酢酸
矢晴が純の家に来て、最初の食事。そんなに量を食べられないからと残そうとするけども、純が心配するから「味変で」とお酢類を所望。出してもらったドレッシングやポン酢、米酢のなかからポン酢を選んだのだろう、真っ黒い液体をじゃぶじゃぶとご飯にかける。ポン酢でお茶漬けしてるみたいな。
純は『アル中は酢酸を摂りたがるって聞いたことがあるけど…これがあれか…』と考えながら怯えている。
アルコール中毒、アルコール依存症になってしまうと、脳みそが使用する栄養を糖から酢酸に変えてしまうようで。
アルコールが体内で分解されて酢酸にして、それを脳が消費して、と食事によらずに脳が活動できてしまう、っぽい。脳は酢酸で動いたとしても、身体を動かす、維持するための栄養は普通に必要だから、食事も大事だと思うのだけど。
アルコールを抜くために、通常の食事だけにシフトした場合、脳が働くための栄養(酢酸)が極端に足りなくなるような気がする。
と、これが、矢晴の『逃げ道がないので脳が爆発しそうになる』『そうなると脳が仕事を放棄して言葉が口から出ずうめくだけの肉になる』状態は、脳が働くための栄養がそもそもなくて、飢餓状態という感じかな?
純は食事の際にドレッシングを矢晴に用意したりはしてるけど、現状、それ以外のことはしてなさそう。「アル中は味覚の好みが酢酸寄り」程度に考えているのかもしれない。
米酢ならまだしも、調味料として味付けされたポン酢やドレッシングをあの量摂取するのは塩分などの関係が怖い気がするので、純にはぜひとも、矢晴の日々の脳みその栄養のために「お酢を使ったドリンク」を用意してあげて欲しい、と思う。
朝昼晩食前食後とおやつの時間、酢酸入りのドリンクを飲ませたら、脳みそが起動してる時間が長くなる=まともでいられる時間が長くなる、かもしれない。ただ、脳みそが働いている時間が長くなるとその分、精神的に矢晴が自分を追い込んでいく時間も長くなりそうで、そうなると脳みそ働かせないほうがマシになるけど、脳みその栄養が足りない状態が続くと、矢晴の聡明さや分析力もボロボロになるから、それは困る。
酒で酩酊してる時間って、大事だったんだな……。
ただ、酢酸入りのドリンクをほぼ常時飲用するとなると、今度は「酸による歯の劣化」が問題になりそうで。「日常的に吐いていると胃酸で歯が溶けて虫歯になる」ということはご存知の作者さんだから、「酢酸という酸を飲むことによって口の中が酸性に偏り虫歯が増える」もわかってらっしゃるだろうなと、想像するけども。
作者さんがご存知としても、純がそれを理解しているかどうかは別の話。
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