結果を求めるのが早すぎる
【第13話 後編】同居21日目の諦観に満ち満ちた矢晴の言い様やら、【第10話】同居4日目の『こんな贅沢な暮らしを送っているのに治らないなんて』『もう絶望的じゃないか』やら、とかく、矢晴は結果を求めるのが早すぎるきらいがある。
こんな人がよくB誌で2年半も結果の出ない時間を過ごせたもんだと驚きもするくらいだけども、純がデビューしてから連載を開始するまでにどれくらいの期間があったかわからないけれど、デビューが矢晴の授賞式(年末)前だったとして、翌年読切を載せて(?)、そこから『そんなに経ってないのに』と矢晴が思っている程度の期間で連載開始で、矢晴はB誌でボツくらい続けてもがいてる最中。
ここんとこ、純のデビュー作が『こないだ読切載せてから』の読切なのか、デビュー作とは別の読切作品なのかがわからないけれども、純はデビューの翌年には連載開始が確定で、矢晴はもがいてて、漫画を読むのが辛くなってきてて。
軽く見積もっても、半年からちょっとくらい……か?
A誌の担当さんが良くてぬくぬくしてたのか……? B誌に移ったから早く結果を出さなくちゃ! と焦りがあったんだろうかな、とは思えるけども。
図太いんだか繊細なんだかよくわからんくらいに、結果を求めるのが早すぎて、病みが加速しておる……という気分になる。
でもそんななのに、B誌に2年半もいちゃったのは、「結果を出さなければいけない」という気持ちからなのだろうなあと思うのだけども、それもまた、病みを加速しおる……。
そういう人だからこういうことになっちゃったんだよねえ……と納得はするけども、さすがにやっぱり、純との同居4日目の夜の思考は、結果を求めるのが早すぎてヤバい。純の家に住んでまだ4日、まだまだお客さん気分くらいでこの家に慣れることのほうが先、くらいの時期だろうに、「治らないなんて絶望的」って治るかー! とぶんぶんしたい。
同居21日目だって、純に託けて『吐き出したいことを純に伝えれば』『私は漫画を描かなくて済むんだ』って、「純が話を聞くから古印葵の漫画は今後一切生まれない」みたいなこと言いやがって、これから形になるかならないか、形にしようともしないで、昇華できない人間になったからと諦めて、『命はかけられない』と自分の命を抹殺しようとしているみたいな。『純が聞いてくれればもう充分だよ』『全部お前にやる』なんて、矢晴が古印葵の首にかけた縄を純が引っ張るみたいな状況に純を置くのやめてくれませんか、福田さん! みたいな気分になる。
純にとっては、矢晴が漫画描こうが描くまいが、矢晴が元気に幸せになってくれればいいだけだったのに、純が矢晴の話を聞くことで古印葵が死ぬんだよ、みたいに言われたら辛かろうもん……。
ここの話、実際のところ矢晴はどういう気持ちで言ってんだろうかな……。純が見てる矢晴の表情は、私から見ると相当いやらしいんだが……。言葉も顔も、えげつない……。まだ純の家に住んでたったの3週間なのに……。
ここらへん、この先、純に「あんなこと言ってごめん」とかするエピソード来るかなあ。
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