原因

 編集部で純と矢晴が会った翌々日、純が矢晴のアパートを訪れた時。

矢晴が動けなくなってて、食事をした気配もなくて、純は大層ショックを受けて『――と言うことはこの人の惨状を分かっているのは「この世で私だけ」?』『私がここから去ったら――』『この事実が「存在しない」ことになる?』『今すぐ引きずり出さないとこの人本当に「消える」』(「 」でくくった部分は傍点で強調されている箇所)と考えているけども。

その時点で矢晴がそうなってる原因は、純なんだよなあ……と思ったりしている。

普段からまともな食生活はしてなさそうだから、遅かれ早かれ、みたいなところはあるけども、純が関わってきてなかったら、これまで通りに酒浸りになりつつ、バイトしつつ、ぎりぎり生きてたかなーと思う。それは「生きてる」と言えないかもだけども。

つい昨日、純が迫って怖がらせたから矢晴は今こうなっちゃってるんじゃないか……。と思うと、「この世で私だけ?」とか「存在しないことになる?」とかの思考が、これまたいかにも“上薗純”って感じで、ドロップキックかましたくなるくらい好き。

逆に考えると、純が関わってきたおかげで、矢晴の現状が顕著になったわけだけども。

純と出会えてなかったら、純が関わってきてなかったら、矢晴はゆるやかに人知れず、ゴミの山の中で死体になってただろうなと思うと、純の担当が言ったとおりのことが起こっていただろうと思うと、やっぱり純と出会えて、純が間に合ってよかったよーー! と思うんだけども、純の再訪時の矢晴の状態の原因は純なんだからな! と思っている。


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