愛の単位

 愛とは、「深い」ものなのか、「大きい」ものなのか、「重い」ものなのか。

巷では「クソデカ」とか「ゲキ重」などと言われているので、「大きい」「重い」ものなのだろうかな、とは思う。

私は比較的、「底なし」と思ったりはしているので「深い」方面で考えているように思う。

実際のところ、物理的に計測できるようなものではないので、「各個人が受ける印象」でしかないと思うのだけど。

「重い」のは、「相手側に負担・苦痛がある状態」とあるので、物理的に相手を潰すような心理的重量、という感じかな? とは思える。

「大きい」のは、当人の思考の中に占める相手への思いの大きさかな? とは思える。

「深い」のは……、深いしか言いようがないというか、言い表すための言葉・文章が思いつかない。ただ、相互に育むというよりは、一方的に注ぐ、一方的に溢れ出る感じかなあ、とは思う。


矢晴は「純の愛」「純との関係」を測るために『純にとって私はチワワ何匹分だよ?』と口走ってしまったわけだけど。直近で「結婚してファミリー向けマンションを買ったのに3ヶ月で離婚したから、家が広すぎて、それを埋めるのにチワワ10匹飼うしかない」と純が言ったことを受けての「チワワ何匹」。

数量で測りたくなるくらいに、矢晴は純から注がれる愛情を自覚して受容してはいるのかな。それがどんな方向のものかはわからない。けど、チワワに喩えたときに、自分の気持ちに気づき始めて、純の愛情と自分の気持ちの方向が違うんじゃないか、とも怯えている、気がする。

読者は、この物語が【創作BL】というジャンルに属しているから、「ボーイズラブである」という指針を与えられているけども、矢晴にとっては気持ちの終着点がそこになるという「未来」はいまだ知らないわけだし。

私としては、純には底なしの愛情でもって「古印葵の熱烈なファンで福田矢晴を愛してる」みたいな感じになってほしいなとは思ってるんだけど、どうなるんだろう。


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