蜘蛛のこと

 わからないからけっこう引きずっている。

蜘蛛が矢晴の幻覚と幻聴の「産物」であるのか。「象徴」とは思えるけども、やっぱりそれが「産物であると、わかる」という境地には辿り着けそうにない。

【第11話】で、「矢晴が蜘蛛を手で押し潰す素振りをした」「けど、蜘蛛は生きていた」ということから、「潰したのに死んでないから幻覚」ということなんだろうか?

【第7話】では、矢晴が生きている蜘蛛を見て、その蜘蛛から想起して顔を蜘蛛の糸で覆ったのは、矢晴の想像・妄想だろうけど。

蜘蛛が喋るわけがないから「幻覚と幻聴」ということだろうか? そこらへんは「漫画的表現」としか受け取れないから、かわいいなあ、としか思えなくて。

むずかしいなあ。

とはいえ、【第11話】のタイトルが【蜘蛛・オキシトシン】なのは、蜘蛛に注意を払わせたいという作者の意図があるだろうなと思った。ここで蜘蛛に注意を引くことで、【第7話】の蜘蛛のシーンを思い出させる、もしくは読み返した際に注目させて、【第13話】の該当シーンをさらに盛り上げる意図があったかと思う。

【第13話】を読んで、読み返して【第7話】で気づかせて、【第11話】でも気づかせるという、読み返すことをも前提とした仕掛けにもなっているかと思う。


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