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■【売れうつ】の二次創作(24)(小説)

本編とかけ離れているほのぼのライフ系。  以前 (15) で矢晴の誕生日の話を書いたので、今度は純の誕生日の話。 この子達の誕生日が知りたい。 書きかけの二次創作は、正月(裏)バージョンだけども、自分が見たかった純のパジャマのボタンを外して純の肌を見るあたりで止まってて進んでない。だけど、本編で純がパジャマのボタンを外して肌を(乳首も)見せてくれたので、すでに満足して昇天している。 ■

楽園

 色々と宗教モチーフなどなどで暗示とか隠喩だか暗喩だか、メタファーとかしている感じではあるけども、それらを理解できる・分析できるだけの知識と脳みそが私には備わっていないなあ……と思うと、古印葵の漫画を分析できない上薗純に親近感がわく。でも純が分析できないのはさらにその深層部分だろうから、メタファーがうんちゃらは全部読み解けてるんだろうなあ……と思う。 上薗純の名前の「かみぞの」は「神の園」で「楽園」なのかな? と思ったことはある。 純の家でのふたりの暮らしは「外界から切り離された理想郷」にはなってるかな、と思う。矢晴が誘惑されたユートピア。 神話とか好きだけど、そんなに深く知っているわけでもなし、聖書は物語として読むにしてもあまりにも(神や神の子、その信者側が)非人道的だったりする気分で挫折するし、おおまかなあらすじを伝聞でくらいのあいまいな知識や印象しかない。 そこらへんの知識の深い人だと、【売れうつ】の表現のあれやそれやへの解像度が違うのだろうなあ、詳しく聞いてみたいなあ、とも思う。

宗教戦争……?

 Twitterで「汝は竜しちゃったんだよな?」との感想をお見かけし、「汝は竜」ってなんぞ……? と、またまた浅学さをあらわにしちゃうのだけれども。 なんぞ……? と思うので、検索してみるのだけども、どうにも原典らしきものにたどり着けず、技の名前なのかなんなのか、みたいなものしか見当たらず……。 うううん……と悩むのだけども。 とりあえず、【売れうつ】の中で「竜」のモチーフがあるところは、【第12話】で矢晴が病気の話をするところ。矢晴が藪に進んでいっての次のページの枯れ葉の竜。 これが、「矢晴が純を「汝が竜」した」を暗示するものとして。 ざらーっと検索した中で、かろうじてこれでは……? と思えたものは、「主文:汝は竜である。理由:罪ありき」かなー? と思うのだけど、キリスト教系のなんかだよね……? 「冤罪」とも「判決文」ともあって、「冤罪」とするなら、純への『もうそれ性欲だろ』は完全な言いがかりになるけれど、判決文とするなら純は矢晴に断罪されており。 と、思うと、純の背景が仏教で、矢晴の背景がキリスト教に……? ずいぶん前に「矢晴はヤハウェ」と分析されてるブログ記事をお見かけしてたけど、そういうこと……? と、宗教戦争でも起きそうな対立な気もしてきて……。でも純にとって古印葵が神で、矢晴がヤハウェで……偶像崇拝禁止だから、偶像の古印葵を信奉する純を罰したい感じ……? ついでに、なんだかんだで「ヴリトラ」という蛇の怪物も行き当たり、『ヘビを見るのと操るのとじゃ違うんでしょうね』という純の言葉を思い出し。「囲うもの」とか「その姿は蛇のほか雲や蜘蛛だと描写」だの、「足なく手なき」怪物だとか……。足なく……義足……? ということ……? と考えてみたり。 純が竜で蛇の怪物ということでよろしいか……? 結局のところ、やっぱり原典とされてそうなものにはたどり着けていないのだけど、なんとかこんなかんじではないか、というあたりまでこぎつけたかな……? 適当に継ぎ接ぎした感じだから、ほんとのところのちゃんとした解釈はわからない。というか、もうこの【売れうつ】のなにもかもの表現がむずかし……。古印葵の漫画難しすぎ……。 ついでに、古印葵のペンネーム……「cain」から『OとAを入れ替えて』「coin」……? だったりする……?

好きすぎてパート8

 【売れうつ】1周年だから、設置してある アンケート で一番得票数の多い話をピックアップして改めて感想書こう〜と思っていて、今は4人の回答(うち1件は私)があり、【第14話 一生・ベイビー】がトップになっている。 とりあえず、5月4日(売れうつ初トレンド入り記念日)までの回答数で、ピックアップして感想を書く話を決めようと思う。から、アンケートにちょちょいと参加していただけると、うれしく、ありがたい。 この後は、話は変わるし、私以外にはわけわからん自分メモだが。 なんかサルベージしてる人いるなあ、変なふうに騒がないでくれるといいなあ、とか思いながら、私はもっと深いところまでサルベージしようとしていて、というか、していて、人の心に残した痕跡だけは見つかるけども……と思っていたところで、新しくそれを話題にしている人を見かけて、あらタイムリーとかも思ったりした。 それ自体もとても見たいのだけども、それがあれで、だから……と納得したり、痕跡だけでもはや跡形もないあたりに、この未来を恐怖し始めてしまったり。とはいえ、そのスタイルはとても、it's so cool ……。昔からお変わりなく……。 という、なんのこっちゃわからんことを自分メモとして残す。

古印葵に高まるオタク

 純は、それはそれは古印葵のことが好きで。 大学時代の旅行中に初めて古印葵の作品(春眠の底)に出会って、その場で10周するほど心鷲掴みにされていて。 そこから、おそらく毎回読み切りを読み、最初の単行本(終霜)を買い。 2冊めの単行本(Unexpected Encounter)を買い。古印葵と同じ雑誌でデビューしたいからと、月例賞に応募してデビューを勝ち取り。 アシスタント先の牧野先生に「古印葵が出る授賞式だから」と連れて行ってもらい、生身の古印葵を見て、(たぶん直接)サインをもらい(もらったんだよね…?)。 年が明けたら、A誌から古印葵が去ってしまい。古印葵の新作も出ない不遇の期間を過ごす。 自身の連載作で、古印葵への届くか届かないかわからないラブレター(返歌)を綴り。 3年後、A誌に古印葵が戻ってきたことを喜び。 しかし、連載作は古印葵の本来の良さがなく、休載延期を経ての4話で終了。布教活動に乗り出す。 が、布教はまったくうまくいかないし、古印葵の新作も出ない不遇の期間、再び。 1年後、編集部での話の流れで、古印葵に会えることになり。 会えた古印葵は、見る影もないほどやつれていて。 どうにか食い下がって親交を深めたく散歩、お茶、居酒屋と過ごし、古印葵の自宅へ。 古印葵の現在を知り、掃除して、同居を迫り、怯えられ。 同居にこぎつけ、療養をすすめつつ、それなりに穏やかな1ヶ月を過ごし、古印葵は死んでいないと実感し。 同居1ヶ月目の夜。古印葵の紡ぐ言葉と情動を目の当たりにして恍惚となる。 2冊めの単行本から4年以上が経過し、その間、良質な古印葵の新作を浴びれず、過去作だけで命をつないできた古印葵の熱烈なファン、信者、狂信者が、こんなふうに、真っ直ぐに目を見つめられ、息もかかるほどの間近で、古印葵の言葉のセンス、表現を五感で感じたら、昇天しちゃうわ。 1ヶ月の療養の甲斐もあり、ってくらいに元気になってきたようにも見えるし。 喜びに満ち溢れ、高まるオタクの上薗純、はーーー! かわええ! ここで、福田矢晴=古印葵で完全一致になるのかどうか、矢晴は思いを遂げられるのか、気になるー!

欲望の自覚

 純自身は、【第11話】で矢晴にペンを持たせ漫画の話をすることを辛くないかと問い、『これが矢晴さんにとって社会復帰へのきっかけになるのか』『それともただの私の欲望なのか』『今の段階では判別がつかないんです』と、自身の欲望「古印葵の復活」に自覚的ではある。 「好きな人を助けたい」「好きな人を死なせたくない」という気持ちも欲望といえるかもしれない。 性欲は、本人の自覚では2次元にしか向いていない。馴れ馴れしいボディタッチも、3次元の肉体同士が触れ合うことに対しての性的な身体反応が起こらない故、ともいえる。 支配欲があるか、というと、矢晴がなにを根拠に「支配欲」というのかがよくわからないが、矢晴が現状、純に支配されているとする根拠としては「逃げられないように堕落させ」「赤の他人を家に住まわせ」「甘えさせ」「赤子のように世話をして」「何をしても怒らず親切にし」「なにもかもを肯定し」「思考を放棄」するように仕向けている、といった感じだろうか。 甘えさせる=思考を放棄するように仕向ける=逃げられないように堕落させる、と言った感じであろうが、これだけでは、意図的であるのかどうかすらわからない。ただ純が優しいだけに思えるし。ついでに、上に示したように、矢晴の社会復帰についても考えているようなので、どうにもそぐわない気がする。 ただ、この家に矢晴が住むことになった約束は、『死ぬまで孤独じゃなくなる約束』であり、「死ぬまで純のそばにいることを約束させられている」とも言える。純にとっては「矢晴が死ぬまでそばにいて、決して孤独にはさせない」という決意や誓いでもあるかと思うのだけども、「約束」自体は出処が怪しい。 純自身は、古印葵である福田矢晴に、献身的に世話をすることに喜びを感じているかと思うが、純が献身的に世話をするためには、福田矢晴が世話を受けるためにこの家にいる必要がある、とするとそれは純が矢晴をこの家に縛り付け、逃げられないようにしてる、とも言える。 純としては、矢晴に来てもらった、住んでもらっている、という意識かもしれない。矢晴から見れば、純の家に監禁され、状況を疑問視したり逃げ出したりする思考力を奪われている、ということになるのかもしれない。 どう考えても、『逃したくない支配欲』には納得がいかないなあ……と思うのだけど。 純が矢晴に断言されたことで受け入れて、自身が矢晴...

執着の過ぎた好意

 矢晴はあんまり純が矢晴のことを好きなんだということを受け入れてくれてない感じではあるのだけども、それでも「純が矢晴(古印葵)を好き」「古印葵に執着してる」ということを『執着の過ぎた好意』として受け取ってはくれてるのよね。と、ほぅ……とうっとりとした気分で溜息がでちゃう。 純が矢晴のことを甘やかすのも、純が矢晴の世話をするのも、全部、矢晴への好意からしか出てきてないと思うのだけども。 むしろ、好意がなければ、できないことしかしてないから。古印葵が大好きで、古印葵の描き出す世界が好きで、矢晴の顔がかわいくて。 それを「性欲」にしたいのは、矢晴の一方的な思いではあると、思うんだよなあ。 でもでも、純の側の「性欲」が『2次元でしか抜いたことがない』と2次元限定にはしてるけど、「抜く程度」にはあるわけだから。性欲が一切ない相手ではないところが、望みがある。むしろ、純が抜いてる「2次元」が「古印葵の漫画」という可能性のが高い。 今まで生身の矢晴を、「3次元だから」と欲情の対象として見てなかったのに、これで、もう、矢晴の希望通りに、純は矢晴を性的に見てくるようになるだろうなと。好意どころじゃなくなるレベルで高まってきてしまうと思うんだけど、大丈夫かな、矢晴。 でも、純は矢晴が望まないことはしないだろうから、ソウイウコトしたいと思ったら、矢晴から言わなきゃダメな気もするのよねえ。大丈夫かな、矢晴。 あと、矢晴を性的に見るようになった純、これまで「2次元で抜いてた」のを「矢晴で抜く」ようになるだけで、そんなに変わらなさそうよねえ。

詳しくプリーズ

激昂した矢晴の言った色々が、私にはけっこう難しく……また、かなりの論理の飛躍もありそうで、むしろ、【第3話】の純が四階に言った『早口でたくさんしゃべるわりには言葉が足りてない』『一般論はこうだと断言調を多用するものの個人趣味と偏見と感情論ばかりで根拠と説得力がない反証例が多すぎる』『ロジックも破綻してる』と同様のことを言いたくなる。 矢晴の言ったことったら、大半が感情に任せた決めつけになってたじゃない? ちょっとそこらへんもっと詳しく根拠とかも一緒に解説してくんない? って思っちゃう。私には「成立しない……? 支配欲……? 性欲……? そうかあ……? どこがあ……?」とずっと疑問符が浮かぶ。 そしてまた、私がこのあたりのシーンで気になって、それはおかしいだろ、って指摘してほしいのは、 純の父親とその友人の話をした時の『そんな状況でキツい洒落を言い合える仲って』の「キツい洒落」、『常套句の冗談だって』『でも約束したのは嘘じゃないんだよ』あたりの自己欺瞞。 『死んだ後の約束までして仲良くしてくれるって』『死ぬまで孤独じゃなくなる約束だろ?』『孤独じゃなくなる約束はこの世で一番の慈愛だと思う』という論理の飛躍。 ここらへんも、じっくり詳しく聞きたいわぁ。純の人格形成にむちゃくちゃかかわってきてるんだろうし。 そしてまた、『私は心底……う』がなにを言おうとしてたのか、知りたい。

古印先生……

 激昂する矢晴の言葉の中に、純は大好きな古印葵を見出して。 古印葵の作品は、 少女漫画とも青年向けとも違う、ラブコメでもない、恋愛を扱った漫画。『きれいで寂しい世界の中で情動が夏のアスファルトの陽炎みたいに揺れてる』 『ドキドキして眠れない』『だけどいつもと気持ちが違う』『今まで触れられたことのない場所を触られたような…』と、興奮している。 そして『心の…誰も触ってくれないところを』『触ってくれるから』『他じゃ替えが利かないんです』『こういう幸せを私にくれたのはあなただけ』『繰り返し読めば読むほど夢みたいに気持ちいい』『あなたの世界が好き』と話す。 『創作者のフィルターを通って濾過されたものが作品のこだわりとして表れる』『私は矢晴のフィルターが好きだよ』と話す。 こんな感じで、ずっと好きでいた古印葵=矢晴のフィルターを通して、描き出された“上薗純”を古印葵のガチファンである純が拒否するはずもなく。 『私』『それがいいな』ってなるよねーーー! ってこっちも大興奮しちゃうわ。

たぶんさ

 矢晴はベッドに入ってからの質問で聞きたかったのは、「なんで私の汚物触れたり、一緒に寝たりできるの? 私のことが(性的に)好きだから?」ってことなんだろうなと思うのよね。 ただ、そこで「好きだから」って答えても、「性的に好きだから」って答えても、矢晴は信じないじゃない? 矢晴だから。 でも、「好きだから」って言われたかったのに、言ってくんないし。それなのに、肌を触らせて『もっと触って』なんて劣情を煽ってくるし。なんなんだよお前! って思ったら、『私生まれてから今まで2次元でしか抜いたことがないオタクだから!』なんて、矢晴(3次元)は性的対象じゃないよ! って朗らかに言われちゃって。 盛り上がってた自分、バカみたいじゃん……って、がっかりしたところで『けど』『矢晴が望めばなんでもするよ』って、それって性交渉でもいいってこと!? 聞き間違い!? って振り返ったら、エロかっこいい顔さらして、エロいこと言ってきやがるわけ。 ふわあぁぁぁ……って舞い上がっちゃったら、お父さんとその友達の話とかしはじめて、『孤独じゃなくなる約束はこの世で一番の慈愛だと思う』『私は矢晴を安心させたいだけなんだ』って、矢晴の劣情がとことん恥ずかしくなる感じのきれいなこと言われちゃって、さっきのエロかっこいいのんとか望めばなんでもとかなんだったん……? って混乱しちゃったんだと思うのよー。矢晴。 すんごい純に矢晴の感情が振り回されちゃってるしね。まあ、矢晴が勝手に上下してるだけなんだが。 という感じの読み方をしているので、矢晴が激昂していろいろ言ってんのも、八つ当たりじゃんとか、『もうそれ性欲だろ』ってお前がなー、みたいに思っちゃうんだー。 ただまあ、この流れで面白いなと思うのが「2次元でしか抜いたことがないオタク」と純は言うけれど、「2次元の女子」とも「2次元の男子」とも言ってないあたり。どっちもイケるのか、そもそも「純の言う2次元=古印葵の漫画」であるのか、とか興味が尽きない。

クレショフ効果

 もしかして、もしかして、【第15話】の『なんでもするし』『なにしてもいいよ』の純がエロかっこいいのって、矢晴が直前に純の肌見て抱きしめられてエロっちいこと考えてたから、真顔の純がエロかっこよく見えちゃってたんじゃないのーーー? と思うと、矢晴のスケベ! ってまた言いたくなる。

亡くした

 【第12話】で純が矢晴の症状を多少なりわかろうとするために「脳内爆発症候群」の話をして、『矢晴が突然憂鬱になるのも脳のバグが原因だとしたら』『大事な人が死んだわけじゃなのに「大事な人が死んだ時くらいの悲しみ」だけが』『突然脳に降りかかってくる』『――ってことなのかな 合ってる?』と聞くところで、純が誰か大事な人を亡くしたのかな? 知らなきゃここで矢晴が「そうだ」って答えたとしてもわかんないよな、と思ってはいたけども。 純は小さい頃に大事な人=お父さんを亡くしていたのだな、と。 ここで矢晴が「そうだ」と答えていたら、純は父親を亡くした悲しみを想起して、ちょっとわかった気分になれたかもしれない。 結局、矢晴の場合は、『病気は一言で言い表せるものじゃないし』と、純にわかる内容にはならなかったけど。 …………「一言で言い表せるものじゃない」とか言ってる人があんな、あんな一言で純をまとめるなんて……と読み返して思った。 ここの病気の話は矢晴が長々と話してくれてるけども、【第15話】を読んでから読み返すと、こんなふうに名前と分類、名前がない場合その場に留まるしかない、病状は人それぞれ、とか話しておきながら、純にはあんなふうに名前をつけて前進させてしまって……矢晴よ……って気分になる。 ついでに話している時の心象風景とでもいえばいいのか、矢晴がどんどん藪のなかに進んでいって、次のページで龍の姿がバーンって感じで、……これは、藪蛇……? と思い、純は蛇なんかにはおさまらんかー、と思ったり。純の『ヘビを見るのと操るのとじゃ違うんでしょうね』で、「純を見るのと、純を操るのとじゃ違う」ってこと? と、かなりこじつけ気味に考えてしまう。

人によって

 【第15話】の『……なんでお前全部平気なんだ?』『なにが重要かは人によって違うからじゃない?』という会話の純の答えが好きで。 純は、矢晴の失禁で汚れた服や下着を素手で触っても平気、矢晴がもしも純のベッドで失禁したとしても平気。矢晴はたぶん他人の汚物を触ることもできなければ、他人の汚物にまみれてしまう可能性も嫌なんだろうなと思ったりもする。 赤の他人の介護じゃなくて、古印葵=福田矢晴の介護的な世話だから、純は平気だと思うんだけども。 自分が汚物にまみれることよりも、矢晴が健やかに安心して過ごせることのほうが、純には重要、ってことじゃないかなー? と思う。 そもそも、矢晴は人それぞれで考え方、捉え方やらいろいろ違って当然、と思ってる人のはずな気がしたけど、ときどき、純の行動がありえない・信じられないみたいな感じも出してくる。ちょっとわかりにくい人だな、と思うのは、素の矢晴が出てる時とうつ思考が出てる時とで、状態によって考え方が違ったりしてる感じにもなるのかな?

矢晴の蟲

 【第15話】で、矢晴の蟲が純に抱きしめられてずるりと出てきて、純の2次元でしか抜かない発言でベッドを去り、『けど』『矢晴が望めばなんでもするよ』と振り向いて見た先の純のエロかっこいい表情に当てられてか矢晴の目の中でぐるぐるして。 ということで、この蟲は「矢晴の“汚い”欲望・性欲」では? と思い始め。 それを踏まえて、これまでの蟲の登場シーンを見直してみる。 【第7話】蟲の誕生。純に抱きしめられた体温と感触。呪い、と矢晴が形容する。「恋の呪い」なのかもしれない。期せずして、純はここですでに『気持ちを言葉じゃなくて温度と感触で表さないと伝わらないのかもな』ということを実践している。 【第8話】引っ越してきたことを喜ぶ純に微笑む矢晴。育つ蟲。自身の存在が純を喜ばせているという自己承認かな。 【第9話】純によりかかってしまい肩を抱かれ『幸せになってほしい』と囁かれる。背をなぞられ仰け反る蟲。性欲を刺激されたか。襲われると思って壁際に逃げる矢晴。 【第11話】純との思考の共有やふれあいにより笑顔になる矢晴。大きく育ち体内に侵入し爆ぜる蟲。 【第12話】矢晴の自覚。『背中の奥に眠れない夜のうちに肥え太った幼虫がいる』 【第14話】『愚鈍なお花畑にさせたのは誰だ』と純を思いながら背中から上半身を出すよだれのようなものを垂らす蟲。純に『一緒に寝る?』と言われて、心臓に食らいつくような蟲。 純への思いに蝕まれていく矢晴、といった感じだけども、矢晴の純への思いは、矢晴が思うところの『きったねえ欲望』「性欲」を表しているのかもなあ、と思うと、リアルで、ある種“気持ち悪い”幼虫、蟲の形をしているという表現になるのかな。 とすると、幼虫が蛹になって、羽化したら、「きれいな」蝶になると思うと、純に満たされた矢晴はそれはそれはきれいだろうなあ。とも思ったり。 とはいえ、矢晴自身が【第12話】で『私をかきむしる脚があんなにたくさんあるのだからきっと蝶ではない』と思っているあたりに、純と矢晴の関係が恋愛になれるのかどうか、すら雲行きが怪しくは思える。 恋愛漫画を描く矢晴だけども、理想の恋愛は漫画やフィクションのなかにしかなくて、現実の恋愛・性愛は“汚い”ものだと思っているのかもしれないな、とも思う。 ずっと機械を使いすぎてて、最近充電がそこまで長くもたない感じではあるけども、書いてる途中で...

今回をふまえて

続きが気になって気になって、また最初から読み返す無限ループに陥る漫画、それが【売れうつ】。  今回の【第15話】の、矢晴が純に突きつけた言葉をふまえて、【第1話】の同居1週間目を語る矢晴のモノローグを聞くと、なんだか、ふおぉぉ……という気分になる。 【第1話】で同居1週間目の時点で『支配と言ったがひどい仕打ちは一切されたことがない』『私は働きもしないで赤子のように世話された』と言っていて、『最低限度の一線を超えてしまったのは』『望海可純の家に住み始めてから1か月目のことだった』と語られる。 当の1ヶ月目では【第14話】で『なあ……私のこと幼児だと思ってるのか? お母さんごっこか?』と問い、【第15話】『お前はこっちの要求次第でどう操るか考えて』『母性ぶって支配しようとしてるんだよ』とか言っちゃう。 矢晴、対母親でなんかしらトラウマあんの? 【第11話】の『使命感から逃げたい人生だったし』ってそこらへんだったりする? って、話がそれたけど。 逸れたついでに、【第11話】の『他人に愛される弱者しか救われないって話ですか?』〜『強者の中身なんて普通の人と同じで』『全員へ老婆心を持ち合わせてるわけじゃないから解決しませんよね』『好きなものしか愛せないのが人間の弱さですから』って言ってる矢晴の背後で純の顔がトーンに沈んで、考えて、思いついた、【第13話】で純が語る『質問に答えられなくて誤魔化してしまった』表情ということになるけども。 【第13話】で『もっと色んな事を考えて答えられるようになりたい』と言っているから、知識量の差とか考えの深さ、言語化レベルみたいな方面かと思ったけど、「愛される弱者」云々方面は別のことで「答えられない」だったのかな? と、【第15話】の『赤の他人の介護みたいな世話だよ? どうしてできるの?』という質問に答えた『具体的〜』『狭義的〜』『排他的〜』で『自分の残酷さを直視すぎると元気がなくなる』という話を聞いて思った。 矢晴の言った『好きなものしか愛せないのが人間の弱さですから』と「狭義的、排他的な残酷さ」が呼応するかな。もともと純は好きなものしか愛してないと思うんだけど、それを矢晴に「博愛であれ」と言われたような気分? そうなんだよなあ……、矢晴、「なんで自分だけに?」みたいなことよく言うし【第9話】で『ほっといたら死ぬだろうなって人私以外にも...

同居1ヶ月目

 【第12話】、【第1話】終盤、【第2話】序盤、【第13話・後編】、【第14話】、【第15話】で描かれる同居1ヶ月目とその前日のふたりの行動と時間をまとめてみようと思う。 前日の行動については、開始時間がわからないのだが、夜だし夕食についての言及がないので、夕食後ということにしてしまう。 ―――― 前日夕食後:矢晴は2階でなにかをしていて、スマホをなくしたから純に鳴らしてもらおうと階段を降りてくる。純はリビングでけんちゃんともうひとりとでビデオ通話をしている。  :矢晴は純のビデオ通話が終わるのを階段で座って待ち、180分が経過する。  :純のビデオ通話が終わったので矢晴はリビングに入る。純からパワハラ編集の悪口を聞く。  :『純にとって私はチワワ何匹分だよ?』  :矢晴は自身の発言に吐き気を催し、逃げ出す。  :PASMAを持ち出し、家から10分のコンビニで酒を買う。  :家に帰り、風呂上がりでパジャマ姿の純に『眠いから明日風呂入る』と告げる。  :酒を飲む。  :(※酒のペットボトルを窓の外に捨てた) 1ヶ月目当日朝:純が起こしに来るが『昼まで寝させて…』と告げる。物置にあったスマホを純が置いていく。  :数時間ベッドの中で過ごし、動けず、粗相する。 当日昼:純が昼食に呼びに来て矢晴の粗相に気づく。『叱らないよぉ当たり前だろ? だって』『私は矢晴と同じ辛い目に合ってないんだから……』  :粗相した矢晴を風呂に入れる。  :矢晴の部屋の窓の外で、純が酒のペットボトルを拾う。  :『体の外側のことはいくらでも見せてよ』『内側はいくらでも隠せるんだし』  :『私は矢晴のフィルターが好きだよ』  :『祈りは矢晴の言う歪みから生まれるけど』『なかなかどうして良いものじゃないか』  :風呂上がり(※昼食後かどうかは不明)。純は仕事部屋でマットレスのクリーニングについて問い合わせ。矢晴はリビングのソファーで臥し、ガラステーブルに置かれた純の単行本(シヴァ・アンバー3巻)に手を伸ばす。  :『私の作品への返歌……か?』単行本を元の場所に戻し、思考に耽る。  :純がリビングに来て、飲み物をすすめるが矢晴は断る。  :『純って恋人作らないの?』  :純に散歩をすすめられ、矢晴は散歩に出かける。  :矢晴が散歩に出かけてから30分ほど。  :家から10分のコンビニで酒を手にし...

記憶の書き換え

 矢晴が、【第15話】で『怖いお前は私の勘違いだって』『騙したな』と、言っているのが、【第13話】の純との記憶の擦り合わせで、【第7話】の矢晴の記憶は、【第13話】で純の記憶と擦り合わせて、「純は嘲笑わない、怖くない」に直されたのを、純が「人為的に記憶を植え付けた」としている感じで。 もはや、どれが真の記憶か、わかんないけども。 情報源感作の論文を機械翻訳でざっくり読んだ程度だと、「人為的に記憶を書き換えても、正しい記憶の情報を与え続ければ、偽の記憶は真の記憶に戻すことができる」「真の記憶は人為的に記憶を書き換えても、不変」ということらしい。定かではないが。 ここで私個人が興味深いなと思ったのは、「偽の記憶を戻せるかどうか」の実験をするために、「偽の記憶を植え付けることが出来ている」ということだったけども。その偽の記憶はどうやって植え付けたんだ? というところが気になった。 矢晴が記憶を反芻しすぎて怖い記憶にしてしまう、というのは本人がそのように語るから、そうなんだろうなとも思うのだけど。 すでに、矢晴も純も「信頼できない語り手」になってしまっていて、どっちがどうなの? とはなってしまっているのだけど、今回の矢晴の『騙したな』に関しては、その直前のぐるぐる蟲の目を考え合わせれば、矢晴の被害妄想だろうな、と思う。

純の寝室のクローゼット

 開けたらドバーン!と、古印葵の祭壇になってたりしないかな。 とか考えて、ふふふ、と思ったりした。 そんな祭壇を見て、ドン引きする矢晴が見たいんじゃ。 純がどんくらい洋服持ってるのか知らないけども、こないだ矢晴が荒らしたクローゼットにもけっこうな枚数の服があったし、寝室のクローゼットには必要最小限くらいしか入れてなくてほとんど別のクローゼットに入れてあってもいいような気がして。 そしたら、あの寝室のそこそこいい感じのサイズのクローゼットの半分くらい、古印葵の祭壇にしてくれてても、いいじゃない? 読み切りの載ってる雑誌と、単行本と、サインもらった単行本と、大事にしたくて保管しておきたいもの、そこそこあるしょ。日焼けさせたくないからクローゼットのなかに、って合理的だと思うのよ。

私もそれがいいな

 【第15話】の更新からそこそこ経過し、いろいろぐるぐる考え続けて、頭のなかで渦巻くものをどんどことキーボードにたたきつけてきたけども。 自分もそこそこ落ち着いてきた。 純が自分自身をも誤魔化して“慈愛”という解釈に寄せて納得したつもりになっていて、どうにか自分もその解釈を肯定できる行動をしているつもりだったところ、矢晴が古印葵ばりの鮮烈な言葉でもって、別の定義、解釈を与えてくれたから、『私』『それがいいな』になったかな、という解釈が、当座のところ。 次の話やら純曰くやらでひっくり返されるかもだけども。自分で読み返して違うじゃーんってなるかもだけども。 『なんでもするし』『なにしてもいいよ』の純の顔がエロかっこいいし、そしてまた、純の目を見つめて、目を逸らすこともなく真剣に、純を罵る矢晴のかっこいいこと、かっこいいこと。 ただ矢晴の解釈も多分に、自身の感情棚上げして、純に転嫁して責め立てて、という感じはするから、狂った解釈を狂ったまま受け取って、ふたりで狂う、くらいのこの先がかなり心配かもしれない。わくわく。

ほのぼのライフが終わり

 【第15話】の展開を見て、ほんとに【第14話】までは「ほのぼのライフ」だったわ! けっこう不穏さはあったけど! と納得している。 ここからはどんなライフになるんだ……。と、不安と期待が入り交じる。 でもここから、あと11ヶ月後の【第1話】冒頭の『二年ぶりに漫画を描いた』への心境までどう持っていくのか、そこから純の『漫画への思いは漫画で描いて返す』の漫画を読んだ時の矢晴の心境はどうなるのか、そこからふたりの関係はどうなるのか。そこから1年以上で、どんなふうに純が矢晴を幸せにするのか。純は同居の最初からいつだって幸せそうだけど。 そも、矢晴が漫画を描き始める以前にふたりの間に肉体関係は生まれるのか……? 甘々ベタベタの恋人ライフが見てみたーい。想像つかなーい。

うらやましい

 純が言いかけたのが、「うらやましい」なのかどうかは、ずっと疑問で、たぶん純曰く(4)とかで明かされるんだろうな、とは思うんだけども。次の純曰く……18話くらいになるのかな、流れ的には。 うらやましい、というと、私は、「トレンド入りしてたから読みに行ったら続きがたくさんあった」とか言ってる人のことがうらやましくなったりする。初見で次から次へと夢中になって読めるという体験は、私には二度と手に入らないものだし、そのために数ヶ月なり更新を追うのをやめるなんてこともできやしないから。トレンドに入らないと気づきもしないし、思い出しもしない程度の……が、心底……う……(超強火) とか、自分の気持ちを乗せてみると、純、本気で「幸せそうで憧れるくらいにうらやましい」なんて思ってないんじゃ……? としか思えなかったりするくらいに、「羨ましい」以外の感情がモリモリ搭載されていく。 純も四階に病院すすめてないで、自分もカウンセリングとかで話したほうがいいんじゃないの? ってくらいに、幼少期に愛情の形や人間関係についての観念をこじらせてしまった感じがあるから、むしろそこを古印先生の言語化能力で解きほぐしてあげてほしいように思うけども、素人同士でカウンセリングの真似事をするのは、このふたりには特に危険な気はする。 表紙の純が菩薩として、菩薩は悟りへの修行中ってことだからまだ煩悩たくさんで、矢晴食べちゃうとこかわいいんだけど、それが示唆するのは、なんだろかな? 民(矢晴)を助ける菩薩に見せかけた何か、的なものなのか、矢晴を取り込み悟りを開く、なのか。ラストページの純は、矢晴の言葉の中に古印先生見出して欲望まみれの悟りを開いた風味には見えたりするよなあ、とは思ったり。 この表紙絵に関する色んな人の解釈聞きたいなあ。

約束

 約束自体は、ふたり以上いなければ成立しないものになるけれど。 純が『死ぬまで孤独じゃなくなる約束』に固執するのは、純の父とその友人の関係を「善きもの」として扱いたいという気持ちがあるような。その関係を表す言葉が見つからないから“慈愛”と言っているだけにも思うから、純の言う“慈愛”は矢晴の思う慈愛じゃないと思う。 【第4話】の『古印葵が死んだとしてもこうして話せるなら』〜『死ぬまで孤独じゃなくなる約束しませんか?』までの純が、【第6話】の『これは慈愛』〜『死ぬまで孤独じゃなくなる約束しませんか?』にあたるかな。 これが、純からの「私が死ぬまであなたを孤独にさせない」という誓いだったら、矢晴は受け入れるのかどうか……? 受け入れた時点で約束になるんだよなあ、とは思うけど。 純が自身と古印葵である福田矢晴とで、父とその友人のような関係(仲の良い友人、気の置けない親友)になりたいと願っているとして、出会ったばかりのお互いに何も知らない(純は古印葵の漫画にはどっぷりだからその部分は一方的に知っている。矢晴は純のことを名前くらいしか知らない)状態のふたりに対して、おそらく30年〜の長い時間で培われた友情による声掛けを模したところで、うまくいくはずがないじゃない……って思う。距離感バグり過ぎだよ、純。 同居にはこぎつけてるから、多少うまくいってはいるんだが。 それにしても、『死ぬまで孤独じゃなくなる約束しませんか?』って言って矢晴を死ぬほど怯えさせたから、同居の説得や同居にかかわる約束に『死ぬまで孤独じゃなくなる約束』まで含まれているとは思ってなかったな。

支配欲

 はてさて。 純の行動、思考が矢晴の言う「支配欲」であるのかどうかは、はなはだ疑問で。 私が【第15話】の矢晴の言葉のなかで、納得のいかない部分が、この「支配欲」と断じた部分。『執着の過ぎた好意』については、諸手を挙げて激しく同意するのだけれど。 純の「死ぬまで孤独じゃなくなる約束」は「一生一緒にいたい」ということになるから、『逃したくない』部分には該当する。 「逃したくない、だから、逃げられないように支配する」「自分から逃げていかないように甘やかして堕落させる」というような論理構成になるのかな? と思うんだけども。 「支配されてるから逃げられない」と矢晴が思い込んでるだけにしか思えないのは、私が純の純粋な古印先生ラブな部分に同調してしまっているからだろうか。純を好きになってきている矢晴がその恋心を否定したくて詭弁を弄しているようにしか見えないんだ。 「支配欲」という言葉に対して、矢晴と私の辞書に乖離があるなあ、とも思う。 「ずっと一緒にいたくて、大好きだったら、それは恋」くらいに簡単に言ってくれればいいのに、矢晴の言葉は難しいったらありゃしない。

 純の寝室の本棚にある古印葵の単行本には帯があるように見えるんだけど、授賞式でサインもらうためにかカバンの中に入れていた単行本には帯ついてないんだよね。 と思うと、サインもらった時の本は、どこかに大切に保管してあるのかなー。 サイン本を毎日読む本として扱うなんてことオタクにはあり得んし。とすると、やっぱり、3セットくらいは絶対持ってそうねえ。

かく語りき

 純の寝室に置いてある。 これもまた、私は読んだことがないので、解説サイトなどからつまんでくる程度の知識だけども。 この書や著者の有名な言葉として「神は死んだ」というのがあるわけだけども、この作品的には「純の神である古印葵は死んだ」ということのあれそれだったりするのかなー? とか、思ったりした。純が古印葵を神としてみることをやめる=神は死んだになったりするのかなー? とか、考えてみたりする。 純にとって、古印葵は神にも等しい存在になってると思う。でも矢晴は『古印葵は死んだと思ってください』と訴える。それはそれとして、純は矢晴を助けたいんだけど。 【売れうつ】の中では、純は矢晴を再生させる神(シヴァ)のように描かれることがある。 矢晴は純の言う“慈愛”が菩薩のように衆生を救うこととか思って、その化けの皮を剥がしたいのかもしれないけども、もとから、古印葵のことしか考えてないんだけどなあ……とか思ったりした。でも、古印葵や矢晴に対してだけだとしても、“慈愛”はなあ……みたいには思う。 矢晴と純は、お互いの思う“慈愛”という言葉について、議論したほうがいいかもしれない。

 純の部屋のベッドのところの壁にかかる、3匹の蝶の額縁。これは絵なのかな、標本なのかな。 矢晴の芋虫、幻覚の蜘蛛、そして壁に飾られた蝶。 なにかしら、暗示してそうな気はするけど、それがなにかはわからない。 矢晴の芋虫が蛹になって、きれいに羽化したら、純の手で標本にされてしまうのかもしれない、くらいの怖い想像はしちゃうけど。 でも、純の部屋の壁紙、せっかく飾ってる蝶が埋もれてしまいそうなくらいに壁紙がうるさい気がするんだけども……。寝る時には頭側だからそんなに視界に入らないのかな。 純の寝室、扉から入って左側に小さな本棚、チェストがあってクローゼット。部屋の真ん中にどでかいベッドがあって、ベッドの右側にライトと時計の置かれたサイドテーブル(引き出しの中にはハイチュウ)。クローゼットの対面にクローゼットと同サイズくらいの窓かなあ? カーテンかかってて。窓のないあたりの壁の前にはソファーなのかな? クッションなのかな? みたいなのが一角にある。 部屋の扉を開けて、見えるのはババーンと大きい花がらの派手な壁紙と、その中央の蝶の額縁、大きなベッド。部屋に入ると必ず見えるのね、蝶。 矢晴は純のベッドのサイズに驚いてたから、今回初めて見たんだろうなあ。やっぱり。

藪をつついて

 ヘビを出し、墓穴を掘って、自らの首を絞めている。 純の行動、思考を「支配欲」「執着」「性欲」とどんどんラベルをつけて分類していき、「慈愛なんておきれいなもので包んでないで汚い欲望を直視しろ」的に純に突き出して、その結果がどうなるのかは、うつ思考ゆえの被害妄想と視野狭窄によって考え及ばなかったんだろうなあと思うけど。 その後の純の反応は、矢晴にとって想定外だったと思うけど、そもそも何を想定してたのかもわかんない。 暴き立てて汚い欲望直視させたら、純が自分を恥じて矢晴を解放するとか思った……? 本性あらわにして、隠しもせずに支配・監禁に発展するとか思わなかった……? でも、そうなったら、矢晴は完全な被害者になれるから、そっちのがよかったのかな。 純にとっては、矢晴を住まわせて甘やかして矢晴の世話をするのは、大好きな古印葵である矢晴を死なせたくない、矢晴に元気になってほしい、あわよくば漫画家として復帰して欲しい、っていうエゴでしかないと思うのだけども。 そしてまた、「死ぬまで孤独じゃなくなる約束ができる相手」に矢晴を選んだのは、利己でしかないけど。これ突き詰めると、その約束ができるなら誰でもいい、みたいにはなりかねんけど、純は古印葵がよかっただろうな、と思う。

八つ当たり

 純の性欲が2次元にしか向いてないからって、自分自身は純への気持ちを曖昧にしたがってたのに、純の気持ちを暴き立てて確定させようとするの、すごい八つ当たりじゃない?

古印先生の新作

 【第15話】ラストページの純の『私』『それがいいな』に続く言葉が、「古印先生の新作」だったら……と、考えてしまって、若干の恐怖に怯えている。 2次元でしか抜けないから2次元に持ってきて欲しい純 vs 肉欲を満たしたくて焚きつけようとした矢晴、とかの図式になってしまったら……。ドキドキ。 襲われるかもってあんなに怯えるわりに、なぜ、純にそれは性欲だと断じてしまったのか……その結果、襲われるかもと思わないのか? むしろ襲われたかったのか? 結局のところ、やっぱり純と古印葵と矢晴の三角関係の様相にはなりそうな本編だったと思うのだけど、純が純潔でヒャッホイまでしてしまった本編だったけど。 純は別の意味でも純潔で、自身の内面にある残酷さから目を逸らす程度には純潔を保とうとしている感じはあるはある。子供時代から内面的に成長しないようにしてる感じもある。「父の死とその友人」のエピソードで受けた純の気持ちは純自身が改竄して美談にしようとしている節もあり、それ故成長できないのかもしれない。 純は自分の内面を分析しようとしないらしいのは、自分の内面の“汚さ”を直視したくないからっぽいし。古印先生の漫画が分析できないのは、純の内面に深く関わってくる表現だからなんだろうかなあ、とは前から思ってたけども、やっぱり純の内面を抉ってくる、誰も触れない、自分でも触れられないところを触ってくる、暴いてくるのが気持ち良すぎるのだろうなあ。そりゃもう替えが利かない。 そして今、これ以上手に入らないと思ってた古印葵の新作が漫画の形をしてないけど目の前にある感じではないだろうか、と、思ってしまった。

きったねえ欲望

 を持っているのは、矢晴ではないのか。 スキンシップで触れ合って、体温を感じて、肌に心地よさを感じていたのは純も矢晴も同じくらいありそうだけど。 純自身は、古印葵に近づきたい(自身の漫画も、関係も)という欲望はあれども、けっこうな純愛を貫いていたように思う。一生一緒にいてほしい願望はあるけども。それが狂気なまでの執着であっても、実際の肉欲、色欲、情欲の方面にはいってなかったのは、もとより「2次元で抜くオタク」だから肉体的接触なしで脳内だけで済んじゃうってことで、と考えていくと、それなりの性欲はある、とは言える。 けど、やっぱり、矢晴に『きったねえ欲望』と言われるような筋合いはないなあ、純の内面の話ですし! と思うわけで。 純の欲望を『きったねえ欲望』と断じてしまうのは、矢晴が同じだけ、もしくはそれ以上の『きったねえ欲望』を持っているからの転嫁、投影なんだろうなあーと思う。 自分が『きったねえ欲望』である肉欲、性欲を純に対して持っているから、純の自分への気持ちが“慈愛”であってなるものか、みたいなところもあったりする? でも、そもそも、性欲を「汚い」ものとして認識してるのかどうかも、わからなくなってきた。「性欲=汚い」じゃなくて、純が“慈愛”で包んでいる中身にあるだろう種々の欲望が「汚い」と言っているのかな? でもまあ、純が突き詰めて考えないようにしてる純の内側を、古印先生は純が惚れ込んだ言語センスでもって的確に抉って触ってくるのねえ……。この赤面具合とか見ると、純、すでにイッてるか? って感じが、する。 『体の外側のことはいくらでも見せてよ』『内側はいくらでも隠せるんだし』 と言われたのはこの日の昼の入浴時になるけども、そのおかげで、「自分に隠したい内側があるように、純にも隠している内側がある」とでも思ったのか。その夜にここまで暴き出そうとしなくてもいいんでは……? とも思ってしまうんだけどもなあ。純はそっとしてくれてるんだから、そっとしとけよ……。

望めば

 『矢晴が望めばなんでもするよ』は裏を返すと『矢晴が望まないことはなにもしないよ』にはなりそうで。 無理矢理犯すとかしないわよぉー矢晴ぅー。とか言いたくなるけど、矢晴が望んでいないことをなにもしていないか、というと、むりくりご飯食べさせたり、お風呂に入れたり(粗相のときのお風呂じゃないほう)してるのは、矢晴のしたくないことを純がやらせた、勝手にやった、にはなりそう。 同居させたのは純ががんばって説得したとはいえ半ば強引に、だったから、矢晴のなかでは「純は矢晴の意にそわぬこともする」認定はされちゃってそうかな。 でも、ボディタッチ多めで距離感バグってるような純といえども、死にそうなほど体温低下してガタガタ震えてるような人を襲うほど見境のない暴漢ではなかろうよ……と思うので、矢晴はいったい純をどんな人間だと思っているのか、は聞いてみたい。 「矢晴は男に襲われた過去がある」とかであれば、あそこまでの警戒は納得できたりはするけども。 最初に抱きしめられて孤独じゃなくなる約束持ちかけられて怯えて逃げたときも、「襲われる…!」とか思ったから逃げたのかしら? どうなんしょ。

鉄柵

 純が矢晴の質問に答えているときに、背景に、「ミント色の鉄柵」がある。 純の話のなかで、その鉄柵が何を意味しているのか、は、わからないのだけども、その鉄柵を見て、【第6話】の鉄柵のあたりから、読み始めてしまう。 純が矢晴に対して、どういう思いでどう言ったのか、どんな反応をされたのか、と結局【第6話】の最後まで読んで、【第15話】に舞い戻る。 純自身、『これは慈愛』からかなり歪みまくってるけども、矢晴への思いは純粋で、本当に安心させたい、幸せにしたいだけでしかないんだけども。 『何を言えば一番安心する?』って差し出した言葉が、一番怯えさせてるのが、かわいそうだけどかわいい。 とはいえ、改めて読むと、【第6話】の時点でも「死ぬまで孤独でなくなる約束」は「慈愛」ではなかったなと。それより前に、『これは慈愛』って言い出してるから、【第15話】の時点で、純の記憶もちょっと改変されちゃってるかな? とは思う。 泣いてる矢晴を見下ろして、『これは慈愛』と歪んだフォントで抱きしめる。 明らか、“慈愛”じゃねーですわ! と、当時と変わらぬ感想をいだきつつ。 あの鉄柵は、「ここから読み返せ」という合図だったのかもなあ、と思ったりした。

本棚

 純の寝室には小ぶりの本棚がある。仕事部屋は背後の壁一面が本棚になってたけども。 寝室にまで持ち込みたい厳選された本たち、の筆頭が古印葵の単行本で。 『終霜』と『Unexpected Encounter』とが、並べられている。その隣には、『〜かく語りき』があり、コンパクト日本地図があり、アニメのBOXも並ぶ。 純が古印葵の漫画に初めて触れたのが、大学時代、友人との旅行中。地図が置かれているのは、旅行好き、ということかな? とも思える。 『〜かく語りき』が置かれているのは、古印葵作品の読解のためかもしれないし、単純に哲学やニーチェが好きだからかもしれない。 古印葵の単行本は、【第9話】で『繰り返し読めば読むほど夢みたいに気持ちいい』と何度も読んでいると言っているのを証明するかのように、読み込んでいる跡がある。 純のことだから古印葵作品で祭壇でも作ってるんでは? とか、単行本それぞれ数冊ずつ揃えてるんでは? なんて、考えていたが、そこまででもなかったのはちょっと残念。 とはいえ、たぶん、仕事部屋の本棚にも、もう1セット古印葵の単行本は揃えて置いてあるだろうな! と思う。

\祝/【売れうつ】1周年!

 2021年4月24日22:38に【売れっ子漫画家×うつ病漫画家】の【第1話 虚・プライド】が公開されてから、まるっと1年。【売れうつ】1周年となりました! \わーい/ 現時点で、【第15話】までの16本が公開されており、3度のトレンド入りで読者もずっと増え続けてて、すごい漫画だ! としか言えない。 そして、当初の予定では30話〜と言われてたのが、40〜45話予定となり、今回、〜65話くらいになりそう、と大幅な延長がお知らせされて、嬉しすぎ。 あと30話くらいか〜と思ってたのが、あと50話くらいに、ってどういうことっすか。きゃー! そんなに長くこのふたりを見れることがとても嬉しい。 完結まで何年かかるのか。 そして、平均30ページとして計算してみても、2000ページ近いんですよ! おおおおお……。軽く見積もって単行本10巻分! 実際、30ページオーバーの回のが多いから、もっといきそう、今もう500ページ行ってるし。 物語が完結しても、ずっとファンで在り続けたい。

好きすぎてパート7

 【第15話】が素敵すぎて、怒涛の展開すぎて、いまだ咀嚼できずにぐるぐる考え続けているけども、まとまる気配が感じられない。 純エロかっこええ……。矢晴かっこええ……。純かわいいー……。とぐるぐる。 矢晴、やっぱり強えなあ! 純、やっぱりいい子だなあ! とぐるぐる。 Twitterはトレンド入りも手伝ってか、爆速すぎて、パンクしちゃってほとんど読めてない。1ワードでも遡るのに、分速何件あるんだ?ってくらい膨大すぎて、むちゃくちゃ時間がかかる。すげえ……。当日の夕方分から遡ってまだ最初のに到達できてないから、当日の夜以降も見れてないんだ……。 今回、特に長文でふせったーとかも使って感想書かれてる方多いようなので、たくさん読みたいのに、なかなかどうして、進まないのがもどかしい。 【第15話】が公開されるまでの間にちまちまと二次創作でほのぼのライフを書いていたけど、書き上がる前に【第15話】が来て、ふたりの関係性が変わってしまったから、続きを書くのがむずかしくなってしまった。どうしようかな、と悩んでる。 日付が明確になったことで、これまで書いたのも、全体的に原作に沿わなくなってしまったし。それはそれでいいんだけど。 そしてまた、Twitterで「ブロマンスだから」的なのを見かけて、心のなかで暴れたりもしている。「こいつらの! どこに! 度を超えた友情が! 度を超えた信頼関係が! あるんだよ!!」ってなってる。プンスカ。

表紙のサムネが

 Twitterでみんなが載せてる支部の共有なのかな、表紙の一部とタイトルキャプションが載るやつの。 表紙全部じゃなくて、上半分が載ってるから、ぱっと見、菩薩な純が矢晴を手のひらの上に乗せて愛でてるだけで。 支部に飛んで本編見ようとすると、表紙全部見えるから、純が矢晴を食べちゃってる! って全体が見えるところまで、計算して描かれてるのか……? 描かれてるのだろうな……。 と思って、すげえええ!! ってなってる。 矢晴は純を菩薩に見せかけた欲望の塊みたいに思ってたりするん? でも、別に純は民衆を助けたいみたいな善意は持ち合わせてないと思うんだけど。しかも、たぶん今回の話で、自分が残酷な人間だってこと自覚して突き詰めて考えたくないとか言ってる感じで、よりいっそう人間味が見えた感じがしたんだけど、矢晴は別のこと聞きたかったから聞いてないん……。 でも、純が素直に「矢晴のことが好きだから苦じゃないよ!」とか言ってたらなにか変わった……? 「どうせ大勢のうちの1人」とか「好きって言っても特別じゃない」みたいに思うんじゃないのー? って思える。難儀。 矢晴は純の特別になりたいとか思ってる割に、すでに純の特別だってことを受け入れてないのかしらねえ……? やっぱり、【第12話】で「多くの好きな人のうちの1人」って思って価値暴落したのが効いてる感じなんだろうなあーとは思うけど。 矢晴は結局なにがしたかったんだろうなあ……。 それにしても、矢晴、強えなあ……。惚れ惚れするわ。

最低限度の一線

 【第15話】で純に、矢晴に対する純の行動と思考は性欲だとラベリングしてくれちゃった矢晴は【第1話】で『最低限度の一線を超えてしまったのは』『望海可純の家に住み始めてから1か月目のことだった』と語っていて。 朝粗相して、昼洗われて、散歩して、一緒に寝ることになった1ヶ月目の夜、純の寝室で、今まだ23時だし! やっぱりソッチ方面の一線をををを……!! とワクワクしちゃうけど、どうなるんだろうね。

まんまと

 騙されて、こんな男に恋しちゃった! ハズカシー! むっちゃ意識してたのに、コイツ2次元にしか興味なかった、ハズカシー! だったりするのか、矢晴……? 純に甘やかされて、好きになっちゃったっぽいの、純が支配してて逃げられないように矢晴を堕落させたんだ、って、思いたいんだよねえ? 純は怖くない、勘違いだった、って思えたのは同居4日目の【第13話】のことで、その真摯な純は、矢晴を騙すための演技で、偽の記憶を植え付けていったんだって今思っちゃってて? 純に騙されたんだ、って被害妄想になっちゃってるわけだけど? どうなん? すごい剣幕の矢晴に対して純が、『矢晴…あの』『矢晴』『矢晴?』ってオロオロなってるところがかわいいけども。なんで矢晴が怒り出したのか、純にも皆目見当もつかんだろうに。 純が慈愛だって言ってるのは、たしかにおかしいんだけど。無自覚だし、自分も騙してる感じはあるんだけど。矢晴は騙してないと思うんだ。純は矢晴は騙さない、騙せない。と、思うんだけどなあ! どっちだろ。 わりと純、人の動かし方うまいけどー。矢晴を騙す、なんてことはできないだろうって思うんだけどなあ。後々、やっぱり純が矢晴を騙してましたって言われてもいいけどさ。 なんか、こう、ここのシーンの純は、矢晴に胸ぐら掴まれて、至近距離で矢晴にずっと見つめられてて、矢晴の顔がかっこよくて、矢晴の紡ぐ言葉がセンス良すぎて、惚れちゃうはありそうな。今まさに惚れ直したところで、性欲でいいんだって古印先生のお墨付きもらっちゃった気分では? ここまで盛り上がってしまっては、ただでは済まんことだろうとワクワクしちゃうけど、なんかこうね、翌日にはケロっとしてそうな気もしちゃうし、この夜、こんな事があった直後に何事もなく寝てしまいそうな気もしてしまって。 いやまあ、最悪を想定して次の話への心の準備をしているだけだけど。

理想

 純はずっと古印葵を理想化してると思うのだけども、その理想に矢晴自身はあてはまってなくて苦しい、って気持ちがあったりするかな? 純が蓮華座に乗せてるのは、古印葵だろうしねえ。 今回、矢晴にいろいろ言われて、『古印先生……』って純が言ったのは、矢晴の言葉に理想の古印葵を見たってことだろうし、大好きな古印先生だったろうし、真っ赤になっちゃってる純、めっぽうかわいいし。もしかしたら、純のなかでは矢晴の瓶のフタが開いて中身が溢れてきたイメージだったかも? とか、考え始めた。 それから、純の理想の関係が『死ぬまで孤独じゃなくなる約束』をする間柄として、ふたり同時に死ぬということがないから、遺された方は、相手が死んだら孤独になるのが確定しちゃってるのも歪だよなあ、と思う。と、無理心中しちゃいそうね。 それにしても、『矢晴が望むならなんでもするよ』『なんでもするし』『なにしてもいいよ』って純の顔がエロかっこいい……。憧れの古印先生にならなにされてもいい、ヤバイわぁ……。 そしてラストページ、私の一番好きな【第9話】のシーンとタメ張るくらいかわいい。好き。これで口元まで顔出てたら、壁紙にしたかも。 って、この顔、矢晴の手を握る両手で口元隠れてるのも、怖いな。どんな形で笑ってるんだろ。

……う

 『心底……う』ってなんなんだ! なにを言おうとしたんだ、純! どんな言葉を飲み込んだんだ、純! 「うらやましい」から「そんな友達自分も欲しい」、「古印先生大好きだから古印先生がいい」、「古印先生に自分の理想の友達になって欲しい」「矢晴を理想の友達にしたい」「ここが安心だと思わせたら逃げていかない」「ずっと一緒にいてくれる」くらいのところまで想像しての、矢晴の『相手を思い通りに……理想の一部にしたかったって素直に言えよ』になったりする? 素直に言えよ、って言うけど、矢晴が言ったとおりに素直に言ったら矢晴はどうするの? とも思っちゃうんだけど。 ここの『心底……う』は、この先の純視点で出そうかなあ? ここらへんすごく、純視点も読みたい! 矢晴の言葉にハート貫かれてるところの純の気持ちを余すところなく、見たい!

高みから

 純の言う「慈愛」、矢晴の思う「慈愛」ってのは、やっぱりかなり高いところから降り注ぐようなものだろうかな、と思う。 対等でない、感じ。 矢晴は純に性欲感じてて、でも、それが汚い感情だと思ってるんだろうなあ、と今回の言動で思うんだけども。 純が「慈愛」とか言うから、同じレベルに引きずり下ろしたかったのかなあ? とも思う。純はたぶん、矢晴と一緒なら、どんな泥沼でも喜んでー! みたいな感じはするから、後々、矢晴は引きずり下ろしてしまったことを後悔するかもしれないなあ、とかも思うけど。 矢晴がひとりでドロドロしてる図しか思い浮かばない。この子たち、どうやって幸せになるの……? どんな幸せなの……? ほのぼのライフのままなら、ほんわかとした穏やかな幸せに行き着きそうな気配はあったのに、今、あまりの急展開に幸せが見えない! 純は幸せそうだけど!

オスの交尾行動

 純がオキシトシンについて調べてたときにね、ちらっとね、映ってたんだ。 今回だって、矢晴の自律神経異常での猛烈な体温低下に対処するために、純は地肌に直接矢晴を触れさせて、自身の高い体温を分け与えてくれて。 スキンシップでオキシトシン出るなら、地肌直接なんてオキシトシン大放出では……? と思うと、オスの交尾行動も促進されまくりでは……? 矢晴、むっちゃ性欲に支配されてたんでは……? と、ドキドキワクワクしちゃって。 最初に純に抱きしめられた時から、こう、か! と、今気づいたような気もするし、前から思ってたような気もする。 矢晴、もしかして、純の人間性に惹かれる恋よりも先に、性欲があったか……?

ケロっと

 『――聞き間違いか?』から『きっと、そうだ』の間に、【第13話】を回想する1コマ。 『きっと、そうだ』というのは、「聞き間違いである」ということでいいのか? と考えると、【第13話】で純の言った『私はあなたを嘲笑ったりしない』『あなたの背中に目はついてない』も、矢晴は聞き間違いとして処理してるということか? と思える。 『後ろにはケロっとした顔があって』『また今日の出来事をペチャクチャ喋りだす……』と矢晴が考えているから、【第13話】で矢晴が振り向いたときに見た純も「ケロっとした顔」だったのかなあ? あんなに真摯な純は、矢晴の見た世界にはいなかった……? 【第13話】で『私の顔を見て確かめてください』って言われたのを、実行しただけで、【第15話】の純が言った『矢晴が望めばなんでもするよ』は矢晴自身が欲しい言葉として妄想した言葉かもしれない、純はそんなことは言ってないかもしれない、から『――聞き間違いか?』と思って、振り向いたのかもなあ……と思うと、自分の願望が具現化して据え膳よろしく純から全力で差し出されている状態ではあるまいか、とも思う。 いやもう、純の顔エロいし、かっこいいし。いつの間にやら腕枕になっちゃってるし。エロいし。純がエロすぎてパニックになっちゃったかなあ、矢晴。ぐるぐる。 純は純でそれなりになにかしらの病み闇がありそうで、その昇華の先が矢晴を助けること、安心させることってのも歪んではいるけど。 純の差し出す愛情が矢晴の望む愛情の形じゃなかったから、むりやり望む形にしちゃったらなっちゃった、みたいな? 矢晴、なにがしたかったんだろう……。ドツボに嵌りたかったのかな。

なぜ矢晴は

 なぜ矢晴は自らドツボに嵌りに行くのか。 純の行動、思考を「性欲」だと定義づけて、その結果、『それがいいな』と純が受け入れてしまったのだけども、これは矢晴の望んだ結果なのかどうか。 胸ぐらを掴んでいた手を解かれて握られて、というシーンでは矢晴は愕然とした顔をしているから、そんな反応が来るとは想像していなかったような気がする。 人畜無害だった純を矢晴自ら目覚めさせ、暴いてやるつもりだった本性は、矢晴が植え付けたものになったような気がするわけだけど。 なぜだかわからないけど慕われて、なぜだかわからないけど援助されて、なぜだかわからないけど……と、純の行動も思考も、矢晴自身には理解できない、したくないものだったから、わかりやすいものにしたかったのは矢晴だろうから、矢晴の望み通りの展開なのかもなあ、とは思える。 古印葵じゃなくて、福田矢晴を見ろ、みたいな気持ちがあったんなら、結局のところ、逆効果になってしまって、純の『古印先生……』という呼びかけに絶望の気持ちを抱いたかも知れないな、とか思う。 「逃げられない矢晴に執着を超えた好意を向けるんなら、性欲であれ」って言ってるようにも聞こえるんだけどなあ。 矢晴がどこにも行き場がなくて、逃げられないのは事実なのかもしれないけど、純の庇護から外れたら生きていけそうにないし。でも、そこに居心地のよさを感じて、逃げるつもりもなく、純の全てが欲しい、って思い始めてたのは矢晴じゃないの……? あの激昂して純を責め立てる矢晴の話すことが、どうにも論理が破綻しているなあ、と思えるんだけども、それはやっぱり蟲でぐるぐるしちゃってるからなのかなあ?

宗教……?

 純が古印葵教の信者なのだろう、というのは置いといて。 今回の【第15話】は表紙からして仏教って感じはある。蓮華座とかもそういうのだし。純の姿は菩薩って感じなのかなあ? 玄奘三蔵のコスプレかなあ? とは思ったんだけど。定かではない。 『具体的に考えると狭義的になる』と純が話しているところで溶けているのは「小乗」という文字のようで、三蔵も唱えてたらしい、っぽい。 私には、これが何を意味するのかはわからないけども、「大乗に比して小乗は劣る」みたいなことを読んだし、「大乗の流派が他派を小乗とけなした」みたいなことも読んだ。「大乗を主張し小乗を排した」とか、そういうあたりなのか、小乗の教えとかに関係するものなのか。菩薩乗は大乗と呼ばれ、他を小乗として斥けた、とか。 三蔵が向かうのは天竺で、天竺にいるのはシヴァだし菩薩だし、仏は蓮華座に座る。 矢晴は純のことを『きったねえ欲望を蓮華座に乗せてんじゃねーよ糞野郎』と罵る。 よくもまあ、そんな言葉を思いつくものだと。古印葵の言葉のセンス、ハンパねえ……とひれ伏してしまうけども。 表紙絵、「小乗」という言葉、蓮華座、と畳み掛けるように仏教的なんだけども、ストーリーとして仏教押しになっているというよりも、やっぱり「純が古印葵の盲目な信者」とか「古印葵に言われたことが純にとっての天啓」とか、そういったところに着地するための演出、なのかなあ? くらいまでしか私には想像できない。 蓮は泥のなかから生じる、ってあたり矢晴の言うところの「きったねえ欲望」から花開きそうな、気がするけどなあ…………。 純の新しい扉を観音開きで開いてしまい……? 観音菩薩……? 人を救うはずの菩薩に食べられちゃった矢晴……菩薩じゃない純……? うううん……むずかしい……。

純のベッド

 大きいなー! 身長はみ出ちゃうから大きいの、じゃなくて、『寝相がベイブレードだから広くないと落ちちゃうの』ってあたりがかわいらしい。 そして、掛け布団が別々にしてあるあたり、純がむっちゃ紳士に思える。 こんなに至れり尽くせりなのに、矢晴ったら、もう! たぶん翌日には湯たんぽが数個用意され、数日後には温風マットやら温水マットやらみたいなものが届くよう手配しそうな気がするし、食事内容も多少なり変わりそう。 それにしたって同居して1ヶ月も経ってから知る、矢晴の「湯冷め」。矢晴が言わないから一緒に寝たからこそ知れたことになってるのが、純が信頼されてなくて辛い。 大きいベッドだから下は1枚で繋がってるけど、掛け布団は別々だから、そこまで意識するほどの「一緒に寝る」でもないし、純はまんま修学旅行気分でかわいい。やっぱりそんな感じよね! 純だから! 頭の部分が枠だけみたいで、ちょっと上にズレてしまってそのまま起きようとしたら、おでこぶちそうだな、と思うなどした。ついでにこういう枠だと、縄なりなんなりかけやすそうだな、とも思ったりした。矢晴のベッドでは縄とかかけれそうにないしねぇ。 純の部屋の壁紙の花柄が大きくて、目にうるさい感じがしてしまうけど、蝶の標本はなんだか象徴的な気がする。純のベッドがそんなに大きくて、でも部屋に対してはけっこう小さく見えるから、純の寝室どんだけ広いんだろうか。 それにしても、今回のこの展開では、この後、大人しく一緒に寝れるのか……? まだやっと夜11時になったところだけども!

安心させたい

 「慈愛」はたしかにおかしいけど、「安心させたい」は別に問題なかろうが! と、思っていたりする。 「〜させたい」「〜させる」という言い回しが矢晴の逆鱗に触れたのかもしれないな、とは思うけど。 自分は無害だと知ってほしい。安心して身を任せて欲しい。くらいの「安心させたい」だったろうし。 純の望みは、「古印葵である矢晴を安心・安全な場所で安寧に過ごせるようにしたい」ってことだろうに。それだけのことができてしまう財力と行動力があるわけだし、『同情だけで他人の腹や心は満ちない』って思ってるから、金も手も出し、腹を満たして心も満たしたいと、どんだけ善意の人やねん、って感じではある。ただし、古印葵ほか、好きな人限定という排他的なところはある。 「好きな人を助けたい」は「好きな人以外助けない」っていう狭く、排他的で、残酷だから。それを直視しないのは、純の自衛だと思うし、人間それでいいと思うんだけど、矢晴は「善意であるなら全ての人間に別け隔てなく与えるべき」とでも思ってたりする? 【第11話】【第13話・後編】で『他人に愛される弱者しか救われないって話ですか?』に純が『質問に答えられなくて誤魔化してしまった』の「なぜ純がその質問に答えられなかったのか」の答えが【第15話】の矢晴の質問に『少し苦しい』と言いながらも答えた一連なのかしら? 答えれば自分の残酷さを直視することになるから。 「矢晴を助ける」が「矢晴以外を助けない残酷さ」を突きつけてくるけど、「欲望のまま矢晴を支配して性欲を満たしたい」になると、「助けない残酷さ」がなくなるから、それがいいって方面にいったり……? する? てかさー、矢晴は純に「赤の他人を」ってさんざ言うけど、純にとって矢晴は赤の他人じゃなくて「大好きな古印先生」なんだからすでにスタート地点から違うんだってばー! あー、純はそれはそれは古印葵に狂ってるけど、無害で優しくて、金も手も出し、安全・安心な場所をくれるいい子だったのに、矢晴ったら、なんでそこで、一番開けちゃダメな扉を開いちゃったかなー? もーワクワクしちゃうわ!

トレンド

今回の更新、3回目のトレンド入りで。ほんと久しぶりの更新だったからなのか、内容が良すぎたからなのか。 作家さんも本業のアカウントで告知してくれたし、キャプションで「本業よろしくね」ってさらっと言われてて、感涙。  そして、なんだか、今知った勢が多すぎる……気がする。 「前から追ってるけど」って人たち……キミたち12月の更新時にどこにいたのだね……? って思ってしまうんだが……。いなかったんだな……、きっと。【第13話・後編】キャプションでの本業公開1ヶ月弱で消してらしたし、そのものズバリの言葉で書かれてたわけでもなし。数ヶ月ぶりの方々も多いし。12月の更新時、本業作の1話公開分のTweetのリツイート「売れうつの人だよー」って、かなり多く回ってた気がするのに。 実際のところ、多く見えてしまうのは、「今知った人ばかりが今知ったと話題にするから」なんだけど。すでに知っている人は「今知った」って言わないから。 それだけ読者数の分母が大きいってことにはなる。わっと騒がれてトレンド入ると「トレンドから」とさらに騒ぎが広がる感じ。そして、まだまだ新規の読者さんが増えたりしている。すごい。 【第5話】が、作家さんがいろいろ仕込んだりしてる回ではあるんだけども、その中で、「シヴァ・アンバーがトレンドに載ってる」のも、そうだったんだな、とこないだ気づいて、そのうちブログに書こうかなーって思ってたところで、今回のトレンド入りで、ちょうどいいなと思ったりした。 『みんな他の人が言ってることしか喋りたくないんだ』 多くの人が盛り上がって話題になるからさらに多くの人が話題にする。好循環なのか悪循環なのかわからないけど、純ひとりが古印葵の話題を出しても、誰も乗ってこないで話題にもならない。 別段トレンドを注視してたわけではないので、もしかしたら入ってたのかもしれないけど、たぶん、今回の【第15話】で売れうつはいくつかのワードでトレンド入りしてるけど、本業の連載作品はトレンド入りまで行ってないかな、と思う。話題にしてた人多いけど、そこまで到達しなかった、それはそれで皮肉な結果にも見えるなあ、と思ったりした。

 矢晴の蟲ってさー、結局のところ、どっちのなの? と毎度悩んじゃうんだけども。 矢晴に根付いた純の愛かなーとか、考えたりもしてるけど。もしかしたらいろんなパートを担う複数の蟲で構成されているかもしれない。チーム。 今回の【第15話】を読むと、 純があっためるために肌に触れさせてるところでずるりと出てきて、 『私』『生まれてから今まで2次元でしか抜いたことがないオタクだから!』って言葉に、布団から這い出てベッドを降りてどっかに行こうとしてて、 『矢晴が望めばなんでもするよ』『なんでもするし』『なにしてもいいよ』『孤独にさせないって約束しただろ』って言う純を見つめる目の中に戻ってきてて、 これって、この蟲って、「矢晴の性欲」じゃないですかーーーー!! というところに到達した。 いやもう、いつもいつも、矢晴は純を性的に見てるし、純が肌をあらわにしたときに真っ先にそっちに意識が行くって、矢晴のスケベ! 純はたぶん、これまでの【第12話】『純にとって私はチワワ何匹分だよ?』とか【第14話】『純って恋人作らないの?』とかから、「矢晴の望み」を察知してるのかもしれないし、それが「恋愛」なり「肉欲」なりでも、「矢晴が望むなら」ですべて受け入れるつもりがあったんだろうなあ、というのもわかる。だって古印葵が大好きな純だから。 ただ、その場合、「矢晴が望んだから応じる」ってだけで、純の性欲は絡まない。純が矢晴を求めてるわけじゃない。 それじゃあ、矢晴は嫌なんだろうなあ……とも思う。 「襲われるかも……」ってのは「性欲を向けられてる、求められてる」ってことにもなるし。その分、自分に価値を見いだせるかもしれないし。 だから、純が「2次元だけ」と言ったことに対して、じゃあ用がないのねバイバイみたいにどこかに行こうとしたのかしらね、蟲……。 そう考えると、蟲は矢晴の“自意識過剰”の顕れにも思える、かも。でもそれだと説明のつかない蟲もいそうで。やっぱりチームなのかしら……?

2次元と3次元

 純はこれまで2次元でしか抜いたことがないオタクだと言い。そも3次元に興味がない、恋愛対象でない、そもそも恋愛するのかあいつ……レベルで。でも、古印葵にはずっと恋してただろ、というのは譲れないが。 いやもうなんか、純、抜くのか……と感慨深くなったりなんかしちゃったりしてるけど。 矢晴が悪口雑言でまくし立てたけども、その言葉の選び方組み立て方は、まさに古印葵で。 純にとっては古印葵の漫画(2次元)が矢晴の生身(3次元)に飛び出してきた感があったんだろうかなあ、と考えたりしている。いやもう、授賞式の時点で生身の古印葵に恋してるだろ。 矢晴の漫画読んで『夢みたいに気持ちいい』って言ってる子に、古印葵が紡ぐ言葉で罵ったら、そりゃもうハアハアしちゃうだろ……。とか思うと、『それがいいな』って「もっと罵って」に思えてきちゃった、わはは。 純が古印葵に恋してるとしても、それが必ずしも自身の肉欲に直結はしてなかったのを、今回矢晴が回路繋いじゃったのねえ。 矢晴的には、純の行動が「慈愛なんて程遠い支配的で気持ち悪い性欲でしかないんだよ」と吐き捨てたつもりかもしれないけど、ふつうに純の官能スイッチ入れちゃってるんだよなあ、と。あーあ、やっちゃった、矢晴ー。 矢晴が純のことを性的に意識しちゃってるのを誤魔化すみたいなところもあったかなーとかも思ったりする。あの蟲のぐるぐるお目々で。

月齢とか

 今回の【第15話】で日付が出たから、【第12話】でちょっと違和感だった枯れ葉というのか落ち葉というのか、が、納得いって。自分で、矢晴の言っていた秋の終わりがここらへんなら同居開始はここらへんで……? と考えてたのだと、冬の最中でとっくに葉は落ちきったろうもん……くらいに思ってたりしたから。 え、でも12月の頭くらいって、雪降らなくない……? と、【第13話】【第14話】の外がキラキラしてたり、チラチラと雪が降ってるっぽい感じとか、あれは幻覚だったのか……。雪じゃなさそう……? ついでに、というか、これが本題かもしれないが、矢晴が引っ越してきた当日、1ヶ月目は、ともに半月くらいだから、あの満月はいったい……とか思ってたりするけど、純と矢晴の世界では、この現実世界と月齢がズレてるってことだな、と納得力を発揮することにした。 純の家、コタツ出すの早すぎない? 矢晴と会った時、矢晴を家に連れてきた時、まだ10月じゃないの? って思ったけど、関東は10月下旬には出すのか……。 矢晴が秋の終わりに編集部から連絡がって言うから……、純との同居開始は12月に入ってからだとばっかり思っていたけども。今回の話で、同居何日目が何月何日かわかるようになったのは、うれしい。 ただまあ、1ヶ月目が31日目なのか32日目なのかがわからないから、そこはちょっとズレるかもしれない。32日目で計算すると、人間ドックは祝日に受けに行ってることにはなる。

骨を拾う

 「骨は拾ってやるからな(物理)」じゃねえんだよーーーー! と、今回の純の話を聞いてて思ったわけだが。いやまあ、当時の純は子供だから、言葉を直接受け取っていてもおかしくないけどもだ。 おかしいわ。 『キツい洒落』とか『常套句の冗談』とか、何言ってんだこいつ感がしてしまって。 「父親と友達の遠慮のいらない信頼関係」が羨ましかったのかどうか……。 「う」の後に続けそうで止まってしまった口の形は「ら」っぽくはあるけど、「うらやましい」も「うらめしい」も「ら」だった……。 そんな仲のいい相手が欲しい、という思いからだと、古印葵へはすでに崇拝入ってるから「気の置けない親友」には初手からなれんこと確定しちゃってるんだけどもさ。 自分の父親に「死んでもいい」って言い放ったその友達が「うらめしい」なら、ちょっとわかる気はする。でも、それだと、“慈愛”に繋がらない。 純が自分を騙して、「父親と友達の関係は羨ましいもので、死ぬまで死んでも孤独でなくなる約束をしていたから、幸せで素晴らしいんだ」みたいに思い込もうとした、のかもしれない。純は思い込みの激しい子だから。 そも、純は、古印葵の孤独を癒やしたい、孤独で逝くのを阻止したい、という思いからの『孤独でなくなる約束』ではなかったのかとも思い。 これでは「純が孤独でなくなるために、矢晴を利用している」状態になってしまうではないか、と思ってしまった。まあ、そうなのかもしれない。どうなんだろう……。

慈愛じゃないけど性欲でもなかった

 純の古印葵(福田矢晴)への気持ち。 崇拝とか隷属とか、そんなレベルで、古印葵のお世話できることが純の幸せだったと思うわけ。 支配したいとかもなく、むしろ、古印葵に支配されたい、すでに心掴まれて支配されてる子だったし。 古印葵に狂ってるのは古印葵の漫画を初めて読んだ時からでかれこれ6年は経つわけで。それこそ、矢晴が古印葵でなくなってしまった期間すら、古印葵に狂ってるから純のほうが古印葵歴長いかもしらん。 矢晴が「慈愛」という言葉に殊更に反発してしまったんだろうなあ、って感じもあるんだけども、もうなんか、矢晴ったら純の『なんでもするし』『なにしてもいいよ』って顔に、あてられたわね……という気がする。この顔が慈愛じゃ納得いかんばい……。それに、矢晴の目がね、やばいぐるぐる。 矢晴の言ってること、筋が通ってるようでいて、ものすごい独善的な決めつけにもなってるからさあ。でも、矢晴がこんなかっこいい顔で凄んできて、古印葵ばりのセンスのいい言葉ぶつけられたら、純、メロメロだよー。肉欲を伴う愛でいいの? ってなっちゃうよー。 でも、こんなところで矢晴が純をそっち方面に自覚させてしまったら、どんなふうに漫画を描くところまで復活させるのやら皆目見当もつかない。先が見えない。ソウイウ方面への展開しか見えないよー! っても、まあ、純が自覚しても、矢晴が「待て」って言えば待ち続けるんだろうなあ……とも思えるから、結局のところ、場を支配してるのは矢晴になる、気がする。

名前のなかったもの

 純の矢晴への気持ち。純の矢晴に対する行動。 純は「慈愛」だと思いこんでいたけれど、それは違うと矢晴が言って、矢晴が名前をつけてしまった。 純がもっと潔癖な人だったら、もしかしたら、「性欲だ」と吐き捨てた矢晴に反発して、矢晴のことを嫌いになってたかもなあー? なんて考えてみたりもするけども、自分でもよくわかっていなかった「古印葵(福田矢晴)が好きで、一生世話して一緒にいたい」気持ちに名前をくれたのは古印葵で。 「これが性欲……?」と気づいちゃったというか、知ってしまったというか。 『私』『それがいいな』って、受け入れちゃう、純の純粋さが……かわいすぎてたまらん。3次元に恋するの初めてだもんね。 ついでについうっかり、これじゃあ矢晴が攻めだよ! って気分が盛り上がってしまう。さらについでに、純潔であれ、って思ってたの、ほんとに純潔だったよ! と盛り上がっている。 【第12話】で『人間は』『今名前のある病気にしかなれないんだよ』と話し始めた矢晴の話が、私には「人間はなんにでも名前をつけてわかった気になる」的にも聞こえてたんだけど、矢晴が純のビョーキに名前をつけてどうするよ!? と思った。 それから純の『ヘビを見るのと操るのとじゃ違うんでしょうね』が、矢晴の藪蛇! みたいに聞こえてきて、ううん? となっていたりする。これはさすがにこじつけすぎ。

矢晴の質問

毎度自分用に冊子にしてしまうのだけども、今回、紙の破壊力やべえ……って感じに、『なんでもするし』『なにしてもいいよ』『孤独にさせないって約束しただろ』の純の表情の見開きの破壊力が! すげえ! やべえ! で、本題。  『違う』『私が質問したかったのは……』が気になるんだけど、これ、矢晴は純から「矢晴のことが好きだから世話したい」って答えが欲しかったのかな? と思える。 その「矢晴のことが好き」ってのは「恋愛対象として」なんだろうなあと。 その答えがもらえたら、矢晴はすんなり純の胸に飛び込んで、ハッピーハッピーで終わっちゃいそうなんだけど。 同居初日に『好きな人が』って言ってるけど、その他大勢の純の好きな人に紛れちゃって、矢晴は純のなかで一番かどうか知りたくなってるんだろうな、と思う。 それで、この質問を何度もしてるっていうのは、これまでは「恋愛がらみ」の心境ではなかったけど、人が見返り求めず他人を世話できるはずがない、みたいな不信感・不審感みたいなところがあったんだろうかなあ、とは思ってみたりする。 純の答えは、純の考えを真摯に答えてるんだろうけども。 『排他的になる』ってところで、眉毛整えてるの、なんなんだろ。いらない部分、気に入らない部分を削ぎ落とす、かな。 結局のところ、矢晴ひとりを援助するってのは、その他大勢に見向きもしない排他的で残酷なことではあるけども、それこそ「(上薗純に)愛される(古印葵)弱者しか救われない」ってことではあるし。純は矢晴以外を救おうとも思わない排他的で残酷な人と言えるのかもしれないし。でも、純は矢晴のことが好きだから助けたいだけだし。 それを具体的に考えちゃうのが『少し苦しい』って言える純はえらいな。 そして、ここで、純が自分の精神の安寧のために『元気がなくなることはしない』と言っているのが、好きだなあ、と思った。

性欲

 実際のところ、性欲を感じているのはどっちなのか。 といったら、矢晴なんだけども。 矢晴だけが最初から意識してたし。むしろ、今回の『もうそれ性欲だろ』ってのは、純が『私』『生まれてから今まで2次元でしか抜いたことがないオタクだから!』って言葉に対して、矢晴からの「私に性欲を向けろ!」って形の挑発にも見えてしまい……。 蟲がベッドから降りてどっかに行ってしまったのは、矢晴が「純から向けられている愛や性欲」だと思っていたものが、矢晴の思い込みでしかなかったわさ……っていう落胆かなあ? とも思えたりしてきたのだけど。 純にしてみれば、3次元の人間を愛したことがなくて性欲を向けたことがなくて、だったところに、古印先生からそんな挑発を受けたら、「え、いいの?」ってなっちゃう、なっちゃうかー。 それにしても、激昂した矢晴、かっこいい。おとこまえー。たまらーん。やっぱり強えわ、この人。

400字詰1枚で1分

 ドラマとかのシナリオは、400字詰1枚で1分らしい。 矢晴が今回22:56〜22:58の間に喋ったのは、純の矢晴への呼びかけも含めてしまうけども、おおよそ350文字。原稿用紙換算で、2枚めの17行、というから丸っと2枚、2分にはなる。 けども、この換算、喋った言葉だけのもので。 シナリオの400字詰のなかには、各セリフの名前とか、ト書きとかも含んでの1枚1分なわけだから、セリフの文字数としてはかなり少ないかな、とは思うし、演出上の間とか動きとかもコミコミで1枚1分換算になるんだろうなあと思うのだけど。 矢晴、やっぱりふつうに2分でしゃべる文字数じゃなくない? かなり早口じゃない? とは思う。 ついでに時間が明示されてから次の時間が明示されるまでの間のセリフだけで換算したから、しゃべった言葉はもうちょっとある。

[22:38 31 12 11 22 50]

 22:38 31 12 11 22 50 と、純の部屋の時計の表示。上の段は、時間。下の段の右側の「22 50」は温度と湿度だろうかな、と思うと、左側の「12 11」ってーのは、日付!? 同居開始して1ヶ月経って、12月11日? ということで? 拡大したら、「月」「日」も見えたわ。「12月11日」ってなってるー! ってことは、矢晴が編集部に呼ばれたの、「秋の終わり」じゃ全然なくない? 同居してから1ヶ月で12月11日なら、1ヶ月前の引越し当日は11月11日かな。 そこから少し前(およそ10日前と見積もって)に編集部で純と会ってて、編集部から連絡あったの10月になるじゃない。秋の終わりというにはまだ秋まっさかりでは……。 月の形とかぼんやりだいたいこれくらいで考えてた日程だと、完全にお正月に人間ドック行っちゃっててこれはおかしいだろ、とか思ってたところだから、日付が明確になったのは嬉しいな〜。

爆速……

 三度めのトレンド入りも手伝ってか、Twitterが爆速ゆえ、追いきれない……。 久しぶりの更新ということもあって、みんな餓えてたよね……とも思い。 今回、いろいろ情報量が多くて、また、感情がけっこうたいへんなことになってるから、それをまとめるのも綴るのも、ゆっくりでしかできそうにないなあ……と思っているけども、Twitterは爆速で流れていくから、読みたいけど多すぎて追いつけなくて読めないし。 はーー、すごい!

この先……

 純と一緒に寝るって話で、純のベッドに入って、矢晴の言うところの「湯冷め」の状態を純に治してもらって、なんだかんだ話したら、矢晴は純の本性を暴く、騙されないと息巻いて、純に無自覚だった愛の正体を自覚させてしまって……。 この先。 あれ? これ、ふつうに同じベッドで眠れないよね……? ほんとに襲われちゃったりする……? とドキドキワクワクが……。 ほんの数時間前に新しい話が更新されたというのに、次の話が気になって気になって! 純にむりくり自覚させちゃって、矢晴は純への気持ちはどこやったんすか。棚上げなんすか。恋心が蟲と一緒にどっかいっちゃったんすか。 『矢晴が望めばなんでもするよ』『なんでもするし』『なにしてもいいよ』って純の本心だから、つけこめばいいじゃん! とか思ったよ! 私は!

純のお父さん

 純のお父さん、純がまだちっちゃいうちに亡くなってたのか……。 一人っ子で、お父さんをわりと早くに亡くしてて……、とすると、純のお母さん、実家にひとりきりじゃないか……? 献本実家に送って親戚に配らせる、と言ってるから、実家は一応あるから、お母さんもいるはずで……。 純、呼び寄せるつもりで大きい家買ったとかだったりもする……? 編集部に近いからって毎週通ってたけど、実際のところ、打ち合わせもオンラインで済むだろうし、オールデジタルの在宅デジアシしか使ってないなら、編集部の近くに家を構える必要もなく、実家で漫画家やっててもよかったんじゃないのか? お母さん独りだぞ!? みたいにも思っちゃう。 お母さん再婚してて、新しいお父さんが好きじゃないとかあったりするのかな……? それにしても、お父さんとその友達の話をする時の純の『私は心底……う』と「う」に続く言葉を飲み込んだあたり、一体なにを言おうとしていたのかが、気になってしまう。 『幸せそうで』と言い換えたのが、真逆の言葉なのだとしたら、『羨ましい』ではないな……と思えるのだけど。 実際、「骨は拾ってやる」は「後のことは任せておけ、心配するな」って言葉になると思うから、それを『常套句の冗談』と言っちゃう純はなんか違うんじゃないか……? と訝しんでしまうけども。この流れだと、「お父さんの友達は骨を拾うって言ったけど、それは嘘だった」にしかならんじゃないか、と思ってしまう。

それがいいな

 \祝/500記事目! 【第15話】の最終ページ、うっとりとした表情で矢晴の手を握り、『私』『それがいいな』とフォントも歪んだ純。 そそそ、「それ」ってなんなんだ……? もとより純の“慈愛”は慈愛じゃないと思ってたけど、純自身、まったく自覚のない“なんらかの欲望”だったと思うのだけど、今回、矢晴が的確に言葉にしてしまったのだろうかな、と思う。 『相手を思い通りに……理想の一部にしたかったって素直に言えよ』『自分と相手を動けないほど縛らなきゃ成立しないって分からないのか?』『赤の他人を家に住ませて甘えさせて』『逃したくない支配欲と執着の過ぎた好意が同時にあったら』『もうそれ性欲だろ』 あたりが、「それ」になるのかなー? むしろ、矢晴が寝た子を起こしたみたいな状態になってしまったかと思うのだけど、どうなんだろう? 「それ」っていったいなんなのさ? どれなのさ!? そしてまた、こんだけ悪口雑言みたいに口汚くまくし立てた矢晴に「古印葵」を見出してる純を考えると、純の解釈によるところの古印葵の漫画の異質さが垣間見えるような……? と思うと、純の反応に矢晴は驚いた表情をしてるけど、純の反応が真っ当に思える。崇拝する古印葵に「お前の愛は性欲だ」って言われたわけだし。 「二次元でしか抜いたことがないオタク」と純は言ったけど、やっぱり古印葵の漫画で“気をやって”るくさいなよなあ……。そして古印葵本人に、三次元の人間にも性欲向けてるだろって言われちゃったしなあ……。ドキドキがとまらないわ。 ちなみに、『安心させる…?』『慈愛…?』と矢晴が話し始めてから、『きったねえ欲望を蓮華座に乗せてんじゃねーよ糞野郎』まで2分! どんだけ早口でまくし立てたよ、古印先生!

湯冷めの時間

 明らか、湯冷めじゃない、尋常じゃない寒気、悪寒な状態の矢晴。 『私の知ってる湯冷めじゃない』って読者の声をも代弁するような純に心底共感し。 矢晴の体を温めるために人間湯たんぽしようと肌を露出してるところを矢晴はすごい顔で凝視して。挙げ句、『……襲われるのかと思った……』ってのは、ちょっと純に対してひどいわよ、と思う。 体温を直接分け与えようとするその行動はえっちいけどさ。 純が抱きしめた矢晴の体温を『キンキンに冷えた瓶コーラだ〜』『冷えピタだ〜』『刺身』とだんだん温度が上がっていく形容をしているのが、純らしくてかわいらしい。 10時4分40秒に純が『早いけど横になるか』と言っているあたり、普段もうちょい遅めの時間なのかなあ、と思うと、夜更ししない割に寝るのはけっこう遅めなんだな、とか思ったり。 純が今回の矢晴の着込んだ格好に対して『どうしてそんなに着込んでるの?』と聞くからには普段そこまで着込んでないから、矢晴は毎日、この『湯冷め』を対策せずにずっと3時間耐えてることになるのかな。 ベッドに入ったのはリビングから出て5分くらい? と見積もると、おおよそ30分後に『湯冷め』が始まってる22時38分。 純のくれたハイチュウ(糖分)と純のくれた体温のおかげか、30分も経たずに改善してるんだから、純がすごいのか、矢晴の襲われる恐怖心と緊張が自律神経を刺激して正常にさせたのか、『なんでもするし』『なにしてもいいよ』からの話がちょっとすすんだところで22時56分。 いつも3時間耐えてる『湯冷め』は15分くらいで済んじゃってるってことになる。純の対処が的確だー! えらいぞ、純! とかほめていいのかわからんけども。

終霜

 古印葵の1冊目の短編集のタイトル。 んー、なんかこう、古印葵は“売る”気があるのか? と頭を抱えてしまいそうなくらいに、タイトルが、難しい! 2冊めの英語タイトルもそうだけども、馴染みがないわ、口頭で伝えにくいわ、覚えにくいわ。そういうこだわりがあるにしても、商業的にダメだろ、とか思える。 それはそれとして。 『終霜』のなかに、純が初めて読んだ『春眠の底』が収録されているのかな? と思うんだけども、春がテーマの短編が集まってるから『終霜』というタイトルにしたのか、『終霜』という作品もあって、それを表題作にしてるのか、とかちょっと気になったりしている。矢晴、春が好きなのかな。 純の部屋に古印葵のコミックス置いてあるだろうなあとはずっと思ってたけど、思ったよりもあっさりめの置き方ではあって、ちょっとさみしかったりはした。でも、寝室にまで置かれる数少ない本たちの入った小さな本棚の1段目、というあたりには純の本気度は見える感じ。隣のニーチェは、古印葵を理解するために読んでる本なのか、もともとニーチェの思想が好きなのか、は気になる。

急展開で

 いろいろ急展開で、どうにも心の整理がつかない。 わわわ。それにしても、今日来るかもーって思ってカウントダウン午前中に済ませといてよかったな。 ほのぼのってのは、純が矢晴への欲望を自覚してない生活だったのねえ、ほのぼの。 今回、矢晴が純のことを言葉で説明しちゃったからか、純の心の誰も触らない触れない場所を触ってしまって名前をつけてしまったというのか、自覚させなければのんびりした生活が保証されてたのでは……? と思うと、激情にかられてしまった矢晴が不憫なような、なんなのか。 でも、純が矢晴を幸せにしたい気持ちは間違いないから幸せにしてくれるだろうし、矢晴が純に恋してきてるなら、むしろ、純が性欲を自覚したのは好都合では……? とBL脳が滾りだす。 『古印先生……』『私』『それがいいな』ってところが、またたまらん可愛さなんだけど、これまでは矢晴が勝手に襲われるって身構えてたとこ、これからは純は本気で襲いに来るのよね? とドキドキワクワクが止まらない。

だい15わ!!

 これから読むー! 1回読んだー! 初見感想書きながらもういっかいー! 今日来たらいいな〜なんて思いつつ、そこまで期待しないようにしつつ期待しつつで、帰ってきたら更新あったー! きゃーーーー! 【蓮華座・ロンリネス】表紙の純かわいいー! けど、表紙と真逆の終わり方してくれてる気がする……。わあ……、すごい……。 なんかもう、すごい、すごい展開。これどうなっちゃうんだろう……。 思い描いていた「一緒に寝る」じゃ全然なかった! 一緒のベッドに寝てくれてるけど、修学旅行みたいで〜って、考えてたの全部混ざってたような全然違うような。すごい。 純の部屋、ベッドが矢晴の前の部屋(アパート)くらい大きいってのはさすがに大きすぎなイメージだけど、純が余裕で寝れるし矢晴とふたりで寝ても余裕なくらい大きい。そして小さな本棚に、ちゃんと古印葵のコミックス並んでるーー! 1冊目のコミックス【終霜】(しゅうそう……かな?)と……。これに『春眠の底』が収録されてるのかなー? もっと祭壇みたいになってるかと思ったのに、そんなでもなかったのは残念……。 『純のベッドで失禁したらどうしよう……』『え? 別にいいよ!』からの心底ナニイッテンダコイツ、みたいな矢晴の顔がたまらん。 ベッドに入った矢晴の質問に『矢晴、うちに来てからその質問もう何度もしてる』『何度も聞くと少し苦しい』って、普段の純からはあんまり想像できない感じの心情の吐露はやっぱり夜で布団のなかだからなのかしら。 純の話すこともすごくいいんだけども、矢晴が本当にしたかった質問がなんなのか、気になる。なにを聞きたかったんだろう……? そして、矢晴の湯冷めが、すごい。『私の知ってる湯冷めじゃない』ってほんとに私の知ってる湯冷めでもない。矢晴、でもこれまでそこまでの感じなく、ふつうにパジャマとかスウェットで寝てたじゃない……? 独りだからってやりすごしてたの……? 今日は純と寝るから予防してたのね……? 純が肌を露出して、直接体温に触れさせようとしてるのを、すごい形相になってて『……襲われるのかと思った……』って矢晴もかわいいんだけど、純の『私生まれてから今まで2次元でしか抜いたことがないオタクだから!』って言葉に蟲がベッドから降りてどっかに行きそうなところが……なになに、失望してがっかりして家出なの……? 結局この蟲なんなのよ? てか、...

いち

 24日まであと1日。 各話好きなシーンやセリフを軽くまとめてみる。その3。 【第11話】 ・最初の見開き。純に馬乗りされて裸の背中に文字を書かれる矢晴の妄想と、その泣き顔から現実でふかふかの布団で枕をかかえて泣いてる矢晴。ここ好き。 ・思考の共有全体に渡って好きだけども、『顔は見えないけど楽しそうに描いてるのがわかる』のふたりが、顔が、体格差が、表情が、好き。 ・最後の見開き! 矢晴の笑顔! 大好き! 【第12話】 ・『純にとって私はチワワ何匹分だよ?』っていう言い方が、好き。 ・『身分不相応の家でサイボーグみたいな人間に抱きしめられるのがそんなに楽しいか?』という言葉とフォントの歪みと楽しそうにふざけあってるふたりが! 好き! ・最後のページの、胎児のポーズで丸まってる矢晴と『じゃぷっ』という擬音が、すごい。 【第13話・前編】 ・『古印葵福田矢晴は』『思っていたより饒舌だ』という語り出し、回想にのせた純の語りが、好き。 ・『彼の言動から察するに』の純の目元のアップが好き。 ・『あなたの背中に目はついてない』の純の表情が好き。 【第13話・後編】 ・『けど、病症が強く出てる時は』『目を塞がれて思い出せる余裕もない紙の上の字も頭の中の字も読めない』と話す矢晴と矢晴の話を聞いてる純の表情が好き。 ・同居21日目の矢晴の話をうっとり顔で聞いてる純がかわいい! 好き! ・『私じゃ古印葵を紡げないのは私が一番知ってる』の言葉と、ふたりの表情が好き。 【第14話】 ・表紙の矢晴が、きれいでかわいくて好き。 ・『これはそのあれだ』と言い訳しながら純の漫画を読み始める矢晴が、かわいい! 読んでくれてるのが嬉しい! 好き! ・『人間ってみんなもともと子供だろ?』から『みんな死ぬまで持ってる』『君も私も』の純の話しぶりと顔が好き。かっこいい、好き。 いよいよ明日で【売れうつ】1周年〜♪ わーい。

 24日まであと2日。 各話好きなシーンやセリフを軽くまとめてみる。その2。 【第6話】 ・『納得いかない』『この世に納得いかない』と後部座席で照らされてる純の思考とその表情。好き。 ・『希望じゃあないですか』と酔った矢晴がとてもかわいい。好き。 ・『あなたの亡骸は私が拾いたいんです』『死ぬまで孤独じゃなくなる約束しませんか?』と囁く純と、その言葉に怯える矢晴の顔、セットで、とても好き。 【第7話】 ・矢晴に怯えられて、対応を考えてる純の目の動き。好き。 ・『死ぬまで独りで死んでも独りで溶けて腐る想像を毎晩する』からの一連の矢晴の思考。好き。 ・『やっとこっち見てくれた』の純の優しい顔が好き。 【第8話】 ・ぶかぶかの純のジャージ着てる矢晴がかわいい。好き。髪の毛つやつやになってるとこも好き。 ・『……おかえり』『ただいま』のふたりの穏やかな表情と、『こんな日がずっと続いたらいいですね』『そうですね…』、また眠ってしまった矢晴を撫でる純の大きな手! ここはもう大好き! ・最終ページの引っ越してきた矢晴の笑顔。かわいい、好き! 【第9話】 ・お風呂に連れて行かれて脱がされそうになってる矢晴。かわいい。好き。 ・『矢晴さんの漫画…』から『幸せになってほしい』までのシーンはかなり好き。 ・『いつもより多めに睡眠薬を飲んだ』という終わり方が続きを知ってても毎度うおおお……ってなる。好き。 【第10話】 ・味醂飲んでる矢晴のグラスをふさぐ純の手。矢晴を後ろから抱き止める純が好き。 ・ネーム見てもらってる純がかわいい。かわいい! 好き! ・ラストページ、部屋から出ていく矢晴を見送る純、純のキラキラした瞳、『まだ古印葵は死んでない』の一連が、好きだー! 3つずつ、軽く、なんて決めてしまったのを後悔する程度に、あれもこれも、な気分なのだけど。 明日は【第11話】〜。

さん

 24日まであと3日。 各話好きなシーンやセリフを軽くまとめてみる。 【第1話】 ・やっぱりここはもう冒頭から好きなシーンになる。『二年ぶりに漫画を描いた』の文字とそのページだけで、かなり好き。 ・『漫画への思いは漫画で描いて返す』って言う男前な純の表情もかなり好き。 ・『動けない』『動けない』『やっちまったのに』と泣いてる矢晴の顔が好き。 【第2話】 ・矢晴を風呂に入れ、汚れた衣服を洗いながらの『体の外側のことはいくらでも見せてよ』『内側はいくらでも隠せるんだし』と言う純が好き。 ・『今の姿を見せてやろう』から『ちゃんと面と向かって謝ろう……』の見開きが好き。 ・最終ページ、頬を染めて『望海可純です』って挨拶する純がかわいい、好き。 【第3話】 ・『なんで笑ってるんですか?』とか『真似してみたんですけどどうでした?』って純が怖くて好き。 ・『私を無様にさせるな』の矢晴、好き。 ・矢晴を引き留めるのに必死な純と、『サイン描いてくれませんか?』『今度は… 手帳に…』の純がかわいい。好き。 【第4話】 ・『純でいいですよ』の純の顔がやさしくてかわいくて、好き。 ・『掃除するんで』って怒りに燃えた感じの男前な純が好き。かっこいい。 ・『私はもうなんでもない なんにもない人なんですよ』『だから私になにも期待しないでください』『ファンって言われてももう私から新作は出てきません』『古印葵は死んだと思ってください』という矢晴の悲痛な心情の吐露と矢晴の涙がコマを超えて純の肩を濡らすところ。かなり好き。 【第5話】 ・『今まで触れられたことのない場所を触られたような…』という骨といくつもの手。この表現が素敵。 ・授賞式でスピーチしてる元気な頃の古印葵がかわいい。 ・サインもらうために走り出したコマ、かなり好き。ただこの後ちゃんと直接サインもらったのかどうか知りたい。 明日は【第6話】〜。

もうじき1周年

 年初の【第14話】から108日が経過し、去年の【第1話】の公開から361日が経過した。あと4日で、【売れうつ】1周年! できれば、1周年に到達する前に次の話が来てくれまいか、とか思ったりするけども、そうすると、23日の土曜日が、とてもちょうどいい。とは思ったりして期待する。期待してしまう。 1周年記念になにかしら、とか考えんでもないけども、私のできることといえば、だらだらと語ることくらいなので、 アンケート で得票数の多い話についてピックアップして感想を語ろうか、と考えてみたりする。とはいえ、いまのところ3件の回答で得票数の多い話は【第8話】と【第14話】になっているので、このまま回答件数が増えなければ、そのふたつになるかなーと思う。 明日からはカウントダウンを兼ねて、各話の好きな台詞とかシーンとかをまとめてみようかと思う。

ベイビー

 純は矢晴の世話をするとき、矢晴のことを子供扱いしてるのかどうか、というと、矢晴が人語を話さず呻いてるときの『食べてるところ見せてほしいな〜』『矢晴の服も皮膚も洗われたいって言ってます』なんて対応は、28歳児を相手にしてるって感じはある。でも子供相手というよりも動物相手にしてる感じもするような気もする。 おにぎり口に押し付けたり、跳ね回ったり、むしろ純の行動のほうが子供っぽい感じもあるんだけども。そこらへんの子供っぽい行動は、矢晴は「純の奇行」って思ってるのかな。 純って矢晴以外の人間にはむっちゃ出来た人間みたいな対応はしてるよなあってのと、「矢晴を慰める」とか「一人で考える」みたいなときはむちゃくちゃ頭いい、大人な感じで。 矢晴は純に慰められたり世話されたりしてる時に、純が矢晴を子供扱いしている、みたいに思うんだろうなあとは思うんだけど。矢晴が自分の世話もできなくなってて、それを全部純にやってもらってるから『赤子のように世話された』って、自分の世話すら出来ない自分が一番嫌なんだろうなあ……と思うと、純にやってもらってる現状も嫌で「純が子供扱いして世話してくる」ってところに落ち着くのかなーとか、考えてみたり。 純にとっては、矢晴を療養させる目的があるから、世話をするのは当たり前、みたいには思ってそうだけど、ただまあ、人間の尊厳を守る的なデリカシーが存在してない感じにはなっちゃってるような、気はする。純自身がそういうのを気にしてないから気が回らないのかな? 引越し当日の夜に矢晴を風呂につれてった時、さくっと服脱がそうまでしてたし。あれはほっといたらさっさか裸にして一緒にお風呂入ってたかもしらん。 『ハグしに来なよ』も「赤ちゃんだから抱っこしよー」って話じゃなくて、「独りでいないで、人肌感じてオキシトシン出そう」ってことだろうなと思うけど、矢晴が『なあ……私のこと幼児だと思ってるのか? お母さんごっこか?』っていじけてるのもかわいいんだ、これが。 むしろ、矢晴は純のことが恋愛的に好きになりつつあるのに、純にその気がなさそう、恋愛対象として見られてなさそう、って雰囲気を「幼児扱い」「お母さんごっこ」みたいに言い換えたのかなあ? とも思えてきた。 『一緒に寝る?』って言われた時の、矢晴の表情よ……。 同じ布団で寝たとして、純がすやすや熟睡してる隣で、矢晴は性的に悶々...

夢みたいに気持ちいい

 【第9話】のなかで一番好きなシーンに付随する『繰り返し読めば読むほど夢みたいに気持ちいい』と耳まで染めて言う純の、その「気持ちいい」はどんなものなのか、と考えるのだけど。 「心の誰も触ってくれないところを触ってくれる」とは言うけれど、肉体的に性的快感を得るよりも深く、脳みその快感回路を直接刺激されるみたいな状態で「気持ちいい」のかしらん? とは思ってて。 純は古印葵の漫画を読むだけで“気をやる”状態なのではあるまいか……とは、常々思っていたりする。 純は恋愛のあれそれいらなそーな子だなあ、と思ってしまうのは、そういう印象を持っているからだけども。 矢晴はもう、引っ越してきた初日から、肩を抱かれたり、かけちがえたボタンを純が直そうとしたのを「襲われる……!」みたいな感じで意識してて、純はといえば『あれれ???』と、矢晴が逃げて怯える理由にまったく思い至らない感じで。 純は矢晴の笑顔に『いっぱいこんな顔が見たい』とは思っているけど、性的にどうこうという意識は欠片も見当たらないんだよなあ……。性的興奮をもって肉体的に触れ合うという意識がないのは性的快楽を得るのは脳内で完結できるからかしら? という印象はずっと前から(それこそ最初から)あるんだけども。 ただまあ、そこまで一途なら純潔であれ! みたいなおかしな理想の押しつけをしているかも知れない、とは思っているので、純のこれまでの恋愛遍歴が明かされたらそれはそれで、と受け入れるだろうなとは思う。ううう。 そして表題に関係ない話だけど、連載作の先読み分でもって、かなりすごい展開になってきて、そりゃもうこんなものすごい展開の物語描いてる最中じゃ、息抜きといえど別の物語を描くなんてできやしないよなあ、と納得している。それはそれとして続きが読みたいけれど。

ロボット掃除機

 純の家のロボット掃除機たちはかわいい。 純の家には6台住んでるけども、まだ2階の子たちが出てきてなくて。これから矢晴が純と一緒に寝るってことで、2階で寝ることになったら、2階のロボット掃除機たちも出てきたりするかしら? と、ちょっと期待してしまう。 1階の子たちはセンサーが壊れてて人間にぶつかってくるし、俊足だし、ということだから、2階の子たちはおっとりめで品行方正だったりするのかなー? とか。1階の子たちは矢晴をガンガンに追いかけるけど、2階の子たちは行儀よく矢晴について行くみたいな感じだったり、矢晴が歩いてきたら道をあけたりとかするのかなー? とか、考えてみたりする。 あと、最近、ゴミの吸い取りと水拭きを一緒にやれるらしい機種があるみたいだから、純が衝動買いして、もうひとりふたりと純の家のロボット掃除機増えたりしないかしら? とかも考えたりする。にぎやかになりそう。

逆転

 最終的に矢晴(古印葵)が売れっ子漫画家になって、なんだかんだで病んでうつになっちゃった純(望海可純)と暮らす話になっちゃったら……とか考えてしまって。 そんな逆転現象が起こったら……と考えると、それはそれでアリ……、とは思ってしまうのだけども。 だって、タイトルは別に名指ししてるわけじゃないからさー。とか、ものごっそ無理くりなことを言ってみる。 純は自分のことを『こちとら生まれた時から図々しい人間ですからね…』とは言っていて、対外的にも明るくポジティブって感じだけども、「自分の好きな古印葵が認められてない世界」に納得いってなくてとか、それなりに繊細でそれなりに病んでてもおかしくないし。 それこそ、矢晴を立て直すことが自分の存在意義みたいに思い詰めちゃって、矢晴が元気になって漫画描いて売れっ子になってしまったら、もう自分が必要ないとか思い込んでしまったり……なんてこともあるかもしれないなあ、と想像してみたりする。 でも、純は矢晴よりも体が大きすぎて、純が矢晴を台車で運んだりソファーに移動させたりとかみたいなことは絶対できないから、そういう肉体的な世話が必要な状態にはなってほしくないなあ。

好きすぎてパート6

 【売れうつ】が好きすぎて。今日もまだ来ない……としゅーんとなっているところなのだけども。更新されてるの見つけた時のあの高揚感を味わいたくて……とか思い始めているあたり、けっこうなダメさ加減……。 今日で【第14話】の更新から104日となり、長い……、と思っているのだけど、Twitterで「ちょっと見ない間に次の話あった」と言っている方がいて、「ちょっと……?」とむちゃくちゃ羨ましい時間感覚だなと思ってしまった。軽く4ヶ月は経っているところを、ちょっと。いいなあ。 次の話の更新が待ち遠しいから、自分が【売れうつ】に対してなにを考えていたのかをざらっと読み返すついでに記事一覧を既読色(未読は紫)に染めてしまおうと、ちまちま読み返している。 あと、ブログのカスタマイズをちょこちょこと。 本文の文字サイズを少し大きくしたら、今までの記事一覧だと行間が空きすぎてて見にくくなったのと、やっぱり番号つけたくて、というので、記事一覧のフォーマットを変えた。そのまま番号だけつけたら日付の数字と近すぎて見にくかったので、空白を入れたかったけどうまく行かず。サムネイル画像が入るようにして、もともとどの記事にも画像を使ってないから代替画像を入れることで番号と日付の間にちょうどいい程度の空間を入れれた。代替画像にはフリーで使えるアイコン画像をお借りした。漫画のコマ割りのアイコンでかわいい。 記事一覧は、そこそこ便利になった感じだと思うので、活用してみて欲しい。そして、投稿時に何記事あるとか何記事目とかは把握してるけど、一覧で番号つくと、多すぎでは……? と思えてしまう。よく狂ったものだ。

処方箋

 【第13話・前編】で同居2日目の純と矢晴の会話で、矢晴の飲んでいる薬について話してて、矢晴が薬はネットで調達していると言ったのに対して純が『ネット…? 処方箋ですよね? 個人が処方箋をネットで売り買いしちゃいけませんよ?』と言っているけども、矢晴は「処方箋をネットで買っている」とは言ってないんだよなあ、とは思ってて。 医者が処方箋で処方するような薬が、個人輸入とかで処方箋なしでネットで買えてしまう、というのはあるから、矢晴も自分に処方されたことのある薬をそういう形で買い続けてるのかな? とも思う。そして純は、そういう方法があるのを知らない、という状態なのかもしれない。純の思考としては「処方薬は処方箋がないと手に入らない。ネットで処方箋・処方薬を買うなら個人売買で違法なはず」くらいの感じかしら? 「医者の処方以外で処方薬を売買するのはダメ」とかかな? ただ、輸入禁止になっている薬もあるから矢晴が買っているのが輸入禁止の薬なら、やっぱり処方箋なり処方薬を直接なりの違法な個人売買だったのかも? とも思える。 結局のところ、矢晴がどういう状態の薬を買っていたのかはわからない。曖昧。 漫画の表現として、わかりやすく、また薬の名前などを曖昧にするために「処方薬を入れるような薬袋に処方箋と書かれている」んだろうなあと思うし。矢晴がすでに何ヶ月も前に病院通いをやめているんなら、純が矢晴の部屋を片付けた時に見つけただろう薬の袋は病院に行っていた頃にもらっていたけど、ゴミに埋もれて見失っていたものだったのかなあ? とは思う。 とはいえ、矢晴はそういった薬をわりとでたらめに飲んで、さらにアルコールも飲んで、じゃ、けっこう大変なことになってそうだし、たびたびオーバードーズしてるんじゃ、アルコール依存とともに薬への依存症もありそうで。純の家に住んで断酒してのアルコールの離脱症状とついでに純に薬を飲む時間とか管理されたりしての薬の離脱症状みたいなものもあったりするのかもしれないなあ、とか思う。

類型

 純も矢晴もタイプや属性で辿っていくと、世の中の商業BLでもよく見かけるタイプのキャラクターだったりはする。 明るい髪のちょっと大柄な攻めと黒髪のちょっと小柄な受け、とか。陽キャの攻めと陰キャの受け、とか。執着する攻めと執着される受け、金持ちの攻めと貧乏な受け、とか。とかとかとか。 ふつうに多様ななかから選べてしまうくらいに似たタイプのキャラクターや物語は多くて、だからといって「ありきたり」とかではなくて。 ただ普段読んでるBLはわりとエロ特化のレーベルが多くて、そのなかでも好みも手伝って純と矢晴に似た感じのキャラ設定のを読むと、【売れうつ】本編ではどのラインまでのBLになるんだろうか、と思いを馳せてしまう。

髪ゴムとヘアバンド

 矢晴は22歳のころ漫画描くのに前髪が邪魔なのか白いヘアバンドしてて、純と行った居酒屋ではずいぶんとのびた後ろ髪が邪魔だったのか髪ゴムでまとめてて。どっちもかわいい。【第1話】の表紙も後ろ髪まとめてる感じよねえ。 純は夏頃にアシスタントとグループ通話しながら原稿やってる時に暑いのか邪魔なのか前髪を髪ゴムでまとめてて、ジョギングのときは汗対策でもあるのかなって感じでヘアバンドしてて。どっちもかわいい。 矢晴はずっと髪切ってない感じだけど、前髪はそこまでのびてない感じはするから、自分で切ってたりしたかな? 栄養と睡眠が足りてなくてそこまで髪がのびてないってこともあるかもしれないけれど。 1年後だと今よりも長くなってる感じがするから、ずっと切らないでいる感じなのかなー。栄養足りててすくすく伸びる感じかなー。 純は毎朝ヘアセットしてるみたいで、風呂上がりは前髪おりててかわいいんだよなあ、と【第12話】の矢晴の頭の中いっぱいの純を見ながら思ってるんだけども、矢晴が引っ越してきて大喜びで飛び跳ねてる純のお腹見えててズボンがちょっと脱げそうなくらい下がってて、という感じのそのラインが、あらやだえっち、って感じにエロかわいく見え。【第8話】で飛び跳ねてるとこのが露出多いけどそこまででもなく。これはやっぱり矢晴の欲目なのかしらん。 話がそれたまま終わる。

100日……

 更新間隔最長記録を更新中で、前回更新日から100日が経過。 100日、というとお食い初めか、とか思ったりもするけども、まだ純と矢晴の同居生活は1ヶ月目。 【売れうつ】が始まったときにはそこそこ未来、ちょっと未来の話だったけども、今は数ヶ月前というちょっと過去の物語になってしまった。 現実はすっかりあたたかくなってしまったけれど、純と矢晴はまだまだ寒い時期に暮らしている。 純の家は家中床暖房やらなんやらの空調完備であったかいのかなー? と思うのだけど、純のベッドでお互いの体温で暖をとるようにくっついて寝てくれたりしたらいいなーとか、早朝にふと目が覚めて、寒いからとすり寄ったりとか、布団直して寝顔眺めたりとか、「一緒に寝る」は妄想が捗るけども、正解が知りたい。 矢晴がベッドだから純も当然ベッドだろうとか思ったりしてるけど、純の身長考えると普通のベッドだと足がはみ出るのかもしれないとは思うから、かなり大きい(ロング丈とか)ベッドを使ってるか、普通のベッドを拡張してるか、みたいに思ったりもしたけど、純が和室で布団で寝てる可能性もあるんだなあ、と思い至り。布団のほうが足元の調整しやすかったりするかしら……? 純の寝室が和室だとしたら、矢晴が荒らしたクローゼットのある洋室の隣の和室が純の寝室かもしれないなあ、と思ったり。 純の家、やっぱりちょっと不思議な間取りだな……と考え始めたり。 1階の間取りはおぼろげに把握できてきた気がするけど、2階は謎空間になってるから、間取りも知りたい。

矢晴と古印葵

 純が好きなのは福田矢晴なのか、古印葵なのか。 純が最初に惚れたのは古印葵の漫画で。授賞式で生身の古印葵を見て、恋をしたと思っているんだけども。 古印葵に会いたくて、会える機会ができて、会うことができて。古印葵は福田矢晴だと知ったけど。 純の認識のなかでは、古印葵=福田矢晴になったかと思う。 矢晴は、古印葵という名前を捨てた、古印葵は死んだと思え、と言うけれど、純は『まだ古印葵は死んでない』と確信できて。 矢晴にとって古印葵は漫画家としての名前でしかなくて、別段古印葵という人格があるわけでもないのに、純にとって福田矢晴=古印葵だから、矢晴がなにをしてもなにを話しても「憧れの古印葵のすること、話すこと」になっちゃってるんだよなあ。 矢晴は上薗純に恋し始めてるけど、望海可純に恋してるわけじゃなくて。純は矢晴が古印葵だから好きで恋してて? 矢晴の笑顔とかかわいいって思ってるけど、「古印先生の笑顔かわいい」なのかもなあ、とは思えるし。 と、ずっと考えてても、やっぱり矢晴と純と古印葵の三角関係にしか思えず、純の好意を矢晴は素直に受け取ることが出来ないし、純自身も矢晴じゃなくて古印葵に向かってそうな雰囲気だし。 純は「古印葵を忘れない、覚えてる、守りたい」って気持ちからの行動だから「矢晴は古印葵じゃない」なんてことは絶対に言わないだろうし言えないだろうし。 1年後に矢晴は古印葵として復活を遂げるのは確定してるけど、矢晴が古印葵の名前も漫画も捨て去る方向に行った場合の純はどうなっちゃうんだろう……? とかも気になったりする。

無理矢理

 純は矢晴をゴミ屋敷での生活から「引っ張り出した」「引きずり出した」ことを「無理矢理」と表現しているから、矢晴が拒否してたけども純が強引に引っ越しをさせた、という認識になっているのかなー? と、ふと思い。 純の説得はかなり強引、傲慢ではあったし、矢晴自身が純の助力を懇願したわけでもないし。ただ、矢晴がどれだけ拒否したとしても、環境のいい場所で療養させるために、という気持ちはあっただろうし、実行に移したし。 矢晴自身は『私は1週間前この家へ半ば強引に転居させられた』と、わずかばかりは同意してたけど、純に無理矢理、といった雰囲気は醸し出している。 ふたりの共通認識としても、「純が矢晴を無理矢理同居させた」になるんだなあ、と思うのだけど、矢晴が「半ば強引」というわけだから、残りの半分はなんだったんだろう……? とかも気になってきた。 残りの半分は矢晴の『ここで死ぬならいいかもな』という気持ちになるのかしら? 純は矢晴を助けてやった的に恩着せがましくするところがないからとても好き。純自身は矢晴に無理言って同居してもらった、って認識になるんだろうなあ、と思うのだけど。同居初日に『全部 私のわがままだと思ってください』『気負わないでください』って言ってて、同居1年経っても『あんな生活から無理矢理引っ張り出してよかった…』って言ってくれてるし。 純が強引に矢晴に関わってくれなかったら、矢晴はあのまま漫画もやめてただろうし、生きることもやめちゃったかもだったし、というのを考えると、純が強引な子で良かったよーーー! って気分になる。 して、『一緒に寝る?』は矢晴を純のベッドに強引に引きずり込む感じだったりするのかね? ドキドキ……とか思ったりするけど、そういう方面で矢晴に対して強引になにかする子じゃないな、純は。

好きすぎてパート5

 【第14話】からこっちの更新までの間が長いというのもあってか、二次創作を多くしてしまって、この調子ではラベルメニューの表示順を件数の多い順にしているから、「単話感想」を追い抜いて一番に表示されるようになってしまうな……と、悩みつつ、またひとつ二次創作を考えていたりする。 今、記事数が479あって、もうじき500。今は1〜2日に1記事程度のゆっくりめで、「こんな感じのふたりが見たいよう」っていう欲求を二次創作でどうにかこうにかしてる感じではある。 土曜日に更新されると決まっているわけではないけれど、比較的土曜日更新が多かったので、土曜日が近づくとソワソワしてしまう。今日で96日経過しているから、100日以上経過する前に更新来ないかなーと身勝手に期待しちゃうんだけども。 やっぱり、この、『一緒に寝る?』がどんなふうになるのかが、とてもとても気になるわけで。作者さんが本業作品のコメントでちらっと言ってたアイテムが、【売れうつ】用なのか作者さんの私生活用なのか……というのも気になってしまう。 早く次の話が読みたーい!

……マシン

 純は『私は漫画のルーブ・ゴールドバーグ・マシンを考えてるだけ』と言ってて、自分の漫画で感動することはないと言う。 ルーブ・ゴールドバーグ・マシンってのは「連鎖反応するからくり、機械装置」で、エンタメ的なルーブ・ゴールドバーグ・マシンはピタゴラ装置になるらしいけども、純の漫画のルーブ・ゴールドバーグ・マシンってのは、どんな感じなんだろうかなあ? もともとのルーブ・ゴールドバーグ・マシンってのは、「簡単にできることを敢えて複雑なからくりで実行する機械」らしいけども、純の言う「漫画のルーブ・ゴールドバーグ・マシン」ってのは、伏線の張り方とかキャラクターの言動とか状況の設定とかになるのかなーとは思うのだけど。あと、どんな演出にしたら盛り上がるとかかなあ。 「面白い漫画」にするための「複雑なからくり」とか、そんな感じかなあ? とは思うのだけども。それに使う手法は、純の能力で分析できた漫画からの再現だったり? とか考えてみたりする。 そういえば、【第9話】で純は『矢晴さんの漫画〈だけ〉分析しきれなくて再現できない』と言って、矢晴はそれに対して『〈だけ〉?』『だったら〈他全部〉は――』と考えて追い込まれてくけども、「この世の全ての漫画を読む」なんてこと不可能だろうから、「純の観測範囲で」という注釈が必要だよな、と思ってしまう。 そしてついでに、矢晴は『分析できた作品って自分の漫画で手法(メソッド)を再現できるんですか?』って聞いてるけど、やっぱり「自分の作品に手法(表現方法)を取り入れる」って創作物全般ごくふつうのことだなあ、と思うから、矢晴の言葉と思考が乖離してるのかもなあ? みたいに思い始めた。 「純が他人の漫画を分析できる・矢晴の漫画だけは分析できない」の分析能力がどんな感じのものなのか、とかが矢晴の関心事になってたりするかしらん?

■【売れうつ】の二次創作(23)(小説)

 古印葵が死んだ世界の無責任なモブたちの会話。 ■

 葵、という名前は、天竺葵(ゼラニウム)から来ているのだろうなと。作品設定の際には、赤いゼラニウムの花言葉が先であろうかとは思うのだけども。 矢晴は純に『恋愛漫画ばかり描くから花の名前がいいかなって思っただけで…』と言っていたり、『そーゆぅ話ばっか好きなんです、んでまんまはダサいからOとA入れ替えて…』と言っていたり。 アナグラムで文字を入れ替えたら、花の名前になったからそれにした。ということになるのだろうか。 純は矢晴の部屋にゼラニウムのディフューザーを置いている。香りの効能も矢晴に合うものだと思うのだけど、効能から選んだのか、名前から選んだのか、ということを考えるとちょっと楽しい。 「葵」という言葉は「太陽のほうに向かって成長する植物」ということらしいので、「向日葵」は重複表現なのではないか……と、思ったりもした。ただの「葵」と「天竺葵」は別種のようで、また、葵と名のつく花も多種あるようで、どこらへんをどう絡めたもんかと考えると、こじつけ以外のなにものでもない状態になるな……と思う。

91日……

 期待してみたけれど、やっぱりさすがにこんなに早くは来ないよねー! って感じで、この土曜日には更新はなく。更新間隔の最長記録をどんどんのばしている。3ヶ月経っちゃった。 本業の連載も単行本作業のために休載ということなので、けっこうなロスを感じてしまいそうだなと思ったりもする。 先日設置したアンケートは2名の方が回答くださって、私の回答分と合わせて3件の回答となっているけども、けっこう見事に選択がバラけていて、とても興味深い。たくさんの回答が集まったらうれしいなと思う。1問目のみが回答必須(1つ以上チェック)で、あとは無回答でもOKなゆるゆるアンケートなので、お気軽に〜。 【第15話】がどんな話になるんだろうとちょいちょい想像したりするけども、【第14話】までがほのぼのライフと言われていたから、これまでとちょっと趣が変わるんだろうなと思ってはいるけども、なかなかどうして、想像が難しい。 いきなり地獄巡りが開始されるとも思えないけど、矢晴の思考は常に地獄巡りしてるようなものだから、そっちでずぶずぶ沈んでいっちゃうのかしら? 「最低限度の一線」が「人間としての尊厳」の話ではなくてふたりの関係についての一線だったりするんだろうか。純と矢晴は同じベッドで仲良く寝たりするのだろうか。 とかとか、いろいろずっと考えてて、なまじ次の更新まで時間があって色んなパターン考えて下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる、みたいな感じで1つくらいは当たるかしら……? とかも思ったりするけど、んーー……。 前回の更新が日曜日だったから、日曜に来たりするかしら〜、どうだろ〜。と期待して報酬系を刺激してしまう。期待するのが楽しい依存体質だから。

愛しい人

 純にとって矢晴は生涯かけて愛しい人なんだろうかな、と、【第14話】のタイトルを眺めて考える。 純が矢晴のことを「君」と呼んだことにえらいこと滾ってしまうのも、「君=恋人、愛しい人」という印象を持っているからではあるけども。 「ベイビー」と相手に呼びかけるのであれば、それは「愛しい人」「私の愛する人」といった意味合いになるわけだし。 純の話した『人間ってみんなもともと子供だろ?』『子供の性質は人間の持って生まれた性質だよ』『性質は成熟過程で薄まりはしても消えはしない』『みんな死ぬまで持ってる 君も私も』というのはタイトルの【一生・ベイビー】で、「人間は一生赤ちゃん(子供)」であろうけども、純の矢晴への気持ちだったりするでしょ? でしょ? と、押し付けていきたい気持ちになる。純にとって矢晴は「mon bébé」でしょ! ねえねえ! と、どんどこ勝手に盛り上がっていくのだけども、今のところ、純から矢晴への恋愛的な感情って巧妙に隠されてるんだよなあ……。矢晴から純への恋愛的な感情は矢晴が曖昧にしたいくらいにどんどこ盛り上がっていってるけども。 純が矢晴のことを好きって言っても、どうしたって間に「古印葵」がはさまるし。矢晴は素直に受け取れないだろうし届きそうにない気がするし、読んでる私も、「それは矢晴がということなのか古印葵がということなのか」と悩んじゃうような感じだからなあ……。 純は「矢晴の外見がかわいくて好きで、古印葵として描き出す世界が好き」なだけだとは思うのだけど。

■【売れうつ】の二次創作(22)(小説)

矢晴のバイトがこうだったらいいなというもしもの話 の続き。5つめ。 前の話は二次創作(2)(5)(8)(9)。  ■

今月で

 【売れうつ】の【第1話】の投稿日が2021年4月24日なので、今月24日で、1周年! ということに。 序盤の投稿ペースがものすごい短期間で怒涛のように、だったところから、本業が忙しくなりということで、ゆっくりめのペースとなって、不定期連載、均せば月刊くらいになるだろうか。 純と矢晴の同居生活はまだ1ヶ月だけども、純と矢晴の物語の連載は1周年。わーい。