ころころくるくる

 視点によって、感情の振れ幅やら印象やらがころころくるくる変わってしまう。話が進むにつれてくるくるころころ。ねじれて絡まって。

【第12話】時点では、純の言葉や態度に矢晴が辛そう、なんでそんなこと言うのさ純! みたいな気分でいたけれど。

【第13話】を読むと、矢晴の言葉や態度に純が辛そう、なんであんなこと言ったのよ、矢晴〜! みたいな気分になって。

それぞれの主観で語られてて、それぞれから見えている相手の姿、印象ということを考えると、純も矢晴もそれぞれ相手を傷つけて、傷つけられているのだなあと。

矢晴は、うつ病の症状というのか、性質というのかで、なんでもネガティブにとらえてしまう、ネガティブに解釈してしまうことや、記憶の反芻からの恐怖の増幅などもあって、本当の純を見れていないということもあるのだろうけども、純の主観も大概、矢晴を正しく見てはいないような気がしてしまう。

【第13話 後編】の冒頭、振り向いた矢晴のトーンがかかった睨みつけてるような矢晴の顔、は純の主観及びイメージが乗っているのだろうなと思う。トーンのかかっていないおどおどした感じの矢晴が本当の矢晴っぽくて。そう思うと、矢晴も勝手に純のことを怖いと思い込んでいたけれど、純も矢晴に対して勝手なイメージで気後れして足元見ちゃうくらいに萎々としてしまったのだなあと思う。

それにしたって、それは純らしくないからもっとぐいぐい行き給え……という気分にはなってしまう。


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