恋と愛

 矢晴の純への気持ちは「恋」で、純の矢晴への気持ちは「愛」なんだよなあ、と思う。

純は古印葵の漫画に心鷲掴みにされて、授賞式で初めて生身の古印葵を見て恋をして、恋を自覚する前に失恋してると思ってるんだけども。

長く気持ちを持ち続けていつしかそれは信仰にも似て、純は矢晴を忘れない覚えている助けたい気持ちを“慈愛”と言うけど、それはただの「愛」なのよ、とは思う。

純にとっての“慈愛”がよくわからんのだけども、純の過去の話の断片からは、「至高の愛」とか「究極の愛」みたいに思っているような……気がする。

むしろ、「人間に欲情しない」自覚が純にはあって、恋をしたことがない感じもあるから、「愛を知らない」までありそうではあるけども。言葉としての理解が及んでなくても、充分に矢晴に対して愛情深いと思うから大丈夫だと思うんだけども。

ただまあ、愛にもいろいろ種類があって。

矢晴が求める愛と純が与える愛のかたちが違うんだろうなあ、という感じはするし、矢晴は欲しがってるのに拒絶してる感じもあり。いいから、素直に受け取れい! みたいに思ったりする。


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