馬鹿にする人

 【第13話 後編】の純の言った『この家の中で矢晴を馬鹿にする人は矢晴以外いないよ』が、けっこう好きで。

純は当然、矢晴を馬鹿にすることはなくて。

矢晴は、矢晴自身のことだけでなく、わりとふつうに「人を馬鹿にする」人だなあとは思う。

純と行った居酒屋でしたたかに酔っ払って『あいつら歴史も文豪も知らねーんです』と言っていたり。でもすぐに『他人の悪口言っちゃったダッサキモ……』と落ち込んでるあたり、“イヤなヤツ”ではないなと思う。

矢晴はすぐ自分のことを「ダメ人間」と馬鹿にしていて、たしかに今は病んでしまって「いろいろとダメ」な雰囲気はあるけども、「人間としてダメ」ということはないのになーと思う。

そこらへん、【第8話】で純がクッションをすすめたときに『ダメにする…というより人をゼロにするクッションだと思えば』『矢晴さんにとっては今より良くなるクッションじゃあないですか?』と言っていたのが、とても良い。ついでに、そのセリフの前に『…… ……』とちょっと考えてた感じなのが、これまた良い、好き。


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