純の動向
初コメントありがとうございますた\嬉/ お返事不要とのことなので、コメントで書かれていたことに関連して私が考えていることをちょっとまとめておこうと思います。
純はこれまでファンとしてどうしてたのさ、というあたりは空白の3年間でちらっと考えたりはしたのだけども。
純は20歳前後で古印葵の漫画に出会ってファンになって、この時点ではごく普通にファンだったんじゃないかと思う。それなりに熱烈ではあったかと思うけども。憧れの古印先生と同じ雑誌でデビューしたいと月例賞に応募するほどではあるし。
実物の古印葵を見れたE・B大賞の授賞式で、直にサインを貰えたのかは定かではないのだけど、スピーチの内容を詳細に覚えてしまっているくらいには、生身の古印葵にも魅了されていたかと思う。けども、そのときの古印葵には“彼女”がいて。(私はここで純は生身の古印葵に恋したけど即失恋したのでは? と考えてたりする)
【第9話】で『もし私と会う前からあなたが幸せに暮らしていたなら』『私はここまで干渉しませんでした』と純が矢晴に言いながら、“彼女”らしき女性と矢晴の後ろ姿が描かれる。だから、純は矢晴がB誌に移って漫画家としての消息が途絶えてしまっている間も、「古印先生には彼女がいて、幸せに暮らしているだろう」と思っていた可能性は高いのだろうなと思えるので、なにかしらの直接干渉するようなアクションをとろうということはなかったのかなーと。それにしたって、ファンレターくらい送ってくれてもよくない? とはずっと思うのだけど。(送ったとも送ってないとも明示されてないけども)
【第5話】で、『3年ぶりに古印先生がA誌に帰ってきたときは本当に嬉しかった』『けど』『どうしてこうなった?』と古印葵の布教活動を開始するものの、世の中は古印葵を認めないというよりも存在すら感知してくれない雰囲気で、純の布教活動も空回りしていて。むしろ、純の布教活動が下手すぎるのに無駄に強火で、「古印葵のガチファン怖い」と古印葵の評価を落としているのでは……? と危惧できるなと最近また思ったりした。
矢晴が純を怖いと思ってるのは矢晴の主観と思い込みだろうけども、「古印葵ファンの上薗純」は素でヤベー奴ではある。
古印葵が連載打ち切りにしてしまったあと、おそらく純はどうにかして古印葵につながりたいと思っていたんだろうなと思うんだけども、それが「売れっ子なのに毎週編集部に来る」という行動なのかなーと。それとなーく古印先生の情報を得るために、古印葵の担当の菊池とも良好な関係を築き、と。それが功を奏して、さらに念には念を入れて、古印先生と会えることになった。
この時点で、純は「古印葵はけっこう重めに精神やっちゃってた」「人づてに訃報を聞いたりする」という担当の言葉に最悪を想像しているはずで。
編集部で会えたときは、偶然を装って古印葵に挨拶して、むりくり編集部の打ち合わせブースに引き止め、さらに散歩とサインをねだって、どうにかこうにか古印葵と少しでも長く、という必死な純がえらいかわいい。
この時点で、純が見た矢晴の姿は、授賞式で見た古印葵と比べて、恐ろしくやつれて、ボロボロで、純が想像していた最悪ではなかったけども、一歩手前だったろうなと思う。ここらで「古印葵のためになにかしないと!」と駆り立てられているから必死で引き止め、散歩をねだってと親しくなろうとしていたかな。
居酒屋で酔っ払った矢晴を家(アパート、ゴミ屋敷)まで送り届けて、そこでやっと矢晴の惨状を知って。徹夜で掃除して、同居を迫って。そこでの言葉が常軌を逸して独善的で矢晴を怯えさせ。
純が思い出す子供時代、純の父親にその友人が言った『おめぇが死んだら骨は拾ってやるからよ』というのは、辞書に記載の意味合いでは「死後のめんどうをみる。転じて、他人の後始末をする。「—・ってやるから思い切ってやってみろ」(デジタル大辞泉より)」の用例にもあるように、励ましの言葉でもあり、また長年の付き合いによる信頼関係によって成り立つ言葉でもあるわけで。
それを純なりに解釈して言い換えて『あなたの亡骸は私が拾いたいんです』『死ぬまで孤独じゃなくなる約束しませんか?』は、なんの信頼関係もない初対面の人間に言う言葉としては、常軌を逸していて、『死ぬまで――』『死んだ後も忘れないでいてくれる約束』『これが一番』と考えてしまっているところが、独り善がりで、たぶん「自分むっちゃいいこと言った!」気分で笑顔まで出てたんじゃないかと。いやもう怖いって、矢晴があんだけ怯えるのもわかるーー! くらいに思う。
これが数年なり十数年なり恋人同士の関係を経て、プロポーズの言葉だったら、けっこう際どいけどもロマンチックね、と思える気はするのだけど……。
こんなに怯えられるとは思ってなかった……って感じの純が内省して、笑顔つくってルームシェアの話で取り繕って、深追いせずに帰るあたりは、純の社交スキルが存分に発揮されているかなと思う。ここで追い詰めてたら矢晴はきっと2階から飛び降りてたと思われ。
純が「このままだと古印葵が死んでしまう」と想像したのは、矢晴の惨状を知ってからで、それまで(編集部で担当から最悪の事態を想起させられるまで)は「古印葵は彼女と幸せに暮らしているはず」と思っていただろうと思う。だから、ゴミ屋敷という惨状を知って「今、自分がなんとかしなければ!」と純の気持ちと行動を駆り立てて同居を迫らせ、翌日も再訪して、まともに食事もとっていないような現状に、さらに「一刻も早く助け出さないと古印葵が消える」と焦って説得し――、という流れになるかなあと考えている。
今のところ、純が矢晴に「古印葵のファン」という以上の気持ちを抱いているかどうかは明示されていないので、いつからどうやってBL方面にいくのか、どっちから? というのは私も気になる。すごく気になる。でも、【第9話】で純は『好きな人が』とさらっと告白しているような気もしている。
純の『これは慈愛』という思考は、ほかの欲望・愛情ダダ漏れのごまかしに見えるので、「今はもう彼女いなさそーだしイケるかも? でも、この人ノンケだし」くらいの葛藤はありそーな気はする。
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