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餅と老後

 今年は個人的な病の発症により、ブログの更新を全然してなくて去年の6分の1くらい。来年はもうちょっといろいろ考えたり綴ったりしたいなと思う。 二次創作も次で50個目になるから、なにかしら特別に……? とか考えないでもないけれど、そうやって思うと次が来なくなるから軽く衝動のままに二次創作もしたいと思う。 という雑談を前置きにする。 忘年会編を心待ちにしていたけれど【売れうつ】の年内の更新はなくて、次もいつになるのやら、という感じらしくちょっとさみしい気持ちでいるけれども、作者さんのブログにて、餅を燃やしてしまった純と矢晴と、老後の純と矢晴の姿がアップされていて、とてもうれしい。とてもかわいい。 並べて眺めて、これがこう……、と感慨深く。 炎上する餅を眺める矢晴の文豪然とした佇まいがとても素敵で、そしてまた老後の矢晴の全開の笑顔がたまらなく素敵で。 あんなにボロボロになってたのに、こんなに長生きしてくれるなんて! ととても嬉しく眺めている。 純もこんなにスタイルのいい美青年だったのに、老後は太って禿げてチャーミングな爺様に成長するらしく。でもあの身長でその太り方をされると、矢晴には支えきれなくて大変そうな気もしてしまう。でも純のふくよかな腹を枕か背もたれにして眠る矢晴とか見たい。

■【売れうつ】の二次創作(49)(小説)

地の文はふっとんだので、ごく短い会話文。 クリスマスの話に組み込もうかと思ってたけど、入り切らない感じがしたから独立させた。  ■

にかげつ

 前回更新からはや大の月で2ヶ月分、62日が経過した。 次の話はまだかしら? と思いつつ、作家さんの本業の作業の進行具合を考えると、年内……来ないかな? とも思える。 と思いつつ、しれっと明日とかに更新されないかなーとか欲深く思っているのだけれども。前回が日曜の夕方だったからさー。 ぼちぼち世の中はクリスマスだけれども、純と矢晴はどんなクリスマスを過ごすのだろうか、とちょっと考えたりする。 でも純はお笑い好きだから、矢晴とソファーに並んで座ってとかコタツにみかんでお笑い番組を楽しむ日になっているかもしれないな、と思ったりはする。 クリスマスに恋人らしいデートとかするかどうか、と思うと、店も街も混み合うからと出かけないで家でまったりかもしれないし、純がうきうきでショッピングとレストランとってプランを考えてたりするかもしれないし。お家を電飾で飾ってはしゃいでるかもしれないし。 ロマンチックな雰囲気でディナーとかして欲しい気持ちはあれども、その後ロマンチックな雰囲気のままベッド・インまでして欲しい気持ちもある。とはいえ、純だからなあ……。どうなんだろうなあ……?

うつうつと

 矢晴のうつはいつ頃からか、と思うと、B誌に移ったあたりから、と思う。 自分の漫画が採用されなくて、他の漫画が読めなくなっていったあたりから。 家庭環境の影響はどれくらいだろうかな? とは考えてみるけども、うつに陥る状態へと追い立てる感じはあれども、直接的な原因ではない気がするし。 矢晴が「漫画家として連載もって、安定して独り立ちしなければ」くらいに思い込んで自分を追い込むくらいには、父親から殴られて実家に帰ることも怖くてできないし母親にも助けてもらえないしで家族と疎遠になってたけれども、それがうつの直接の要因かというと、そうでもない、と思う。 A誌に戻ったときには、もうすでにかなり追い詰められてた状態で、B誌ではことごとく没にされ続けて自分の創作を否定されてきて、出戻ったA誌では連載枠をもらえたけれども、自分の創作を切り刻まれて、限界が来て。 父親の事件の連絡が来た頃には、もう、うつが発症していた状態であるから、家族のあれそれはアルコールへの逃避・依存の契機にはなっているけど、うつの発症には関与しない感じ。 B誌に移ったのは、ステップアップ(読み切り作家から連載作家へ)のつもりだったんじゃないのかなあ? とはずっと思ってるんだけど、矢晴が移籍を考えるにあたって、矢晴が2冊目の単行本を出して賞をとった年にデビューした望海可純の影響はあったのかどうか、というとよくわからない。影響はない気がする。 望海可純が連載開始した時期と矢晴がB誌に移った時期との前後がよくわからないけれど、今のところ語られている分で考えると、矢晴がB誌に移った後に望海可純が連載を開始した、ように思うから、矢晴が「ついこの間デビューした望海可純がもう連載を開始した。古印葵はまだ連載持ててないのに。私はダメなんだ」という気持ちでもってB誌に行ったわけではない、と思える。 望海可純の連載が先なら、デビューしたての新人作家に軽く追い越されて辛いし、今後もこの雑誌では連載が望めないかもしれない、と移籍を考えるってのはありそうなんだけど、どうなんだろう。 でもB誌にいた2年半、ってのを考えると、2年半が矢晴の記憶違いによる誇張でないなら、年末に賞をもらった年明け早々にはB誌から声がかかってすぐさま行ってる感じではある。 望海可純の連載って、やっぱりもともと古印葵の連載をやりたいって古印葵の担当が準備し...

特別

 ぼちぼち感想を書けるようにと思ったものの、目に見えて失速したからどんだけ嫌なんだ(嫌悪とかじゃなくて恐怖)という感じがとてもする。 次の話が来るのが先かとも思うけれども、年内忘年会時期に来るのかどうか、と思うと状況的には難しいのかもしれない。 忘年会ったらどこのグループの忘年会なんだろうったらやっぱりたぶん望海組じゃないのかなー? と思うから、純のアシスタント連中の顔を見るのが楽しみではあるけれど。純曰くなのかどうかも気になる。 という前置きの雑談をした。 純にとって矢晴というか古印葵がとてもとても特別な人で、古印葵である矢晴も特別な人だと思うんだけども。 矢晴にとっての純は、現状語られた中では特段なにかしら特別な人ということはない。恋愛方面で特別視しそうになったから逃げたしたくらいには、すでに矢晴にとって特別な人にはなっていると思うんだけども、矢晴自身は、差し伸べられた手に縋って依存してるだけで、「上薗純が人として特別に好き」ということにもなってないんだろうなあ……と思える。 お互いが好きで特別だから大事にしたいとか、いう境地には至ってないよなあ……、まだまだ。と、BLとしてとてももどかしい期を過ごしているような気がする。 【第17話】でドアノブガチャガチャして『彼の性処理でもすれば』〜と純が言っていたのには矢晴を大事にしてなさそうで怒りも湧くけれど、『私は彼のたった一人になれるだろう』という望みはわからんでもないので、あんなドアノブガチャガチャ方面でなく、矢晴のことを大事大事にしながらも純の望みが叶えられる方向に行ったらいいけどな、とは思う。 とはいえ、その夜を超えて、編集部の顛末を経て、純が自身を顧みて「龍涕」を理解して、という今あたりの純のなかに「矢晴の性処理をしよう」みたいな気持ちがあるのかどうなのかと気になる。というか、ふたりの関係の進展のなかですでにしたのかどうなのか、どうなんだ、と気になっている。 気になりすぎてる。 すでにあの夜に矢晴の性処理をして、純が「特別になれたから両想い」と思っていたのかどうなのか。でも矢晴自身、うつもあって男性機能が弱っている気もするから性処理にも至らないのかもしれないし、どうなんだ。 どうなんだ。 とはいえ、矢晴は純に自分の身の上話をしても良いと思えるくらいに純のことを信頼していて、特別に思っているような気はす...

忘れてたわ

 12月11日に「捺印記念日〜♪」とか言いたかったのに、きれいさっぱり忘れて数日……。え……。 純と矢晴は、再契約とか契約更新とか言って、キスマークつけたり、したんかのう……? お互いに……? 身体中に……? どう? どう? とか、当日にはしゃぎたかった……。後悔。 明後日は矢晴が身の上話してくれた記念日だけども、どうなんだ、記念日にするようなものではないか……。両想い再確認記念日か? ん? と、考えつつ、あの頃、両想いになったと思った翌日くらいに純はこっぴどく振られて、担当に愚痴った割に、1週間も経たないうちに、「両想いだよ!」ってハイテンションに酔ってるんだから、純の前向きすぎる感じがかわええな。 あの巨大なキスマークったら1週間で消えるようなもんでもなかろうに、と思うと矢晴が純に意を決して身の上話をしたあの時にも矢晴の首筋には、純の約束の印が刻まれていたということで。うんうん。 そして、今年も残すところあと半月、みたいな状態で、24・25話は前後編で忘年会編ということだけども、まだかの? そろそろかの……? とソワソワしながら、たまについったで「更新されてる」とか見かけて「マジでー!」と喜び勇んで見に行ってF5アタック並みに再読込してもないじゃん、ないじゃん……というのを何度かした……。 忘年会時期に忘年会してほしー。リアル日付と作中日付が重なる感じだったらあと1週間くらいは後かもしれない。いつくる……? くる……? と身悶えしながら待っている。

朝ごはん

 【第23話】の朝ごはん。純はたぶんプロテインを飲んでて、コーヒーと、厚切りパンに目玉焼きのせたのと、なにか野菜。矢晴は顔を洗ってからダイニングに来てるからこれから朝食なのかすでに朝食を終えているのかわからないけれど、矢晴の席にはカップがひとつ置いてある。 同居1週間目くらいでは朝に純に起こされてもまともに起きれず、ベッドで歯磨きされて台車で運ばれてた矢晴が、朝、純と同じ時間に起きて自分で身支度してるというのが、元気になったし、生活習慣が良くなってて、とても良い。 まだ純と矢晴は同じベッドで寝てるのかなあ。純が朝目覚めて、隣に眠る矢晴を起こしてるのかなあ〜と想像するととても楽しい。一緒に1階に降りて、身支度して一緒に朝食とってとか。純は先に起きて身支度して朝食の準備して矢晴を起こしに2階に戻ってもいいけれど。 この日の朝食はパンにコーヒーと、いい感じの取り合わせだなと、同居1週間目のおにぎり・ココア・いちごの取り合わせを思い返しながら思う。あの日もパンのほうがよかったんじゃない……? 朝食は純の気分でいろいろなのかな。 【第12話】で矢晴の頭の中いっぱいの純の、パンケーキだかホットケーキだかも朝ごはんだったりするかしら?

有能

 矢晴は今のところ自己肯定感やらなんやら完膚なきまで破壊されてて、自分のことを価値がないだの、馬鹿だの、私程度の人間がだのと、自分で自分を貶めているけれども、元来、純が憧れて理想とするほどの漫画の才能がある人。 A誌にいた間に出せた単行本は2冊だけだけども新人漫画家の単行本としてはかなり売ってたほうで、2冊目は国内外で賞を獲るほど認められていた才能。 小さい頃から絵を描くのが好きで、中学3年〜高校1年あたりから漫画家を目指して投稿しはじめて、大学4年の春には商業デビュー。デビュー作にはカラーページもあるんだから、かなり期待の漫画家でもあったんじゃないかと思える。 【売れうつ】という作品自体が、才能のある漫画家が漫画を描けなくなってうつ病で死にかけてたところをそのファンを名乗る売れっ子漫画家に拾われて療養して幸せになるまでの話なのだから、矢晴に漫画の才能があるのは前提として存在してるわけだけど。 なんの取り柄もない無価値で無能な主人公のもとに訪れる王子様、って図式の漫画ではない。けども、そういうのを期待してた層は、【第2話】で矢晴が賞獲った話をしたあたりで離脱したっぽい。 矢晴が漫画家デビューして純の心を鷲掴みにしてなけりゃ、純が矢晴を助けることもなかったんだから、純も全方位に善人であるということもなく。憧れの漫画家への執着とファンとしての崇拝とかから生まれた古印葵限定の善意でとても好感が持てる。 矢晴は今のところ自分に才能があるだとか価値があるだとかは思ってないけど、純は自分の憧れの作家の才能を信じて疑わない。古印葵は天才だという確信がある。それが純だけの思い込みだったとしても、純が矢晴を有能だと確信していることは間違いない。 でも、折々で矢晴の才能はチラ見せされているから、読者としても矢晴の才能を疑うこともない。 もともと才能のある矢晴が、自己肯定感失ってて自分の才能を信じてないしないものとして扱うし自分自身を貶めるから、純が矢晴に才能があること、有能なことを教えてくれるって話になってて、これからがすごく楽しみに思っているところ。 有能だから価値がある、無能だから価値がないとかいう話ではなくて、元来矢晴には漫画家としての才能があるのを矢晴自身が信じてないから、古印葵を憧れの漫画家として崇拝するファンの純がこれでもかと教えてくれるってだけのことで、無能な人間...

ブレるブレない

 「己」を構築するのに必要なのはブレない芯、というか自我とかいうやつなのかしら。と考えていて。 矢晴はすでにアイデンティティを捨ててプライドを捨てて自己肯定感を失っててうんちゃらもんちゃらのぐっちゃぐちゃ状態だから、芯だの自我だのなんだのいちばん大事なところが、今はない。 【第23話】で矢晴の言った『「己」フォルダの中に入れてた学習データが増えたり変わったりすれば』『己そのものが揺らぐことだってあるよ』というのはわからんでもないけれど、学習データによって成長したり変化したりは普通のことで、己の中心にある自我が纏うものによって道も変われば周囲も変わるとかはあるわけで。でも、たぶん矢晴が言ってる「己が揺らぐ」は「自我を保てなくなる」なんだろうなと思う。 矢晴はいろんなことで自我を保てなくなって、芯がブレてる状態かな、と思う。 対して、純は、矢晴の影響によって善良な方向へと変化し始めているけれども、芯はブレない。芯がブレないから自分の我儘を押し通せる。 純は矢晴の古印葵として発露してきた自我のエッセンスに強烈に惹かれてると思うんだけども。一番根っこのところは、純も矢晴も「漫画が好き」で共通してて、漫画が読みたい・漫画が描きたい気持ちは同じはずだけど、矢晴はあれやこれやと自分の好きで描いた漫画を否定されて読めなくなって描けなくなって……。純は憧れの作家と同じ雑誌にとがんばってデビューしたら憧れの作家がいなくなったという悲しい出来事がありながらも、連載することになって連載続けてて。 純はデビューして同じ雑誌だ〜って喜んだのも束の間で、目標としてた作家がいなくなったことでがっくりきて漫画が辛くなってもおかしくなさそうなんだけど……、人間に欲情しない性質の逃避先に漫画があるから漫画をやめるみたいな選択肢はそもそもないとは思うんだけど。どうだったんだろうな、当時の純の気持ちが知りたい。 プロット、ネームとやってるときは脳内物質ドバドバで気持ちいいけど、ペン入れとかめんどくさいとか言ってるのは、ネームまでは現実逃避できて楽しいけれど、ペン入れから先はただの作業になっちゃっててつまんない、みたいなことなのかしら。どうなんだろう。 とはいえ、ペン入れ作業はめんどいとか言ってても漫画を描くことは大好きで楽しいっていう芯の部分はブレないんだから大丈夫なのかな。 矢晴は芯は強い人だと思...

いつだっていいよ

 【第22話】のあったかゾーン。純の言葉がとても良くて、とても好き。 『私は君が消えたら悲しいし』『君が生まれたことに祝福しきれない』『ご両親にも感謝だ』と矢晴の存在そのものを言祝ぎ、『でも死ぬのはいつだっていいよ』と矢晴の希死念慮すら肯定する。 死なないで欲しいと願ったり強要したりするでなく、「死ぬのはいつだっていい」と言えるようになった純がいいなあ。【第20話】でも『あのおじいちゃんには』『死ぬなら寒くてひもじい場所じゃなくて』『暖かくて肌触りの良い場所で死んでほしいんです』『だから一緒に暮らしたいんです』と言っていて、生き続けて欲しいというのも本心だろうけども、死ぬなら暖かい場所で穏やかに召されて欲しいというのも本心なのだろうなと思う。 【第22話】で『君が天に帰りたくなってもそれ自体を責めたくないよ君が好きだから』と死を願ってしまう矢晴のことも優しく包み込んでくれるような言葉で、さらに「君が好きだから」って。 純が矢晴のことを「好き」って言ったの初めてなんじゃないの? とか思っちゃうんだけど。「あなた(古印葵)の世界が好き」「矢晴のフィルター(古印葵)が好き」とかはちょいちょい言ってたけど、矢晴自身を指して『君が好きだから』ってのが良い。純が古印葵に心掴まれてなければ純と矢晴は出会うこともなかったけれど、純が矢晴を矢晴として好きって言ってくれるようになったのがもうね、いいよね、たまらんね。 古印葵と福田矢晴を切り離して認識し始めたとは思わないけれど、「古印葵(福田矢晴)」から「福田矢晴(古印葵)」になった感じがしないでもなく。「古印葵だから好き」ってのが「矢晴が好き」になった気はする。 そして『矢晴がいつか天に召された時は骨は拾うよ』『そこらへんの世話も任せてくれ』と、出会った頃の『あなたの亡骸は私が拾いたいんです』『死ぬまで孤独じゃなくなる約束しませんか?』なんて鬼気迫る感じでなく、矢晴の死後の世話まで任せて頼れる存在になったんだなあと感慨深くもあり。 やだわぁもう、まだあれから2ヶ月も経ってないのに。あんなに怖かった子がこんなに頼れる子になって。 矢晴が死にたくなるまで死ぬときまでの間、『それまでは私のわがままに付き合ってほしいんだ』って純が言うのが良くて。矢晴に無理強いするんじゃなくて、純のわがままでやりたいことと認識して、それに付き合って欲し...

病院通い

 純はすぐに矢晴を病院に連れて行きたがる。内臓の病気やらなんやらは素人の純が外から見ただけではわからないから専門医にかけたいのだろうなというのはわかるんだけど。 矢晴と同居を始めてから2週間目にふたりで人間ドックにかかって、矢晴は要精密検査の項目がたくさんあったから、そこらへん専門医でそれぞれ検査しに通ってるんじゃないかなあ? と思うと、週に1〜2くらいは病院行ってそうな雰囲気。 あと、矢晴の精神科の通院を同居3週間〜あたりに予約とって行ってるわけで。もともと矢晴が通っていたところに行ってるんなら純の家からはけっこう遠そう。新しく純の家の近隣で通えるところがあったりしてないならそのままこれまでの病院に通うのだろうから、月に1〜2回、ちょっと遠くの病院に行く感じになるのかな。 同居1ヶ月目に一緒に寝て、矢晴の“湯冷め”を目の当たりにした純は、矢晴を内科に連れてったらしいけど、『色んな病院でめちゃくちゃ検査した』となると1軒2軒ではきかなそうなくらいの病院を渡り歩いたっぽくは見え。 矢晴がヒゲが生えた〜と喜んでるのに、純は自分の剛毛と矢晴の薄毛のあまりの違いに泌尿器科で血液検査しようとするわけで。さくっと予約入れただろうから数日後には血液検査のために病院行ってるんだろうなあ。 などと思うと、この1〜2ヶ月でどれだけ病院に行っているのか。 病院の送り迎えと付き添いで必ず純が同行しているのだろうから、そりゃもう昼間に原稿進まないのは当然ね。 純自身はそんなに病気で病院に世話になる、みたいなことは少なそうな健康優良児な雰囲気だけど、全身医療脱毛あたりは、毛のサイクルに合わせて何度も通ったのだろうし、それなりの金額はかかりそうだから、そこそこ売れてきてから行くようになったのかな? と思うと、授賞式のあたりの純はまだ脱毛してないのかも……と思いを馳せてしまう。

循環と意思疎通

 【第23話】で矢晴が『人は他人と完璧な意思疎通はできないけど』『言葉や情報は自己と他者を循環してると思うんだ』と言うのが好きなんだけども。 とはいえ、矢晴は純と完璧な意思疎通は出来ないんだよ、と断言したようなもので、それはちょっとどう……? “完璧”とか言っちゃうとそりゃ絶対に出来ないものだろうけど、それなりに意思疎通できたり……しない? 『言葉や情報は自己と他者を循環してると思うんだ』と矢晴が思っているのはいいなと思う。矢晴の発した言葉も他者に届いて、他者の自己を形成するものになっているんだと矢晴が思ってくれてるならば。 「己は他者の影響、他者からの学習のみで出来ている」みたいな話からすると、けっこう流れ的に矛盾をはらむ話な気はするのだけども、自己の成り立ちに対する矢晴の考え、としては、とても良いことを言っている気がする。 矢晴が古印葵として発した言葉は純の心を鷲掴みにするわけだし、矢晴の言葉は純の性格すら変えていくんだから。 純が古印葵が好きだから、というのはあるけれども、純にとって矢晴の影響力は絶大だから、矢晴にとっても純の明るさとかポジティブさとかの影響が大きくなるといいなあ〜と思ってて、『こういう時自分の感情より根拠のないお前にBETする方が楽なんだろうな』と、むしろ矢晴の不安を感じる感情のほうが無根拠だったりしてないかと思いつつ、同じように根拠がないなら明るい方に、みたいに賭けてくれるのは良い兆候だな、と思う。

正解

 だらだらと「循環」とか考えてたけど、そういやちょいちょい「正解」って言葉が出るな、と思って、正解を考えてみる。 純にとって矢晴の漫画は理想だからすべてが「正解」の世界なんだろうなと思う。 【第1話】で『矢晴は漫画描いて正解だよ』と言うし、【第3話】で『絵が映画みたいでページ全体のデザインがセンスがあって線はシンプルだけど確実に正解を選んでてカットの選び方とストーリーへの組み込み方と描き方…一番すごいと思ってます理想です』と言うし、【第11話】で自分の絵への不満を漏らしながら『正解の線だけ残せてないっていうか』と言っていて、矢晴の漫画や絵の描き方が純にとっての正解で憧れで、とずっと言ってるけど矢晴に届いているのかどうかはわからない。 矢晴は、B誌に移籍した辺りからずっと「不正解」「外れ」「間違い」の道を選び続けてきた感じがして、正解を選びたいと思っているのか、自分の選んだ道やしていることが正解なのかどうかを気にするようになったのか、【第23話】で『散歩をしている間は散歩だけをしていれば正解の世界になる』『気が楽だ』と考えている。 純の家で療養するのも「正解」だと思うんだけどなあ。 矢晴は、純は人生で「正解」だけを選んできて、売れっ子になってて金持ちになってる、とか思ってるのかなー? と思えるんだけども。 もし、純が正解だけを選んでこれたから今の状態、というなら、それを導いてきたのは古印葵だなあ、と思う。純は古印葵目指してA誌に来たわけだし。 わりと世の中、「正解」だけを選び続けたいとか、「正解」以外を選びたくない・失敗したくない、とかって感じで、身動き取れない状態の人が多い気がするんだけども、矢晴の理想の自立の前段階もそんな感じになってるなーって思う。誰にもつまらないって言われないくらいすごい漫画のアイディアを思いついてそれを誰にも文句つけられないくらいに正しく描いて、みたいな、土台無理なことを考えてそうな。 だから純の『何回失敗しても何十年かかっても君が有能なことを教えてやる』って言葉がとても好き。 人生たった一度の失敗で終わるわけでなし、何回失敗しても都度やり直せばいいし別の道を探してもいいし、何十年かかっても最後に成功すればそれは成功ですべてが正解なんだと思う。

自己

 ずっと考えてはいるけれども、やっぱりなんだかまとまらなくて、文章にできるほどの思考はないんだけど、文章にすることでなにかしらとっかかりがつかめんものかと思ったりする。 矢晴の『「どうやって自分が自分になったか」を考えてみたんだ』と語り始める内容が、なんだかねじれている気がするはする。 『赤ちゃんが言葉をしゃべるようになるのは外から聞いた言葉を真似したからだ』『善悪の線引きの基準は外から学習したもので形成されてそこから自分の意見が構築される』というあたりは、【第16話】で純が言った『生まれた時人は服を着ていなかったように』『思考も言葉を持たずに生まれそして言葉を選んで着る』『人間の脳はそういうものだと思う』『私はあなたの言葉を着たい』にも通じそうな話だと思うんだけど。 矢晴は『「自分の考え」は自分一人で全て思いついたものではなく』『他者から学習したものだからだ』と、「己は学習の集合である」と結論づけている感じ。だけども。学習の集合ってのに異論はないんだけど、矢晴は「他者・外部のみから与えられ作られたもので、自身の思考ではない」と言っている感じで、純は「外部から与えられたものを自分で選んで思考する」と言っている感じがする。 と、まとめてみると、私は純寄りの考えかな。 『他者評価は己を作る過程でもあるんだよ』『同時に他者評価は目的やゴールにもならない』というのは正しいと思うんだけど、矢晴のこれまでの言動からはなんとなし矛盾を感じるような……? 『人は他人と完璧な意思疎通はできないけど』『言葉や情報は自己と他者を循環してると思うんだ』というのも正しいと思うんだけど、話が飛躍したのかズラされたのか、さっきまでと話が通じてない感じがしてしまう。 『絵を褒められた経験から漫画を描きはじめて漫画を描いたら褒められて漫画家を目指しはじめて……』『そう考えたらやっぱり「己」は外からの影響で作られてるよ』というのも、正しいとは思うんだけど、たぶんいちばん大事なところを意図的なのか無意識なのか落っことしてる感じはある。 『だけど今の私は』『描いても描いても否定される失敗を経験しすぎて「己」の中が否定で埋め尽くされてる』という矢晴の状態は、それはそれは辛い。 矢晴の話の中では、「自分は絵を描くことが好き」だとか「好きで描いた絵を褒められた」だとか「好きで描いた漫画を褒められた」だと...

金太郎

 【第8話】で純が矢晴の着替えに自分のジャージを出しておいて、ぶかぶかのジャージに身を包んだ矢晴に対して『あはは! 初期の金太郎ですね!』と言い、矢晴は『丈が長いことをそういうのか…?』と考えている微笑ましいシーン。 簡易チャットで「初期の金太郎」の話題が出たので、そういえば、以前に考えていたけど、記事にはしてなかったな、と思ったので、こっちでも改めて。 純がなにをもって「初期の金太郎」と言ったのかは謎なんだけど、金太郎といったら、あのマサカリ担いだ金太郎だよねえ……? とは思う。さすがにサラリーマンではないだろうと思うんだけど。 金太郎の物語、というか昔話自体は、いろんなパターンがあって、私が知っているのはかなり簡略化されたものかな、と思う。どれを知っているのかもよくわからないけれども、ちいさなカラー絵本程度のはしょられたものかな。 矢晴の身体に対して、純の衣服が大きく、袖も裾もだだ余りのぶっかぶか、ということに対して「初期=小さい頃」の「金太郎」と言ったのかな? とは思って。 赤ん坊の金太郎に、大きくなるようにという願いや母の愛が込められて、ぶかぶかの大きな腹掛けをさせていて、願い通りにすくすく育って大きくなって腹掛けもぴったりに、という筋立ての話はあるらしい。後世のバリエーションになるらしいから、大本の金太郎の物語とか見てもそこらへんはなさそう。 金太郎の読み聞かせなり、アニメの視聴なり、と純と矢晴のそれぞれの生育環境での知識の違いとかが出てるのかな〜? と思える。純はぶかぶかの腹掛けをつけていた金太郎の出てくる物語を知っていて、矢晴は金太郎自体は知っていてもそのバリエーションは知らなそうな感じ。もしくは知っていても思い至らないだけか。 成長を願っての大きな服を着せることが母親の愛情、としたら、矢晴に大きなジャージを着せた純はお母さんごっこをしているみたいには思う。そして、矢晴の中学入学時に大きな学生服を着せていた矢晴の両親、母親も、矢晴の成長を願って慈しみ愛情を注いでいたわけで、コミュニケーションはへたっぴでも、そこに家族愛は確かにあったのだなあ、と思いを馳せる。

希望

 【第6話】で純と居酒屋でしたたかに酔っ払いながら話した映画の話で矢晴が『でも絶対助けてくれる主人公が…』『やっと手に入れた大金を盗まれたのに「たかが金」って言ってくれるなら…』『希望じゃぁないですか』と言っていて。たぶんこの話をしたことを矢晴は覚えていないのだけど、純はしっかり覚えている。 純は矢晴の希望になりたくて【第9話】で『〈たかが金〉じゃあないですか』と言っているんだろうけれど若干通じてない感じが切ない。 【第22話】で『あのお前が変わった事実は』『今の自分から変わりたい私にとって……たぶん』『かなり希望かも』と、純の変化に自分の希望を見出して。純は嬉しかっただろうなと思う。矢晴が純に良い影響を与えるように、純が矢晴に良い影響を与えている、と矢晴が言ったみたいに聞こえたかな? 【第23話】では、矢晴は『創作すればするほど嫌な時間が減るわけで創作そのものが人生の希望になる』と語るけれども、これはどこまで本心かわからない。そして、矢晴の語る絶望を裏返して『君の一番の希望は「面白いアイディアが浮かぶこと」ってわけだ だろ?』と純が言う。 『君の不安も希望も正体は同じものなんだ』と純の言葉は矢晴にどんな思いを抱かせたんだろうかな。すとんと腑に落ちる、とかあるかしらん? 矢晴は『面白いものが一生思い浮かばないままだったら私は死ぬまで無の人間になるから絶望してる』と矢晴の絶望について語るけれども、矢晴の絶望は面白いものを考え続けて死んだときにしか証明できない。本当に杞憂でしかない。 結局、矢晴は漫画のことを考え続けたい、けれど、面白いものが浮かばないかも、という不安でもって、考えることを拒絶してるから、なにも浮かばないから絶望、みたいなやらなきゃ結果の出ないことを、やらないでやらなかった結果だけを見てる。瓶の蓋を閉め続けるだけして、瓶の蓋が開かないって言ってる感じ。 変化した純が矢晴の希望になったように、純はアシスタントとして矢晴を雇って自立(収入を得る)への道を示しつつ、漫画家として再起させようとしてくれるのが、矢晴の未来を輝かせる希望だなあ、と思える。 望海可純ったら、ほんとに名前の通りに矢晴の希望の海なのね。

正義感と道徳と

 純のこれまでの行動を振り返ると、正義感を振りかざし、道徳的であろうとしている感じがある。 【第22話】で矢晴が『もっとこう……正義感が過ぎて自分のやることに疑いを持たない印象だったよ』と言うように、編集部で古印葵を罵倒した四階をやりこめたことは、古印葵を助けなければ、守らなければ、といったところから出てきた正義感であろうし、純の謎の自信に裏打ちされて正当化されたものだったろうな、と思う。 正義感、で考えると、【第6話】の挿話から第4の壁を破壊して訴えかけてくるような一連の感情も、かなり納得できる。私があの挿話からの一連に拒絶反応が出るのも納得。 人命第一、が心から、というよりも、道徳的に、という感じも強くて。 【第17話】の純の脳内での『命よりも自分が正しいマンはここに立つな』とか、矢晴に立ち聞きされた【第19話】の『人の命より重い漫画ってこの世にないので……』とか。 【第20話】の『私が見離してあの人が死んだら私は世界に敗北する気がする』というあたり、一体何と勝負してるんだ、という気もするけれども、ここらへんは道徳と古印葵信者としてのなんじゃもんじゃが格闘している気がする。 ついでに、担当が純の言った『人命優先ですから漫画を忘れますよ』『どんなに気持ち良くても漫画は私しか救わない無能の紙屑だし』という言葉を大笑いしている時に『人として当たり前のことを言っただけなのにどうしてこの人は笑ってるんだ?』と疑問に思っているところがかわいい。担当が笑ってるのは純が「無能の紙屑」と言ったことに対してだけだから、ちゃんと寝た方がいい。 矢晴を助けたいのは古印葵だから、でしかないだろうけれど、人命を優先すべき、とか【第15話】の『同情だけで他人の腹や心は満ちない』という思いだとかは、純の正義感と道徳心から、口だけのニセモノじゃなく、行動するホンモノになりたいという思いでもって出てくるんだろうなあ、と思ったりする。 純の“慈愛”は慈愛じゃないし、純は博愛精神でもって矢晴に手を差し伸べたのではないし、純の基本はかなり利己的だったところを、矢晴と同居してからこっち対話を続ける中で変化してきている。のが、矢晴に好意的に受け取られていて、希望とまで言われているのが良かったな、純。 毎日古印葵浴びて古印葵に染まってるってだけかもしれないけれど。純の脳内ワードローブに古印葵の言葉がむ...

ちょうど

 先の記事で今年の記事数がちょうど100件になり。その前の2年で1000件超えてるんだから、今年どんだけ書いてないのか、というところ。 個人的病の発症により、あやうく全てが嫌になるんじゃないかと思っていたけれども、とりあえず回避できたような……? 感じ……? とまだ怪しんだけれども。 いい加減どうにかしたいなという気持ちもあるから、1200記事目くらいで【第20話】の感想を書こうかなと、考えている。宣言しない辺り、まだまだ。

龍涕の

 純がやっと理解できてきたかも、という「龍涕」の龍の台詞。 『「色々なものに自分の面影を残すからあなたの憎い相手にも私の面影を見て世界を愛しなさい」「私を愛したければ世界を愛しなさい」「そうすれば愛は返ってくる」』 純にとって、当時、この龍の台詞は理解できていなかった、らしいのだから、純の思考や行動原理に、「嫌い・憎いものでも愛する」「博愛」だとかの意識はない。 実在する人間に欲情したことがない、というあたりからも、誰かを愛したことがない、とも思える。好きなもの、好感のもてる友人などはあれども、一番の幸福・快感を感じるのは自分の漫画を考えている時っぽい。 【第17話】の『矢晴は……』『……あんな相手にも〈それ〉ができるのか』『相手の脳を再現することだよ』『私は心を惹かれた相手やモノにしか〈それ〉ができないし』『矢晴に関しては底知れなくて把握しきれない』と言っていて、純は自分の好きなものや相手に関しては深く考えるけれども、好きではないものにはとことん無関心だった感じ。 純が矢晴のことがわからないのは、「龍涕」の龍の台詞がわからないことにも通じそう。矢晴の思考・感情・愛情の広がり方自体が、純の考えの及ばないところまで広い感じもあり。だから【第13話】で『もっと色んな事を考えて答えられるようになりたい』という思いにもなり、『私もそんな話ができたらなって憧れてる時のポーズだよ』なんてことにもなり。 矢晴が【第11話】で『他人に愛される弱者しか救われないって話ですか?』〜『好きなものしか愛せないのが人間の弱さですから』と語ったことを、純が熟考し、【第17話】の矢晴の激情に打たれ、【第20話】で気づき、【第22話】で言動に現れて矢晴に『だけど今は色んな人に対して性格が優しくなったと思う』と言われるほどになり、『嫌な人もどんな人もないがしろにしないでいたいって思ったからで』と話し、『全然まだまだ綺麗ごとだけど…』と謙虚さもあり、実践に遠く及ばないという実感もあり。 矢晴との対話を経て掴むことのできた、龍の台詞の解釈を話す純に矢晴は『自分の漫画の話されるの恥ずかしいからやめて地獄』とかまで言ってしまうけれど、内心はどうだったんだろうかな? 理解されて嬉しいとかあったかな? 純のこれまでは狭義で排他的な範囲にしか好きという気持ちがなかったし、好きな人を集めて暮らしたいという話...

更新カレンダー

  売れうつ更新カレンダー  を作ってみた。無料ダウンロードできるカレンダーにPDFにスタンプとかの加工ができるサイトでもってぺたぺたと。 まだ今年の更新もあるんじゃないかと思うし、カレンダーは4月始まりのにしてあるから来年3月までの枠があるんだけども、とりあえず出来たよ見て見てーって気分で出してしまう。 売れうつの投稿日にマークしただけだけども。(第11話については、表紙差し替えの再投稿があるんだけれど、それをマークしようかどうしようかは悩んでやめにした) 【第13話】の前編・後編の公開日が、ほぼリアルタイムで純と矢晴の出会いからキスマーク記念日という感動を知らしめたいがために、どうしてもカレンダー形式にしたかったんだけど、いい感じに出来上がったので満足している。 ちょっとばかりフォントの具合に不満はあるんだけれど。中黒の位置が……、中黒の位置が……、と気になる性質で。

純の自信

 自信満々の純の自信はいったいどこから来るものなのか。 自己肯定感は激高な気はするんだけど、古印葵に憧れてて、理想で、自分の漫画や絵には納得いってなくて、自分のことを内心で「醜い純」と思っていたりする。性的に人間に欲情したことがなくて、孤独や不安を感じてもいる。それなりにコンプレックスとかある感じだけど、謎の自信が漲っている感じ。 『こちとら生まれた時から図々しい人間ですからね…』と独りごちるあたり、生来の図々しさが謎の自己肯定感と謎の自信を生み出しているのかもしれない。 両親から愛されて育ったゆえ? 周囲から好きな絵や漫画を褒められ続けたゆえ? 現状、描いた漫画は売れに売れ、大金持ちになったゆえ? と純の自己肯定感を高めてきたものを考えると枚挙に暇がない感じにはなりそう。 そんなに自分のことで挫折したとか否定されたとかはなさそうなんよね。 そもそも、生得的に図々しいから、他人がなにかしら否定的なことを言っていたとしても気にもとめない感じなのかなとは思うんだけど。アシスタントの無礼千万な物言いにはものすごい形相ではあったけれど。切り替えが早くて、忘れるようにしているのか、忘れはしないけれど別フォルダに突っ込んで以降見返さないみたいなものなのか。 でもやっぱり「世の中、古印葵を認めない馬鹿ばっか」みたいな意識はありそうなんだけどー。 純自身が他人に興味なさげに思えるんだけどなあ。好き嫌いもはっきりしてそうだし。好きなものにしか夢中にならないだろうし。 とかなんとか考えていると、純が矢晴に言った『私は描いたものを人目に晒す時決めてることがある』あたりの発言は、やっぱりなんだか純にそぐわん……という気分になる。 単純に私が「純は他人に興味がない」という印象に固執しているからなんだろうけども。あとこのあたりの発言が、【第20話】の純の話と矛盾するような……? みたいな気分にもなり。寝不足と矢晴に振られたでガッタガタなところからの言動だから、話半分なのかもしれないけれど。 純自身が本当にそう思っているのかどうかは置いといて、矢晴に正論ぶつけて説教してやる精神からの発言なのなら、まあ……うん……? そうね……、という気にはなるかもしれない。解説によれば、純の自信からくるズレた説教、ということのようではあるし。 その自信はいったいどこから来てるんだ、純よ。 個人的な偏見で...

寡黙と饒舌

 矢晴は饒舌な人だけれど、家族は寡黙。矢晴自身も家のなかではしゃべることもほとんどなく、しゃべっても返事がほとんどなく、会話が続かずで、家族全員、ほとんど会話をしない静かな家族。 物静かで穏やかで、と言えば聞こえはいいけれど。 矢晴自身は家の中でしゃべることができない分、外ではかなりしゃべっていたのかもしれないし、溢れる言葉を漫画に昇華していたんだろうな、という感じがする。 古印葵の現担当の菊池は『古印先生はおとなし〜い方でしょう?』と言うけれど、それに反論して純が『いえいえ! 古印先生が喋らないのは意見がないとか無言で大人しいからではなくて』『先を考えすぎて一般人の10倍自分に我慢を強いているため言いたいことを抑えているだけなんです』と、どこまで本当なんだかといった語り方で、仲良しアピールしてくる。 純の仲良しアピールは「耳鳴り」で気がそれてか女性陣にそこまで突っ込まれなかったのがちょっとさみしい。 純は古印葵を寡黙もしくは物静か、口数は少なめ、みたいに考えていたのか、『古印葵福田矢晴は』『思っていたより饒舌だ』と回想していた。 純の言った「先を考えすぎて〜」はどこらへんから来たんだろうかな? と思うと、矢晴が純を責め立てるように言った「後先考えず〜」からなのかなあ? とは思うんだけど、普段の言動が未来への悲観しかないみたいなところもあるのかな? どうなんだろう。 純に対してべらべらしゃべるところはそんなに我慢している感じはないような気がするけれど、語りすぎたと『恥ずかしそうなバツが悪そうな顔をする』あたりから純が認識した矢晴なのかな、とも思う。純に見えてる矢晴は思慮深い人のようだし。 矢晴がB誌にしがみついてた期間は、思慮深いとは言えそうにないけれど。 矢晴が純に先輩風吹かせて思慮深く見せているのかもしれない。 今は漫画を描けないから、思ったこと考えたこと全部喋ってたりするかもしれないな、と思うと、漫画を描くようになったら物静かな人になってしまったりするんだろうか……? とかちょっと気になる。純と長々おしゃべりずっとしてほしー。

四階みたいな

 矢晴は四階からあれやこれやと言われた時に四階のことを『噂話でしか聞いたことのない――目の前に存在するとは想像できない――』『初めて会うタイプの人間だったからか――私の脳が少しバグったのだろうか』と表現しているのだけれど、居酒屋で純に語ったことやら、B誌での過去のことやら、と見ていくと、矢晴の周囲、そこらじゅうに“四階みたいな”人間はいたんじゃないか? と思えてくる。 ペンネームの話をした時に、『あと男が恋愛漫画描いてると「なんで男なのに少年漫画じゃないの?」ってしつこく聞かれてうざいから女の名前で女のフリするってのもあります。あいつら歴史も文豪も知らねーんです』と言っているから、しつこく聞かれてうざい思いをしたことがわかるし、歴史や文豪を知らず自分の考えだけを押し付けてくるような人間が複数いたらしいこともわかる。 矢晴が「古印葵」というペンネームを使い始めたのがいつからなのかはちょっと疑問になってきたけれど。デビュー前の投稿時(15歳〜)からなのか、一度本名で入賞時に名前が雑誌に載ったのを見咎めた周囲にあれやこれや言われてうざかったから、女の名前にした、のか。気になる。 A誌の担当編集はそんなこと言いそうなタイプでもなし、二人三脚でいい感じに見えるし、受賞を一緒に喜んでくれるし、良い人だったんだろうなと思うんだけど。 B誌の担当編集はそれなりに矢晴の作風を理解してくれて評価してくれてるっぽいけど、上の言いなり。上の人は上の人で流行に乗った売れ線しかいらないとか、単行本の印刷代かかるから原稿料下げてとか、なんかもうヒドイ人間で、それこそ四階みたいな人種では? と思える。 四階みたいにあからさまに作品と作者を罵倒してくるような人間は、初めてだったのかな? とも思えるけれど、多少マイルドな四階みたいな人種は、矢晴のまわりにも普通にそこかしこにいた感じはする。 それだけ四階が強烈だったのかな? とは思えるけれど。こんな人間マジでいるの? と想像の範囲外だったあたり、矢晴は人間を信用し過ぎではないか、みたいにも思ったりする。 ただ、矢晴自身はそういった人種と好き好んで付き合うようなことはしないだろうから、友人知人は穏やかな人たちばかりだったのだろうなとは思う。ただ、小さい頃からとか中高で仲良くなったような地元の友だちとは、父親の事件をきっかけに自分からも連絡を取らな...

実家

 純と矢晴の実家のことを考える。 純の実家は、庭付き一軒家。そこそこ大きそうな雰囲気。庭にうさぎ小屋があって、うさぎの脱走防止にコンクリで地面埋めてるとかなんとか。うさぎをいつから飼ってるのかはわからないけれども。 純が20冊くらいもらう献本のうち、2冊は自分用、8冊はアシスタントに、残り10冊を実家に送って親戚に配らせる、と言うから、実家に2冊取っとかれたとしても親戚8軒あるとか? 地方の資産家か豪農で純の家が本家で分家がたくさん、みたいにも思える。純の家が分家でもいいんだけど。本家分家で親戚たくさんのイメージは変わらない。 お父さんは小さい頃に亡くなっているから、実家にはお母さんがいる。胃弱のおじいちゃんは存命なのかどうかはわからないけれど、もし亡くなっているなら、そこそこ大きなお家の実家にお母さんとでかいうさぎで、ちょっと寂しそう。 純はフルデジタルなんだから、実家でも漫画家生活できそうなのに出版社に通える距離に大きな家を買っているのは、出版社に通うためだったのか実家に帰る気がさらさらないからか。実家に帰ると後継ぎだからとか結婚とか孫がどうのとかせっつかれるのかもしれない。 矢晴の実家は、地方の団地。父親も母親も真面目で、家族全員大人しい平和な雰囲気だったけれども。姉も矢晴も大学入学で実家を離れて、父親の性格が変わり、矢晴は大学卒業後に父親から殴られたことで実家に帰ることをしなくなった。姉はそれ以前に連絡先もわからず音信不通になってしまっていた。 矢晴が27歳の頃に父親が事件を起こして犯罪者になってしまったことで、矢晴の母親は実家に戻り、団地も引き払ってしまったのかな、と思うと、矢晴の実家はもう存在していない。 母親は事件をきっかけに宗教だかなんだかにのめり込んでしまって矢晴は絶縁したみたいな感じだし、父親は事件後に脳腫瘍が見つかって、今は入院しているのかどうかもわからないけれど、矢晴は怖くて見舞いにも行けない。 姉とも父母とも連絡を取っていなくて、絶縁状態。 純は矢晴の家族については、絶縁状態みたい、くらいの認識から、矢晴に家族の話を聞いたことで、なぜどのように絶縁状態に至ったか、を知った。 矢晴はまだ純の実家がどんな感じなのかは、あまり知らないかな。献本を親戚に配らせる実家がある、父親はいない、くらいの認識。 純は今後も実家に帰るとかはなさそうな気...

ペット

 矢晴は小学生くらいの頃にペットを飼っていたらしい。団地で飼えるペットというとあまり吠えないタイプかな? 臭いが出るらしいから、うさぎとかモルモットとかハムスターとか、そこらへんかしら? まだか弱い子猫、子犬とかだったかもしれない。 冬休みに友達の家に泊まっている間に、臭いからとベランダに出されて凍死してしまった、というのだから、矢晴の住んでいた地域が特段寒いのか寒さに弱い動物であったのか。 姿は見えないから、どんな動物だったのかは定かではない。世話は完全に矢晴がしていて、矢晴が不在で糞尿の始末ができなかったために臭いが出てしまっての不幸な出来事であろうか。 それ以降、矢晴はペットを飼っていない。と思う。でも、ゴミ屋敷にしてしまったアパートにはネズミが出ていて、【第4話】で『野生の虫と野生のネズミとも暮らしてます』と言っちゃうのは本気だったのか冗談だったのか。 純は、ジョギングの道中で猫を激写したり、矢晴の様子を猫に例えたりするから、猫派の人なのかな? と思う。今のところ、純がペットを飼っていたというエピソードはないけれど、純の実家には大きなうさぎがいるらしい。 うさぎの寿命とか考えると、純が実家を離れてから飼われたものではないか? という気がするのだけれど、そこらへんの詳しいこともまだわからない。 ただ、純の実家のでかいうさぎのキック力は矢晴より強いらしい。矢晴のパンチなんか〈ムニッ〉って程度なんだからキック力もたかが知れてる感じだし、子猫の猫パンチですら矢晴より強そうな気がする。 キック力を比べるようなエピソードが今後来るとすると、矢晴が純の実家に行くということで、それは結婚のご挨拶……? とウキウキワクワクしてしまう。

背中

 純に抱きしめられて背中に生まれた蟲は最近ご無沙汰だけれども、どこに行ったのかなあ? と思いつつ。 矢晴の背中は底の見えない崖を見続けていた。 【第22話】で『父親に殴られた日から』『自分の背後が』『すごく冷たくなって暗くなって』の状態で数年漫画家として活動していて、『父親が人を刺したって聞いた日から』『自分の背後が』『底の見えない崖になって』うまくいかない連載を終わらせて、そして背後から希死念慮が追いかけてくるようになった。 【第13話】で純が『こっちを……』『私の顔を見て確かめてください』『あなたが背中で見ている不安は存在しないことを』と言った時、純は自分の本当の姿を見て欲しい、という気持ちで言ったのだろうけど、矢晴にはまた違って聞こえたんじゃないのかな? と思う。 そして【第22話】で純が『君の後ろの崖が浅くなるならいくらでも言ってやるよ』『君の命は美しいよ』と底知れない深い崖を美しい花で埋め尽くしてくれる。 純に抱きしめられた背中はあったかかったんだろうなあ、と思うし、純の家でゼロクッションに身を委ねて浴びた西日もあったかかったんだろうなあ、と思うし、純が『あなたの背中に目はついてない』と言うし、思考の共有で『背中があったかい』し『手があったかい』し、あったかい電気毛布で寝させてくれて背中から全身あっためてくれるし、純は背後の崖を埋め尽くしてくれるし、と矢晴の暗く冷たい背後を、純がどんどんあたためてくれるんだよなあ。 願望としては、物理的に毎日純が矢晴を前から後ろから抱きしめて、ずっとあっためてあげてほしい〜。 矢晴がデビューしてちょっと、読切が載るか載らないかの不安定なところで、『今すぐ辞めろ』『そんなんで生きてけると思ってんのか』『辞めろ! 今すぐ辞めろ!!』とそれまで進路に反対したことのない父親に殴られたことがトラウマになってて、というのを考えると「温厚だった父親に殴られた」こともトラウマだけど、「漫画家として成功しないとまた殴られる」って強迫観念がありそうな気がする。それを払拭するには「漫画家として成功して売れて父親に認めてもらう」必要があるのかしら。

哲学

 【売れうつ】の根底にあるのは「哲学」なのだろうかなあとぼんやり考える。 哲学自体は答えのない問いを考え続け思索し続けるみたいなものだろうけども、そうして考え続けることで思考が自由に広がる、みたいなものなのかな、と【第22話】の『君の話を聞いた後はすごく考える』『処理しきれない時もある』『けどその後すごく頭が自由で世界が美しいんだ』という純の台詞で表されているのかな? と思う。 哲学的思考をできるようになるには、良い哲学者と話すといいらしい。【売れうつ】では、矢晴が哲学者なのであろうな、と思う。 古印葵の作品も哲学的なのだろうし、純が寝室にニーチェの本を置いていたのも古印葵を理解するための哲学を理解するための……みたいに繋がっているんじゃないかと思う。 私には哲学の素養なんてものはありはしないのだけど。 「己とは」「人間とは」なんてのも哲学で考え続けるものなのだろうなと思うし、哲学の分野だっていうなら、答えが出るはずのないものなんだろうと思う。 ただまあ、矢晴が「己とは」と話したうちの半分は納得いくけど、半分は矢晴がこねくり回した「描かない理由」なんだから、どこまで信用していいものか、みたいな気分にはなる。 矢晴と純は、矢晴が教え導いて真理にたどり着く、というよりは、矢晴の話を聞いた純が己で考えて、己の真理に手を伸ばす、みたいな関係かなーと思えるようにはなってきた。 矢晴自身、見失った「自己」を見つける途上であるし。 矢晴の話を理解しようと思えるだけの知性が純にあることと、矢晴の話を余すことなく真剣に聞き続けたいと思える憧れが純にあることが、矢晴にとっては得難いものなのだから、大事にしてほしいなあ。 純は純で、矢晴の言うことを無条件で信じるみたいなところがあるようでない感じの、必要なところではそこそこ反論(というか説教)する感じが、矢晴にちょうどいいなと思う。

扉絵の記念写真

 【第21話】の扉絵。女性陣との飲み会の記念写真というか、証拠写真なのではないかと思ったりする今日このごろ。 純が『申請する時に金額突っ込まれたら私の名前を出していいですよ』っていやらしーく胡散臭ーく女性陣をそそのかしよるから、じゃあ、望海可純がちゃんといたって証拠にまずは写真撮っときましょう〜って感じかな〜と。 この写真見せたら、間違いなく望海可純がいたってことを証明できるわけだし。 とはいえ、やっぱり純が自分が売れっ子だからって編集部から特別扱いされてるっぽくて、そのせいで自分が四階をこらしめたことが編集部全体で四階を散々に扱っていい方向にしたんじゃとか後悔してた人が、さらっと自分の威光を笠に着て人をそそのかすのはいかがなものかと思わないでもない気がする。 でもまあ利用できるものはなんでも利用する人だからな、純。 飲み会終わりは矢晴がパニック起こしてて、体調悪くなったからってふたりで帰ってるわけだから写真撮る暇ないしそんな状態でもないし、となるとやっぱり飲み会始める時、純が女性陣そそのかして、じゃあ証拠に、ってのが自然だなあ。

純の容姿を勝手に想像してみる

 純の若い頃の顔が執拗に隠されていることから、純は授賞式後に古印葵に見合う美しさを手に入れるために整形したのでは疑惑を持っている。 全身医療脱毛は、美しい肌を手に入れるためなのか朝晩のヒゲの処理だのムダ毛の処理だのに煩わされないための合理性なのかはわからない。 小さい時の純は、半ズボンにハイソックスの似合うとても可愛らしいショタの雰囲気。ただし顔は映らない。 中学生頃の純は顔は映らないけれど、友達に囲まれている時や褒められた時、修学旅行の写真の雰囲気、シルエットからは、太ってた感じがとてもする。 高校生の頃はわからないけれども、【第16話】冒頭の純の語りに添えられた純の過去っぽい感じの映像からは、純は太ってた感じがする。高身長高体重って感じ? 古印葵の漫画に出会った頃の純は、高身長だけれども肥満とは言えない適度なスリムさなので、高校受験あたり〜大学入学あたりでさらに身長が伸びて縦に栄養が使われる分横がスリムになったとかだったりするかしら? と思ったりする。 牧野先生のところでアシスタントをしていた頃の純は黒髪だったのかなあ? と思うと、デビュー当時も黒髪で授賞式で古印葵にサインをもらったとしても、高身長の黒髪の子、ということになる。 ただ、こんくらいの身長の、ってそこそこ珍しい気がするから、矢晴が授賞式で背の高い子にサインした、とか思い出してくれたらそれは純だ! ってなりそうなんだけど、今のところ、矢晴が授賞式で背の高い子に会ったという話は出てこない。 黒髪だったから印象が違う、だから今の純とつながらない、とも考えられるのだけれども、黒髪だったからといってもこの身長にこの美貌だったらそれなりに面影が重なるとかあってもいいんじゃないかなあ? って思う。当時、古印先生のサインを求める人間が多くて、大勢のうちのひとりで特に印象に残らなかった、とかも有り得そうだけど。 純の顔が出てくるのは、授賞式から数年後。古印葵がA誌で連載を始めた辺り。その頃には今のスタイルで髪の上のほうは少し伸ばした感じで脱色していて、下の方は黒髪のまま刈り上げて。チェーンのピアスもしている。 このスタイルにしてから作中現在まで、確実に2年ちょっと。このスタイルで固定している感じ。 顔が出てこない授賞式からこのスタイルの顔が出てくるまでの3年くらいの間で、純が古印葵に見合う美しい人間になるため...

古印葵に狂う前、狂った後

 純の友達のことを考えていたら、純の友達は純が古印葵に狂う前・後をリアルタイムで見ているということで?! と気付いた。 純が古印葵に出会ったのは大学時代の旅行中。矢晴が21歳の春にデビューしていて、そのデビュー作を純が読んでいるのだから2歳下の純は19歳の春かしら。 まだ成人してない若い子を狂わせちゃって、古印葵ったら罪な人。 大学入学辺りまでは古印葵を知らない純。 小さい頃は漫画の感想を恐竜のぬいぐるみに話したりしている純朴さ。小さい頃にお父さんを亡くしているから、それなりにさみしい時期とかもあっただろうな。 中学生頃は漫画を描いて友達に褒められたりしている。クラスメイトの眼鏡くんには勉強を教えてもらったり、絵を褒められたりしていた。けど、眼鏡くんは自殺しちゃっていなくなっちゃった。 高校生頃も漫画描いてたんだろうな。このあたりで自分が実在の人間に欲情しない性質を自覚したのかな。2次元には欲情するけど3次元には……という自覚の仕方なのか、みんながアイドルとかグラビアでどれが好きだの抜けるだのって騒いでるけど、自分はなんの感情も抱かないなあ……って感じだったのか。女に興味がないのか男はどうなんだ、みたいな検証はしたのかどうか……? ちょっと知りたい。 大学入学時にも漫画描いてる。同人誌作ってコミケに出たり、ってのは高校生くらいからやってるのかな? 大学入ってからかしら? 牧野先生のアシスタントを始めたのはここらへん? 大学2年の春、友達との旅行中に古印葵と出会う。 旅行後からは古印葵に夢中かしら。古印葵と同じ雑誌に載りたくてA誌の月例賞に応募し始める。 大学3〜4年あたりで、古印葵の初コミックスをゲット。 大学卒業あたりでA誌で商業デビュー。憧れの古印葵と同じ雑誌の漫画家になれた。古印葵の2冊目のコミックスをゲット。その年の年末、E・B大賞を受賞した牧野先生に連れてってもらって授賞式に行って、生の古印葵を見る。サインはもらえたのかどうか。牧野先生には「社会見学」だとかなんとか取り繕いつつ、「大好きな古印葵が授賞式に来るから行きたい!」という本音も隠せてなかったんだろうなと微笑ましい。ちゃっかり牧野先生に古印葵の作品読ませてる感じ。【第5話】の牧野先生の『古印先生って男の人だったんだね名前と作風で勝手に女の人かと思ってた』という評が純がどんだけ古印先生について...

矢晴の家事能力

 純は掃除も完璧ピカピカで、自炊もするからそれなりに料理ができる。洗濯は全自動洗濯機とガス乾燥機だから、洗濯物干しなんていう家事はしないけど、乾いた衣服やタオルなんかは自分で畳んでしまっているはずで、脱衣室に並んだバスタオルの感じを見ると、そこらへんも完璧っぽく。さすがスパダリ。 対して矢晴はどうなんだろう? と考えてみるに。 うつ発症してズタボロになる前は部屋はきれいにしてるっぽいんだからそれなりに掃除はできそう? 料理はできるのかどうか。一応キッチン付きの物件に住んでたんだから、なにかしら料理したりはあったかもしれないけれど、一人暮らしだと自炊するより買ってきたりカップ麺やレトルトで済ます方が安上がりになることも多いから、お湯を沸かすくらいしか使わないキッチンだったかもな、という感じもする。 彼女と同棲してたみたいな雰囲気はないから、ずっと一人暮らしだったんだろうなと思うんだけど。 矢晴の実家ではお母さんが家事一切やってる感じで、矢晴が家事を手伝うとかそこらへん全然しなくて、部屋の掃除もお母さんにしてもらってた感じだったら、家事できるって感じはしない。 コミュニケーション不全な関係だから、家事を教えるとかのしつけ方面もそんなにしてないんじゃないかなあ? という感じはする。とはいえ、きちんと洗った服を着せる、清潔にする、あたりはお母さんがしっかりしてそうな感じはあるから矢晴にもちゃんと身についてると思う。 うつ発症してからは掃除とかに手が回らないのと清潔に無頓着になっちゃってあのゴミ屋敷であろうなあ、って感じはあるんだけど、純の家に来てからもゴミをそこらに放り投げようとしたり、粗相した日の部屋の荒れようを見るに、もともとズボラでもありそうなんだよなあ、とも思うんだけども……。 とかいろいろ考えてみるけども、純が家事万能だから別に矢晴に家事能力なくたっていいじゃないの、というあたりに着地する。でも矢晴はそうやって世話されて自分がなにもできないとか思っちゃうのも嫌なんだろうなあ〜って感じもあって、難儀だな。

友達

 純の友達は、【第16話】冒頭のイツメン風の大きな子、眼鏡の子が一番の仲良しさんなのかな? 〈ラクガキまとめ〉の中の純の友達と純のくつろぎ具合とか、どんだけ仲良しなんだ! ってくらいなんだけども。 純は【第8話】で『あ!友達がきてゲームするならピザ頼まないとですね』と言っているのが「世間の定番として」なのか「実際の生活上」なのかはよくわからないけれども、純の友達が来た時もゲームしてピザとってとやっていそうな感じはする。 〈ラクガキまとめ〉の中のホットカーペットに思い思いの方向に頭向けて3人とも携帯ゲーム機持ってる感じだから、ローカルプレイでなんか一緒にやってそうなんだよな。なにやってんのかなー? 矢晴の分はないのー? 純ー? 純の家のテレビはでかいから、据え置き機で複数人プレイで画面分割されても普通にでかめのモニターサイズくらいはありそう。 純と矢晴がやってたゲームはTPSのガンシューティングゲームっぽいけども、なにやってるんだろう? 純がゲームするのはなんかわかるんだけど、矢晴がゲームできてるのがなんかすごいな、という気分にはなる。ゲームするんだ、矢晴。 純の友達が来たら、矢晴も混ぜて4人でゲームしてるとこ見たいな〜。チーム戦とかトーナメントとかやったらいいじゃん! それにしても、純が友達とくつろいでるところを見ると、純ったら普段矢晴の前でけっこうカッコつけてるんだ〜って感じがする。友達といる感じの境地まではまだまだかかりそうねえ。

矢晴と漫画

 矢晴が漫画を描き始めたのは正確には何歳かからなのかはわからないけれど、15歳くらいからはもう投稿始めてる感じの。 15歳から21歳まで出版社に送る漫画を描いていた、というから、漫画自体を描き始めたのはもうちょっと前、で15歳くらいには「漫画家になりたい」と夢を現実にしようとがんばってた感じ。 21歳でデビューしてるから、投稿始めて6年くらいで世に出てて、やっぱり才能のある人なんだよな、と思う。 雑誌に読み切り載せて、それがコミックスにまとまるのが23歳。デビューから2年。翌年にもコミックス出せてるわけだから、読切の掲載ペースも上がってる。 古印葵のデビューからファンやってる純もそれはそれは嬉しかっただろうなあ、と思う。 描いた漫画が認められて賞をもらって、さあ、これから、ってところでB誌に行っちゃったのが何故なんだ、ってほんとに思うんだけど。 B誌では企画が通らない、描いても没、で掲載なし。2年の間にどんだけ描いてきたのかはわからないけれど、A誌での連載時に純が『絵は格段にうまくなってるし冒頭の台詞のセンスも相変わらずいい』と言ってるくらいだから、相当描き続けて絵が洗練されてきてたんだろうとは思う。 格段に、という言い方で、デビュー当時はまだそこまで絵はうまくなかったか……? みたいな気分にもなるんだけど。純が憧れてるくらいにはうまかったのが、さらに磨かれた感じだろうなとは思う。 結局、A誌に出戻りして連載持っても、夏に始まった連載を秋に4話で終わらせるという、よくまあそんなに間空けても打ち切りにされなかったものだ、みたいな気分にもなる。たぶん週刊誌で月1連載になってたの、編集部で問題になってなかった……? 大丈夫……? みたいな気分にはなる。多少なり担当からせっつかれてて、余計に追い込まれちゃったかな、矢晴。 A誌でデビューして漫画家として生活してきたけど6年間で2冊しか単行本が出なかった、というならかなり細々と漫画家生活続けてきたんだな、という印象になるんだけど、実態はデビューから3年で単行本2冊出して、2年行方知れずになって、出戻りで連載持ったけど1年もたずに終わらせて、3年、コミックス出してないという、なんでそんなことに、みたいな状態。 A誌にずっといたら、読切だけだったとしても毎年単行本出てそうだし、短期集中連載とか経て、連載漫画家になれてた気し...

矢晴の収入と生活を想像してみる

 矢晴は高校生のころはバイトしてたらしいけども、お母さんが家事全般をやっているから、「学校、バイト、漫画」を満喫して、雑事に煩わされることのない生活。 大学生のころは実家から学費を出してもらっていて、父方の祖父母の援助で一人暮らしができた、ということだから、バイトをしていたとしても自分のため(漫画のため)くらいなのかな? 家賃は祖父母が出してくれるけど、食費・光熱費とかは矢晴持ちだったらもうちょっとバイトがんばってる感じかな? 21歳の春(大学4年になるくらい?)に商業デビュー。ここからは読切を載せれるたびに原稿料が入る。就活はしなかった。 大学卒業後は漫画家として専業。読切が載るかどうかくらいの不安定さ、な感じだけど、それなりに安定してコンスタントに読切載ってれば、バイトしなくても生活できそうか、バイトと合わせて安定した生活できそうくらい。 23歳で初コミックス。初版から版を重ねて累計7万部として、印税が350万円くらいになったとすると、仮に1万部ずつの7回増刷かかるたびに50万円ずつの収入が発生して、読切の原稿料もあるから、バイトしないでも生活できるくらい。 24歳で2冊目のコミックス。初版から版を重ねて累計7万部として、印税が350万円くらいになる。読切の原稿料もあるから、バイトしなくても生活できる。国内、国外で賞をとる。  この時点で、コミックスの印税だけで700万、印税を全額貯金していたとして、2年くらいは無収入でも生活できる。でもたぶん、1冊目のコミックスの印税と原稿料で生活維持してて、貯金に回せたのは2冊目の印税からくらいかな? と思うと、貯金額は400万円くらい、切り詰めて生活すれば1〜2年くらい無収入でもぎりなんとかなるかしら。 25歳でB誌に移る。A誌での読切掲載もなくなり、B誌でも掲載がないため、原稿料の収入が一切ない。 26歳、B誌での掲載がないから無収入。貯金がなくなってきてレジ打ちのバイトを始める。家賃滞納、電気代滞納などしてしまう。バイトも打ち合わせの日は休み、漫画を描く日は休み、みたいな状態だと週に3日入れたかどうかじゃないかと思うとバイト収入月10万円もいかなそう。 27歳、B誌に見切りをつけてA誌に戻る。連載枠を得る。連載開始するまでは無収入だからバイトを継続しているとしても、連載前の打ち合わせ、連載開始後、ネーム100枚...

矢晴の売れ方

 存外、矢晴は売れっ子なんだが……。と思う。 なんだって順調だったA誌から先行き不明なB誌に移ってしまったのかが謎でしょうがない。(そのうち明かされるだろうと思うんだけど。はよ知りたい。) 解説によれば、矢晴の単行本2冊合算で14万部くらいらしい。純の発行部数1400万部(電子はその倍くらい売れていて全部で4000万部とか超えるっぽい)の「百倍」「百分の一」が、単純に慣用表現とかじゃなくて実数だったらしいのだけど。 単行本15冊で累計1400万部 VS 単行本2冊で累計14万部 単行本2冊で186万部(連載4年目時) VS 単行本2冊で14万部 ……そもそも純だって初期はじわじわしか売れてないだろうから、初版部数とか矢晴より少なかったりするんじゃ……? と思えるんだけど。 だいたい、新人漫画家のデビュー単行本が1万部超えてたりってのもすごい状態じゃないかと思うんだけど、矢晴、1冊目と2冊目が同数出てるとして、7万部ずつでしょ……? 短編集で。多くない……? 矢晴、どんだけ野望持ってんの……? これで全然売れてないとか言ってんの……? B誌に行かなけりゃそのまま短編集増刷かかって、そのうち連載でもっと安定してただろうに……。 国内のE・B大賞の部門賞を獲り、フランスの漫画賞の部門賞を獲り。 フランスの漫画賞を日本語のままで受賞したのかどうかは定かではないが、フランス語翻訳されてフランスでも発行されていた、と考えるほうが無難な気もするから、そうなると、矢晴は国内でそこそこの部数を売っててさらに海外で翻訳版が出る作家、という……。売れてるよなあ。 まあ、【第1話】で『買われたところで一冊だけだし』『収入としては心もとなく生活に箔がつくほど売れてない』と言っているくらいだから、多少なり贅沢な生活ができるほどは売れてない(漫画専業でも生活はできる)という感覚かな。 いやさ、賞とってこれからじゃん! 『そしてみんなすぐに忘れる』って、あんたが消えたんだよーーーーー!! って叫びたい。 なんか、純の覚えてるE・B大賞の授賞式での矢晴のスピーチからは無欲で、漫画描いてるだけで幸せで、細々とでも自分の漫画描いて生活していけたらいい、みたいな印象を受けるのに。とんだ守銭奴だよ、みたいな気分にはなる。 とはいえ、矢晴の語り自体が、漫画描いても没にされまくりの連載とっても大失敗の貧...

作者ブログが開設されまして

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これまで登録制でログイン必須のSNSのくるっぷにて公開されていた情報が、ブログに移行されて、誰もが見れる状態になった。 開かれた場所なので、見てる・見てないを気にすることなく、話題に触れたり引用したりできるかなーと思っている

承認欲求のこじらせ方

 なんていうタイトルだけど、別にこじらせ方のレクチャーではない。 こじらせてる人の相手して疲れた経験はある。「自分の作品のほうが上手いのに、あんな下手な作品に多くのブクマがついてるのはおかしい!」と憤慨してたり、「前回のものより今回のもののほうがブクマが少ない。やっぱり私はダメなんだ」的なこととか。 別に、ブクマやいいねの数で自分の承認欲求を満たすのはいいと思う。目に見える形での承認なわけだし。ただ、数の多寡とか、人と比べて少ないことで自分は無価値とか自分には才能がないとかいう方向に思考を持っていくのが、そもそもおかしいと思っている。 以前のものより承認数を増やさねば! という思考で、他人の好みに媚びたものとか流行に乗ったものを出し続けたら、もともとその人の作風を気に入ってファンになった人たちを振り落としていくわけだし。たぶん一番大事にしなきゃいけない「自分の作風とそのファン」を、承認数を増やしたいってだけの欲望で切り捨てて、後に残るのは枯渇した自分だけになる。 「己のために創作せよ」ってのは大事な考え方だよな、とすごく思う。己のために、というよりは、自分を大事に、と思うけれども。 ただ、自分が世間でどのように評価されているのか、とか自分の才能はどの程度のものなのか、は他者評価を得なければわからない。そんなこと知らなくても大丈夫な人が一番強い。 人の好みは千差万別だから、「面白い」「どうでもいい」「つまらない」の3評価で受け付けたとして、たぶん「面白い」の得票数が一番少ないんじゃないかなあ? と思っている。比較的感性の合う人、と母数を減らせば減らすほど「面白い」の得票数は増えると思うんだけど。 そんな狭い世界なんだよな、と。 矢晴は承認欲求のために自分の作風を切り捨ててきたわけじゃないけど、編集の意向が「売れるもの、流行るもの、人気の出るもの」というもので、そこで矢晴は自分の作風を切り捨てさせられてきた、感じにはなると思う。 でも、矢晴の本質のなかに、「売れたい」とかはしっかりありそうだから、今は特に「売れない自分は無価値」とかは思ってる感じだけども。そりゃもう、普通に作家として生計立てて、って考えたら、売れなきゃどうしようもないんだけど、矢晴自身はA誌にいた間、漫画専業で生活できてて賞までもらって多くの承認を受けてきてて、そこまでは順風満帆だったわけで。 ...

漫画みたいに

 【第23話】で矢晴が純にちょっと呆れながら『はあ……お前は言うことが漫画みたいにオーバーなんだよ』と言っているところにまったくもって同感で。純の言うことはきっと純の描く漫画みたいなんだろうなと思うことは度々ある。 そしてまた、鉄棒で超回転する奇行に走った純に対して『ふふ』って矢晴の笑顔がいいんだー。 純のオーバーな物言いと奇行を「純だから」って受け入れてて微笑ましく思ってて。ちょっと大人な矢晴がちょっと子供な純を見守ってる(侮ってる)風味も感じないでもないけれど。そんなふたりがとてもかわいい。 純は純で、漫画的なオーバーな物言いで、矢晴を引き上げる言葉をどんどん繰り出してくれるのが、かっこよくって、いい。 たまにちょっと、あまり考えずに発した言葉はズレてたり矢晴を傷つけたりしてるけれども。矢晴は比較的、意図的に純を傷つけようとするけど、純は無自覚で矢晴を傷つけてる感じがする。 純はちょっと考えるといいこと言うんだけどな。ちょっと考えるだけでいいこと言えるんだから、相当頭の回転速いよなあ、と思う。 この「漫画みたいにオーバー」なのって、【第22話】のラストあたりのことも含めて言ってるよねえ、矢晴ぅ〜。

■【売れうつ】の二次創作(48)(小説)

 純が古印葵の漫画で抜いていたらいいなとか思ったりしている。 若干、性的な描写がある。 ■

ぬるま湯

 矢晴は今の純の家にいて純に世話してもらっているのを「ぬるま湯につかっている」と言うけれども、そもそも病気療養中であることを思い出してほしいな、と思う。 金の心配もいらない、住居の心配もいらない、衣食住に満たされて、まずは心身を立て直そうという、療養中じゃないか、矢晴よ。 自立志向が高いというか、他人の世話になりたくない、施しを受けたくない、惨めになりたくない、とかのいろいろなプライドなのかなんなのかが高すぎて、純の家で暮らすこと世話されることにも抵抗があるみたいなんだけども、いいじゃんもー甘えろよーーー! ただ、純が「漫画を描かなくてもいい」って甘やかしてくる状態を「ぬるま湯」と言って「だから描かない」ってわけでもない感じが、“ぬるま湯”という語から想像する創作者の姿ではないな、と思える。 仲間内で褒め合うだけで、特段作品を完成させるでもなく賞に応募するでもなくプロになるための研鑽を積むでもない、“ぬるま湯”ってあるじゃん。その仲間内ではどんな駄作も傑作だと褒めねばならん同調圧力とかあったり。なんかもういろいろ。創作者としてダメになりそうな“ぬるま湯”。 矢晴が他人が言う通りに人生の進路決定をするなら、〈純が「描かなくていい」って言うから描かない人生を選ぶ〉ってなりそうなのに、矢晴自身は漫画を描きたいけど今は描けないから、どうにかして描かない理由を集めつつ描きたい気持ちに蓋をしようとしてるみたいな。 と、書いてて、固い瓶の蓋って矢晴ががんばって締めてんだな、と思った。

褒められたから

 矢晴は「人に褒められたから」絵や漫画を描いて、漫画家を目指して、と他人の評価によって自分の進路を決めてきた、みたいに言うけれども。 もともと、矢晴自身が絵を描くことが好き、漫画が好き、で、「好きな絵を描いていたら上手だねと褒められた」「漫画を描いたら面白いねと褒められた」というのは、矢晴の才能を周囲が認めた、矢晴の技術は褒めるに値するものだった、という才能の証明なのではなかろうか……? と、【第23話】を読むたび思う。 「好きなものを褒められたから嬉しい、だからもっと上を目指したくなった」という、根源的に、絵や漫画を描くことが好きなのは誰なのか、みたいなところを、矢晴は落っことしてる感じがする。 だって、嫌いなものを褒められてもうれしかないし、それでプロを目指そうとかなんないし。「嫌いだけどむっちゃ才能あったからプロになっちゃったけどやっぱり嫌い」ってことはありそうだけど。矢晴は漫画大好きじゃん! それこそ、【第14話】の純の言った『子供の性質は人間の持って生まれた性質だよ』『性質は成熟過程で薄まりはしても消えはしない』『みんな死ぬまで持ってる君も私も』の通りに、矢晴は小さい頃から絵が好きで漫画が好きで、死ぬまで漫画家でありたい人だろうし、創作できなきゃ死ぬ人なんじゃないかなあ? と思う。 今は、B誌では好きなものを描かせてもらえなかった、何を描いても没にされた経験と、A誌での好きでもないもの盛り込んで切り刻まれてぺらっぺらになった漫画を描いてしまったという後悔とで、創作に意欲が出なくて、創作できないから死にそうになってると思うんだけども。 自己の形成に他者の影響(学習など)があるのは当然のことだけども、それを取り入れるにあたって「自分」が選び取ったこととか興味を持ったこととかが基本だろうし、他者評価によって自分の向き不向きが明確になるとか自信になるとかはあるだろうけど、【第23話】の矢晴の話は、「全く無の状態から他人の言葉が自分を作ってきてそこに自分の意志はない」と言っているように聞こえてしまって、どうにも、ムカつく。 今の矢晴は「人に褒められたから自分には価値がある」とか「人に貶されたから自分には価値がない」みたいな基準で考えてるような気がするけど、そもそもその価値基準を捨てれ。ふんまにもう。 褒められたら嬉しい! ってだけでいいじゃんよ。純も褒められ...

■【売れうつ】の二次創作(47)(小説)

 編集部で矢晴と純が出会った記念日を楽しむ数年後のふたり。 夕方チャイムの時間のアイディアは簡易チャットでの会話からいただきました。 ■

アンケートやってます

 【売れうつ】に関するアンケートやってます。(2022/3/29から常時回答受付中です) アンケートフォーム  もしくは、 アンケートページ (フォーム埋め込み)のどちらからでも、お気軽にご回答ください。 設問は 【売れうつ】の好きな話数を教えて下さい。(5つまで) 【売れうつ】の特に好きな話数を教えて下さい。 上で選んだ話数が特に好きな理由を教えて下さい。 【売れうつ】のなかで、特に好きなシーン、特に好きなセリフを教えて下さい。 この中で、一番好き(or 感情移入する or 興味がある etc)なのは誰ですか? 【売れうつ】に対するあふれるパッションをどうぞ。 と、当ブログについて3問(無回答送信OK)となってます。アンケートの1問目のみ、必須回答となっております。1問目だけ選んで、そのまま送信でも歓迎です。 アドレス等の収集はおこなっておりません。こちらへは個人情報等も届きませんし、複数回答も可能なので、「好きな話数を選びきれない」場合など何度でもどうぞ。 公開話数が増えるたびに設問の話数も増やしてます。 結果の概要  も見れるように設定してあります。2023/11/05現在で17件の回答をいただいております。 また、2023年11月〜、ブログ各記事に「いいね」ボタンを設置しました。こちらも  概要  を見れるように設定してあります。 ランダムで記事を表示するボタンも設置しましたので、なにか適当に読みたいときなど、押してみてください。(ちなみに、ボタンの配色はミントグリーンと錆色でグラデーションにしてみました)

部屋着でそいや

 純の部屋着がかわいいなあ。と思って。 【第5話】で矢晴の連載読んでた頃は「Hey、ヤギ」のTシャツを部屋着にしていて。 【第23話】はジャージの「Soiya」ってロゴのポーズがむっちゃかわいい。(そいや言われると一世風靡が頭のなかで踊り歌うんだが、今回の散歩(道の上)まで掛かっていたりするんだろうか?) おでかけ予定がない時は純は前髪のセットをしない感じなのかなあ? その日の気分なのかなあ? くらいに前髪ちゃんとしてるときとしてないときとあるけれど。 普段家にいるときは、あの重そうなチェーンピアスとイヤーカフスは外してる感じ。でも、家にいても友達とビデオ通話する時はちゃんとした服にヘアセットしてピアスつけてるんだから、自宅でくつろいで友達とおしゃべり、って雰囲気のわりに見栄っ張りなおしゃれしてる感じがする。 基本的に部屋着はジャージかTシャツか、みたいな感じな気がするけど、部屋着というより、仕事着としてジャージなのかも? とも思える。アナログだったら汚れるから、みたいには思えるけど、デジタルだからな……と考えると、楽に着れるから、程度のジャージかもなと思う。 お出かけ着は、多彩におしゃれで、新しい間取りの洋服部屋は7.4畳もあって所狭しと服が入ってそうな感じだから、けっこうな量の服を買っているんだろうなと思う。たまに気合い入れすぎて変な柄のジャケット買わされてると思うと、純がかわいい。 部屋着とかパジャマとかざらっと見直してて気付いたんだけど、【第12話】で矢晴が飛び出して帰ってきてベッドで酒抱えてる時、矢晴におかえり言ってる純がパジャマだけど髪の毛セットされたまんまっぽくて、もしかして純ったらお風呂はいらずに矢晴の帰り待ってたりした? と思ったりした。

散歩道

 純と矢晴の出会いの日も、出版社から住宅街の公園の横を通り、喫茶店、ミント色の柵を経て、居酒屋へと長い散歩をしていたけれど。 矢晴の心身のために遠目のスーパーまで散歩する道中には、大型店舗でも建つのか工事している囲いの遠く向こうには高架があり、小さなポールのある交差点、煉瓦っぽい塀、公園と、変わる景色が面白い感じ。 交差点の小さなポールは『ボラードっていうらしい』と純が言ってる感じで、ボラードというとハードボイルドな波止場で足をかけるアレか、と思いながら調べてみると車止めもボラードというらしい。そうなんだ〜と知識が増えた。それにしても小さなポールで、車止めとして機能しそうだけど、それ以前に歩行者に対して罠になりそう。矢晴がひとりであの交差点通ったら、あの小さなポールに躓きそうだな、と思った。 建築中の囲いは、なにが建つのか。日々、あの通りを散歩したら建物が出来ていく過程とか見て、楽しいかもしれない。純はショッピングが好きだからか、ドンキができてほしいっぽい感じ。かなり大きな囲いになっているから大きな店舗かマンションでも建ちそう。 同居1ヶ月目のあの日に矢晴ひとりで散歩に出されたときには、毛糸の帽子はかぶっているけど、着ている上着は薄そうで寒そうで、という感じだったけれど、遠目のスーパーまでの日課の散歩では、純が用意したんだろうフード付きのあったかそうな上着を着ていて、これは女性陣との会食の日にも着ていた上着なのかな? 矢晴の自前のジャンバーは寒そうだから、あったかいコートでもあげてほしいなと思っていたけれど、ちゃんとあったかそうな上着着て、毛糸の帽子かぶってと防寒しっかりしてるみたいでよかった。 でも、もう冬の最中で夕方なんてけっこう寒そうだから、手袋もあげてほしいかもしれない。矢晴の思考癖でポケットに手を入れていては危ないから。 とはいえ、「寒いね〜」って自然に手をつなぐための策なのかもしれない。 正月あたりには初詣ついでに神社まで散歩、みたいにするんだろうかな〜と思うと、これまた見てみたい。ふたりで迎えた初めてのお正月。見たいわぁ。

出会ってから

 純と矢晴が編集部で出会ったのが、たぶん11月3日で。あら、今日って、出会ってから2年目の記念日になるんじゃないかしら? と思いを馳せた。 純は手帳にサインもらってるから日付も書いてあるだろうし、【第6話】で『今日ここで会ったこと思い出すためにサインをもらいたいんです』って言ってて普段使ってる手帳にサインもらってるんだから、ちょくちょくサイン見て思い出してたかもしれない。 出会った当時の姿を思い出して、今、目の前にいる矢晴の姿を見て、純の家に来てからどんどん身体の健康を取り戻し、ゆるゆると精神の健康を取り戻していくのを走馬灯のように思い出すのかもしれないな、と思うと、ふたりに幸あれ! と叫びたくなる。 2年以上かけて幸せにする話、の2年に到達しているわけだから、リアル時間の今現在、矢晴はずいぶんと幸せに近くなっているんだろうなと思う。が、描かれる物語の終わりを想像してしまって、ちょっと寂しくなった(まだ起こってない事象でダメージを受ける)。 出会って同居してから1年で漫画を描き始め、2年となると、漫画家復帰していたりするかもしれない。風通しの良くなったA誌で読切を載せているか連載をしているか。矢晴の状態からは週刊連載って厳しそうな気がするから月刊誌とかで連載になってもいい気がする。同じ雑誌に載りたかった純はちょっとさみしいかもしれないが。 作中現在ではまだ出会ってから2ヶ月も経っていないのにあの回復ぶりなのだから、2年も経つと、どんだけ健康になっているのか、楽しみではあるが、そこに到達するまでにまだまだあと20話とか30話とかもっとかもしれないがある。はやく幸せになったところを見たいけれど、もっと長くふたりの生活を眺めていたいジレンマみたいになりつつ、まだ先は長いぞ、と自分に言い聞かせている。

悪意

 というタイトルで始める割に、まずは、ここのところコメントを多くいただけていることへの感謝をば。 記事へのコメント、二次創作への感想コメント、ありがとうございます。返事はしたりしなかったりになりますが、お気軽にコメントくださいませ。 また、簡易チャットのほうへもいらしてくださる方が増え、楽しくお話させていただいております。お立ち寄りの売れうつファン同士の交流などにもお気軽にご利用くださいませ。 で、本題。 【第23話】で純が『「言われたい感想」は「憧れ」にしていいが「正しさ」にはしない』『それしちゃうと「こう言われたくない」を全部悪にしちゃうから』『人の悪意はこの世にあるだろうが人の善性や知性を必ず信じる』と、自身の創作を発表した時の他者の反応に対しての心構えを語る。 あんまり純っぽくないんだよなあ……と思ってしまうのだけど、純自身、売れっ子なので、アンチ的に悪意をぶつけてくる人とかはいそう。でも、全員がアンチでもなし、悪意でもって攻撃してくる層なんてのは、ごく一部で、大多数は好意的で、また表現を理解してくれるだろうと思う。 矢晴は自身の作品に対して、「つまらない」と言われたくない、という思いもあって、描く気になれない、と言うけれど、どんな大傑作を描いたところで、刺さらない層は必ずいるだろうしなあ……と思うと、どれだけ矢晴が無い物強請りをしているのかと。ついでに目の前の古印葵ガチ勢に古印葵の漫画読ませたら大絶賛するが? それは無視か? という気にもなる。目に見える古印葵ファンにつまらないと見限られたくない、という思いは密かにありそうではあるけれど。 だいたい、純が売れっ子で〜って言ったところで、人口比で考えても漫画を読むごく一部の層のうち、純の漫画を楽しんでいる層なんて、ものすごく少ない、とも言えるわけで。純の漫画を楽しんでいない層はそもそも漫画を嗜まない人が多いけれど、漫画を読んでも望海可純はいらない・つまらない、って思ってる層がいるわけだからさー、というのはふつうに思う。 実際のところ、悪意でもって攻撃なりなんなりしてくる層というのは、作品の出来はどうでもいいって人ばかりになる気がするから、そもそも相手にする必要はない、と思う。 作品内にありもしない悪意を見出す人や、作品の表現に対して自身の思想と合致しないからと敵認定する人なんかもいると思う。思うという...

現実逃避

 矢晴が『漫画を描く目的は「嫌な現実から逃げるため」っていう方が良いモチベーションになると思うんだよ』というのに、半分は納得しつつも、半分は納得いかない気分でいる。 現実よりも創作に没頭するほうが楽しい、というのならわかるんだけども。引き合いに出されていた(「空襲がきても漫画を描いていた人(手塚治虫)」「生涯誰にも見せずに大長編の物語を描いた人(ヘンリー・ダーガー)」)人たちがどんな思いで創作に没頭していたのかはわからないけれど、現実が嫌だから創作に没頭した、と断言できるものかというと疑問。 純も現実よりも創作のほうが楽しいタイプではあると思うんだけど、「創作してると脳からヤバいものたくさん出てきて気持ちいい」からというのは良いのか悪いのかよくわからんが。ただ、純は「自分が人間に欲情できないから孤独」という現実からの逃避先に『私には漫画があるから たぶん、大丈夫』と若干大丈夫じゃなさそうな思考をしているのが気になる。 矢晴の言うように、「嫌な現実から逃げるため」の創作で嫌な気持ちになるのだったら、現実も創作も嫌なものになってしまって、どこにも逃げ場はなくなってしまうのだけど。 矢晴は創作世界では嫌な目にあったわけじゃなくて、自身が商業漫画家であるという現実で漫画を描いていて、仕事や生活のために描きたくもない漫画を描かなければならない、描きたい漫画は雑誌の傾向で没にされる、という現実がのしかかってきたから、描けなくなった、描きたくなくなった、わけだから、なんだかちょっと、矢晴の話に納得できないんだよなあ、と思う。 漫画を描く行為が嫌になった、とは思うけれど。 自分の創作世界に没頭できて、楽しく漫画を描けて、それが自分の生活も支える商業漫画家になれれば、万事解決、という感じはする。A誌でデビューしてからの数年は、そうだったし、さらに国内外で認められて賞もらえて、これからもっと上に行けそうな感じだったのに、なんでまたB誌なんかに……。 「目的」を現実逃避にしてしまうのは、なーんか違うよなあ? と思ってしまって、納得いかない。 ついでに言うと、矢晴の話で『もし漫画を描いた時だけ嫌な思いをして』『描かかずにいれば嫌な思いをしないってなったらさ』『創作においての「己」は根本的に崩れるよ』と言うけれど、ちょっと極論に走っているような気がするんだけど、「創作の目的が現実逃避...

洗面所

 矢晴の洗顔姿がかわいくて! 後ろ髪しばって、前髪はヘアバンドで上げて、きれいな生え際見せてくれるのが、とてもいい。 普段、長い前髪ですっぽり隠れてるおでこ全開なところがいい。 そんでもって、純の家の洗面所はお湯が出るのねえ〜矢晴が冷たくなくていいわねえ〜って思った。ここのお湯もいい感じのぬるま湯なのかな〜。 あと、洗面所にズラッと並んだ瓶やらボトルやらチューブやらってのは、純のケア用品なんだろうなと思うんだけど、なにが置いてあるんだろう? とちょっと気になる。おしゃれさんのヘアケアとかスキンケア お湯で洗顔なら保湿剤は置いてありそう。純の頑固なヒゲ用にシェーバーとかあるかな。あんなに泣くほどの痛みで脱毛したのにまだ生えてくるって、純つらい。 前に矢晴がマウスウォッシュ飲んでからマウスウォッシュは置いてないんだろうけども、アルコールの入ってないマウスウォッシュに切り替えたとかしたかなあ? 純の家の洗面所は広いけど、シンクはひとつだから一人ずつしか使えない。ふたりで同時に使う時は純が先に顔を洗って隣でスキンケアとかして、矢晴が洗顔する、みたいな感じになるかなー。大きな鏡だから、純がドライヤーやらコテやら使ってても、矢晴も並んで身支度できそう〜。鏡越しにかっこよくなる純を見つめててもいいのよ、矢晴。

暖房

 【第17話】ラストのルーフバルコニーに遠赤外線ヒーターっぽいものが映ってて、【第22話】で矢晴がひとりでルーフバルコニーで日向ぼっこしてるっぽいところでは遠赤外線ヒーターに加えてパネルヒーターもあるっぽく。 作中、12月の中程だから日中でもそれなりに寒いだろうなあ、という感じはあるから、純がちゃんと寒さ対策してるのはいいなと思った。 矢晴に日光浴をしっかりさせたいんだろうな、と思うし。日光浴という言葉がすぐに出てこないで、つい天日干しって言いそうになったのは余談。 でも、あの空間に矢晴ひとりでいるのはさみしくないかな? とは思ったりした。「恵まれた環境なのに希死念慮が来る」って話をしてるところに挟まれるシーンだから、ちょっと寂しかったりもしてるかもしれない。 お家のなかの暖房はどうなってるんだろう? と、前にも考えてた気はするけど、純の通話を階段で待ってる矢晴がそこまで寒そうではない感じで考えると、家中、床暖房とかでそこそこあったかいかな? とは思える。純の寝室の室温も22度ということで、快適な温度にしてあるし。 必要な部屋全部にエアコンで暖房、かもしれない。電気代が怖い気がするが純の稼ぎならなんの問題もない。でもその電気代、矢晴が聞いたら、「前の家の家賃の倍じゃん……」ってなりそうな気もする。 電気毛布の電気代はそんなにかかんないから、矢晴も安心して使える。

代替品と逃げ先

  過去記事 にコメントいただいたので。 【第12話】『けどさ本当に探してるものの代替品がアルコールなんでしょ?』『それって普通だよみんなそうだもの』『目に見える現れ方がみんな違うだけでさあ』 【第23話】の純の『前と今の違いは』『巨大な不安の逃げ先を今は酒以外にできる』『それくらいじゃないのか』 とを、合わせて考えてみようかと思う。 【第12話】の同居3週間〜くらい。酒を探していたのかどうかは定かではないが、矢晴が物置部屋を荒らした感じ。私は、毎度、『それって普通だよみんなそうだもの』『目に見える現れ方がみんな違うだけでさあ』という純の言い方にプンスカしてしまうのだけども、今もプンスカきている。 なぜプンスカきてしまうのかというと、純が矢晴個人を考えずに「どこにでもあるとるに足らない事象」のように「みんながそうだ」と言ってのけてしまっている点で。矢晴がどんな思いで酒に逃避しているのか、を考えてくれてないなあ、矢晴自身も純にそこまで話しちゃいないんだけども。という、どっちもどっちだけど。 と思いながら、その後の矢晴の病気の話を聞いていたら、純が簡単に「みんなそう」って言ったことに反論してんだな!? むっちゃ怒ってるな? という気がしてきた。どうなんだろう。 「探しているものの代替品がアルコール」であるのか、という点で考えると、【第23話】で「矢晴にとってのアルコールは巨大な不安の逃げ先である」と純が理解したんだな、みたいに思った。 これは【第22話】で、矢晴がアルコールに依存して酒浸りになった理由を純に話したから、純が「矢晴にとってのアルコール」をしっかり考えてくれた感じがする。そして、『巨大な不安の逃げ先を今は酒以外にできる』という純の言葉が「私がいるよ」にしか聞こえないんだな、これが。純、素敵。 【第23話】で矢晴の漫画を描くことに対しての本音が語られて、不安が語られて、そこらへんを考えると、【第13話】での同居21日目の会話で、純の言葉から、「瓶が開かない」不安が増大して、【第12話】で不安から逃げるために酒を探した、という感じはする。断酒してからこっち、『今は酒という逃げ道が封鎖されてしまっている』と語られているし。 ついでに、開かない瓶の話をしていた時の切れた縄については、「命綱を切られた」印象も出てきた。 同居21日目から考えると【第23話】は、...

●第19話までのエピソードざっくりまとめ

 ぼちぼち、第20話〜の感想を書かねばな……と思いながら、その準備でもないけれども、 ●第11話までのエピソードざっくりまとめ  の続きとして、ざっくりと。 【第12話 幼生・トランスフォーム】 転居6日目、純とふざけあい、活動時間が切れて一晩泣いて耐える 転居7日目(第1話で描写)ベッドで歯磨きされ台車で運ばれる 2週間、3週間と過ぎ。毎日後悔をして過去に蝕まれる。 純の献身的な世話 酒を探して部屋を荒らす矢晴 日光浴。矢晴の病気の話を聞く純 食事。純の夢を聞きショックを受ける矢晴 引っ越してから1ヵ月。 ビデオ通話をしている純。階段で180分以上待つ矢晴 チクチク言葉を使って悪口を言う純。純に当たる矢晴 自身の背中の奥に幼虫がいてなにかになろうとしていると考える矢晴 酒を買い、飲んでしまう矢晴 翌朝。起こしに来た純に『昼まで寝させて…』と言う。 動けなくて、ベッドで粗相する 【第13話 上薗純、曰く その(3)】 純視点。過去回想と矢晴の分析 矢晴が語る古印葵のペンネームの由来 同居1日目。食事と酢酸。夜。 同居2日目。矢晴の通院予定と薬 同居3日目。夜。矢晴の病院の予約をとった、3週間後。矢晴の療養のための勉強、分析、計画。 同居4日目。矢晴に純がどのように見えているか聞く。 過去回想、矢晴のアパート再訪時。矢晴の生活の惨状に衝撃を受けて、助け出すために、矢晴を説得する。 過去回想、矢晴視点(第7話)と純視点の対比 『私の顔を見て確かめてください』『あなたが背中で見ている不安は存在しないことを』 同居4日目。振り向いた矢晴。うなだれて床を見て、座り直す純。 記憶が変形している自覚はあると話す矢晴。本の受け売りを話す純。 「情報源感作」 同居5日目。 同居6日目。「質問に答えられず誤魔化した」。笑顔の矢晴。はしゃぐふたり。 「クレショフ効果」 同居14日目。人間ドック。 同居21日目。『全部お前にやる』『固い瓶のフタは急に開く!』『私じゃ古印葵を紡げないのは私が一番知ってる』 矢晴の病院。断酒を褒められたことを喜ぶ純。 同居1ヶ月目。粗相した矢晴を風呂に入れる。「歪み」「脳内フィルター」「祈り」 【第14話 一生・ベイビー】 同居1ヶ月目。粗相した矢晴は純に風呂に入れられて、の風呂上がり。 ソファーに臥す矢晴はリビングに置かれていた純の漫画を手に取る。 ...

遠目のスーパー

 【第23話】の純と矢晴の今夜の夕食は、矢晴のリクエストで鍋になるんだろうな。白菜と豚の鍋。〆はうどんで。食べたいもの考えれてえらいぞ、矢晴。 散歩ついでに遠目のスーパーに買い物に行く、となると、徒歩20分くらいの距離だったりするかな? と考えてみる。 往復で40分と買い物20分の合計1時間の散歩。ちょうどよさげ。 遠目のスーパー、と言うからには、近場のスーパーもあるのかな? と思ったりもする。コンビニまでは徒歩10分〜12分らしいけれども。【第8話】で純が買い物に行ってたのは近場のスーパーかな〜。車で遠目のスーパーかな〜。と考えるのも楽しい。 散歩ついでにスーパーに行くことを日課にすると、ふたりで夕食材料を買って帰ることになるんだろうから、一緒に夕食のメニューを決めて仲良く買い物して、と新婚さんかな? みたいな気分になりつつ。 ふたりで散歩と買い物から帰ってきたら純が夕食の準備をして、ふたりで食事して、純が片付けして……と考えると、純の家事負担が多いな、みたいには思うんだけども。 散歩に目的をつけるためにスーパーに行くことにしてると思うんだけど、家事代行とか冷蔵おかずの宅配とかどうしてんのかな? 純が一人暮らしだった時と同じ分量は継続してて、ふたり分の食事にするからもう1品なにか、みたいなところを散歩ついでに賄ってるとか? いつも純がまとめ買いして冷蔵庫に備えてるようなものを、日々、散歩ついでに買い物に行くことにしたとか? みたいにいろいろと純と矢晴の生活を考えるのが楽しいんだけど、やっぱりなんか、純、仕事すすむのか? みたいな気分にはなる。 昼間に仕事して、夕方に矢晴とスーパー行って、夕食作って食べて。 矢晴がアシスタントとして純の仕事場に入ると、矢晴の話を聞くために昼間に使っていた時間がなくなって、仕事と矢晴の話を聞くが同時にできるようになるという画期的な状態に。となると、純の仕事も同居前のように夕方までで済んで、夕方からの時間で余裕の散歩とかにはできそうだなあ。 そして朝、純のベッドで起きた矢晴は、純と朝食をとり、純と一緒に仕事して、純と散歩と買い物して、純と食事して、風呂に入り、純と一緒のベッドで眠るという、風呂とトイレ以外はずっとべったりシステムが完成するのであった。わ〜〜〜い。

補完

 純の足りない部分を矢晴が補い、完全にする。 純に足りないのはなんだろな、と思うと、「他人への優しさ」になるのかな? とは思う。矢晴には優しいけどねー。 矢晴が純を窘めたシーンはといえば 【第11話】『矢晴さんはヒモの才能がありますよ』『他人にほっとけないと思わせる人間ってそんなにいないですから』という考えなしな感じの純に、矢晴が言った『他人に愛される弱者しか救われないって話ですか?』。 【第12話】クソ編集の細川のスピード離婚を喜々として話す純に矢晴が『お前はもっと広い家に一人ぼっちで住んでたろ』『純だって私が家出るって言えば3ヵ月どころか1ヶ月で2人暮らし終了するだろ馬鹿にする資格ないよ』『それにさっきからさ使わないって決めてたチクチク言葉言いまくりだな』。 【第15話】慈愛の話をした純に矢晴が『相手を思い通りに……理想の一部にしたかったって素直に言えよ』。 【第16話】純の攻撃性について、四階の一件を引き合いに出して『いつかなにかの歯車が狂って私も四階になるかもしれない!』『なにも考えずになにが「矢晴には」だ!!』『お前はあの時みたいに後先考えずに頭の回転早くして言葉だけ探してボロカスに言い返す!』。 といったところか。 その他、日々のおしゃべりで矢晴が先輩風吹かせていろいろ言うのを、純は素直に聞いて憧れて自分自身に取り入れているんだろうな、という感じはする。 純が「後先考えずに四階を攻撃した結果……」と編集部での騒動が起こったのではないかと反省し、真摯な態度で女性陣に真相を確認しに行った純は、矢晴にとって、「人間は変わる」という希望をもたらした。 純自身は、自分の好きなもの以外にはかなり冷たいもしくは興味がない、というタイプであった感じはするので、矢晴の影響で丸くなった、とでも言えるのかな。とはいえ、外面は良さげで表向き笑顔が多く付き合いやすい陽キャという雰囲気が強いので、周囲にはそんなに変わった感じは与えないような、気がする。 純自身が矢晴の影響で『優しくなろうと思った』と言い事実矢晴の目には優しくなったように映り、純の古印葵作品への理解が深まっているこの現状。純のさじ加減とも思うものの、矢晴の人柄と作品をも補完してくれているなあ、と思う。

失敗

 【第23話】の矢晴の言う『描いても描いても否定される失敗を経験しすぎて「己」の中が否定で埋め尽くされてる』の、「失敗」って、矢晴の失敗ではないよなあ……と。 矢晴の最大の失敗は、B誌に行ったことだけど。それ以外に矢晴が人生で失敗したところは今のところ出てきてない。 矢晴自身の行為による失敗ではなくて、情勢が悪すぎての失敗であって矢晴は特段、悪かったところはない、という「失敗」だよなあ、この状態は、と思う。 B誌ったら、古印葵の漫画を評価してたんじゃなくて、とりあえず賞獲った作家を囲って、売れ線描かせて儲けよう、くらいだった気がするし。だから、古印葵の漫画の良し悪しや才能なんて関係なくて、B誌の意向に沿うものにならないから否定し続けてきたってわけで、ひどいのはB誌。 というのを、矢晴は認識してなくて、自分の漫画が面白くないから否定される、つまらないから否定される、どれだけ描いても面白いって言われないから自分には才能がない、って思うようになったんだよなあ、と思う。 B誌に行くなんていうことがなければ、A誌で安定してた気がするんだけど。 とはいえ、もともと「売れなきゃ」「連載とらなきゃ」って漫画家としての自分を追い込んでる感じはあるから、A誌で安定して読切を掲載し続ける、ってのも矢晴の野望なり願望なりに合致しなくて歯がゆい思い、みたいなのはあったかもなあ……って感じはする。 まあなんだ、矢晴は焦りすぎだよな、ってのがずっと。そんななのにB誌で2年とか気の長い……なんで……? 1年掲載がない時点で見切りつけてよかったくない? それこそ1本目流れた時点でA誌戻ってよかったくない? ああ、でも、A誌での連載は、担当の言いなりで自分の漫画じゃないもの描いちゃったのは矢晴の失敗にはなるかなあ。 B誌では自分の漫画描いてたら担当やら編集側から否定され続け、A誌では担当の言う通りにしたら面白くないクソ漫画になっちゃって、と。周囲が悪いよ……? 矢晴のいうところの「己」についてはいまだ理解が及ばないんだけど、矢晴が築き上げてきた「己」をB誌が完膚なきってくらいまで壊して、A誌での連載で跡形もなくってくらい壊してきた、ってのはわかる。 真っ当な評価じゃないものに影響受けすぎて自分を見失ってる矢晴に、純がこれからどんだけ真っ当な評価を浴びせてくれるのかと思うととても楽しみだけど、純...

逆・狸の皮算用

 純は毎度、おもしろい言葉を考えてくるな〜と思う。 言わんとすることはものすごくわかるけど、本当にそれでいいのかどうかは謎だなあ、と思いながら。 矢晴は、まだ描いてもいない漫画がつまらないものになるだろうし、人につまらないと言われるだろうから、描こうという気にならない、と言うけれども。 よくこれだけ、描かない理由を集められるものだ、という気もする。そしてまた、自分に重圧かけすぎにも思う。 そもそも、ここらの矢晴の、漫画を描く気になるための前提、が絶対にそんなことできないじゃん、ってくらい、高いハードルになってる。 「誰もが大絶賛するくらいの面白い漫画でなければ描かない」って感じの。描いてみなけりゃ面白いかどうかもわかんないのに、ナニイッテンダ、ってなるやつ。 今の矢晴は作品の内容に対する評価ですら、個人を肯定するか否定するかって思い込んでて、「作品が全人類に面白いと認められない=自分は才能がない、この世に必要のない存在」みたいな極論に走っているんだろうなあ〜と思える。作品に対する評価批評であってお前のことは言ってない、ってグーパンしたくなる。 そもそも、内容を評価される以前に、「つまらないと言われたくないから描かない」ってんだから、もー! 人に見せたらつまらないって言われる前提ってなにーー? ってところで、1年後、描いた漫画を純に見せた時の【第1話】『こいつがどれだけ褒めようがそれが嘘だろうが本心だろうが関係ない』『この世が選んで認めるのは望海可純(こいつ)の方だ』ってメンタルーーー! 目の前でめっさ褒められてんのに……。矢晴ったら、面白いって言われようがつまらないって言われようが、どうせどうせ自分なんて、みたいな感じでめんどくせー野郎だな。ほんとにもーー。 病んでるからなんだろうけど、他人と比較して自分なんて、ってなってるところ、純にきっちり矯正してもらいな! とか思っちゃう。 いっそのこと、捕らぬ狸の皮算用を正しく、今考えてるこの漫画、超面白いから、人に見せたら大絶賛されてバズって単行本にしたら軽く百万部売れちゃうだろうなー、印税で何買おう〜、くらいのことを考えてもいいんじゃよ。なんか無駄な自信にあふれてて身の程を知れみたいに思うけど。 でも、こんな狸の皮算用しててバズらなかったらこの世の終わりみたいになりそうだからそもそも皮算用しないでほしい。

転換

 矢晴が純の家に住んでから1ヶ月とちょっと。矢晴は断酒し、薬もよく効き、規則正しい生活に栄養充分な食生活を送っていることで、ヒゲも生えないほどの栄養不良な状態からも脱し、いろいろなことを考えられるようになった。 これまでずいぶんと純を怖がり、不信感不審感もあった感じだったのが、純が矢晴の影響によって物事の考え方が変わり、周囲への対応も変わってきたことで信頼感が増したのか、自らの家族の話、そして父親の事件についても純に打ち明けることができた。 純がその話を聞いても態度を変えないどころか、矢晴を世に送り出してくれた両親への感謝まで伝えてくれるのだから、矢晴から純への信頼は爆上がりしたのだろうなと思う。 そして自立を考え始め、その自立への道筋に「漫画を描く」という選択肢も考えつつ、それでも描かない・描けない理由を集めまくっているところへ、純が適切に現状把握を促し、矢晴の本音を引き出していく。という、純の手腕がすごすぎる。 今までであれば心の中、頭の中だけでダメージを増大させる妄想をしていたのを、純に対して言葉で示せるようになったことで、純が適切に妄想を止められるし、純の制止によって、思考を変換させられるようになった矢晴もえらい。 そして、自立への第一歩にもなるのだろうが、純が矢晴をアシスタントになるようにと誘う。『君は有能だそれを教えてやる』という力強い純の言葉が頼もしい。 現在あまりにも自己評価の低い矢晴にとって、矢晴の有能さ、古印葵の才能を知る純のもとで働くことは最善の道でしかないと思う。 病の療養から一歩進んで、自己肯定の再構築へと物語が転換した。 それにつけても、公園の純はかっこいい。もう、毎日公園でおしゃべりしなよ。

創作者の

 【第23話】は矢晴が『なにかを描きたくなったとして…だ』と創作やら他者評価やら承認やら、己の成り立ちやらと話を拡張しながら、創作者としての矢晴を語っているような語っていないような。 なんとも不思議な感覚に陥るのだけれども、どんどん話をズラして行って、核心に触れようとしないよなあ……ズレてんなあ……、そういうことじゃないんじゃない……? と、どうにもあまり共感はできなかったりする。 矢晴の自己評価の低さからくる認識の乖離とか、創作の目的とか評価についてとか、矢晴自身が「どうせこうなるからやらないほうがマシ」という方向へ持っていきたいだけという感じが、する。それをことごとく純が軌道修正かけていって矢晴の本音を引き出していくからいいんだけれど。 承認欲求があることによって他者評価が気になる、というのはわからんでもないんだけれど、それを動機にしたら、そもそもの創作は楽しいものではなくなると思う。 自分勝手に追い詰められて、他者の評価によって自分の価値を計り、他人に求められるものが“良い・上手い”、他人に求められないものは“悪い・下手”として、自分の表現でなく、他者の求める表現に寄せていく、なんてことをしたら、創作欲やらなんやら早々に枯渇するんじゃないかな? と思う。 というか、枯渇したでしょうが、矢晴。 面白いかつまらないか、を他人は自分の好みでそれぞれジャッジするけど、所詮はその人の好みであって、作品自体の良し悪しでもなく。 矢晴自身が【第11話】で好みの問題、特性の違いで優劣はない、って話をしているのだから、誰のどんな創作物も、刺さる人もいれば刺さらない人もいるってだけの話だと、思い出せ、矢晴。 自分が好きで作り上げたものが、全世界の全人類に「つまんね」って吐き捨てられたのなら、本当につまらないものかもしれないけれど、絶対にそれはありえない。自分自身はそれが好きで面白いと思っているんだから。と思うから。 A誌での連載作は矢晴自身も面白いと思って描いてるわけじゃないから、そりゃあつまらない作品になってただろうな、と思う。でも、矢晴が描きたいと思って描きあげた作品は、矢晴自身と古印葵ファンの純の心に刺さりまくるわけだし、古印葵の読切を読んでコミックスを買っていた人間は矢晴の描く漫画が面白いと思っているわけだし。 矢晴自身は、おそらく賞をとったことで連載を是非、みた...

■【売れうつ】の二次創作(46)(小説)

 純が全身脱毛をしているということで! ハイジというらしいんですが! と興奮したので、矢晴が純の身体をまさぐる話を書いた。若干、性的な接触がある。 ■

否定

 ここらへん、ちょっと文章がまとまらないなあとだらだらと考えているところでコメントをいただいたので、先にちょっとまとめてみたい。 とはいえ、これはたぶん矢晴の言う「己」についての理解が不十分な状態だから、結局とっ散らかるような気がする。 矢晴が否定されてきた経験によって、否定されることへの恐怖やなにをしても否定されるだろう不安を抱えているのは容易に想像できる。 それに対して、純が『否定された期間より』『褒められた期間の方が長いし褒めた人数の方がずっと多いのに?』と確かにそうではあるんだけれど、と頷けはすることを言ってくる。 矢晴が他人から否定されてきた期間はB誌での2年半、自分で否定し続けてきたのはA誌での連載期間、でおおよそ3年、といったところ。その後は思い出さないように酒浸りの1年で、合計しても4年。B誌に移るまでの物心ついてから24歳までのほうが圧倒的に長いは長いんだけれども。 純はこれまで矢晴のような経験がなくて、矢晴のように病んでないから、わかるわけがない、と思える。だからそんな簡単に言えるんだ、みたいに見える。 デビューして、初連載が大ヒットの売れっ子を、編集もアシスタントも否定するわけないんだし。顔も見えないアンチは普通にいそうだけど、純はそんなの我関せずだろうし。 矢晴の「己」フォルダには、たしかに褒められた経験とかもたくさん入ってるだろうけども、奥の方で圧縮されてすぐに取り出して確認できる状態にはなくて、ここ数年で経験して自分で何度も反芻して肥大化させた否定で埋め尽くされている、ということになっていると思う。 と、考えながら読んでいたら、その後の矢晴の創作のモチベーションの話が、簡単に言ってのける純への反発だったんだなあ、と裏腹加減に腑に落ちた。矢晴の話がちょいちょい納得いかんかったので。でも純にとっては創作が純の性質による孤独感からの逃避先にもなってはいるから、その点からは矢晴の言ってることに納得してそうな気はしないでもない。 直接の作品否定だとか人格否定だとかではないけれど、純自身が古印葵を推しても世の中は相手にしてくれなかった経験だとか漫画は自分しか救わない無能の紙屑とか思っているだとか、そこらへんを考えると、承認やら他者評価やらの話をしている時の純の語っていることに違和感がある。純って、そもそも古印葵を認めない他人からの評価に興味無...

過集中

 矢晴が考え事に気を取られて周囲が見えなくなって公園の入口のポールに激突した時に純が『てか過集中できるんだね』と言っていたのが気になり。 あれは、過集中なのか……? わりと前向きなことを考えることに集中していた、といえば、周囲が見えなくなるくらいの過集中といえなくもない……ような……? 矢晴が思考に沈むのはよくあることだけども、いつもは反芻思考で意識もっていかれるとあかんやつ、って感じはある。今回のは、自分の理想の自立について考えていて周りが見えなくなっていたということだから、反芻思考とは違っているけど、過集中……か……? 考え事に気を取られて風景すら見えてないってだけにしか思えないけど、場合によっては矢晴の大事なところを入り口のポールでしこたま打ち付けてしまっていたかもしれないと思うと、考え事もほどほどにしてほしい。ひとりで考え事して車道に出ちゃったとかなったら、純が泣いちゃう。 矢晴はその昔漫画を夢中で描いていて何時間も経ってた、ってのは過集中状態だっただろうなと思う。それだけ漫画に夢中で、楽しくて没頭できていたのをまたできるようになるといいなと思う。

同居1ヶ月とちょっと

 作中現在、同居1ヶ月とちょっと。年が明けてちょっとしたら同居2ヶ月になろうかというところ。 編集部での出会いからは1ヶ月半くらいになろうかと。 矢晴が元気になるのが超スピードで怖い。純ちの生活が健康に良すぎてヤバい。メンタルはいまいちまだまだって感じはあるけど、【第1話】冒頭の同居1年後にもあんな感じのメンタルだから、漫画が描ける、と、ポジティブ方向のメンタルになる、ってのを切り離せてるのかもしれない。 アルコール抜いて健康的な食生活などなどして、あっという間にヒゲが生えたりするくらいに栄養状態良くなって、マア、純ったらなんてスパダリ。 純の家に来て、さわやかな目覚めからの断酒の決心した矢晴もえらーい。がんばってるーー! ふたりでたくさんしゃべって、いろいろ影響し合って、愛が育まれてるよね? ね? 矢晴がたぶん一番人に話したくない家族のことを純に話してから、自分の本音を言うまでの時間が短くなってきてるんじゃないのかなあ? 純のゴニョゴニョ並みにこねくり回している感じはあれども、ちゃんと本音まで到達できるところがいい感じなんじゃないかと思う。 でもまだほんの1ヶ月半いってるかどうかなんよ? やっぱ疾すぎない? と、「疾」って文字、なんて矢晴! みたいに思って使ってしまった。余談。 純はもともと古印葵のファンだから無条件に受け入れ態勢整ってる感じあるけど、矢晴がここまで到達するのがほんと疾いな〜って、ちょっと心配になるんだけど、どうなんだろうね、今後。 純が「君を見捨てない」って言って「君をないがしろにしたくない」って言って、「何回失敗しても」「何十年かかっても」って永遠の愛を誓ってくれてる感じはあるけど、矢晴側はどうなんだろうなあ……? で、次回が忘年会編らしいから作中年内の話でと思うと、【第24話】までは同居2ヶ月に満たないくらい。24話かかってまだ同居2ヶ月に満たない。 2年以上かけて幸せにする話、だから、この先まだ2年の期間分のエピソードがあるということで。ぐいぐい話数が伸びて100話とかいっちゃったりするんじゃないかとハラハラドキドキワクワクしてみる。

理想の自立

 矢晴にとって理想の自立ってなんだろうなあ、と考えても、この才能を活かして漫画家になる、くらいしか思いつかない。純が考える矢晴の自立もそれしかないような気もする。 どこかに就職なりして、趣味で漫画を描いて楽しんで生きていく、とかでもいいけど、矢晴は自分のために創作できないんだったら漫画家になるしかないんじゃない? とか思うんだけど。ここらへんなんかいろいろ言いたいことが渦巻いてるけどまとまらない。 今『金持ちの家で金持ちに世話されてなんの心配もいらないぬるま湯の中にいる』ことをさも悪いことのように言ってくるけど、病気療養に最適な環境を与えられた幸運を享受して、とりあえず病気どうにかしてから考えろ、みたいなところがあるからなあ、矢晴は先を急ぎすぎなんだよ、ほんと。と苛立ってくる。そも、そういう幸運が舞い込んできたことでその先が恐ろしい地獄に思えているのだろうなあ、ってのはわかるけど。 こんな急ぎすぎる人がなんでB誌で2年以上時間かけてたんだよ……、と余談。 ついでになんか、この矢晴の「命かけれる」の命の軽さがムカついてくる。同居21日目の話のときにも、ぶつくさ言ってた気がする。今もぶつくさ言えるけど。 希死念慮でいつでも死にたいっていう感じの命の軽さではなくて、創作することを体よく回避するための命をかける発言に聞こえるんだよなあ。本気で夢中になって命削ってでも成し遂げたいとかいう状況になることはあるだろうなと思うけど、今までの矢晴、楽しくてどれだけでも無理ができる結果として寿命が縮んでもかまわない、くらいのスタンスではなかったか? と思うので。 とはいえ、同居21日目のときにも純に怒られてたけど、今回もしっかり純は道を正していって矢晴が本音を吐露できるようになってのカタルシス、って感じなんだよなあ、と思うと、漫画がうまい。 漫画を描けるくらいになったら働けるようになるかも。漫画を描くなら命かけれるくらいのものじゃないとダメ。ってすでに破綻してるのがおもしろいんだけどねー。命がけで描くならよそで働いてる余裕なんてねえじゃん。 自立を考えだした矢晴に、純が最高の職場を用意してくれるのが、とてもいい。けど、矢晴にとっては、金持ちの道楽のお情けみたいに思えてるのかもな、とも思えるくらい言い訳並べててちょっとおもしろい。 純は別に働いて金返せ、って言ってるわけでもないの...

日課の散歩

 心身のために毎日散歩に出かける、はとても良い。無目的な散歩が良くなさげと思ってなのか、ちょっと遠目のスーパーに純と一緒に、というあたり、純の仕事は大丈夫か? って心配が先に立ってしまうけれども。 もうけっこう大丈夫な気がするけど、矢晴にお金もたせてスーパーにひとりで買物に行かせるとかは心配になるのかなあ? ってのと、純自身が矢晴と過ごす時間を意識的に多く取ろうとしてるのかもなあ、ってのと、考える。 いつから散歩を日課にしたんだろう? というのが、ちょっと気になる。【第14話】で散歩に行きなよ、と純が促してからこっち、ということだと、12月11日から日課に、ということにはなるんだけど? その翌日、電気毛布もらった日の日中〜夕方にふたりで散歩した? 電話立ち聞きしたのが何時かわかんないけど、立ち聞き〜散歩〜夕食? それだと、散歩中に矢晴がめっさ落ち込んでそうだし、この散歩も純の仕事時間を奪ってしまう〜って余計に落ち込みそう……。 純自身はこれまで夕方にジョギングに出かけてたっぽいところはあるから、「ひとりでジョギング」を「ふたりで散歩」にシフトしたんなら時間自体はこれまで通りになりそうだけど、やっぱり仕事詰まってるっぽいのが気になるんだよねえ……。 純が一緒のときだけスーパーに行くとかなら、まあ、うん? とはいえ、純もそこそこ元気取り戻してる感じはあるし、余裕ありそうな雰囲気ではあるから大丈夫なのかなー、気になるなー。 女性陣との会食帰りの車のなかで『一緒に散歩に行きたい』って言ってるからその次の日から日課にしたっぽかったりする? 矢晴自身はそれ以前からひとりで散歩するようにしてて、そっからふたりでになった感じかなあ? でも、矢晴と一緒の散歩で純の仕事が遅れそうな雰囲気だったら、やっぱり矢晴が純のアシスタントになるのは、一緒にいられる時間増えるし、純の仕事の負担は減りそうだし(でも指示出しとか矢晴のために仕事を作るみたいなとこあったら負担マシマシになるけど、どうなんだ、純)、矢晴にも純の仕事状況見えて、ふたりで日課として散歩にでかけるのが純の時間を奪ってないって思えたら、楽しく散歩できそう。 矢晴が散歩に出かけるのが楽しいことで嬉しいことになるといいなあ〜。

公園マジック

 純が公園にいるときにやたらとかっこいい現象。 あと、純が公園の砂場で質量おかしい砂のベッドをこさえたこと。純があの身長で児童用の鉄棒でぐるぐるできちゃったりする身体能力……。見たところあの鉄棒、純の足の長さ程度しかないじゃん……足もつかず頭も擦らずに回れるもんなのか? 回れるか、純だし。 公園はいろいろ不思議なことが起こるもんだなと、思ったりなんだり。 砂場ベッドや鉄棒なんかはもうね、漫画的なあれそれね、でいいんだけど。 やっぱりいちばん気になるのは、公園にいるときの純がとてつもなくかっこいい、ということ。 矢晴視点の物語で、純のかっこよさとか全部矢晴が見た純の印象になってると思うんだけどもさ。 お家の中の純と公園の純とのかっこよさの違いとか頭のよさの違いとか、むっちゃ気になる。これは【第22話】で矢晴が語っていたところの「広い場所や人の多い場所なら大丈夫」的なのが影響を与えているのだろうか? 純がお家では気を抜いてるけど、お外では矢晴とふたりっきりでもそれなりに気を張っているのだろうか? 相乗効果で、公園にいる純はかっこいいのだろうか。 【第14話】の公園の純もしこたまかっこよかったけど、【第23話】の公園の純もかっこよすぎて夕日背負った逆光のヒーローだし、なんなの、なんでそんなに公園だとかっこいいの? ねえ、ねえ! 矢晴が純のこと、むっちゃかっこよくて頭いい子って思ってる証拠? かっこいいもんね、頭いいもんね! かっこいいよね、純は! 【第23話】の公園はブランコと鉄棒とタイヤと砂場とスプリング遊具(あるはずだけどどこかわからん)に、ベンチが多め。そんなにベンチあるなら、砂場でベッドつくらんでも……という気分になりつつ。けっこう小さめの公園だなと思う。 【第14話】の公園はブランコ、ジャングルジムやシーソー、スプリング遊具とかがある。けっこう大きめの公園かなあ。 同じ公園ではないけれど、やっぱり「公園」というだけで純がかっこよく見える魔法がかかるのかしらん。

 矢晴が1年ぶりにヒゲが生えたと喜んで。嬉しそうな笑顔がかわいいし、矢晴には珍しい感じでセリフに「!」ってついてて、かわいいのに。矢晴が元気になってきて全身に栄養が行き渡った証拠なんだから、純も喜べー。私は嬉しいぞー、と思っている。 ヒゲが発毛するくらい栄養状態良くなってるんだから、今血液検査してもそんなに悪いところ見つからないと思うしさー。純なら「やったー元気ー」って喜んでくれるかと、思ったのに……くやしい! とはいえ泌尿器科でってあたりテストステロンの量とか調べたい感じ? 矢晴自身が薄毛でそんなにヒゲも生えない、というのを聞いて、純の毛事情も明かされて、けっこう驚きの純毛つえー。 全身医療脱毛は、いつやったんだ、というのも気になるんだけど。朝晩ヒゲ剃ってたくらいにすぐヒゲ生える純……あんまり想像つかないけども。脱毛したのにヒゲ生えてくるなら今も朝晩剃ってるのかなあ? 定期的に脱毛しに行ってるのかなあ? 朝晩ヒゲ剃るのが面倒になって全身脱毛に踏み切ったのか、おしゃれさん目指して全身脱毛に踏み切ったのか、とか、なんかいろいろ、動機も気になる。 純は全身脱毛してるんだったらすね毛もなしねー、とつるつるなんだろうなと思うんだけど、矢晴も薄毛ですね毛もほとんどない、だったら、ふたりでベッドのなかで足絡ませたらすべすべ同士で気持ちよさそうねえ、などと妄想し。 妄想ついでに、純の全身脱毛の全身の範囲が気になって、下の毛は……? と気になっている。矢晴は別に脱毛してないけど薄毛の影響で少なめかしら。 あと、純、実は胸毛も生える体質だったとかある……? 夏場に原稿するのに腕毛が邪魔だったとかある……? 【第15話】で眉毛剃ってる感じの絵が入ってたけど、あれは純が眉毛整えてて、いらないものを切り捨てるみたいなとこだったり……? と考えてみたりする。 将来的にブリーチなどの影響でハゲる、とSNS情報にあるから、純の強い毛でも禿げてしまうのか、というのも驚きかもしれない。毛が強い自覚があるからブリーチとかガンガンにやってて楽観してたのかもしれないな、と思うと、純がかわいい。 あとあと、純の毛深さと性欲についてなにか……。人に発情しないから男性ホルモン全部、毛と創作方面と精神面の強さに全振りしてるみたいなとこある……? とかなんかとっちらかったこと考え始めた。

アシスタント

 やったー! 矢晴が純のアシスタントになるーーー! と大喜びしているものの、まだ矢晴は承諾してはいないな、と少し冷静になる。 資料集めやクリスタの使い方をわかっていればできる雑用、で、絵は描かなくていい。写真を撮るのがうまいから、ということだから、資料集めには、現実の風景を写真で撮ってくることもありそうだし、背景に良いアングルを決めるとかもありそうな。 矢晴がアシスタントになったら純のこと、なんて呼ぶのかしらん? やっぱり望海先生? きゃー。 純の仕事部屋に出入りすることになるのかなー? 矢晴の部屋に机入れて仕事は別々の部屋で、作業通話で指示もらって〜とかだったりする? それはちょっとさみしいんだけど。 純のアシスタントやるんだからって「シヴァ・アンバー」全巻渡されて読んだりとかするのかなー? とかいろいろ妄想はかどる。 「もう読むのヤダ」 「面白くなかった?」 「……面白いけど。お前の漫画読んでると端々で自分の漫画思い出すから、ヤダ」 「ほんとに? うれしい!」 「は?」 「私、古印先生のファンだから影響受けてるのわかってもらえるのうれしい!」 とかなんとか。ないかー。 矢晴が純のアシスタントになったら、漫画の話とかもっと多くなりそうだし、純が楽しく漫画描いてるのを間近で見て、漫画描きたい気持ちになってくれたりとかするかな〜いつかな〜とワクワクしかない。 とはいえ、間近で純のハイスピードのペン入れとか見ちゃったら、遅筆という自覚のある矢晴は「あんなことできない」って落ち込みそうな気もしてしまう。する必要ないのに。 余談でしかないけど、B誌にいるときの矢晴のバイトが純のアシスタントだったらいいな〜って書いてる二次創作は書きたいエピソードはいくつかあるものの、文章が固まらないから書いてない。そのうち書きたい。

だい23わ!!

 そろそろ来てたりするー? って更新したら結構前に来てた〜。 今から読む〜。 純のかっこよさが致死量……。ちょっと落ち着いたら初見感想書くわ。 さてさて、【第23話 微温湯・チャイム】(純の地域と矢晴のアパートの地域、チャイム同じなんね……、と思ったりした。) 表紙の足湯のふたりがかわいい〜。かわいい〜。鎖骨の見えるVネックに7分丈かもそっと短いかのズボンとか、矢晴がかわいい〜。いい笑顔だし、お団子食べようとしてるのもかわいい。それを見てる純もかわいいけど。この純と矢晴の足の大きさの違いがたまらん。かわいい表紙である。 そして本編。 矢晴が後ろ髪しばってヘアバンドして、かわいいったらもう。と思ってたら、『1年ぶりにヒゲ生えてた!』って嬉しそうなのが良い……。元気になってきた、矢晴。 間取りが変わってしまったのはちょっと残念なんだけど(私情)。 純は目玉焼きのった厚切りトーストにコーヒーで朝ごはんしてるとこ、矢晴の席にはカップしかないけど、食べ終わってるのかこれからなのか。純が飲んでるボトルはプロテインとかなのかなあ? と気になったり。 純が実はめっちゃ毛深いのが面白く。純は全身医療脱毛してるのか。『純毛ツエー』がやばいかわいい。純が矢晴の身体を健康にしようとするのに余念がなくてすぐ病院連れてこうとするあたり、かわいいけど、そんなことしてるから仕事が進まないんだぞ、と思う。 夕方に純と一緒に徒歩で遠目のスーパーに行くのを日課にしてて、夕飯材料を買って帰る、となると、もしかして純、今、毎日ご飯自炊にしてるんじゃ……? そんなことしてるから仕事が進まないんだぞ、と思うパート2。 夕方に帰宅を促す放送が鳴る地域にふたりとも住んでたんだなあ、と思いつつ。矢晴が自分の自立について考えてるのを純に話してるのが、矢晴元気になってきたんだなあ、とも思えるし、焦りすぎてて療養やめて負のスパイラルに陥りそうでどうなんだ、みたいに思う。 純は矢晴が自立に近づいてるって思ってるし、『こういう時の私は当たる』って『ブイ』ってしてるのが、良い。かっこいいし、頼れる。 純がおかしなことしゃべってる間に、矢晴は思考に集中しててなにも見えてなくて公園の入り口に激突。壁に激突とか車道に飛び出すとかじゃなくてよかったよ、ホント。 そのまま公園に入って砂場で山を作り始める矢晴がかわいい。 『理想の自...

■【売れうつ】の二次創作(45)(小説)

 23話があと10ページ! との情報に、どきどきわくわくしている今。 いつか純と矢晴とで漫画の合作をしてほしいなあ、と思っているけど、いつか本編でしてくれるかな? どうかな? と思いながら、ちょっと二次創作していた。 ■

さじ加減

 純が矢晴に導かれているつもりで行動や思考が変化していくのが、「自分本位で正義と権威をふりかざし他者を傷つけることも厭わなかった感じの純が、他者に優しく自分の行動を顧みる人間になった」という感じの変化に見えていて、自身の変化を望む矢晴にとっては「人は変わる」の実例に見えるのだろうな、と思うんだけども。 自己肯定感がないとも言えるくらいに低い矢晴が純に求められて大事にされ続けたら、それなりに矢晴も変わりそうだなと思う。 矢晴は純を導いているつもりがあるのかどうか、というと、年上だからと先輩風を吹かせているあたりなんかはそんな感じがある。純は憧れの古印先生だし、大好きな矢晴だしって感じで素直に聞いちゃうから、そこらへんは相性よさげ。 矢晴の話したことをけっこう真剣に考えて、思考をめぐらす純の話を聞いて矢晴が『お前のさじ加減っていうか思い込みっていうか』と言っているあたりで、ほんとに純が勝手に深く考えてるだけだよな、とは思った。 ただ、古印葵である矢晴の言葉でなかったら、純はそこまで考えないんじゃないかなあ? というのと、人として正しくありたい、みたいな矢晴の言葉だから純に響くんだろうな、という感じがする。 でもやっぱり、憧れの古印先生のお言葉! って感じで深く考えてるってのと、生の古印葵作品、みたいに思っている風味がありそうな気がするから、そのうち矢晴に「私自身を見ろ」ってキレられるんじゃないかと思ったりもする。

夜遅く

 純が矢晴と一緒に寝ることになるけっこう前から、矢晴の世話で日中時間が取られるせいで、純は深夜遅くまで仕事してたんだろうなあ、という感じがする。お前ちゃんと仕事できてるのか? と心配もしてたけどやっぱりできてなかった。 同居当初は『夜更かしや徹夜してたら漫画描けませんからね』と言い放って矢晴をどん底に突き落としていたくせに、と思うんだけど、その理論でいくと、純、そろそろ漫画描けなくなるが大丈夫か? と心配になる。 矢晴と寝室が別だったときには、矢晴は部屋にこもってしまうから、純は2階で寝ていると思わせて仕事をしていても気づかれなかっただろうけど、一緒に寝るようになったら、夜中まで仕事していることがバレるうえに、ベッドでさみしい思いもさせてしまうというのに、よく『一緒に寝る?』なんて言えたな、純よ。 12月だから年末進行で一時期修羅場、という感じでなく矢晴の世話で積み重なってしわ寄せがきている感じではあるから、それはそれは矢晴も気に病む。 同居開始前に風呂を借りに純の家に行ったときには、原稿はアシの仕上げ待ちだし、他の作業もなんもかんも済ませちゃったとどんだけ仕事の速いスーパーマンかと、くらいのアピールで矢晴を青ざめさせたというのに、純よ。 純もちゃんと人間だったね。

同居カレンダー

 【第22話】に添付されたあらすじ・登場人物紹介により、12月中旬、と明記されたので、以前に考えていたカレンダーではクリスマスになってしまっていた女性陣との会食をその前の週に移動した。 ただ、2日後脱稿の3日後会食、の2日後・3日後がズレる。 日付の出ている12月11日の捺印記念デーが基準になるけれども、2日後・3日後で合わせてしまうと電気毛布をもらった日と立ち聞きの日が重なるので、立ち聞きの日を電気毛布の翌日にした。脱稿が立ち聞きの翌日であったら、3日後に会食になる。 画像にしたカレンダーはこちら 2021年 11月 日 月 火 水 木 金 土 1 2 3 4 5 6 編集部で会う。喫茶店でサイン、夕食に居酒屋。矢晴の家に送り届けたらゴミ屋敷 純が徹夜で掃除して矢晴を怯えさせて帰る。矢晴バイト無断欠勤(5回目) 矢晴バイトをクビになる。純の再訪。風呂を借りる。「おかえり」「ただいま」 望海可純が四階をやりこめる。その週の会議で後輩から四階が集中砲火 7 8 9 10 11 12 13 同居1日目。引っ越し当日。「こういう幸せを私にくれたのはあなただけ」。睡眠薬を多めに飲んだ。 同居2日目。財布を預ける。みりんを飲む 同居3日目。日中仕事、夜間療養計画。矢晴の病院の予約は3週間後 会議から3日後、四階が若い編集から被害届を出されて退職勧奨を受ける。四階が辞表を出す。若手が結束し古参編集にクーデターを起こす 14 15 16 17 18 19 20 同居4日目。マウスウォッシュ。乾燥機から出したばかりの布団にくるまれ夜の隅から 同居5日目。実家に送る献本を詰める。純のネームを読む 同居6日目。ジョギング、布団乾燥機。思考の共有 同居7日目。温室で朝ごはん 同居8日目 同居9日目 同居10日目 21 22 23 24 25 26 27 原稿遅れ気味? 同居11日目 同居12日目 同居13日目 同居14日目。人間ドック 同居15日目 同居16日目 同居17日目 28 29 30 同居18日目 同居19日目 同居20日目 12月 日 月 火 水 木 金 土 28 29 30 1 2 3 4 原稿遅れ気味 同居18日目 同居19日目 同居20日目 同居21日目。相互理解の話、固いビンの蓋 同居22日目。※部屋を荒らす、病気の話、価値暴落 同居23日目 同居24日目。※...