰ることもなかろうな、という感じはする。 純はずっとこの大きい家に住むんだろうな、と思うし、住み替えとかもまったく考えてなさそうな感じはある。 純が『それに私は大きい家に好きな人を集めて一緒に暮らすのが夢なんだ!』と言っていたけど、それは「仲良しの友達同士での共同生活」という感じではなく、「経済的に困窮している友達や若い世代を養いたい」という話にも聞こえて、矢晴の純の家での療養もその一環、には見える。 ちょっと、金持ちの道楽みたいには思えたりする。でも、純としては『同情だけで他人の腹は心は満ちない』とずっと思っているのだから、出せる金があるうちは出せるだけ出すんだろうな、という感じはする。でも、世の中の全ての困窮している人を、なんてことはもとより出来ない...

安心させたい

 純が矢晴を「安心させたい」とか「どうすれば、どう言えば矢晴は安心するのか」とか考えてるのは、健気で可愛いなと思うのだけど。 『矢晴が望めばなんでもするよ』『なんでもするし』『なにしてもいいよ』とエロカッコイイ顔して劣情を煽るだけ煽ってきた状態で、『私は矢晴を安心させたいだけなんだ』と言うのは、お前結局なにしたいねーん! って飛び起きちゃうわね、そりゃあね、と思う。 「矢晴の欲望を叶える」と「矢晴が安心して不安なく暮らせる」は違うし。矢晴が安心するためには、純が無害で信頼できるって思わなきゃなんだけど、あのエロカッコイイ顔が矢晴フィルターかかってたとしても、アウトな感じはする。 『矢晴が望めばなんでもするよ』と純は言うけど、矢晴が自身の死を望んだとて、純はそれに手を貸すなんてことするわけがないんだから、「望めばなんでも」じゃないんだよなあ……とは思う。 ただ、ここは前提として「純は二次元でしか抜いたことがない(人間との性交渉はしたことがない)」けど「矢晴が望めばなんでも(矢晴とのどんな形の性交渉でも)するよ」というだけではあるかなとは思う。 その後、「孤独にさせない」「慈愛」「安心させたい」と話が続いたのが、純が下手打った感じはしないでもない。 でも、そこらへんの話をしないで「矢晴のことが好きだから」とか言っても、結局のところ、矢晴は飛び起きて純を責め立ててたんじゃないかなあ? とは思える。「好きだなんて甘い言葉で籠絡して操ろうとしてる、支配しようとしてる」とか言いそう。 はてさて。純は結局矢晴を安心させることができるのかどうか。というと、同居前、初めて矢晴が純の家に来た時は、満腹になって、ゼロクッションの効果もあってか、安心して微睡み、純に自然な笑顔で『……おかえり』と言った、その時間は、ずいぶんと安心して過ごせていたと思えるのだけども。寝惚けてたとしても、寝惚けられるほどリラックスしているわけだし。もうほんと『こんな日がずっと続いたらいいですね』なんだよねえ! でもって、矢晴は純の突飛な行動に対して不安を感じてることはあまりないようだし、スキンシップが密なときには笑顔も出るし、純が変なこと言わなけりゃ、それなりに。 とは、思える。 純が「変なことを言う」というよりは、矢晴が純の言うことをネガティブに変換して受け取っているから、純がなにを“言って”も、矢晴...

一線の超え方

 純は矢晴に「性欲だろ」と断じられて喜んではいたけど、別段、その時点で矢晴に欲情してたわけでもなく……。 一線、のラインがどの程度かによって、両者に恋心も欲情も興奮も必要なかったりはするなあ……と思いつつも、できれば、性的接触なり恋愛発展なり、して欲しい一線。 パジャマの裾を掴んで縋り付く矢晴のいじらしい泣き顔に、純がときめいたりしてくれてもよくてよ? とか思わないでもないが、そんな場面で欲情したりしたら矢晴に嫌われそうなので、そこまでの興奮はせず、普段の感じで「かわいい!」って思ってくれる程度でいいし、庇護欲掻き立てられて抱きしめてあげてくれたらいい。 純が矢晴を「かわいい」と思っているのは、明らかに恋心だと思うのだけど、純自身に恋の自覚がないから、「かわいいものを愛でる=慈愛」みたいになってたりするのかな? とか思ったりする。 矢晴のことを守りたい、助けたい、かわいい、世話したい、好き、全部ひっくるめて、純の辞書には「恋」がないから「慈愛」になる、みたいな感じではあろうかな、と思うんだけども。 性的接触なり恋愛発展なりで一線を超えるとして、純から行動を起こすことはないと思う。矢晴が襲われるのを警戒してることを純が知ったから、矢晴の同意を得ないで純がなにかするとは思えない。純が矢晴に好きだと告げて、なにかしら、という発展は期待したい。 でも、純は矢晴への気持ちを恋愛方面でとらえてはないし、矢晴が純への恋心の芽生えに恐怖して逃げ出したってことを理解してるのかどうかもわからないから、純から矢晴を恋愛方面へ導くってのが想像つかない。 ついでに、それだと、純が矢晴の気持ちを利用して、操りやすいように、支配して……みたいになっちゃうし、矢晴にもそう思われてしまう気がするから、ダメだよなあ、と思える。 矢晴が純に縋り付いて、離れないでほしいと懇願する中で、純のことが好き、とか、純と恋人になりたい、とか、言っちゃってくれると、いいなあ〜〜〜と思うんだけども、矢晴、言えるかな? ただ、矢晴が言えて、純がそれを受け入れても、矢晴はまた、矢晴が言ったから純が受け入れただけで気持ちはない、みたいに思いそうだから、二進も三進も。 純から言ってもダメで、矢晴から言ってもダメで、みたいな想像しかできないから、はやいところ、次の話が読みたいなあ……と思う。

純の実家

 純が子供時代、父親が生きていた頃を思い出すときの廊下やら障子やらの具合を見ると、そこそこ大きい家じゃないかなあ? とは思うんだけど。 父親が子供時代に亡くなっているわりに大学に行って、アシスタントやって、コミケに参加して、友達と旅行に行って、という感じは、苦学生な雰囲気はないから学費や生活費の心配もなさげな感じ? と思うと、実家はそこそこの資産家かなあ? と思える。 さっき、思いついたもしもの話で、純の母親はすでに亡く、父子家庭だったとして、父親の友人が言った『おめぇが死んだら骨は拾ってやるからよ』って、「骨を拾う(物理)」じゃなくて、「息子のことは任せとけ」って話よな? と思ったんだけども。 純が両親いない場合、実家ってどうなるんだ? とさらなる疑問が浮かぶ。 胃弱のおじいちゃんは健在だったら、まあ普通に実家として残るかなあ? あと、親戚に管理任せてるとか。 それか、純自身の実家はもうなくて、父親の友人宅に引き取られて育てられて、今はそっちを実家と言っている可能性、とかも考えてみる。それだと、実家を出て東京に大きい家建てるのもわかるかなー。実家とは言うけど、父の友人という純にとっては他人の家だし。 純からしてみれば、病気で死にかけてる父親に「がんばれ」とか「きっと治る」とか「息子のために生きろ」とかの励ましじゃなく、「さっさ死ね」言ってるみたいに聞こえる言葉はそれなりにショックだろうかな? とは思うんだけど。 意味のない励ましよりは、「後のことは任せとけ」って約束のほうが、余命幾ばくもない人にはいいんじゃないかなー? とは思える。父親もその友人も、余命を知っていて、純は知らなかった(子供だから知らされなかった)ということにはなると思うんだけども。 一般的に考えると、「愛」とか「家族」とか考えるときには「仲の良い両親」が一番に来そうな気がするけども、純の思考に「母親」が出てこないのが不自然に思える。すでに母親が他界している(純自身が母親を知らない)なら、物心ついた頃合いで一番身近で仲の良い関係は父親とその友人だった、のかなあ? と思える。 不仲の両親を見て育ったならあんな性格にはならんような気もするし、母親が元気なら「新しい家族」への欲求も出ない気がするし、でも家族を増やしたいなら出るか……。とまたちょっとぐるぐるしてしまう。 純の実家がどうなってるのかは...

そっちの心配

 6月最後の土曜日で期待はしたけど、やっぱり来ないかーと納得しつつ。 ここのところ、二次創作を3つ並行で考えてて、自分の頭のなかがとっ散らかってて、まとまらない。 そのうちの1つが、【第12話】で矢晴が飛び出した後から帰ってくるまでの純の行動、思考の話で、後で答え合わせできたらいいなーという気分で書いてるけども、なかなか進まない。 純自身は、これまで恋愛したことはないんだろうなあ、と思うんだけども。そしたら、矢晴の「チワワ何匹分」とかの発言を「矢晴の恋愛感情」に結びつけるのは難しいんじゃないかしら……? とは思える。自分にない感情から来る行動を想像するって難しいような気がするし。 ただ、恋愛として認識はせずとも、古印葵への「好き」という気持ちは友達への「好き」とも違っているのは認識しているだろうし、『私があなたを忘れないでいることで あなたを守ってあげられる』という気持ちとかは「愛」として認識はしてると思うんだけど。ただ、純のなかに「恋愛」がないから“慈愛”になってしまっているのかなあ? とは思う。 矢晴が純のことを性的に意識しているということを純が表面的に把握するのは、【第15話】の矢晴の『……襲われるのかと思った……』に対して『あ〜そっちの心配?』と答えたあたりのようには思えるけども、【第14話】の『ハグしに来なよ』『一緒に寝る?』辺りですでにわかっているのではないか、という気はしてしまう。 でも、それがわかってるんなら、軽率に肌に触らせるかなあ……? と考えると、純のことだから……で説明がついてしまいそうな気がしてしまう。だって、純だし。 矢晴は同居初日から、「そっちの心配」をしてるけど、矢晴が壁際に逃げて『もしかしてこれが…目的ですか?』と言ったのに対して、純は『ごめんなさい… これ…とは?』とわかってなさげではあり。 同居3日目夜の純の思考では『気持ちを言葉じゃなくて温度と感触で表さないと伝わらないかもな』と「心地よい皮膚接触(スキンシップ)、親しい人間との団欒」あたりで考えてるけど、そこに性的な気配はない感じだし、思いもよらない感じではある。 スキンシップ、団欒、で純が想起しているのは、純の父親とその友人の姿ではあるけども。なんかこう、純自身が“慈愛”を受けた経験から矢晴に“慈愛”を与える、というわけでもないんだよなあ……と思うと、純の父親とその...

42日……

 【第16話】の更新から42日経過して、これくらいの間隔は【第9話】から【第10話】の43日に近く。でもそれ以上の更新間隔も多いわけだから、どうなんだろうかな、とは思う。6月最後の土曜日だから、期待は大きくなるのだけど。 ただ今日は、ちょっと長時間の外出予定が控えているから、その間に更新されると乗り遅れる気分にはなるんだけども、そうやって余所事やってて乗り遅れるときに限って更新あるじゃーん! みたいなこともちょいちょいあったので、期待してしまう。 でもでも、期待してるときには来ないからなあ……とぐるぐるしながら。月1ぐらいの更新があると、いいけどな。 更新間隔を見てて、なんとなし、前話で受け取った純の印象を訂正するような回は更新が早いような……? という気分になった。 【第7話】【第8話】の同日更新なんかは純の印象がかなり違うし。【第15話】から【第16話】もそんな感じがして。 そう考えると、【第16話】の純は古印葵に狂ってたのが冷静になって真っ当な人って印象になってるから、次の更新まで期間が空いてもいいんだろうかな、という気にはなる。 ものすごいこじつけ状態だけども。 矢晴のあんな可愛い縋り付きからのオアズケ状態で、かなり飢餓状態になりそうなんだけども、はやく続きが読みたいねえ……。ぐずぐずに泣いて謝って薬飲ませてもらう矢晴とか見たいわぁ……。

一線を超える

 同居1ヶ月目の1日を描いているのが、時系列順に並べると【第12話】【第1話】【第2話】【第13話・後編】【第14話】【第15話】【第16話】と多く。次の【第17話】も同居1ヶ月目の夜がまだ続くだろうと思う。 コメントをもらったので、【第1話】で語られていた『最低限度の一線を超えてしまったのは』『望海可純の家に住み始めてから1か月目のことだった』の「一線」について、改めて考えてみる。 【第1話】の段階では、「粗相したこと」が「人としての尊厳の最低限度の一線」なのかな、と考えていたのだけども。 【第12話】で矢晴が純への恋心を自覚し始め、【第14話】でベッドに誘われ、【第15話】では矢晴の口から純の行動を「性欲」と断じ、【第16話】では純は「人間に欲情したことがない」とひっくり返され。 さて、「最低限度の一線」とは「人間として」なのか「性的な」ことなのか、判断つかない現状。なんかもう、ベッドで一緒に寝ただけで一線超えたことになってそうな気さえする……。 でもできれば、現在の憧れの作家(矢晴)とその信奉者(純)という関係から脱却して、矢晴と純がちゃんと向き合って、恋なり愛なりって方向へ進むような、なにかしらの一線を超えて欲しい。 いやもう、むしろ、矢晴が純への気持ちを「こういうことだよ」ってキスで示すとかあってくれてもいいと思うんだ!

薬飲んだ?

 【第16話】の『……夕食後の薬は飲んだ?』と正気に戻った純が矢晴に問いかけ、『聞いてない…。』と矢晴の現状を把握し、『服薬時間の遅れが影響して病症が強くでることってあるのかな?』と冷静に考えて、ついさっきまでノーテンキに古印葵に狂っていた自身の言動に青ざめるところが好きで。 このシーンにもけっこういろんな解釈があるなあ、とTwitterを眺めたりしている。 多くは「あるある」的な反応と、そこで薬のことを冷静に考えれる純を褒めてる感じで。 一部は、純が矢晴の言うことを「病気からの妄言」と突き放した、といった感じで。 一部は、純は「矢晴の病気からくる言葉が好きだと気づいた」と、いった感じで。 私の解釈では、後ろの2つにはちょっと異議を唱えたくなる感じではある。 純の好きな古印葵は誰なのか、と言ったら、矢晴が元気だった頃に描いた漫画の単行本2冊の古印葵なのだし。現状、矢晴のことを純は『彼の言動から察するに』『彼の自己肯定は一度破壊されてから再建されていない』と考えていて、矢晴のことを立て直そうと尽力しているのだし。 病気の状態から発されるのが古印葵の言葉、という認識にも至らないと思うんだけども……。 そしてまた突き放した、とも思わないんだけど、ただ、純はこの夜の矢晴の言ったことを、一旦、思案の外に置くだろうなとは思う。矢晴自身の思考から発せられてるにしても、言葉を選ぶ矢晴のフィルターを通してるわけじゃないし。 ついでに、そもそも、この夜、純が狂ったのは古印葵がどうのでもない感じが、しちゃってはいるんだけども。「自分の欲しかった言葉が、矢晴の口から飛び出してきたから飛びついちゃった」って感じで、それを『古印先生はどんな本よりずっと好ましい名前をつけてくれる』って古印先生に転嫁してるのはどうなのよ? って感じがする。 そんなところも純の可愛いところではあるけども、古印葵に狂い過ぎてて怖いところでもあるし、相互理解なんて絶望的な感じもしないでもない感じではあるから、ちゃんと冷静になれて、頭のいい純が真摯に矢晴に向き合ってくれてる方が、私は好きだな。

新しい家族

 【第16話】で『〈それ〉ができれば新しい家族を作れるらしい』と考えている純の「新しい家族」というのは、生涯を共にする伴侶と、自身の血を分けた子供ということになるのだろうか。『私には友達がいるから別に大丈夫』の「別に」ってなんなんだ、と思いながら、「新しい家族」を「友達」とほぼ同列に語るのならば、「長く一緒にいられる仲の良い相手」という程度にはなりそうで、家族らしい家族が欲しいわけではなさそう。 本気で「自身の血を分けた子供」が欲しいのなら、異性と〈それ〉をしなければならないし、相手が異性になるのなら、BLにはならないし、この作品はBLなのだから純は代理母でもたてなければ血を分けた子供を持てない。 純は結局なにが欲しいんだろう? と考えてみても、たぶん『孤独じゃなくなる約束』ができる相手で、男女問わず、なのだろうな、とは思える。それができれば誰でもいいのか、とも思えるんだけども。 純自身、人の好き嫌いは普通にあるだろうから、「好きな人」という条件は絶対だろうと思うのだけども、そこに恋愛と〈それ〉が必須になると、純には“できない”から諦める、みたいなことになるのかな。 純自身が「孤独になりたくない」だけで、矢晴を利用している、とすると、矢晴が反発したように『逃がしたくない支配欲』にはなるだろうなと思う。矢晴は純の愛情を信じてないからね。 矢晴は純の「人間に欲情したことがない」という性質を知りもしないから、自分や世間一般に当てはめてなのか、純の行動と気持ちを“性欲”と断じるけども。実際のところ“性欲”ってなんなんだよ、みたいに悩んでしまう。 純の「人間に欲情したことがない」という性質が、矢晴との触れ合いやら気持ちを通じていく過程で「矢晴には欲情する」になるんなら、R展開も期待できるが、矢晴との関係で「家族になるのに欲情する必要はなかった」と悟っていくとかだと、R展開はないんだろうな、という感じになる。どっちに転ぶんだろうか。 家族、というからには「友達よりも親密な関係」になっていくんじゃないかなーとは思うんだけど。純が矢晴と「新しい家族」になれたらいいのになあ、とずっと思う。

尽くしたい

純は矢晴に尽くしたいだけじゃないのかなあ……と、常々思うのだけども。 そりゃまあ『矢晴が望めばなんでもするよ』『なんでもするし』『なにしてもいいよ』なんて言い方は狡いし、怖いけど。 「赤の他人の介護みたいな世話」が「できる」わけじゃなくて、「大好きな古印先生である福田矢晴の世話」を「したい」んだから、純は自分の欲望に忠実に行動してると思える。 むしろ矢晴には純からの世話を『いつもの奇行だし好きにさせるか…』ってやりたいままにさせて、ほわほわ暮らしてくれたらいいのになあ、と思うのだけども。なかなかどうして、そんな境地には至ってくれない。 矢晴としてはたぶん、「恋人に尽くされる」レベルだったら問題なさげではありそうだから、純は矢晴のことが恋愛的に好きなのかどうかを確認したくてしょうがないんだろうな、とは思えるけど、恋愛感情はないとか言われたくないからえらいこと遠回りな質問するし遠回りだから欲しい答えは来ないし、はっきり恋愛的に好きだって言ってこないくせに劣情を煽るようなことばっかり言ってくるし、ぐるぐるぐる……って感じはとてもする。 だから、純が「孤独じゃなくなる約束」と父親とその友人の関係を話して『幸せそうで』『憧れたんだ』って言ったことに対して『相手を思い通りに……理想の一部にしたかったって素直に言えよ』って言い出したのは「それ相手は私じゃなくてもいいってこと?」って感じに聞こえてくるし、明らか「友達、親友」の域を超えない関係への憧れを語られてしまって、恋愛関係になりたい矢晴が辛くなってしまったやつだなあ、とか思ったりする。

それぞれの

 \祝/700記事目! 700記事目に初見感想入れれたらいいなーとか思ったけども、今週も更新はなさそうな……。ちょっとさみしい。ちょっとどころじゃないけども。35日前後の間隔が空いてるのはこれまでに3回くらいあるので、まあ想定の範囲内ではあるけども。さすがにあんなに可愛い矢晴を前にしてオアズケ状態は生殺しですわ……みたいな気分にもなるけども、『一緒に寝る?』からの111日とか思うとまだまだ甘いわ、みたいな気分にもなる。でもそんなに間隔あけてほしくない……。 これまでの投稿時間で考えると、一番多いのは「土曜日、昼1時前後」だけども、午前、昼、夕方、夜、夜中とまちまちではあるので、毎時更新確認してしま……う……。 さて。 純と矢晴の作中でのそれぞれの印象をちょっとまとめておこうかな、と夕方に考えていた。ぱっと思いつく程度のざっくりまとめだけども。 矢晴は純のことを 優しい顔で優しい人かと思った 四階への対応を見て、怖くなった ボディタッチが多い、距離感バグってる いつもの奇行 なにをしても怒らない、親切 漫画がうまい、売れっ子 古印葵に執着している くらいの把握かなー? 突飛な行動をしたりベタベタしてくるけど親切で優しい、けど怖い、みたいな感じかな。 純は矢晴のことを かわいいと思ってる、笑顔がたくさん見たい 古印葵 饒舌、思慮深い、言葉を厭う人 馴れ馴れしい人間が苦手そう 漫画がうまい、絵がうまい。理想。漫画の中で一番かっこいい。 くらいかな? 矢晴がかわいい、古印葵はすごい、くらいでまとまりそうだけども。 矢晴は純に『愚鈍と不出来を肯定され』『なにもできない身体を肯定され』と考えているけども、純は「否定も肯定もせず、受け入れてるだけ」だと思うんだけどなー、と思う。出来ないことや失敗したことを叱る必要もないし否定する必要もないし、肯定することもなく、ただ、「現状がそうである」と受け取り、受け入れてるだけの。ただ、矢晴にとっては、「否定されない、怒られない=肯定されている」というような0か100か、になってるんだろうな、とは思う。 矢晴はかなり多方面多角的に物事を考えられる人だったんじゃないかなあ? と思えるから、このうつ故の二極化思考とかは、それはそれは「愚鈍で馬鹿」と思えるくらい思考が狭くて浅くなってしまったと思えるんだろうかな、思う。 純は、矢晴が一番輝い...

今後の

 いまのところ、明らかにされていなくて私が気になっているのが、 ・E・B大賞の授賞式で、矢晴は純に会っているのか。純はサインをもらったのか。 ・【第13話】で同居4日目の振り返った矢晴が見た純の顔と、瓶のフタの話をされた時の矢晴の気持ち。 ・【第12話】〜の矢晴の言動(チワワ、恋人)に対しての純の気持ち。 といったところ。今後の話で明らかになるかしら? 矢晴の言動に対する純の気持ちは、純の言動からは、矢晴を全面的に(性的にも)受け入れる態勢が整っている感じがするんだけども、純のセクシュアリティは、そうもいかん感じがするんだが。ただ、純の気持ち的に欲情するしないに関わらず、矢晴の望みを叶えようとはしてそうな気がする。 前に書いてた 感じで、話が進んでる感じはするかなーと思って。純は矢晴を全面的に受け入れるつもりだろうけど、言葉選びがまずい。矢晴が欲してる言葉は「矢晴のことが好き、愛してる」って感じのことだろうし。【第15話】で純は矢晴に「矢晴は性的対象じゃないよ」って言っちゃったようなものだし、“慈愛”とか言っちゃって、矢晴を怒らせてるし。 矢晴は矢晴で、『お前にも嫌われるような人間に…』って嘆いてて。矢晴が素直に「純のことが好き」って言えば、どうにかこうにか両思いになれるのに。 次の話は、矢晴が純を引き止めたところからだから、矢晴が純に告白できるのかどうか、が気になるところだなあ。 気になるなあ。でも、そう簡単にラブラブモードにはならんだろうなあ……矢晴だし。

純の言うところの

 「人間」とは。 【第14話】では『人間ってみんなもともと子供だろ?』『子供の性質は人間の持って生まれた性質だよ』『性質は成熟過程で薄まりはしても消えはしない』『みんな死ぬまで持ってる』『君も私も』と、「人間の性質」について語り。 【第16話】では『生まれた時人は服を着ていなかったように』『思考も言葉を持たずに生まれそして言葉を選んで着る』『人間の脳はそういうものだと思う』と「人間の脳」について語る。 なんとなーく、矛盾しているようなしていないような……? ハテ。という気分にはなるのだけども。 この、純の言う「子供の性質」というのは、人それぞれの子供の頃から発現している生来の気質、性質、という話でなくて、「人間みんな子供のまんま」という意味での「子供の性質」なのかな? うん、「一生・ベイビー」だしな。 ただ、【第16話】の人間の脳の話は、多分に純が狂ってるので話半分で聞きたい感じではあるけども、「言葉を選ぶ」という判断が出来ている時点で、すでに思考するための言葉を獲得してしまっているわけだし……。 ただ「着る」という行動で考えると、あれやこれやと着替えることができそうな。なんでも好きなものを選んで着る、という感じではあるから、今着ている言葉を脱ぎ捨て、別の言葉を着込む、なんてこともできるのかもしれない。純は。 私は、人それぞれが成長の過程で「頭の中に各個人の辞書を持つ」と思っているから、読んだ本や人との関わりなどで、頭の中の辞書の語彙が増えるとか、語釈が変わるとかは普通にあることだと思っているのだけども。私なら、たぶん、頭の中の辞書に古印葵特集を組むみたいな感じかな? と思ったりするけども。 純の『私はあなたの言葉を着たい』は、そんな感じではない感じがとてもする。 『古印先生はどんな本よりずっと好ましい名前をつけてくれる』と言うから、思考するための基本の言葉、語彙ではなくて、語釈に対する見出し語、なのかなあ? という感じがする。純の辞書は語釈はあっても見出し語がないから、それぞれの語釈に合う言葉を古印葵につけてもらいたい、ということにはなりそう。ただ、それが「正しい解釈の見出し語、名前」ではなくて、正しくなくても「純が好ましいと思った名前」を採用してしまうのだから、どないもこないも……とは思う。 名前をつけてくれた古印葵とも意思疎通が不可能じゃないか、言葉の...

同居1ヶ月分

 ざっくり同居1ヶ月の生活と掲載話数をまとめる。( 純と矢晴のほのぼのライフ  の表の追記バージョン) 同居生活 矢晴視点 純視点 11/11 1日目 転居初日。睡眠薬を多めに飲む。 第8話、第9話 第13話前編 11/12 2日目 味醂・料理酒。通院予定を聞く。 第10話 第13話前編 11/13 3日目 この日も捨てた。療養計画 第10話 第13話前編 11/14 4日目 マウスウォッシュ 第10話 第13話前編・後編 11/15 5日目 ネームを見る「まだ古印葵は死んでない」 第10話 第13話後編 11/16 6日目 思考の共有。敬語をやめる。 第11話、第12話 第13話後編 11/17 7日目 温室で朝食。赤子のように世話された。 第1話、第12話 11/18 8日目 11/19 9日目 11/20 10日目 11/21 11日目 11/22 12日目 11/23 13日目 11/24 14日目 人間ドック 第13話後編 11/25 15日目 11/26 16日目 11/27 17日目 11/28 18日目 11/29 19日目 11/30 20日目 12/1 21日目 「固い瓶のフタ」 第13話後編 12/2 22日目 ※部屋を荒らす。病気の話、価値暴落 第12話 12/3 23日目 12/4 24日目 ※矢晴の病院、断酒を褒められた。 第13話後編 12/5 25日目 12/6 26日目 12/7 27日目 12/8 28日目 12/9 29日目 12/10 30日目 チワワ何匹分。酒を飲む。 第12話 12/11 31日目 粗相。風呂。純の漫画を読む。散歩。 一緒に寝る。 第1話、第2話、 第12話、 第14話、第15話 第13話後編、 第16話 【第15話】の純の部屋の時計で同居1ヶ月目が「12月11日」と判明したので、それに合わせて。同居1ヶ月目が同居開始と同日(11日)となる、として。 ※印は何日目、というのもはっきりしないので、とりあえずここらへん? で記載。 純と矢晴が編集部で会ったのが水曜日、純が掃除してゴミ出ししたのが木曜日、翌金曜日に純が再訪・純の家で風呂を借りる、なのだけど、再訪から同居開始までそんなに日数経ってないなら11月の3、4、5日になるかな。 カレンダー的に3日は休日にあたるからどうだろう……? という感じはする...

■【売れうつ】の二次創作(28)(小説)

【第15話】のエロカッコイイ純のとこから、矢晴がなにかしらえっちぃのを望むパターンを考えていたのに全然そっちに行ってくれないし、結局なにも進まないな……と途方に暮れた。 それでもなんかちょっと、本編の矢晴の言っていることに、なるほど……ってなった感じはするから、書いたことで解釈が進んだ気はする。気がするだけな気もするけど。 ■

地獄に仏

 なにかと宗教的モチーフの多い【売れうつ】だけれども。 最初に仏(仏像)が出てきたのは、純に同居を迫られて布団のなかで動けないでいるとき、かな。 『なにも考えずなにもせず全ての憂鬱が消えてほしい』の背景がブレブレの仏像なあたり、純の存在が地獄に仏かもしれないけど、虚像である、みたいな感じなのかしら? と考えてみたりする。 矢晴がアル中やらうつやらなんやらと病を得て、地獄のような悲惨な、無気力な1年を過ごしていたところで、降って湧いた純の援助の申し出は、まさに地獄で仏に会ったよう、といった感じはするけど、矢晴はそれが純粋な善意からの援助だとは思わない。 純の“慈愛”と言う言葉に恐ろしいものでも見たような表情で起き上がった矢晴が純に『性欲を慈愛だとか清潔な言葉で飾りやがって』『きったねえ欲望を蓮華座に乗せてんじゃねーよ糞野郎』と罵倒する背景には、蓮の花の上に乗せられた首が落ち溶けている仏像。 【第15話】の表紙は菩薩に扮した純が手に矢晴を乗せて愛で、そして食べてしまう図。 純自身は、矢晴を助けるという行為が「排他的で残酷。自分の残酷さを直視しない」としていて、『同情だけで他人の腹は心は満ちない』と思っているから、金も手も出す、ただし矢晴限定で、という感じだろうか。別に仏のような慈悲でもって憐れな人々を助けようとしているわけじゃないんだよなあ、と思う。 特定の一人だけを助けるのは、矢晴にとっては「善意からの行動ではない、それは欲望だ」という感じなのかなー? とは思うんだけど、純にとっては実際なんなのか判断できるだけの材料がないような気がする。「古印葵への愛」だけは確実にありそうなんだけど、最近その愛すらもかなり歪に見えてきて、憧れの尊敬する作家だけではない感じが、本当に古印葵の漫画は良いものなのかどうか……という疑惑すら生んでしまい頭をかかえる。賞をとれるほど評価されているという事実がどうにか踏みとどまらせてくれる感じはする。 矢晴がやたらと純に善意を求めているというか、特定個人だけへの援助を咎めるというか……これも自己肯定が破壊されている故、自分は助けに値する人間じゃないとか思っているからなのか。とかも考えるけど、もしかしたら、【第11話】で純がテキトーぶっこいたふうな『それが矢晴さんの漫画の才能ですよ』って言われたのに無意識に拘泥しちゃってたりするんかな……?...

 純には『執着の過ぎた好意』はバリバリあると思うのだけども、それが“性欲”に直結しているかと言うと、純の自覚では『実在する人間に欲情したことがない』。 純は『生まれてから今まで2次元でしか抜いたことがないオタクだから!』と言うから、「2次元(漫画・アニメ)には欲情する、3次元(人間)には欲情しない」と言えるかもしれないんだけども『実在する人間に欲情したことがない』という言い方が若干ひっかかる。 純のことを、脳みそだけで気持ちよくなれるから肉体の接触必要なさそう、とか思ってたのはあながち間違いでもなかったみたいだけども、こう思ってたから、抜くのか……という謎のがっかり感を得たわけで。抜くのか……。 “性欲”とは……と考えてて、性的欲望なのか性的欲求なのか……とか、だんだんこんがらがってくるんだけども。 矢晴は、純に欲情するのかしら? オキシトシン効果のオスの交尾行動がうんちゃらって感じで、実は純じゃなくてもいい感じとかあったりするのかな? いろんな欲望、欲求があるのは、やっぱり矢晴のほうって感じがするんだけども。そうやって欲が出てきた感じは、純の家で安心して暮らせてるんだなとかも思えたりはする。 純のほうは、古印葵を手に入れるまでは【純、曰く】でも純にそれなりに暗い欲望がありそうな描かれ方だったけど同居してからはずいぶんとおきれいな感じはする。きれい過ぎて怪しい、とも言えるかなあ? むしろ自己超越の領域に至っているような気がするんだけども、純。 【第15話】【第16話】で純の歪みの部分がちょっと見えてきた感じはするけども。“欲情したい”欲ってなんていうんだろうな……。 『死ぬまで孤独じゃなくなる約束』が死ぬまで添い遂げる方向だと、父とその友人よりも両親の関係に惹かれそうな気がするのに、父の友達の言動をがんばって納得できる形に構築してるあたり、父親とその友人の「男同士の友愛」が重要そうな感じがするんだけどな、純。 なんかこう、いろいろ考えていたら、矢晴自身も「7年付き合った彼女は幼馴染」というあたりに、ちゃんとした恋愛したことないんじゃない? という気がしてきた。すでに家族レベルで身近で親しい感じだったから惰性で付き合ってきたとかだったり……? とBL的に都合よく処理しようとしてしまう。本気の恋愛は純としてくれー! みたいな。矢晴が古印葵として描いた理想の恋愛を...

孤独

 『死ぬまで孤独じゃなくなる約束』をして孤独じゃなくなりたいのは、純のようではあるんだけども。 純自身がずっと一緒にいられる人を求めている感じではあるけども、その対象は誰でもいいのかどうなのか。そもそも純は、特定の誰かを愛したことがないっぽい。 純の古印葵への狂い方を見てると純は「古印葵を愛してる」から他に意識が行かないっぽい感じではあるんだけど。それが生身の矢晴なのか古印葵の漫画なのかは、まだちょっと純の中でも整理ついてないんじゃないかな? という気はする。 矢晴は誰にも助けてもらえなくて、多分に矢晴自身もマイナス思考によって援助を拒否してきてしまって、孤独になっちゃったんだろうなと思うのだけども。漫画家として小さいながらも賞をとってある程度の承認を得られたのに、その後漫画家としての露出もなく忘れ去られた存在になってしまったのもあり。 矢晴の孤独を癒やすのは、矢晴のマイナス思考による拒絶をものともせずにずっとそばにいてくれる人でもあり、矢晴のことを漫画家として認めてくれる人でもある、純が最適だとは思うのだけども。 純が自分の孤独を癒やすためだけに弱った矢晴につけこんだのか、というと違う感じはする。ただ矢晴は、そう思って、支配されてる、みたいには言うんだろうなと思う。 ただ、「ずっと矢晴と一緒にいたいんだよ」という気持ちを伝えるのが、超絶下手だったよな、とは思う。差し出す言葉が下手くそなうえ、受け取る側が歪曲させよるから、気持ちが届くわけもなく。みたいには思う。 純と矢晴とふたりで納得して『死ぬまで孤独じゃなくなる約束』を交わす時には、それはもうプロポーズで、“結婚”なんだろうなと思うんだけども。あの同居を迫った時と同じセリフでロマンチックにプロポーズする純が見たいな。

メンテついでに

 検索したりなんだりで見つけたファンアートとかをいつでも見に行けるようにページに纏めてはいるけども、ちょいちょい削除されてしまっていたりでなくなったりしている。 削除しないでほしいなあ、と思うけども、それはその人次第のことだから仕方ないね……と思うものの、むしろこうして纏めてしまっているからそれが原因で消されているのでは……と思うと、それなりに落ち込みはする。 引用やリンクが切れているのを表示し続けるのも晒し者にしているみたいでちょっとなあ……と思うんだけども、削除してしまえば「存在した事実」から消えてしまうのが辛い。「存在した事実」自体は私の記憶のなかにあるけども、私の記憶が未来永劫保つわけでなし。 晒し者にする気はさらさらないので、消されてしまったことを残念に思いながら、切れているリンクを削除した。あとなんだかんだ表示の書式情報がわやくちゃになっていたのを整えた。のが、こないだ。そしてまた1件消えているのを発見したのが今日。 こうして、「消されてしまう」という恐怖は、【売れうつ】自体にもあるんだけども。それとは別で、作者さんがキャプションで紹介されていた1作品が、支部から消されていたことがある。私がそれを見に行ったのはすでに消されていた後なのだけど、紹介されてすぐに見に行った方が紹介されていたリンクから行ったので、「確かに以前にはあった、けれど、そこから1ヶ月後には消されていた」ということになる。 実際どうなのかはまったくわからないので、勝手な憶測だけれども「【売れうつ】のキャプションで紹介されたことによって閲覧数が跳ね上がり、それを気味悪く思って削除された」、という可能性を考えると、以降、作者さんの好きな作品を紹介するようなコメントをしなくなっていることに勝手に納得のようなものをしてしまったりもする。 自分が好きだと表明したものが消えてしまうのは、それはそれは辛い。 純は古印葵が消えてしまった直後からのアクションは描かれていないが、戻ってきた古印葵の良さが消えて変容してしまった後に布教しようとして、誰も気にもとめてくれないという状況ではあったけど、それもそれで辛い。純は古印葵が消えたことに関与してはいないと思うんだけども……。授賞式でサイン求めた直後に雑誌から消えられた、というのは「自分がファンだと表明したら、古印葵が消えた」ということにはなるか……、...

恋をすると

 矢晴が自分のことを「馬鹿になった」と嘆いていたりするのを、私は単純に「恋をすると愚かになる」ものだものね、ぐふふ……とか思っていたりしたんだけども、「純に誘導されて知性化ができなくなっている」との考察を見かけて、またまた浅学を露呈して「知性化 とは」と検索したりした。 「知性化」の解説を見ていると、矢晴がそれをしていたのかどうかはわからないけども、純が父親とその友人のエピソードを語った時やら、古印葵の漫画を初めて読んだ時の純の分析の仕方とかが当てはまる感じがするなあ、と思ったりした。 知性化と一緒に「合理化」という言葉も解説されていて、【第16話】で矢晴が『お前のせいだよ私の脳がだめなせいだよ』と言っているのは「合理化」なのかな? と思ったりもしたけれど、別段それで納得してるふうでもないし、自分を責めるついでに純も責めてる感じだなあ、と思う。もうすでに錯乱状態な気がするし。 純も矢晴も「知性化」はしそうな感じがするけど、「合理化」はしなさそーと思った。でも、純の生活は能率的で合理化されてるな、と思う。 ちらっと解説サイト読むだけだから、結局よくわかってないけども、「恋とは、二人で一緒に馬鹿になることだ。」( 引用元 )って名言があるらしいから、純も矢晴も愚かになってイチャコラしよ? って思う。

誤解とか偏見とかなんか

 Twitterや支部のコメントで色んな人の色んな感想を見ていて。 キャラクターの名前を誤解している人が割と多いので、そういう人には一体どんな物語が見えているのか謎だなあ……と思うのだけど。 矢晴のことを古印先生といい、純のことを矢晴と呼ぶ人とかがちょいちょいいるんだけど。……なんで? たまに単発で名指しでなんかそのキャラにそぐわないんじゃ……? と思えるような感想を見かけると、これはどっちだ……? と悩む。名前を間違えてるから違った感じがするのか、名前は間違えてないから私と完全に真逆の解釈になっているのか……。 名前の漢字を変えている人は、単純に間違えているのか検索避けかと思ったりもするけども。検索避け方面で完全に暗号のような書き方をされると検索にひっかからなくなって私が読めないから残念に思ったりもするけども……。(自分が暗号のような書き方をするのを棚に上げる) 描かれていることを読み解けていない人もちらほら見受けられる。解釈違いとかの話ではなく。私と違う解釈をされている方とか、私が持っていない知識に基づいて読み解かれている方とかの話は「もっと詳しく!」と突撃したくなるくらいありがたく拝読させていただいている。 ここで「描かれていることを読み解けていない」というのは「明らかに絵でしっかりと描かれているけど見落としている」みたいなところ。【第11話】で矢晴がクロッキー帳の上の蜘蛛に手を被せているけど、それを純の手だと思っている人を見かけたことがあり。その時、純は両手振り回してたり、両手で矢晴の肩さわってたりするけどなあ……と思ったりした。 Twitterだと、この作品の読者層として想定されてなさ気な人とか明らかに向いてない人とかが、ちょいちょい否定的な意見を書かれているのも見かけるけども、ちょっと四階みたいだな、と思ったりもする。「どうせBLだから扱き下ろしてやろう」って前提があるみたいな書き方とかされてたりするのが、見ていて面白い。そういう前提がなさげな、素直な否定的意見もあり、それはそれで興味深い。 この作品と作家さんの本業名を並べて、「この作家さんすごいんだよ」「この作品おもしろいんだよ」的に紹介されているのも多く見かけはするんだけども「うつ病漫画家の〇〇先生」という書き方は、まるで「漫画家の〇〇先生はうつ病」と言っているようにも見えてしまって、ちょっ...

大きさ

 純が大きい子だし、純の家は大きいし。 矢晴はちょいちょい、バスルームなり純のベッドなりを「自分の住んでいたアパートの部屋の大きさ」を引き合いに出して表現するなあ、と思って。かわいい。 お風呂のときは『上薗純の家の風呂が私の借りてる部屋くらい広い死』、ベッドのときは『お前のベッド私の前の家くらいあるじゃん』と言っていて。 矢晴のアパート、狭く見積もっても6畳くらいはある気がするから、お風呂もベッドもさすがにそこまでのサイズなさげではあるから、矢晴が大げさに言ってるみたいな気もする。 そこらへんが矢晴自身の自己評価の小ささでもあるのかなー? 【第15話】の寝室に向かう道中で『私は逆に手足が熱くて眠れない時があるよ』『育ち盛りなのかな』『これ以上ニョキニョキ伸びんな』って会話がかわいい。 純はいつぐらいからこんな大きくなったのかなー。学生時代の友達3人組のどれが純なのかなちょっとわからんけども。大人になると一番でっかいし。ちっちゃいときから普通に大きかったりしたかなあ? とは思うんだけど。 両親そこまで大きい人じゃなさそうだから、純の大きさがちょっと不思議な感じはしてしまうなあ、とかは思ったりする。

恋と愛

 矢晴の純への気持ちは「恋」で、純の矢晴への気持ちは「愛」なんだよなあ、と思う。 純は古印葵の漫画に心鷲掴みにされて、授賞式で初めて生身の古印葵を見て恋をして、恋を自覚する前に失恋してると思ってるんだけども。 長く気持ちを持ち続けていつしかそれは信仰にも似て、純は矢晴を忘れない覚えている助けたい気持ちを“慈愛”と言うけど、それはただの「愛」なのよ、とは思う。 純にとっての“慈愛”がよくわからんのだけども、純の過去の話の断片からは、「至高の愛」とか「究極の愛」みたいに思っているような……気がする。 むしろ、「人間に欲情しない」自覚が純にはあって、恋をしたことがない感じもあるから、「愛を知らない」までありそうではあるけども。言葉としての理解が及んでなくても、充分に矢晴に対して愛情深いと思うから大丈夫だと思うんだけども。 ただまあ、愛にもいろいろ種類があって。 矢晴が求める愛と純が与える愛のかたちが違うんだろうなあ、という感じはするし、矢晴は欲しがってるのに拒絶してる感じもあり。いいから、素直に受け取れい! みたいに思ったりする。

好きすぎてパート13

 【売れうつ】が好きで好きで。 3ヶ月半ちょっとぶりの更新からの3週間での更新で滾りすぎて、先月は記事数が大台にのってしまった。純の古印葵への狂いっぷりには負けるだろうが。 さすがに次の更新まで3週ということはないだろうからとソワソワするのを我慢してきたけども、次で4週で、約1ヶ月くらいになるから、と、ソワソワし始めている。 とりあえず、毎度予想したことは外れまくるので予想とか言うのはいかがなものか、という気分になるので、願望として。 ぐずぐずに泣いて謝り倒して縋り付く矢晴を宥めながら一緒にキッチンに行って薬の準備して、リビングで矢晴に薬飲ませて、でもまだぐずぐず言ってる矢晴を純が抱きしめてゆっくり話したりして欲しいなあ。リビングのソファーに掛け布団なり毛布なり持ってきてふたりで眠っちゃうとかも可愛いと思うし。 そんなシーンがあったとしても数ページだろうから、そっからどんな展開するんだろうってまったく想像できないんだけども。 純が離れていくのがイヤだからって四六時中べったりになる矢晴とかいたらいいけども。そういうのが好きなだけだけど。 ふれあい多くして気持ち通じ合って恋愛発展、がすぐにはこなさそーな雰囲気を感じてはいるので、純は矢晴の自立支援のサポートに徹するみたいになったりもするんかな……とか思ったりもしてる。ゆっくり穏やかにお互いの愛を育んでくれたらいいな……。でも、矢晴だしな……。 矢晴が純に恋心を伝えるのがいつなんだろうかな……すぐに来てくれてもいいと思うんだけどな。1年後というか11ヶ月後の矢晴が漫画描きあげて純に読ませたときのメンタルがそんなに今と変わらない感じだけども、漫画家としての望海可純と古印葵の比較しかしてないから、すでに恋人になっててもいいわけだわよね、とか期待しちゃったりもするけど。そこまで何話かかるんだろう……? 2年以上かけて幸せにする話で、同居1ヶ月までが16話でたぶん次の第17話も同居1ヶ月目とそっからちょっとくらいかな? と思うけど、全65話予定としても、漫画描きあげるのは11ヶ月後で30話くらいになるのかな? 漫画描きあげて純の『漫画への思いは漫画で描いて返す』って描かれた漫画について数話……やる? 矢晴が幸せになるには、やっぱり漫画家として世に認められる存在になるのが必須な気がするけども。そこらへんの凝り固まった考え方か...

攻撃しない約束

 「攻撃」とはどこからどこまでの範囲であろうか……と、悩む。矢晴が「それは攻撃だ」って言っちゃったら純がどういうつもりであれ攻撃になってしまって、約束を破ったことにされてしまうのだけど。 口約束は破り放題と同じ理屈になるので、さすがに矢晴もなんでもかんでも攻撃認定はしないだろうけど。 純は、矢晴に『閉じ込めたりとか怖いこととか危害を加えるとか絶対しません』と言っているから、「攻撃しない」もすでに含まれていたような気はするのだけど。 「逃がしたくない支配欲」で矢晴を純の家に縛り付けようとするのは、閉じ込める・危害を加えるに該当しそうな気もするし、矢晴の言い方では「支配欲と執着の過ぎた好意が同時にあれば性欲」だから逆を辿って「性欲には支配欲と執着の過ぎた好意が含まれる」にはなりそうで。 純が矢晴に「性欲」として認定されるような行動を取った場合、それは「攻撃(危害を加える)」と認定されてしまうのではないか……? と危惧してみたりする。 矢晴が忌避するのが「恋人でもない赤の他人からの性的接触や性欲を向けられること」だとして、現状、矢晴は純への恋心を認識し始めた段階で、純の気持ちは不明。恋人同士になるには、純の気持ちを確かめないといけないけども、矢晴ははっきり聞いて「そんな気持ちは全然ないよ!」って朗らかに言われたら立ち直れないから聞かないし、聞けないし。 純から『矢晴が望めばなんでもするよ』『なんでもするし』『なにしてもいいよ』ってエロかっこよく言われたところで、そこに純の気持ちがないなら、意味がないって感じにはなるだろうし。 「矢晴が望んだから、純が恋人になった」というのは矢晴の望まない形だしなあ……。純が矢晴に恋い焦がれて求めないと! でも、性欲丸出しとか欲情して迫ったら攻撃認定されるから気をつけろ! みたいな、無理ゲーな感じがひしひしと。

サイボーグ…

 【第12話】の逃げ出した矢晴の思考の『身分不相応の家でサイボーグみたいな人間に抱きしめられるのがそんなに楽しいか?』と考えているところ。フォントの具合やひび割れ具合から考えても、裏腹な感じがする思考だけども。 純も矢晴も笑顔全開でかわいいし! じゃれ合ってる感じがたまらんし! 矢晴の思うところの「サイボーグみたいな人間である純」ってのは、なんでも完璧にこなす人間離れした感じなんだろうかな? 攻撃性の高い人間ってのは把握済みだから冷酷な人間ってのもあるのかな? とかいろいろ考える。ここは、純の可愛らしさとかぬくもりとかを否定したい思考だからなあ。 手放したくない快適な環境「身分不相応の家」と矢晴のことを好いてくれる純という存在「サイボーグみたいな人間」と。 環境自体はどうでもよさそうなんだけど、そんな失くしたくない存在が『私生まれてから今まで2次元でしか抜いたことがないオタクだから!』って言ったからってその顔はなんなんだ、おい、矢晴よ……、って気分にはなるんだが。人間(矢晴含む)は対象外って言われたからか、がっかりしすぎだろ……。 本題に戻る。 純は、純で、『実在する人間に欲情したことがない』という、欠落がある。「愛(LOVE、エロス)」という感情がわからないのかどうなのかはわからない。矢晴がその欠落を察知していて「サイボーグみたいな人間」と考えたわけではない。 人への興味はあるようだし、友達と楽しく過ごせるあたり、人間嫌いではなかった。好きな人間と嫌いな人間はふつうにありそう。 「人間に欲情しないと生涯孤独」という考えに囚われている感じはある。 「2次元で抜く」というのが、矢晴を安心させるためだけの嘘でないのだとしたら、男性機能としては勃起もするし射精もするのだから、不能ということはない。それが3次元に向かないだけ、とは言える。 そもそも、恋愛感情がわからないから、恋愛の進んだ先にある欲情からの性交へと感情と身体反応がついてこない可能性はありそうなんだけども。 古印葵である福田矢晴への尊敬、憧れ、執着を恋とは認識してなさそうだし。愛情自体はあるのだろうけど、それが恋愛に結びつかないから、別の愛の形を考えての“慈愛”と思い込んでる節はありそう。 純のコンプレックスとしては、「人間に欲情しない」からなにかしらの「他人と違って感情に異常がある」とかあるのかしら?...

彼の脳に触れるなら

 【第13話】で純が考えてる『彼の脳に触れるなら』『言葉を介さない「皮膚」からじゃないと届かないかもしれない』『気持ちを言葉じゃなくて温度と感触で表さないと伝わらないかもな』と考えているところが好きで。 そんなことを考えていた翌日は、なんだか疲れた顔をしながら、言葉に訴えているわけだけども。 同居6日目はがっつりふれあってじゃれ合って。矢晴の全開の笑顔もかわいくて。よきかな、よきかな、という感じなんだけども。 それ以降、特にべったりふれあってる描写がないのが残念なのだけども。同居1ヶ月目の一緒にお風呂、一緒のベッドで素肌に触れさせるは別枠として。 【第16話】の『矢晴が契約書になる?』がどれだけ性的なのかは扠措いて、より脳に近いうなじの「皮膚」に、唇の「温度」と「感触」で、気持ちを伝えようとする純の真剣さが、素敵よねえ〜〜〜! と思っているところ。 口約束も契約書もNGなら、矢晴に直接刻みつけるしかないじゃない。矢晴もそれがいいんでしょ? ねえねえ。とか思っちゃうけど、矢晴がホントに性的接触に恐怖心を持っている子だったらこんなふうにはしゃぐのは申し訳ないな、と思うけど。 もし矢晴がホントに性的接触に恐怖心があるんだったら、人に欲情しない純とお似合いじゃないの? とも思うけど。別に性的接触がなきゃ愛を育めないわけでもなし。でも、矢晴が性的接触含む好意で恋愛する人だったら、純のこれから次第で禁欲になっちゃって欲求不満になりそーではある、けどけど、別に純が人間相手に勃起できんだったとしても、性的接触自体はできるだろうしなあ、と思うから、ふたりがどうなろうと、問題なさげな気がする。絶対挿れなきゃならんこともなし。 どうなるんだろ。ワクワク。

逃がしたくない

 【第15話】の矢晴が言った『逃がしたくない支配欲と執着の過ぎた好意があったら』『もうそれ性欲だろ』の「逃がしたくない支配欲」がやっぱりどうも飲み込めず。 純にとっては「逃がしたくない」というよりは「失くしたくない」だろうしなあ、と思うのだけど。 と、考えつつ、「逃がす」は「にがす」と「のがす」があるんだよな、と思い出し。 矢晴にとっては「捕らえておきたい」「手放したくない」の「にがしたくない」であって、純にとっては「手の届かないところにやりたくない」「失いたくない」の「のがしたくない」にはなるかなーと思ったり。 文字で見ると、どちらの読み方になるのやら、とは思うけど、矢晴はしゃべってるんだから明らか「にがしたくない」と言っているんだろうとは思う。 支配欲からの性欲、ってのはわりとまあ、普通にあるものだろうなと思うんだけども、純には当てはまらないなあ……と思いつつ。矢晴がそう思っている、というのは別にいいんだけども、これからそこらへん純と擦り合わせていけばいいことではあるし。 矢晴としては純に「そうじゃないよ」「支配しないよ」とか言われたかったんかしら? とかも思うけど。矢晴の言うことを逐一否定するようなことは、純はやらないと思う。でもさすがに『私』『それがいいな』は矢晴の想定を遥かに超えた反応だったんだろうな、と思ったり。 そういえば、この記事の冒頭を書いていて「飲み込めず」ってところで、【第16話】の矢晴の『「お前は攻撃的な人間だ」って私が言ったらお前は飲み込むか?』と言っていたのを思い出し。ちょっと不思議な言い回しだなとは思ったのだけども、その前の『私はあなたの言葉を着たい』とかから考えると、極論「私が死ねと言ったならお前は死ぬのか」レベルで純が思考停止してることを咎めるようなセリフでもあるんだな、と思った。 その後、純の返答に対して『〈矢晴には〉!! そういうとこだよ!!』『考えないからそんなことを言えるんだお前は!!』と激情に駆られていくわけで。 純も考えてないわけじゃないと思うんだけどな……。自分の攻撃性を自覚した上で、「大事な人には向けない」という理性があるとは思うんだけども。 ただまあ、いつかそれが反転するとか、壊れる、とかはあるんだけども。その可能性まで含んでも、純は『けど 矢晴には攻撃的にならないよ』しか言えないと思うんだけどなあ。 ここ...

編集者

 【売れうつ】はそこそこいろんなパターンの編集者が出てくるけども、作者さんがキャプションで『売れうつは編集者にとって読んで気分の良い漫画ではない。』と書かれるように、“悪い”編集者の見本市のような感じでもある。 “良い”編集者は、古印葵の最初の担当だけではないかな? という気さえする。 四階は人間的にもアウトな性質を持ってる感じではあるけども、『ムードメーカーだし仕事は早いしそれは評価してるんだけどさ』と良い面はあれども、『菊池や数人から四階が怖いって報告はきてて』『たまに電話口で担当作家を大声で怒鳴ってたりする』と人によって態度を変えるあたりを問題視されてはいる。純はその話を聞いて『そういう人って治療が必要だと思いますけど…』と言っている。 菊池は、古印葵の連載作の打ち合わせ、進め方が古印葵に致命傷を与えたくらいに、編集者として古印葵を活かせなかった。善人そうではあるし、古印葵の作品を好きとは言うけども。矢晴もまともにコミュニケーションとらなかったのが悪いと思うんだけども。初手『古印先生ってこの3年間ってなにも発表されてませんけど』『なにされてたんですか?』はキツイわなあ……。 桜木は、純が話しやすい相手というのもあるのだろうけど、社内事情を作家にそんなべらべらしゃべる? って感じはする。ただ、そういう性格だから、『じゃあもし打ち合わせにきてくれるってなったら日時教えましょうか?』なんて言っちゃうんだろうけども。純にとっては良い担当。 B誌の編集は、意思がブレブレで黙り込むこと多くて1回の打ち合わせに4時間かかるとかキツイし、その上役だろうか色眼鏡の編集者は『コミックスの印刷費って結構かかるんで原稿料ちょっとまけてもらえないかなーと』とか『あれ全没ねまた企画からおなしゃーす』とか『コミックスにするとは言ってないけど?』とかひどすぎるし。 矢晴の記憶改変も入っているかも、とは思えるけども、B誌はほんとひどかったと思うんだ。 ピタゴラ的に……と言われてるから、もしかしたら、矢晴が編集から言われた言葉のいくつかは、作家さん自身が言われた言葉かもしれないし、似たようなことを編集から言われた経験から生み出された言葉かもしれないし、と思える。 「この編集は〇〇社の〇〇」なんて特定できるようなものではないと思うけど、こういう経験をされたことがある人は多いような……? 作...

どんな本より

 【第16話】の『古印先生はどんな本よりずっと好ましい名前をつけてくれる』という純の言葉と、純が折々で思い出す膨大な量の本とか本からの受け売りとか。 純はかなりの読書家なのか、必要そうな本だけ雑多に読んでる人なのか。自分の求める答えが書いてありそうな本を読むけど、古印葵の漫画に描かれる言葉以上に感銘を受ける言葉が見つかったためしがないのかな。 矢晴の言葉の紡ぎ方が一番好きなんだろうな、とは思うんだけど。 ここまで純が古印葵の“言葉”に心酔しているところを見ると、【第5話】の矢晴の失敗した連載作を読んでの、『あれ?』『絵は格段にうまくなってるし冒頭のセリフのセンスも相変わらずいい』『けど…』『なんか…』『なんで?』と混乱しているような純の心境が、「古印葵らしくない漫画」というだけでなく、純が酔えるような“言葉”すらなくなっていたんだなあ、って感じなんだろうかな。菊池さんにばっさり切られた冒頭6ページを読ませたら喜ぶかな? 矢晴は現状、漫画を描かないけど、溢れる言葉は純に向かってずっと吐き出していくから、純は「古印葵の紡ぐ物語」は読めずとも、「矢晴の紡ぐ言葉たち」は浴びれている。 「古印葵の言葉を着たい」という思いからなのかなんなのか、ちょいちょい矢晴の言葉を吸収して再現している節はある、というか、口調が移ってる感じはある。 【第13話】の『私もそんな話ができたらなって憧れてる時のポーズだよ』ってうっとりと矢晴の話を聞いてた純の思考が、矢晴のように深く考えて言葉を紡ぎたい、でなくて、矢晴の言葉で矢晴みたいな話をできるようになりたい、ということだったのかどうか。そんな気もする。おかしいな、そのちょっと前に『もっと色んな事を考えて答えられるようになりたい』だったのに。んー? 「矢晴みたいに深く考えて矢晴みたいに話したい」かなあ? 純は矢晴と読書会でもしたらいいんじゃないかな? 矢晴がこれまで読んできた本を純も読んで、感想言い合ったり矢晴に解説してもらったり。そんなことずっと続けたら、ちょこっとくらい矢晴の言葉を着れるようになるかもしれない。 ――ちゅーてキミたち、視覚優位の子たちではなかったのか……?

純の欲

 純はそれなりに欲のある子だとは思うんだけど、欲張らない子でもあるのかな。 古印葵に認められたい一心からかA誌でデビューしたくて頑張ったり。矢晴に自分を見て欲しかったり。それなりに欲はある。純の意識の中でどういう扱いなのかはよくわからんが、かなり古印葵(福田矢晴)を特別視している。 けど。 父親を亡くすとか、級友が消えるとか、デビューしたら古印葵が消えたとか、布教活動しても世の中は変わらないとか、どうにもならないこともわかって諦めてきたりとかしてて。 我欲のままに突き進めばなにかに阻まれる、拒絶されるみたいなことが“わかってる”感じ。 【第13話】前編の終盤から後編の序盤で、純が振り向いた矢晴が怖くなって萎々としてしまったのは、「ちゃんと見て欲しい」という欲を出したけど、その欲によって失ったらどうしよう、みたいなブレーキがかかっちゃった、とかあるのかなー? と思って。 純ならもっとぐいぐい行きそうな気がしてたのに、あまりにも萎々と、純らしくない感じがあって。 【第11話】で矢晴にペンを持たせたりして漫画に向かわせようとすることを『これが矢晴さんにとって社会復帰へのきっかけになるのか』『それともただの私の欲望なのか』『今の段階では判別がつかないんです』と言っていたけど、ここの矢晴の答えが「それは純の欲望」だったりしたら、純はその後一切漫画の話をしなくなったかもしれないな、とかも思う。 【第16話】では『我欲に走って言葉をほしがって君を傷つけた』『私と一緒に住む君は不憫だ環境を変えよう』と矢晴を手放すような決意までしているのは、純が欲を出したばかりに「本来の福田矢晴」を失うことを恐れたかな? と思える。 人に欲情したことがない(できない)のも、それが“欲”だからで、純自身が抑え込んでる、とかはありそう。はからずも、矢晴に見つめられ、その口から自身に「ない」と思っていたものを「ある」と言われて、『あなた自身であなたの美しい世界で証明してくれるなら』自分の欲望じゃないから何も失わない、だから『もう何も怖くない』になるのかなあ……? なる? 古印葵である福田矢晴を守りたい、庇護したい、忘れたくないとかもがっつり純の欲望だと思うんだけど、そこで“欲”を表出すると失うから、『これは慈愛』と自身に言い聞かせるような、言い聞かせていたような気がする。 『矢晴が望めばなんでもす...

恋愛

 純自身は、まず間違いなく、「恋愛」をしたことがない、と思うのだけども。「恋愛」に関する知識としては、ある程度あるはずではあって。 『恋愛を扱ってるけどA誌によくあるラブコメではない』と古印葵の漫画を分析していて。恋愛をしたことがない純にとって古印葵の漫画が「恋愛観」の教科書になっていてもおかしくないかも……? とは思える。 ただ、少年誌であろうA誌では、男女の恋愛漫画しか載らないんじゃないかなあ? とは思って。 純が自身の性的指向を勘違いしているだけならいいなあ、と思ったりもして。 「普通の人は異性に恋をする、欲情する」けど「純は人間に欲情したことがない」のは、そもそも純の恋愛対象が同性だから、で、すでに古印葵に恋してるから他の人間に恋しない、欲情しないってだけで。ということであればBL的に話が早くて助かりはする。 男女の恋愛漫画を読んでも、特にときめくこともなく、それは人間に欲情しない自分の特性だから、と済ませてきてて、恋愛対象が違うことに気付かないような子だったり……しない? どうかな? とはいえ、そんなところに落ち着かれても、嫌なんだけど。そんなところに落ち着かれたらある種裏切られた気分になりそうなんだけど。ジタバタ。でも、BLで矢晴と恋愛して欲しいからさー。ジタバタ。 純の父親とその友人の仲の良さに、別種の憧れを抱いてしまっていたりとか、してない? してなかった? とか、聞いてみたくなる。 とかなんとかむりくりでいろいろ考えてみても、二次元では抜くんだったな……とかで、破綻するんだけど。 『愛という言葉を考えるときに思い出すもの』が『父の友人が父によく言ってた言葉』というのもおかしな話なんよ。だって、普通ならそこは「友情」だもの。「愛」を入れるなら「親愛」「友愛」とか言葉はあるけど。なんで“慈愛”だよ? てか、ここ、順序が違うんよね。 【第6話】では泣いてる矢晴に対して“慈愛”を先に持ち出して、「愛とは」って考えて、父親のエピソード持ち出してきて型にはめた感じで。 【第15話】では父親のエピソードから導き出した約束が“慈愛”なんだ、と言っちゃってる。 そこらへん、純の記憶改変になってるんじゃないかなー? みたいに思っちゃう。矢晴に対する恋心を「恋愛」と結び付けられないけどなにかしらの愛情と庇護欲とをごった煮にしてなんとかひねり出した言葉が“慈愛”だ...

美しい世界

 純に見えている古印葵の「美しい世界」というのはどんな感じなんだろか。 純はなんだか舞い上がっちゃって『私にも〈それ〉ができると』『あなた自身であなたの美しい世界で』『証明してくれるなら』『もう何も怖くない』となにをどう証明するのかすらわからん思考で恍惚としてるけども。 矢晴の世界の住人になりたい、古印葵の世界の住人になりたい、みたいなところはありそう。古印葵の描き出す世界はあんなに美しいのだから、矢晴の見ている世界もあんなに美しいのだろう、とか。矢晴が『――きれいだな忘れたくないなと思ったものをカメラで撮るのが日課で』『漫画も』『忘れたくないと思ったモノや感情を取り込んで形にしてます』と言うのだから、矢晴の見てきた美しい世界が古印葵として描き出された美しい世界なわけで。それが「筆先で見せてくれた忘れたくないもの」なわけで。 矢晴が激昂して言った『性欲を慈愛だとか清潔な言葉で飾りやがって』『きったねえ欲望を蓮華座に乗せてんじゃねーよ糞野郎』なんていうキレッキレの罵倒すら、純にとっては「古印葵の美しい世界」であるのか、「蓮華座」って言葉だけは辛うじて耳に届いていたものの、罵倒されていることにすら気付かない恍惚であったのか。 「逃したくない支配欲」についてはそうなのかどうなのか議論の余地がありまくるけども、矢晴に矢晴の言葉で「純は性欲でもって大好きな矢晴を家に住まわせて甘やかしている」と言われて、それは「矢晴の見ている世界」なのだから「矢晴の美しい世界」の中のことで。 純自身がどうであっても、矢晴の見ている世界の中の純には「性欲」がある、なら『私』『それがいいな』になるわね。そして、それを矢晴の世界で証明して欲しい……。うん。 しかしながら、どうやって証明したらいいんだ……? 『あなた自身であなたの美しい世界で』……「あなた自身で」……。やだもう、純ったら矢晴にメロメロじゃん……。最初から知ってるけど。

体力

 矢晴は純と暮らし始めて、ちゃんと食べて、日光浴やらふれあいやらでホルモンバランス整えられて、同居開始の頃にはげっそりとやつれていた顔つきもすこしふっくらしてきて、多少なり体力も戻ってきたんじゃないかしら? と思える。 夜はやっぱり妄想に苛まれ、“湯冷め”に耐えて、とあまりしっかり眠れてなくても、純とふれあってふんわり眠くなって昼間に眠るとかもあったかもしれないし、見た感じ同居開始の時から考えると、やっぱりずいぶんと回復してきているようには見えるのかも。 でも、うつとかの希死念慮強めのって、そういう回復してきたように見える時期、そこそこ体調戻ってきた時期が一番やばそーではあるんだけども。それまで自殺できるだけの体力気力がなかったから生きてただけ、に比べて、実行できる体力気力がついてきた時期で。それを超えてもっと前向きに生きるための体力気力がついてくれば快方に向かうのだろうけど。 『スリップは回復の段階であることだよ』という純の言葉は、アルコール依存症の断酒からの再飲酒に関しての本やらネットやらの受け売りで言っているのかもしれないけども。矢晴自体は、純の献身のかいもあり、純が用意した清潔快適な空間での療養で身体は回復しつつあり。 精神状態はと考えると、純への恋が芽生えてて、ちょっと大変そうではある。でも、そうやって人への好意が芽生えてるだけ、心も回復しつつあるんだろうな、という感じがする。 とりあえず、今回、矢晴の体力は純を引き止める全力に振り向けられてて、矢晴が自殺しそうな気配がないのがよかった。たぶん、矢晴の自殺の可能性は同居21日目に切れてるんだろうけど。

病症がもたらした言葉

同居1ヶ月目の夜、一緒に寝ることになった寝室で、矢晴が激昂して言い放った言葉や激情にかられて言い募った言葉たちを、矢晴の薬の飲み忘れに気づいた純は『今の矢晴の言葉は』『病症がもたらした言葉かもしれない……?』『その言葉を私が「良い」と言ってしまったらそれはつまり――』と考えて、焦り出す。 どこからどこまでが「病症がもたらした言葉」なのかは定かではないが、矢晴の目がぐるぐるして、感情が高ぶってからの言葉はどんどんと、うつ故の思考回路から生み出されている可能性は高い。 ただ、純が反省せねばならんのは、矢晴がまともに話していると思い込んで「そんなことまで考えるなんてすごい!」的に褒めたことではなくて、純自身がこれまでの人生で渇望していたであろう「人に欲情する」ことを表す『もうそれ性欲だろ』という矢晴の言葉に、飛びついてしまって思考停止してしまったことではないか、と思う。 同居して1ヶ月経ち、慣れと緩みが出て、矢晴が酒を買って飲んでしまったことも、「酒を買いに行くほどの体力がついた」と思い『スリップは回復の段階であることだよ』と言ったのが慰めでもなく本当に「矢晴が回復しているからスリップした」と思っているのかもしれないなあ、と思う。 それらもコミコミで『私の性格は君にとって良くない』と言っているのなら純がすごいしえらいのだけど、どうなんだろう。

描かなくていい

 矢晴が純に心を動かされているとき、「描かなくていい」と言われているときだなあ、と改めて思う。 【第9話】で『あなたの世界が好き』『けど描けとは言いません』『幸せになってほしい』と純に肩を抱かれ、矢晴の蟲は背中を指で突かれてのけぞっていて。 【第13話】で『瓶の中身が漫画にならくてもいい別のものでもいい』『けど開かないからって理由で瓶を放り投げるな!』『私じゃ古印葵を紡げないのは私が一番知ってる』と純に言われて、縄が切れていて。 矢晴自身は、描きたくないといいながらも、漫画に囚われていて、描きたい気持ちもあれども描けない、描けなくなったから諦めたいけど未練があって、とずっとぐるぐるしてるんだろうなと思うんだけど。 漫画を描くことを強制されないのがいいのかな、と思うんだけども。純は矢晴のことを「憧れの古印先生」って目で見るけど、「描けとは言わない」のは「矢晴の世界が好きだから」で、「矢晴が生き続けてなにかになればいい」と思ってる感じ。 純は「描かなくていい」って言ってるのに、矢晴は『私は漫画を描かなくて済むんだ』とか『だからもう漫画家にはならない』『純が聞いてくれればもう充分だよ』『全部お前にやる』っていやらしー笑顔で言ってくる。 『全部お前にやる』なんて、矢晴が「矢晴の世界」を捨て去ろうとするみたいなこと言われて純が嬉しいわけもなく。 と思うんだけど、【第16話】の純の『私はあなたの言葉を着たい』って狂ってる純を考えると『全部お前にやる』なんて超絶嬉しい言葉になるんじゃないの……? 違うの……? という気分にもなり。 純にとっては矢晴の世界、古印葵の美しい世界がある状態(矢晴が生きている状態)で、矢晴(古印葵)の言葉で純を飾り立てて欲しい、ってことになるのかなー? 矢晴の世界のなかで、矢晴の言葉を着たい純。だから矢晴の世界があれば漫画を描かなくていい。漫画を描かなくていいけど、矢晴の世界をなくすことはイヤ。って感じだろうかな。 1年後(描き始めるのは数カ月後くらいになると思うけど)に漫画を描いて純に見せるのって、矢晴が自立するってことなんだなあ……と思ったりした。

テレビ

 同居1ヶ月目の夕食後にはふたり並んでソファーに座ってテレビを見てて。 同居4日目はサブスクの映画でもと独りでリビングで過ごすものの気力がなくて全然見なくて部屋に戻ってたわけだから、純と一緒にそれなりの時間テレビ見れたのはそこそこ気力が……? とか思ったりもするけども。純と一緒だったら映画も見れそう。 【第15話】で日付がはっきりしたから、「シヴァ・アンバー」のアニメが秋アニメなら10月〜12月の放送よね……? まだ、放送中よね……? と、純と矢晴が一緒にアニメを見るところが見たい衝動に駆られる。 同居開始が11月中旬の1ヶ月経った今が12月中旬。【第8話】あたりが10月末ぐらいとして、アニメ関係の仕事は先月(9月)に終わったくらい? 【第8話】がもう11月に入ったとこなら数日前の10月中に終わったみたいな感じかな。さすがにあれこれ列挙するのに1ヶ月も前の仕事まで並べないもんな。 10月開始のアニメで1クールでも12月まで放送あるわけだし。原作者としてアニメのチェックしたりせんかな? それを通りすがりに矢晴が見ていったりせんかな? 深夜アニメだと純はリアタイせんだろうから録画かな。どの時間帯なんだろうな、シヴァ・アンバー。 矢晴に薬飲ませるために一緒にリビング行って、ソファーに座らせて何の気無しにテレビつけたらシヴァ・アンバーやってて、薬用意して戻ってきて、薬飲ませてそのまま一緒にアニメ見ちゃうとかせんかな? 夜11時過ぎたとこだから、やってたりせんかな? 矢晴と純と、ふたりで一緒にアニメの「シヴァ・アンバー」みてほしー!!

庇う

 【第12話】で矢晴が『なんで私は細川をかばって純を責めたんだ?』って考えてるところが、「細川をかばった」わけじゃなくて、「純が人を嘲る、嫌うところを見たくなった」んだよねえ〜〜〜〜! と、改めて。 純が人を嫌ってるようなところ見ると、その嫌われてる相手を矢晴自身に置き換えて嫌われる想像しちゃうんだろうなあー無意識レベルで、と思える。 純を独占したい思いがあるのに、純は友達と長時間喋り倒して一緒にどっか行く約束してて、矢晴は階段で独りで180分待っちゃって。それこそ、純は矢晴の体力のなさとか病気のこととか考えて、どこかに一緒に遊びに行くとか考えないだろうし、家の中でふたりで過ごすだけで満たされてそうではあるけども、矢晴は純とずっと一緒にいたいから純が矢晴の知らない友達とどこか行くとか思うのも辛いんじゃないかなーと。純を独占したい嫉妬的なあれそれ。 あーもー、矢晴かわいい! ねえもう、この『一緒に寝る』の前夜の、この顛末を、純はどういう解釈してくれたのよ? 気になるーーー! 矢晴が「純に対して恋愛的な好意を持っている」と解釈して、恋愛モードで受け入れようとしてるんだったら『私2次元でしか抜いたことがないオタクだから!』なんて、失言大魔王にも程がある! ってくらいのものだけど。「大丈夫だよ、襲ったりなんかしない。矢晴が望まないことはしないよ」『けど矢晴が望めばなんでもするよ』くらいにしておけば、よかったのにーーー! でも、勃たないのか……? 人間は対象外ってのを簡単にわかりやすく言えるのが「2次元でしか」だろうけどさー……、矢晴まで対象外って言っちゃダメじゃん……? いやもう、ほんと、前夜に矢晴が家を飛び出していってから帰ってくるまでの純とか、その夜ベッドの中でずっと考えてる純とか、見たいわぁ……、すごく。

張り付いた

 【第7話】で矢晴を布団に張り付ける呪いの形が、しっかりと純の手の形をしているのが、いいなあ、と思う。 矢晴にとっては、純の『あなたの亡骸は私が拾いたいんです』『死ぬまで孤独じゃなくなる約束しませんか?』という言葉は「絶対的な孤独を消してくれる」「蠱惑的すぎる」と縋り付きたい言葉だったのねえ、と改めて思ったり。でも怖いけど。 言葉自体は縋り付きたいほどだけど、その裏にある純の真意がわからないから怖いのかな。 純の真意を『もうそれ性欲だろ』と断じてたけど、「慈愛」のほうが矢晴にとっては好ましくないか……? と考えたりもする。でも、施しみたいなのがイヤかな。個人を求められたいって欲と純を独占したい欲とがあるから、慈愛じゃ困るもんね。 矢晴は「動けない」って思ってるとき、張り付けられてるイメージなんだなあ。と、【第12話】終盤も見て思う。動きたいけど動けない、なにかに固定されてしまって動けない、って感じかなあ。 【第7話】だと『頭が痛い身体が重い』『あいつの呪いのくっついた背中が重くて起き上がれない』と、呪いからのびる粘液かなにかが矢晴の身体を床に固定する感じで。【第12話】だと紐かなにかでぐるぐる巻にされて釘だか杭だかで固定されてて。動けないんだなあ、と思いつつ。 【第7話】の『死ぬまで独りで死んでも独りで溶けて腐る想像を毎晩する』のときと、【第12話】の『じゃぷっ』のときと、胎児のポーズだなあ、と思ったり。

上から下まで

 矢晴が純に編集部で挨拶されたとき、矢晴が純をけっこうしっかり観察してるのが好きで。 『でか……』『誰だろう』『ピアス重そう』『派手な身なりだし会社勤めじゃなさそう』『漫画家かな』『ジャケット何柄だコレ』と上から下まで不躾にジロジロとまではいかずとも、しっかり見てる感じ。 『望海可純です』とあいさつする純の頬染めて、眉が下がって、柔和な笑顔に『優しい顔…』と好印象を持ち。 その後は、純が「売れっ子の望海可純」であることに自身との差を感じすぎて目を逸らしているのか、四階をやり込めた純への恐怖で純自身から目を逸らしているのか、ほとんど純と目を合わせることもなく。 とはいえ、矢晴はけっこうやっぱり純のこと見てるんだよなあ、と頭の中いっぱいの純のいろんな顔がかわいいんだけども。 矢晴はついつい見ると観察してしまう人なんだろうかな? 漫画家だから?

作品と作者

 作品から想像される作者像と、作者本人の実像、実際の性格とが乖離していることはよくある。この人間のどこからどうあの作品が生まれ出るのか、と疑問に思ったりとか、別人格レベルで乖離してたり。 私自身も文章と本人が別人、と言われてはいた。今はどうだろう……? という感じはあるけども。 そう考えると、純が矢晴に抱いていた『古印葵 福田矢晴は』『思っていたより饒舌だ』という印象も、作品から想像される作者像と本人が違っていた、ということにはなるんだろうな、と思う。 純にとっては、憧れの古印葵の元気な姿を見たのは授賞式の一度きり。スピーチはそれなりに練った言葉になるから、素の矢晴と古印葵の要素が混ざりあったものかな? と思える。短くはまとめているだろうから、「饒舌」というほどの長さもないと思われる。 編集部で会えることになったときには、すでに『彼の言動から察するに』『彼の自己肯定は一度破壊されてから再建されていない』状態であったから、憧れの古印葵も福田矢晴本人も授賞式で見たあの頃の面影すらない、ということにはなる。 作品と別人、以前に、数年前の本人と別人、にはなっている。 ついでに、矢晴は酔っ払うと馴れ馴れしい人間でも平気そう、らしいのが『……けど素面のあの人馴れ馴れしい人間がすんごい苦手そう…』という純の言葉から想像できる。酔っているときと素面のときとも、性格が異なるということになろうか。 今の状態、どれが一番、もとの福田矢晴に近いのかな? と考えると、同居5日目の純のネームにアドバイスしたとき、同居6日目の思考の共有で穏やかに話していたとき、くらいだろうか。それはそれとして、作品に込めるような情動も心のなかには確実にあるのだろうな、と思う。 けど、八つ当たりのような激情や怒りは、矢晴としても好ましくないと思っている感情だろうなあ、という気がする。 矢晴自身は『もっと正直に矮小なものでいたい』とは言うけども、ちっぽけで平凡な感じを望んでいるのかというとちょっと違うような気はする。でもここの矢晴の言葉と古印葵の作品は、作品から想像される作者像と本人の違いを表していそうな気がするなあ、と思った。

■【売れうつ】の二次創作(27)(小説)

わりと久しぶりの二次創作、というかちょっと時間がかかった感じ。 性愛方面の二次創作がちょっと進められないので、ほんわか系をどうこうしたく。 ただ原作至上主義ゆえ、今後の展開が気になりすぎて、ほのぼのライフにも頭が回らないので、ifルート「矢晴のバイト」の続き。 矢晴のバイトシリーズ(時系列順): (2)   (5)   (8)   (9)   (22)   (27) ■

矢晴にとっては

 【第15話】【第16話】の『私』『それがいいな』って恍惚とする純ってのは、「罵倒に興奮する変態」なんだよなあ、と改めて思う。 矢晴には純の『実在する人間に欲情したことがない』ってモノローグは聞こえていないわけだし。『もうそれ性欲だろ』って言葉にピンポイントで酔ってるなんて思いもしないわけだし。『糞野郎』って言われてんのに頬染めてうっとりしちゃってるんだから、怖いわ。 そしてまた『それ〈が〉いいってなんだよ……?』と矢晴は言うけど、純の言う「それ」がなんなのかもよくわからんわけだし。「性欲か糞野郎か」みたいな二択くらいまでは絞れそうだけど。『古印先生はどんな本よりずっと好ましい名前をつけてくれる』の名前が「糞野郎」だったら、とんだ変態だよーーー! って気分にもなるだろうて。 って、思うけど、そこまでの変態だとは矢晴も思ってない感じではあるなあ……と思う。

安心

 純が「安心」と何回言ったかな? とセリフを検索して抽出してみたけれど、そんなに多く言ってなかったな、と思った。 【第6話】『なにを言えば一番安心する?』と考えて差し出した言葉は矢晴を死ぬほど恐怖に怯えさせたけども。 【第7話】『誰かと一緒に暮らすと死体発見も早いし死んだ後も安心じゃないですか』と、嘘ではないだろうけども取り繕って。ここで「死体発見」と言っているのは編集から「数年前に亡くなったって人づてに訃報を聞くことがある」という話を聞かされた故かな、と思う。自分の知らないところですでに死んでいた、が純にとって恐怖というかショックというか、嫌なんだろうな、と思える。 『座敷牢に閉じ込めたり妾(めかけ)にしたりしませんので安心してくださいよ』こっちは純の本当の言葉ではないけども。矢晴にとっては純の言う「安心」は籠絡するための嘘のように聞こえていたのかな? と思える。【第13話】ではここのセリフは『いきなりこんなこと言うの怖いだろうと思いますが』『閉じ込めたりとか怖いこととか危害を加えるとか絶対しません』になっている。矢晴は「閉じ込める」に「座敷牢」を付け加え、「怖いこと・危害を加える」を「妾にする」と書き換えているのが興味深い。 【第9話】『本当に動けないときは大学時代にコミケで使った台車で運びますんで安心してくださ〜い』と、引きずって風呂まで運んだ矢晴に声をかけ。 【第15話】『どうしたら矢晴に安心してもらえるか考えてた』『私は矢晴を安心させたいだけなんだ』『私 本当に純粋に好きな人に安心してもらいたくて』と言うけれど、矢晴を怒らせただけだったり。 純は本当に、矢晴を安心させたいだけだと思うんだけど、矢晴にとっては人が言う「安心」という言葉も、人から提供される「安心できる場所」も信用できないものなんだろうかな、と思う。たぶん、欲望によって監禁とかされちゃうほうが、矢晴にとっては「安心」なのかもしれない。「やっぱりそうだった、善意なんか存在しない」って“安心”できる。 いやはや、それにしても、『あなたの亡骸は私が拾いたいんです』という純の要望と『死ぬまで孤独じゃなくなる約束しませんか?』という矢晴を死ぬほど怯えさせた純の提案が、「約束」として成立していることに驚いた……。もしかして、これが約束として成立していると思い込んでるのは純だけかもしれないな、とか思う...

言葉を欲しがる

 純の分析による福田矢晴という人は『言葉に憑りつかれて言葉に苦しんで言葉を厭う人なのだろう』ということで。 そんな「言葉を厭う人」の言葉を欲しがり、言葉を着たいと言ってしまう純の狂いようと、矢晴の絶望と。 なんだろうかな、純が矢晴の罵倒に興奮してるんだったら、わりともう、狂い方にも納得できるんだけど。それこそ、「古印葵の言葉に欲情するタイプ」だったらいいのになあ! と思っているんだけど。 今回の純は、矢晴の罵倒ちゃんと聞いてた? すごくかっこよかったけど、聞いた? その矢晴の言葉選びに興奮しちゃってたわけじゃないよね……? どうだったの……? と、純にじっくり詰問したい気がするけども。 これまでの人生で欲しかった言葉が飛び出してきた上に、それを古印葵の言葉選びで罵倒されて興奮マックスみたいな状態だったら、またよかったんだけど……。 それだと、なんだろな、古印葵の言葉に興奮して勃起して、「やっぱり性欲じゃねーかこの糞野郎!」って矢晴は自分の言葉が証明されて、純は純で、「これ矢晴に対して欲情してるってこと? やったー!」って、両方ハッピーな結果になりそうな気がした。ハッピーか……?

気づいているのかどうか

 矢晴が純のことを(性的に)好きになっているのかどうかを、純が気づいているのかどうか、が気になる。というか、それを純視点で知りたかった。けど、ない。 純は編集部で会ったときから、矢晴に好印象を与えて、嫌われないように努力しているかと思う。はじめましての挨拶した時は、影から聞いてて四階に怒りを滾らせていただろうに、矢晴に『優しい顔…』と思わせる良い笑顔で挨拶したし。その後の四階をやり込める一幕で若干台無しにはしたけれど。 がんばって引き止めて、一緒に散歩して、居酒屋で過ごして、家に送り届けて。ゴミ屋敷になってる現状にまた古印葵をないがしろにする世の中への怒りを滾らせて大掃除して。起きた矢晴に同居を提案し。忘れたくないと抱擁し。そして「安心させたい、愛情を伝えたい」と差し出した言葉で死ぬほど怯えられはしたけども。じっくり考え笑顔を取り戻し、深追いせずに引き下がり。 より親密になるための努力であろうか、翌日に差し入れ持って、矢晴のアパートを再訪し。ここで数日あけるような常識人でなかったあたりが、純のえらいところだなあ! とも思ったりする。 1日動いた形跡がない、食べた形跡もない、病院の薬は掃除中に見つけていたけど薬しかなくてまともな食事もしてないし、ゴミは酒ばっかりだったしと、矢晴が死に向かって一直線なことは容易に想像できてしまって。がんばって説得して。この時の矢晴は食事してない眠ってないもあるけど、そんなだから薬も飲んでないからそりゃあ精神ぐちゃぐちゃだったわね、と改めて思う。 純は「矢晴を安心させたい」「矢晴に嫌われたくない」という思いはあれども、「矢晴に好かれたい」までは思ってないんじゃないかな? とは思える。「信用されて好かれたい」とは思ったりもするかもしれないけども、「矢晴からの純個人への好意」が生まれなくてもかまわないと思っていそうな感じはある。ただし、嫌われては元も子もないから、嫌われたり怯えられたりしないように努力してそう。 純視点で見る矢晴は、純に対してなにかしらの好意があるようには見えないし、むしろ対応しょっぱめだったりする感じ。それでも、純は矢晴が純を嫌うことなくそこにいるだけで良かったんだろうなあ、とは思うんだけど。 同居1ヶ月頃のあの矢晴の『純にとって私はチワワ何匹分だよ?』という発言と真っ赤になって逃げ出した矢晴のことを、どう思い、どう...