サイボーグ…

 【第12話】の逃げ出した矢晴の思考の『身分不相応の家でサイボーグみたいな人間に抱きしめられるのがそんなに楽しいか?』と考えているところ。フォントの具合やひび割れ具合から考えても、裏腹な感じがする思考だけども。

純も矢晴も笑顔全開でかわいいし! じゃれ合ってる感じがたまらんし!

矢晴の思うところの「サイボーグみたいな人間である純」ってのは、なんでも完璧にこなす人間離れした感じなんだろうかな? 攻撃性の高い人間ってのは把握済みだから冷酷な人間ってのもあるのかな? とかいろいろ考える。ここは、純の可愛らしさとかぬくもりとかを否定したい思考だからなあ。

手放したくない快適な環境「身分不相応の家」と矢晴のことを好いてくれる純という存在「サイボーグみたいな人間」と。

環境自体はどうでもよさそうなんだけど、そんな失くしたくない存在が『私生まれてから今まで2次元でしか抜いたことがないオタクだから!』って言ったからってその顔はなんなんだ、おい、矢晴よ……、って気分にはなるんだが。人間(矢晴含む)は対象外って言われたからか、がっかりしすぎだろ……。

本題に戻る。

純は、純で、『実在する人間に欲情したことがない』という、欠落がある。「愛(LOVE、エロス)」という感情がわからないのかどうなのかはわからない。矢晴がその欠落を察知していて「サイボーグみたいな人間」と考えたわけではない。

人への興味はあるようだし、友達と楽しく過ごせるあたり、人間嫌いではなかった。好きな人間と嫌いな人間はふつうにありそう。

「人間に欲情しないと生涯孤独」という考えに囚われている感じはある。

「2次元で抜く」というのが、矢晴を安心させるためだけの嘘でないのだとしたら、男性機能としては勃起もするし射精もするのだから、不能ということはない。それが3次元に向かないだけ、とは言える。

そもそも、恋愛感情がわからないから、恋愛の進んだ先にある欲情からの性交へと感情と身体反応がついてこない可能性はありそうなんだけども。

古印葵である福田矢晴への尊敬、憧れ、執着を恋とは認識してなさそうだし。愛情自体はあるのだろうけど、それが恋愛に結びつかないから、別の愛の形を考えての“慈愛”と思い込んでる節はありそう。

純のコンプレックスとしては、「人間に欲情しない」からなにかしらの「他人と違って感情に異常がある」とかあるのかしら? とか思わんでもないけども、純曰く(1)(2)だと、むしろ自分以外の人間が古印葵に心動かされないことのほうが異常って思ってそうな雰囲気はある。なんて傲慢なんだ。

サイボーグみたいな、と言えるほどの人間味のなさや感情の欠落はなさそうだけど、古印葵を貶した四階や古印葵の話を聞かないインタビュアーや、古印葵に興味を示さない上に純のことを「感情がない」とか言いやがったアシへの反応、形相からすると、わりととことん冷酷になれる人ではありそうな感じはする。けど、やっぱり古印葵絡まなかったらそこそこ付き合いやすい明るい人なんだろうな。

対外的にそこそこ付き合いやすい明るい人だけど、本人は「人に欲情しない」悩みと孤独を抱えている。それが純。

と、乱暴にまとめて終わる。


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