孤独

 『死ぬまで孤独じゃなくなる約束』をして孤独じゃなくなりたいのは、純のようではあるんだけども。

純自身がずっと一緒にいられる人を求めている感じではあるけども、その対象は誰でもいいのかどうなのか。そもそも純は、特定の誰かを愛したことがないっぽい。

純の古印葵への狂い方を見てると純は「古印葵を愛してる」から他に意識が行かないっぽい感じではあるんだけど。それが生身の矢晴なのか古印葵の漫画なのかは、まだちょっと純の中でも整理ついてないんじゃないかな? という気はする。

矢晴は誰にも助けてもらえなくて、多分に矢晴自身もマイナス思考によって援助を拒否してきてしまって、孤独になっちゃったんだろうなと思うのだけども。漫画家として小さいながらも賞をとってある程度の承認を得られたのに、その後漫画家としての露出もなく忘れ去られた存在になってしまったのもあり。

矢晴の孤独を癒やすのは、矢晴のマイナス思考による拒絶をものともせずにずっとそばにいてくれる人でもあり、矢晴のことを漫画家として認めてくれる人でもある、純が最適だとは思うのだけども。

純が自分の孤独を癒やすためだけに弱った矢晴につけこんだのか、というと違う感じはする。ただ矢晴は、そう思って、支配されてる、みたいには言うんだろうなと思う。

ただ、「ずっと矢晴と一緒にいたいんだよ」という気持ちを伝えるのが、超絶下手だったよな、とは思う。差し出す言葉が下手くそなうえ、受け取る側が歪曲させよるから、気持ちが届くわけもなく。みたいには思う。

純と矢晴とふたりで納得して『死ぬまで孤独じゃなくなる約束』を交わす時には、それはもうプロポーズで、“結婚”なんだろうなと思うんだけども。あの同居を迫った時と同じセリフでロマンチックにプロポーズする純が見たいな。


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