上から下まで

 矢晴が純に編集部で挨拶されたとき、矢晴が純をけっこうしっかり観察してるのが好きで。

『でか……』『誰だろう』『ピアス重そう』『派手な身なりだし会社勤めじゃなさそう』『漫画家かな』『ジャケット何柄だコレ』と上から下まで不躾にジロジロとまではいかずとも、しっかり見てる感じ。

『望海可純です』とあいさつする純の頬染めて、眉が下がって、柔和な笑顔に『優しい顔…』と好印象を持ち。

その後は、純が「売れっ子の望海可純」であることに自身との差を感じすぎて目を逸らしているのか、四階をやり込めた純への恐怖で純自身から目を逸らしているのか、ほとんど純と目を合わせることもなく。

とはいえ、矢晴はけっこうやっぱり純のこと見てるんだよなあ、と頭の中いっぱいの純のいろんな顔がかわいいんだけども。

矢晴はついつい見ると観察してしまう人なんだろうかな? 漫画家だから?


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