第7話の矢晴

 純に同居を持ちかけられてあまりの圧に腰を抜かしているという状態から、純が帰って、布団に潜り込んだものの眠れたわけではなく、1日ずっと考え続けて、純の手の感触や体温を呪いと思い続けて、『あいつはそれを分かってて言ってる』と妄想を強固にしていった。

「眠れていない」「丸1日食べていないから空腹(むしろ純に奢ってもらった夕食吐いてるから2日分空腹かもしれない)」「妄想強化」の三拍子揃った状態で、純が来て、布団から出ずに対応しているから、純の顔を見ていない。

【第13話】の冒頭、純の記憶のなかの矢晴で、その日の矢晴は『期待だけさせて口約束なんて破り放題なの知っ…』『て…』と純を振り向いた瞬間だろうから、ここがたぶん、純の『やっとこっち見てくれた』のシーンだろうなと思われ。

【第7話】は全体ほとんど矢晴の妄想で改変されてるから、時系列もぐちゃぐちゃなんじゃないかな? と思える。

矢晴に見えてる純は軽薄で胡散臭いけど、一応、妄想のなかでも純は矢晴を助けるつもりだと訴え続けてはいるから、うっすらと矢晴の心には届いてて、イヤホンケーブル、契約書を経て『やっとこっち見てくれた』で見える本当の純の優しい笑顔に飛び込んだ、という感じではないかな? と、都合よく組み立ててみる。


そういえば、【第13話】の感想を見ると、「純への印象が変わった!」「すべてがひっくり返された!」というのが目立ってて、あれ…? もしかして、私みたいに「やっぱり純はいい子だったー、よかったー」って思ってるのは少数派…? というか、私だけ……? みたいな気分になってるんだけど、どうなんしょ?


コメント