1ページめの矢晴の目

 【第13話 後編】は表紙なしの本文始まり。ついでに右ページ始まりだったので、まんま、【第13話 前編】にくっつく。

【前編】の最終ページの矢晴の目は、焦点の合わない感じでかなり虚ろに見えるんだけども、ページめくって【後編】の矢晴の目は、ものすごい威圧してくる感じで鋭い。トーンがまた強さを増幅させてると思う。

ここにどんな感情がのってるのかはわからないんだけども、純への信頼だとか、純の表情を見ての安堵だとかは、存在してないと思えてるんだけど、真相はいかに? みたいな気分。

この目、むっちゃ好き。かっこいい。強い……。と、私はうっとりしてしまうのは、その目を向けられた当事者ではないからで。矢晴、かっこいい。

その目を向けられた純は、かなり焦っている感じ。矢晴に『怒ってますか……?』って聞かれて『いいえ!』『怒ってません しんぱ……』と「心配」という言葉を言いかけたところでまた、強い目が描写されて言葉を言えなくて『……動揺しただけです』と床を見てしまう純の視線の動きと、視界に入る純の手とか、さっきまでの勢いどっかいっちゃった感じで。

矢晴の目の無感情な感じに無力感でも感じたのかも? とかも考えてみるけども。あと、「うつの人に心配って言っちゃダメ」と思って言葉を言い換えただけだったとしたら、床を見るほどうなだれはしないと思うし。


私には「純が矢晴を庇護する」という状態から「矢晴が純を支配した」状態に移行したように見えてる。矢晴は感覚的に「純は自分に危害を加えることはない・恐怖の対象ではない」というのを把握したけど、それが矢晴の脳に正しく認識されてるかどうかは、はて……みたいな状態ではないかなー? と考える。純が期待したようには矢晴は認識してないなと。

【前編】で矢晴に訴えてた純は「古印葵のファンを逸脱しちゃったなあ」と思えてたのだけど、【後編】で矢晴に睨まれて「古印葵のファンに戻った」かな。



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