体力

 矢晴は純と暮らし始めて、ちゃんと食べて、日光浴やらふれあいやらでホルモンバランス整えられて、同居開始の頃にはげっそりとやつれていた顔つきもすこしふっくらしてきて、多少なり体力も戻ってきたんじゃないかしら? と思える。

夜はやっぱり妄想に苛まれ、“湯冷め”に耐えて、とあまりしっかり眠れてなくても、純とふれあってふんわり眠くなって昼間に眠るとかもあったかもしれないし、見た感じ同居開始の時から考えると、やっぱりずいぶんと回復してきているようには見えるのかも。

でも、うつとかの希死念慮強めのって、そういう回復してきたように見える時期、そこそこ体調戻ってきた時期が一番やばそーではあるんだけども。それまで自殺できるだけの体力気力がなかったから生きてただけ、に比べて、実行できる体力気力がついてきた時期で。それを超えてもっと前向きに生きるための体力気力がついてくれば快方に向かうのだろうけど。

『スリップは回復の段階であることだよ』という純の言葉は、アルコール依存症の断酒からの再飲酒に関しての本やらネットやらの受け売りで言っているのかもしれないけども。矢晴自体は、純の献身のかいもあり、純が用意した清潔快適な空間での療養で身体は回復しつつあり。

精神状態はと考えると、純への恋が芽生えてて、ちょっと大変そうではある。でも、そうやって人への好意が芽生えてるだけ、心も回復しつつあるんだろうな、という感じがする。

とりあえず、今回、矢晴の体力は純を引き止める全力に振り向けられてて、矢晴が自殺しそうな気配がないのがよかった。たぶん、矢晴の自殺の可能性は同居21日目に切れてるんだろうけど。


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