心配と言う立場

 「心配」だと口に出せる人、というのは、基本、その相手に対して「何もしない」立場の人だと思っていて。自分もそういう「何もしようとしない部外者」である立場だからこそ「心配」という語を使っている認識はある。

だから、純が、【第13話 後編】で、矢晴に「心配」という言葉を言えなかったにしろ、言わなかったにしろ、純はほんとに矢晴のことを大事に思って身も心も尽くそうと思っているのだなあと思うし、【第6話】で『私はあなたの前では「たかが」を渡さず口だけ出す偽物なんかにならない』というモノローグの本気度が見える気がする。この先も、純が「心配」という語を口に出さないでくれるといいなという期待を持ちつつ。

そういう純の献身は、矢晴にはまったく通じてないというか、矢晴自身が見ないようにしてるし、見えていても信じようとしない感じで。この子達はずっと平行線ですれ違い続けそうな気がしてしまって、純が不憫かわいい。

ただ、純が「矢晴のことが好き」という恋情を伴う愛情でもっての献身であれば、矢晴が純に対して持ち始めた恋情と交差して交わってくれるんだろうなと思うのだけど、純の愛情って純の自覚としては「慈愛」なんでしょう……? と思うと、交差するどころか反発していきそうな気もしてしまって、ドキドキする。


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